どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

おやちゃい坊主の「わんぱく相撲」春場所(無色版)

 

テン♪テテン♪テテテテン♪

5月5日こどもの日🎏

 

今日はおやちゃい坊主たちの

かわいいわんぱく相撲

「おやちゃいわんぱく相撲」の春場所が開催されたそうじゃ♪

 

テン♪テテン♪テテテテン♪

おやおや♪

これまたかわいらしいのぼりが立ててあるのう~♪

 

それではさっそく!

みんなで

「おやちゃいわんぱく相撲」の様子を見てみようかのう~

実況は誰かというと・・・

かっかっかっかっか♪

みんな誰だかわかるかな~?

こんな笑い方をしてるからといって

ナイトショップ「ふくろう」の

おじさんではないぞ~?

わしじゃ♪

陸前高田市高田松原にある

「希望の一本松」に宿る精霊の

「一松 海之助」おじさんじゃ♪

今日は「おやちゃいわんぱく相撲」の実況と行司の助っ人じゃ♪

かっかっかっかっか♪

 

さあ!

みなさん!

寄ってらっしゃい♪

見てらっしゃい♪

世にも珍しい♪

「おやちゃいわんぱく相撲」だよ~♪

かわいいおやちゃい坊主たちの

わんぱくな相撲が観戦出来るのは...

「西郷虎之助の七転八倒」だけじゃ♪

観戦料は無料じゃぞい♪

さぁ~さぁ~♪

集まった!集まった!

おやちゃいわんぱく相撲の決勝戦

はじまり♪はじまり~♪

テン♪テテン♪テテテテン♪

 

にぃ~~いぃ~~しい~ぃ~い~♪

たまさぶろう山ぁ~~♪

海之助

「おやちゃい坊主の中で一番相撲が強く力持ち!

タマネギのたまさぶろうじゃ♪

ちょっぴり頑固者で負けず嫌い、以外にもおやちゃい坊主の中では泣きベソくんだったりもするのじゃ♪」

 

 

ひがぁ~~あぁ~しい~ぃ~い~♪

そうたろう海ぃ~~♪

海之助

「お次はおやちゃい坊主一の正直者!

ほうれん草のそうたろうじゃ♪

たまさぶろうの次に相撲が強くて力持ちじゃが、優しい性格で弱いものいじめは絶対に許さない、決して皆の前では涙を見せない男気ある子なのじゃ♪」

 

 

 

さぁさぁ見あって見あってえっ!

待ったなしの一本勝負じゃ!

うり坊

「わぁ~~い!

たまさぶろう~!そうたろう~!

がんばれ~~!!」

海之助

「おやおや

赤瓜(トマト)のあお坊主こと

うり坊じゃ

喜怒哀楽の激しいわんぱく坊主じゃ

おやちゃい坊主5人の中ではリーダー格の存在じゃ」

 

とん吉

「ふんっ!

たまさぶろうにやられてしもうたわい!

わいは相撲なんか大っ嫌いじゃ!

どっちも頭ぶつけて大泣きしろい!」

海之助

「おやまぁ~・・・

こちらは獅子唐辛子&ピーマン、一人二役の、とん吉じゃ!

ひねくれ者であり、皆の意見に逆らう我が道を行く派じゃが、本当はさみしがり屋で怖がりの臆病者じゃ♪」

 

いもさく

「たまさぶろうかんばるだぁ~♪

え~~~っと・・・

やっぱりそうたろうもかんばるだぁ~♪

あ・・・え~~っと・・・

ふたりともかんばるだぁ~♪」

海之助

「最後は40歳以上なら聞き覚えある名前、ジャガイモの

いもさく君じゃ♪

のんびり屋でおっとり君であり、皆の意見に逆らう事なく相手の意見に全てを委ねて行動する子分肌じゃ♪いつも鼻水をたらしているが、風邪ひいてるわけではないのじゃぞ♪」

 

海之助

「かっかっかっかっかっか♪」

こ・れ・が♪

個性豊かなおやちゃい坊主たちじゃ♪

みんな今日は力強く廻しを締めての晴れ舞台♪

無邪気に相撲をとってる姿がなんとも健気じゃのう~♪

 

海之助

「さぁ~時間いっぱいじゃ!

待ったなしの一本勝負!

ふたりとも見あって見あってぇ~♪」

 

たまさぶろう

「お・・・おいどんは・・・!

ま・・・負けんでごわす!!」

海之助

「おやちゃい坊主で一番相撲が強いたまさぶろう!

ここは絶対負けられない!

何が何でも横綱になるぞ! 

全力でぶつかれ!!

必勝のうっちゃりじゃ!」

 

 

そうたろう

「ぼくも負けないでがんす!

正々堂々勝負でがんす!」

海之助

「勝負は正々堂々!

勝っても負けても悔いは無し!

負けても泣かないそうたろう!

おもいっきりがんばれ!

突き押しと上手投げが得意じゃ!」

 

 

たまさぶろう

「お・・・

おいどん・・・!

負けんでごわす・・・!

ご・・・ごわす・・・!」

海之助

「おやおや・・・?

たまさぶろう・・・

横綱へのプレッシャーか!?

かなり緊張気味な様子・・・

大丈夫かいのう~・・・」

 

たまさぶろう

「う・・・う・・・う・・・!

お・・・おいどん・・・

う・・・

うんちがしたくなったでごわす・・・!」

海之助

「はっきよ~~~い・・・!」

「のこったぁ!!」

 

「ぷっ♪」

「ぶりっ!!💩」

 

たまさぶろう

「あ・・・・!!!」

海之助

「あらら・・・」

 

おやちゃいわんぱく相撲の決勝戦

たまさぶろうの◯◯◯で大失態になったとさ・・・

 

海之助

「良いのじゃ良いのじゃ・・・♪

失敗は誰でもある事、虎之助だってやってしまったのじゃから...

おやちゃい坊主はみんな仲良し♪

きっと笑って見過ごしてくれるじゃろう♪」

 

とん吉

「ふんっ!

冗談じゃないわいっ!

たまさぶろうの奴クソ漏らしてわんわん泣きやがって!!

臭いしうるさいしたまったもんじゃないわい!」

 

最後は散々だった

おやちゃい坊主のわんぱく相撲

失敗したって泣いたって

いいんだよ!

みんなが仲良く元気に過ごせば 

それで良し。

 

デッサン#1

デッサン#2

3.11~風のゆくえ~(第2話)「父親の大きな背中と牛乳石鹸」

これは

陸前高田市に住む

ある4人家族のおはなしです

 

大森武志

独立軽運送会社を営む36歳、学生時代は野球部に所属し、グラウンドで夢を追いかけていましたが、万年補欠でレギュラーにはなれず、大きな体格に力持ち、だけどちょっぴりお人好しで頼りない一面を持つ、一郎の良き父親、趣味は息子とのキャッチボール

 

大森和恵

イオンでレジのパート勤務の30歳の主婦、武志が正社員勤務をしていた頃に出会い、あれよあれよという間に結婚した、サッパリとしていて気が強い性格、時に頼りない武志を支える、料理の腕は今一つで姑の幸子に助けられている、趣味はカラオケで学生時代ファンだった安室奈美恵をよく歌う。

 

森一郎

大森家の長男の9歳、父親ゆずりのわんぱく坊主であり、野球が大好きな男の子だけど、ひとりっ子であるが故に甘えん坊なところもある、母・和恵が口うるさく厳しいのもあり、温厚な武志にばかり懐いている根っからのパパっ子、武志に似てスポーツは得意だが勉強は苦手である、将来の夢は野球選手

 

大森幸子

武志の母、60歳還暦だけどまだまだ元気いっぱい、ウォーキングを日課にしている、家庭菜園が趣味で庭で無農薬の野菜を育て、夕食の献立に役立てている、料理の基本は(さしすせそ)との教えで煮付けの味付けは真似できない程の腕前、梅干しや白菜漬けも熟練された味付けでご近所さんからも大評判、五木ひろしのファン。

 

とても個性豊かな4人家族は...

毎日ドタバタな日常を過ごしながらも幸せに暮らしていました...

 

そう...

あの日が来るまでは...

 

3.11~風のゆくえ~(第2話)

「父親の大きな背中と牛乳石鹸

アナログ放送

 

文・ヘタなイラスト

とらのすけ

 

おはなし・語り

森ノ風九朗

(ナイトショップ・ふくろう店主)

 

 

大森家の夜・お風呂場

 

 

バシャーーン・・・!

ザバァーーー・・・!

キャハハハハハ!

ワッハッハッハッハッハ!

 

大森家のお風呂場小窓から...

楽しそうな親子の笑い声が聞こえてきます...

 

武志

よぉーし!じゃあ一郎!

父さんの背中洗ってくれるか?

 

一郎

うん!いいよ!

お父さん背中向けて!

 

木造2階建ての古いたたずまいの家の小窓から...

楽しそうにお風呂に入っている親子の笑い声と...

モクモクと曇のような湯気が...

 

暗い夜空へと...

静かに消えていくよう...

 

三日月おつきさまと...

キラキラおほしさまたちは...

そんな暖かい2人を優しく見守っていました..

 

武志

「よっこらしょっと!」

 

武志はたくましい大きな体を下ろし...

風呂椅子にお尻をのせて座り...

一郎に背中を向けました...

 

一郎

「お父さんは牛乳石鹸でいい?」

 

武志

「おう、そうだぞ~!

牛乳石鹸で洗ってくれよ~!」

 

一郎

「わかった!牛乳石鹸だね!

ちょっと待っててね!」

 

一郎は牛乳石鹸を手に取ると、ナイロン製のボディタオルに乗せてゴシゴシと馴染ませました...

 

武志

「お!良い香りがしてきたなぁ~」

 

一郎

「お父さんは牛乳石鹸が好きなんだよね!お母さんが使ってるビオレUはキライであんまり使わないんだよね!」

 

武志

「父さんは子供の頃から牛乳石鹸で体洗ってたから、ビオレUみたいなボディソープはヌルヌルしてるから嫌なんだよなぁ~」

 

一郎

「僕も牛乳石鹸大好き!

青い箱のやつ!良い香りするもんね!」

 

武志

「牛~乳~石鹸♪良い石鹸♪」

 

一郎

「アハハハハ!父さん変な歌!」

 

武志

「これはな父さんが子供の頃な、牛乳石鹸のコマーシャルでこの歌がテレビで流れてたんだぞぉ~」

 

一郎

「ふぅーーん・・・

僕、知らないや、聴いたことないもん!」

 

大森家の風呂場には...

昔から必ず牛乳石鹸が備えてあった... 

洗面所の棚には牛乳石鹸の青箱がいくつも置かれてあり、お風呂場の石鹸が小さくなると、棚から新しい箱から石鹸を出すと... 

真新しい牛乳石鹸のあの優しい香りを嗅いだりしたものである...

 

一郎にとって...

牛乳石鹸は幼少期から父親と一緒にお風呂に入った記憶として忘れることの出来ない...

思い出の香りになっていた...

 

一郎

「よーし!泡のソフトクリームが出来た!お父さんいくよ!」

 

武志

「おう!よろしく!」 

 

ゴッシ!ゴッシ!

ゴーシー!ゴーシー!

ガッシ!ガッシ!

ゴーシュー!ゴーシュー!

ガシガシ!ゴシゴシ!

 

一郎

「うんしょ!こらしょ!」

 

武志

「ハッハッハッハッハッハ!!

何だかくすぐったいなぁ!!

一郎!もっと強く擦ってくれないと背中の垢が落ないぞ~~!」

 

一郎

「えぇ~~~!?

そんなぁ~~!!

僕...めちゃくちゃ強くやってるんだよ~~?」

 

武志

「だーめ!だーめ!

もっともっと!強くやらないと!

キャッチボールしてやらないぞぉ~~~!」

 

一郎

「やだいっ!

またお父さんとキャッチボールするんだもんっ!!

えいっ!えいっ!えいっ!」

 

武志

「一郎がんばれー!

父さんの息子だろう?

男の子なんだからしっかりしろ!」

 

一郎

「うんしょ!うんしょ!

ハァ...ハァ...ハァ...ハァ...!

えいっ!えいっ!えいっ!」

 

ガシャ!ガシャ!ガシャ!ガシャ!

ガシガシガシガシ!!

ゴシゴシゴシゴシ!!  

 

武志

「おっ!

良い感じになってきた!

一郎!気持ち良いぞ~!」

 

一郎は...

父親、武志の広くたくましい背中を一生懸命に洗いながら思いました...

 

お父さんの背中って大きいなあ...

広いなあ...たくましいなぁ...

お父さんって優しくて...

強くて力持ちだもん!

時々怒られたりするけれど...

 

一緒にキャッチボールしてくれる!

お父さん...大好き!

 

一郎にとっと父親は...

優しく強くたくましく

3拍子揃った頼れるスーパーマンのように偉大な存在なのでした...

 

 

一郎

「うーん!うーん!えーい!

ハァ...ハァ...もうダメだぁ...」

 

武志

「ハッハッハッハ!

どうした一郎!

もうギブアップか?

だらしないなぁ~♪」

 

一郎

「ハァハァ...ハァハァ...

だって...ハァハァ...

お父さんの背中...大きすぎるんだもん...ハァハァ...ハァハァ...」

 

武志

「ハッハッハッハお疲れさん!

じゃあ今度は父さんが一郎の背中洗ってやるからな~♪」

 

一郎

「えぇ~~~~!

お父さんの痛いもん...

あんまり強く擦らないでよ~?」

 

武志

「男の子がなーに弱音吐いてんだ、ほら一郎、椅子に座って背中向けるんだ、ほら...」

 

一郎

「う・・・

う~~~~ん・・・」

 

 

一郎は父親にボディタオルを渡すと、恐る恐る椅子に座ります...

そしてそのボディタオルを手にすると、武志は一郎の背中を...

 

力いっぱいに擦ります・・・

 

ガシッ!ガシッ!ガシッ!ガシッ!

 

一郎

「痛いっ!痛いようっ!

お父さん!もっと優しくやって!」

 

武志

「痛くない、痛くない!

男の子なんだから我慢しろ!」

 

一郎

「嫌だよもう~~!

お父さん痛い~~~!」

 

武志

「ハッハッハッハ!

情けないこと言うな!

背中は垢が溜まりやすいからキレイにしておかないとダメなんだぞ!

はい!終わり!一郎!今度は立って!」

 

一郎

「えぇ~~~・・・!

またアレやるの~~~!?」

 

武志

「そりゃあ当たり前だろう!

汚れてるんだからしっかり洗わないとな!」

 

一郎

「お父さん...

僕...恥ずかしいよ...」

 

武志

「恥ずかしいもんか!

男同士なんだから!」

 

武志は一郎を椅子から立たせると...

ボディタオルを一郎の股の間に入れ....

ゴシゴシと擦り始めました...

 

一郎

「キャッ!くすぐったい!

ギャハハハハハハッ!!」

 

武志

「こことな!

お尻の穴はバイ菌だらけだから毎日しっかり洗うんだぞ!」

 

一郎

「ヒャハッハッハッハッハ!

お父さんくすぐったいよ~!!

恥ずかしい~~~!!

もうやめて~~~笑!!」

 

武志

「ハッハッハッハ!

男の大事な所だからな…

終わったら一郎、父さんのも洗ってもらうからな~♪」

 

一郎

「えぇぇぇぇ~~~~っ!!!

お父さんの僕が洗うの~~!?」

 

武志

「当たり前だろう!

親子なんだから!!」

 

一郎

「えぇ~~~・・・

お父さんの・・・

ウインナーみたいなんだもん...」 

 

武志

「一郎もあと数年すれば、父さんみたいに立派なウインナーになるからな~♪」

 

一郎

「僕そんなんならないもーん!」

 

武志

「ハッハッハッハ!

中学生になればすぐなるぞ~

ほれ!一郎!父さんと交代だ!」

 

一郎

「うんっ!僕お父さんのウインナーとお尻の穴洗ってあげるからね!」

 

武志

「ハッハッハッハ!

一郎は良い子だな!

さすが父さんの息子だ!」

 

武志と一郎が...

楽しそうに笑っていると...

洗面所から...

 

和恵

「たけし~

お風呂まだあがらないの~?」

 

母親の和恵が武志にお風呂の磨りガラスのドア越しから声を掛けます...

 

武志

「え~・・・と・・・

あと5分くらいかなぁ~~・・・」

 

和恵

「あんまり長湯するとのぼせちゃうわよ~~・・・

夕飯冷めちゃうから早く出てね~」

 

武志

「は~~い♪了解で~す♪」

 

和恵

「一郎~?

湯船に浸かって10数えたら出るのよ~・・・?

わかった~~~・・・?」

 

一郎

「はぁ~~~~い!

今お父さんのお尻とウインナー洗ってるからちょっと待っててね~♪」

 

和恵

「ウインナ~・・・?

・・・ってちょっとお!!

たけし!一郎に変なこと教えないでよね!!」

 

武志

「ち・・・ちがうよ~・・・!

一郎とウインナー食いたいな~って話してたんだってば!」

 

和恵

「もう!

何がウインナーよ!!

馬鹿じゃないかしら!」

 

幸子

「まぁまぁ和恵さん...

良いじゃないの...

父親と息子なんだから...」

 

和恵の声を聞いた姑の幸子がやって来て言いました...

 

和恵

「やだお義母さん~・・・

聞いてたの~~~~・・・?」

 

幸子

「たけし、一杯だけビール

出してあげるから、早くお風呂出なさい、長湯は血圧に悪いですよ...」

 

武志

「おふくろ!本当か!?

いやっほうー♪♪

ビールだ♪ビール♪」

 

和恵

「もう~~・・・

お義母さんったら甘いんだから~・・・」

 

幸子

「和恵さん...

夫に我慢を無理強いさせるのは夫婦仲に毒なのよ...

一杯ぐらい許してあげましょう...

ね...?」

 

和恵

「しょうがないなぁ~・・・

一杯だけ許してやるか・・・」

 

幸子

「ありがとうね...和恵さん...」

 

和恵

「いえいえ...

お義母さんには普段からお世話になってますから...」

 

幸子

「一郎ちゃ~ん!

早くお風呂出なさいと...

おはぎあげませんよ~~♪」

 

一郎

「わぁ~~~~!

待っておばあちゃ~~ん!

お父さんのお尻とウインナー洗ってお風呂に浸かって10数えたらすぐ出るから~~!」

 

幸子

「フッフッフ・・・!

ウインナーですって!

可笑しい・・・!」

 

和恵

「お義母さんったらもう~~・・

そんな笑わないでよぉ~~・・」 

 

幸子

「ほんと...

幸せねぇ...

天国のおじいさんにも一郎の健気な声を聞かせてあげたい...」

 

和恵

「お義父さん....

一郎が生まれる前に亡くなったのよねぇ・・・

生まれてくるのずっと...

楽しみにしてたのに・・・」

 

幸子

「そうねぇ...

せめて一度だけでも...

抱っこさせてあげたかったわねぇ....」

 

一郎

「いーち・にーい・さーん・しーい・・・」

 

和恵

「あ、一郎が10数えだした!

お義母さん、あたし...

たけしと一郎の下着とパジャマ持ってくるね!」

 

幸子

「ええ...

わたしはおじいさんにおはぎをお供えしてきますね...」

 

そう言いながら..

和恵と幸子は洗面所を後にました...

 

一郎

「しーち・はーち・くーう・じゅう!!」

 

武志

「よぉーーーしっ!

一郎出るぞーー!!」

 

ザバァーーーーーーッッ!!

 

一郎と武志が湯船から出てくると...

お風呂場のドアがガラガラと開き...

洗面所は2人からあがる湯けむりに包まれます...

 

そして武志はバスタオルを棚から取り、一郎の体を拭きます...

 

一郎

「あーーっ!

お父さんのウインナーから湯気が出てるー!!

シャウエッセンみたいーー!!」

 

武志

「ハッハッハッハ!

父さんのウインナーはシャウエッセンかぁー!いいなぁー!立派だなぁー!

一郎のウインナーも湯気が出てるぞー!」

 

一郎

「アハハハハハハ!

僕のウインナーはねぇ~・・・

まだ小さいからお弁当に入ってる赤いウインナーだね!」

 

武志

「一郎のウインナーは丸大ウインナーかー!!

アッハッハッハッハッハ!!」

 

一郎

「ギャハハハハハハ!!

丸大ウインナーだって!」

 

ちょっぴりふざけた父と子の会話が湯気と一緒にお空へと消えてゆく...

 

3日月お月様と...

キラキラおほしさまは...

そんな他愛のない親子の笑い声をきいて...

クスクスと笑っているのでした...

 

 

幼き頃...

父親とお風呂に入った時...

このような経験をした男性は...

少なからず記憶に残っている方も居るのではないだろうか...

 

やがてその少年だった男の子も...

今では父親になり...

我が子とお風呂で背中を流し合っている方も居ることでしょう...

 

幼き頃に見た父の背中は...

とても大きく...

たくましく見えたもので...

 

おんぶをしてもらったり...

肩車をしてもらったり...

 

やがて子供は大きくなり...

父親から離れ...

おんぶをしたり...

肩車をしてもらった記憶も...

大人になるにつれて薄らいでゆく...

 

 

そして...

長い年月が経った頃...

 

ふとした時に...

父親と過ごした幼き日々を思い出し...

2度と帰らぬ...

懐かしき父親の大きな背中が...

愛しくなり...

 

涙する...

 

 

 

 

第3話へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.11~風のゆくえ~「夕暮れのキャッチボール」

 

まだ誰もいない...

暗い朝の夜明け前...

 

小さく輝いているお星さま...

ぼんやりと光るお月さま...

まだ夜明け前の広い広い砂浜を静かに照らしてくれています...

 

波の音が優しくきこえ...

ほんのりと海のにおい...

だけどここからはもう海辺は見えない...

月明かりの影になって見える黒い防波堤...

きれいになったこの砂浜を守るために造られたんだ...

 

そして...

風もない中...

見えてきた...

 

一本の長い松の木...

 

命の大切さ

命の力強さを

伝えながら...

 

奇跡の一本松は

今日もここへ訪れてくるみんなを

優しく微笑みかけ...

慰めてくれます...

 

 

「3.11~風のゆくえ~」

第1話

「夕暮れのキャッチボール」

アナログ放送

文・ヘタなイラスト

西郷虎之助

 

語り

森ノ風九朗

(ナイトショップふくろう・店主)

 

 

2023年 3月11日

 

まだ夜明け前の暗い中

陸前高田市にある高田松原

「奇跡の一本松」へと歩いて向かっている一人の男がおりましたとさ...

 

髪を短くスポーツ刈りのような頭に...

大柄な体格をした風浪で...

まだ21歳という若さとは裏腹に... 

 

後ろ姿は恰幅がある中年男性のように見えるのでした...

 

男の名は

「大森一郎

どうやら大学生のようです...

 

さて...

一郎君は...

まだ寒い3月の夜明け前...

「奇跡の一本松」へ...

どんな想いを抱いてやってきたのでしょうか...

 

 

では...

12年前を...

ちょっぴり見てみましょう...

 

 

12年前 2011年

 

日暮れの日曜日...

あかね色に染まってゆく公園のグラウンドで...

父親と男の子が仲良くキャッチボールをする姿が見えてきました...

 

「いくよー!おとうさーん!」

 

「よっしゃ!こい!」

 

「えいっ!」

 

「スパーーーンッ!」

 

「いいねぇー!ナイスボール!」

 

「とうさん!早くー!」

 

「いくぞー!こいつはどうかな?」

「そりゃっ!!」

 

「うわっ!」「スパーーーンッ!」

 

「おっ!一郎よく取った!えらいぞ!」

 

「ヘッヘーン!すごいでしょ~!」

 

 

 

日が暮れれていく中...

公園のグラウンドにキャッチボールをする親子の楽しそうにはしゃぐ笑い声と...

グローブでボールをキャッチした音がスパンッ!と響き、2人の影も...

だんだんと長く伸びてきます...

 

太陽が公園の周囲に建っている住宅街の家に隠れ...

グラウンドが暗くなり...

父親が男の子に言いました...

 

「一郎!もうそろそろ暗くなるから帰るぞー!」

 

「えーー!あと10球だけー!」

 

「ダメダメ、今日はこれでお終いお終い!また来週な!」

 

「ヤダッ!あと10球だけ!!」

 

そう言って男の子は父親にボールを投げます...

 

「わっとぉっ!」

「スパンッ!!」

 

「とうさーん!早くボール!」

 

「まったく...しょぅ~がない奴だなぁ~・・・あと10球だけだぞぉ~?」

 

「うんっ!!」

 

男の子は夕暮れに染まったあかね色の顔でニッコリ笑顔を見せながらグローブを構えました...

 

「よぉーーーし!強くなげるからなぁーー!!

いくぞぉーーーー!!!」

 

「さぁこいっ!!」

 

夕暮れの公園で親子が仲良くキャッチボール...

よくある当たり前の光景...

 

これが当たり前なんだ...

ずっと...

ずっと続くんだ...

きっと男の子は...

父親の背中を見てそう思ったことだろう...

 

約束の残り10球のキャッチボールを終えた親子は...

ようやく公園を後にして帰路につきました...

 

父親が男の子の頭に手を添え...

優しく撫でている...

きっと今日の成長を喜んでいるだろう...

息子もたくましくなったなぁ...と...

 

 

父親の名は

「大森武志(たけし)」

独立軽運送会社を営む36歳

 

学生時代は野球部に所属していた根っからの野球少年でした...

しかし...

万年補欠で一度もレギュラー

にはなれませんでした...

 

ですが、息子の一郎は...

そんな父親をかっこ悪いなんて思いません...

 

大柄な体格で力持ち...

頭は少してっぺんが薄くなってきたけど短く刈り上げて男らしくてかっこいい、堂々として隠したりなんてしない

子煩悩であり、休みの日にはキャッチボールをしてくれる...

怒るとすごくこわいけど...

 

一郎は...

そんなお父さんが大好きなのでした...

 

 

 

外はすっかり真っ暗になり

家々からは明かりが灯ります

帰り道からはカレーや焼き魚の美味しそうな香りが漂ってきました

一郎はもうお腹ペコペコです...

今晩の夕食は何かなぁ~?

 

一郎

「ねぇお父さん!

今日の夕食何だと思う~?」 

 

武志

「そうだなぁ~~・・・

さっき通った家みたいにカレーだったら良いよなあ?」

 

一郎

「うん!カレー食べたい!」

 

武志

バーモントカレーの中辛が美味しいよな~!一郎!」

一郎

「うん!バーモントカレーの緑の箱のやつが一番美味しい!

こくまろとか熟カレーよりやっぱりバーモントカレーだよね!」

 

武志

「ハッハッハッハ!一郎もバーモントカレーが好きか!

やっぱ一郎は父さんの息子だなぁ!」

 

一郎

「うん!僕、お父さん大好きだもーん!」

 

武志

「なら母さんと父さん、どっちが好き?」

 

一郎

「うーーん・・・」

武志

「ん~~?」

一郎

「お父さんっ!!」

武志

「こいつぅ!ええ子やなぁ!

ハッハッハッハ!!」

 

武志は嬉しくて...

つい一郎のグリグリ頭を強く撫でました...

 

一郎

「うわっ!お父さんいたいよ~」 

 

武志

「父さんも、母さんより一郎が好きだ!」

 

一郎

「あぁ~~~!お母さんがヤキモキやくよ~~!」

 

武志

「ハッハッハッハ!

あいつがやくかよ~笑

一郎!この話は父さんと一郎だけの秘密だぞ~?」

 

一郎

「うん!僕とお父さんだけの秘密だね!」

 

武志

「じゃあ...父さんと一郎

男と男の約束だ!」 

 

一郎

「うん!男と男の約束!」

 

「ゆびきりげんまんはりせんぼん

のーます!ゆびきった!」

 

「アハハハ!」

「ハッハッハッハ!!」

 

そんな親子2人

仲良くじゃれ合いながら話してるいると...

お家が見えてきました...

2人の足取りも自然と軽くなります...

 

 

(ガラガラガラ~~♪)

武志

「ただいま~~!」

一郎

「お母さーん!ただいまー!」

 

武志と一郎は家の玄関を開け

2人の「ただいま」の声が聞こえると...

夕食の用意をしていた母親がエプロン姿で迎えに来ました..

 

「あ!たけし、お帰り、お風呂沸いてるから、一郎と一緒に入ってきて!」

 

母親の名は

「大森和恵(かずえ)」30歳

イオンでレジのパート勤務・気の強い性格で武志は頭が上がらない

 

武志

「えー、先にビールで一杯したいなぁー・・・」

 

和恵

「2人とも汗かいてるでしょ!お風呂あがる頃には夕食出来るからさ、早く入ってよ!」

 

武志 

「じゃあ和恵、ビール用意しといてよ、アサヒクラシックラガーで、つまみは枝豆がいいな...」

 

和恵

「たけし!ビールはお医者さんから控えるように言われてるでしょ!?ビールはダメよ!ウーロン茶!」 

 

武志

「ちょっとくらい良いだろぅ・・

一郎とキャッチボールをして疲れてんのにさぁ・・・ブツブツ」

 

和恵

「何言ってんのよぉ!血圧に肺機能と腎機能の数値とんでもなかったでしょ!お酒はダメなんだって!早く一郎お風呂に入れてよ!あたし夕食の準備で忙しくて手が離せないんだから!」

 

武志

「一杯だけっ!!良いだろ!!

たのむわっ!」

 

和恵

「しつこいわね!!ダメと言ったらダメよ!」

 

武志

「和恵っ!!」

 

一郎

「お父さ~ん・・・

お風呂入ろうよ~・・・

僕もうお腹ペコペコ・・・」

 

武志と和恵が言い合ってると...

台所からお婆ちゃんの声が...

 

「和恵さぁ~~~ん

里芋煮あがってたから弱火にしましたよ~~!」

 

お婆ちゃんの名は

「大森幸子(武志の母)」還暦60歳

趣味は家庭菜園・五木ひろしのファン

 

和恵

「ああっ!お義母さんごめんなさ~い!」

 

一郎

「おばあちゃんただいまー!」

 

幸子

「まぁ~♪

一郎ちゃん...おかえりぃ~♪

おばあちゃんの作ったおはぎがありますよ~♪早くお風呂に入ってらっしゃ~い♪」

 

一郎

「やったぁ!わぁ~~~い!」

 

一郎は靴をポーンと脱いでお風呂へと向かって行きました...

 

和恵

「さ!早く!タケシもお風呂!」

(パンッ!パンッ!)

 

和恵は武志の大きなお尻を叩いてお風呂に入るよう促します...

 

武志

「ちぇっ・・・

ビール楽しみにしてたのに・・・」

 

和恵

「ほら、ジャージ汗臭いわよ洗濯するから早く!」

 

武志

「わかってるよ、うるさいなぁ...」

 

ようやく武志も渋々とお風呂へと向かいました...

 

和恵

「あ、お義母さん、お漬けもの」

 

幸子

「ええ、ちゃんと漬けておきましたよ」

 

和恵

「ありがとう~!

お義母さんの漬けたお漬けもの美味しいから好きよ~♪」

 

幸子

「わたしのお漬けもののお野菜は無農薬だからねぇ~

美味しいわよ~」

 

和恵

「義母さん、里芋の味付けありがとう、やっぱり煮物はお義母さんの味には敵わないわぁ~♪」

 

幸子

「ホホホ...♪

煮物の味付けはコツですよ...」

 

和恵

「さ、夕食の準備しなくっちゃ!」

幸子

「和恵さん、わたしも手伝いますよ」

 

(パタパタパタパタ・・・♪)

 

大森家は

父・武志

母・和恵

祖母・幸子

息子・一郎

の4人家族

 

和恵と幸子の嫁姑関係も良好で大変仲が良く、よく2人で夕食の買い出しにも行く...

 

不器用ながらも一家の大黒柱である武志、働き者であり、毎日朝早くから軽トラに乗って配達に出かけるのでした...

 

9歳で小学3年生の一郎は...

父親ゆずりの健気で活発な男の子

武志の影響で野球が好きであり

4年生になったら野球部へ入ろうと決めていました...

 

 

よくあるありふれた暖かい家庭...

木造住宅の古い年期の入った家だけど...

僕は幸せいっぱいだったんだ...

 

第2話へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

謹賀新年 おやちゃいぼうず

虎丸

「わしは風神様より雷神様より天狗様よりもつよ~い力士、虎丸様じゃい!」

うり坊

「おいら、おやちゃいぼうずのうり坊!わぁ~い♪化粧まわしだぁ~い♪」

和尚さま

「ありゃまぁ...久しぶりに登場したのにわしだけイラスト新調してもらえなんだわ...虎之助もいい加減じゃのう...」

(↑2012年に描いた古い絵)

 

虎丸

「謹んで新年のおよろこびを申し上げまつるけんのう!」

うり坊

「時々たまぁ~に出るかもしれないから待っててね~♪」

和尚さま

「やれやれ...一体いつになることやら...」 

(↑2015年に描いた絵)

 

虎丸

「食えっ!美味いぞ!!」

 

デッサン1

デッサン2

色付け候補2

「海之助おじさんとけんとくん3」~ぼく5年生になったんだ!~

もうすぐ3月の終わり...

出会い...別れ...門出の季節...

冬の冷たかった風も...
春の訪れとともに暖かくなり...

菜の花の香りをのせて...
真っ赤になった頬を優しくなでる...

太陽の日差しがまぶしいな...

つくしんぼうより...
お寝坊さんな桜のつぼみくん...

ようやくポツリ...ポツリと目を覚まし...
うすい桃色の花を咲かせてく...

みの虫の寝床となっていた...
寂しい枝も華やかに模様替え...

これからスタートラインに立つ人たちを...
華やかに彩りながらも...
春風とともに寂しく散ってゆく...

儚いな...







「海之助おじさんとけんとくん3」

~ぼく5年生になったんだ!~
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ここは陸前高田市高田松原の広い砂浜...

2011年の3月11日...

東日本大震災の大津波がこの砂浜を飲み込んだあの日から11年...

今日もたくさんの人たちが...
それぞれの想いを抱きながら...
この地へとやってきます...


きれいに整備された砂浜...
長いコンクリートの道の向こうには...


海辺の向こうには堤防台が設けられ...
海が見えなくなっている...


震災の年に生まれた赤ちゃんも...
今ではすっかり大きくなり...
4月からは小学5年生に...



おやおやまぁ~~・・・
ほんの少し前まで甘えん坊だったのに...
もうこんな元気盛りになったのか...

子どもの成長はほんに早いもんじゃのう~・・・

11年前...
この砂浜に1本だけ残った...

「奇跡の一本松」

この一本松に宿る精霊の...

「一松海之助おじさん」は...

ここへやってくる可愛らしい子どもたちを...
優しく見守りながら語りかけていました...

だけど...
子どもたちには海之助おじさんの声は聞こえません...
もちろん姿も人には見えないのです...

海之助おじさんは...
お父さん、お母さんと一緒に帰っていく子どもたちの後ろ姿を見つめながら...

あの子のことを思い出してました...



奇跡の一本松の横には...
小さな新しい松の木が伸びています...

その松の木は...
5年前に...

ある男の子が...
一本松の下に落ちていた...
マツボックリを植えて誕生した...
「希望の一本松」

この希望の一本松のおかげで...
海水によって根元が腐り、人工化してしまった奇跡の一本松に、精霊として宿る力が失われて.いた海之助おじさんでしたが...

見事にパワーアップして精霊としての力を吹き返したのでした...


この「希望の一本松」
を誕生させてくれた...

あの男の子...


5年前...
突然ジャングルジムからやってきた...

「けんとくん」に会いたい...!


ちょっぴり失礼で...

おとぼけさんだけど...

ぷぅ~♪っておならしちゃったり笑

不思議な魔法を使う...

泣き虫で甘えん坊で優しい...

子だぬきの...

けんとくんに会いたいぞー!!



日が暮れて...
太陽が堤防台に隠れはじめ...
海辺の広場がオレンジ色に包む中...

海之助おじさんは...
夕焼け空に向かって叫びました...


初めてけんとくんに会ったのは...
今日みたいにきれいな夕焼け空じゃった...

寂しくて...
泣いているわしを気づかってくれたんじゃ...

あの優しいけんとくんと...
またお話がしたい...

可愛らしい子だぬきのけんとくん...


太陽が堤防台に隠れ...
海辺は少しづつ暗くなり...
広場の周辺には誰も居なくなりました...


海之助おじさんは...
空をキッ!・・・と睨み上げ...


天女様よおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい・・・!!!


もう一度・・・っ!!!
けんとくんに・・・っ!!


会わせたおくれええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ・・・!!!


大きな大きな声で叫びました...


すると...
海之助おじさんの上に...

キラリと一番星が光りました...


海之助おじさん
「けんとくんや...
一番星が光っておるぞ...
もう一度わしのもとへ来ておくれ...

大丈夫...
ここは夢の中じゃ...
さぁ...おいで...」
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海之助おじさんは...
一番星に願いを届けました...
今日ここへ来てくれた...
たくさんの人たちの想いと一緒に...



その時でした・・・!!


けんとくん
「ちぃ~~~っす♪」
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なんとそこに・・・!
野球のユニフォームを着た・・・!
わんぱく盛りなたぬきの男の子がやってきたました・・・!!



その男の子を見て...
海之助おじさんはびっくり仰天!!



海之助おじさん
「な・・・!
な・・・・!!
なぬぅ~~~・・・・・!!!
なんとまあ~~~驚いた・・・!!!
しばらく見ないうちに...
すっかり大きくなりおったわい・・・!!!」


その野球のユニフォームを着た...たぬきのわんぱく坊主は...

小学5年生になる...

「けんとくん」なのです!!


けんとくん
「ちぃ~~~~っす♪
おじさん!!
久しぶりだね!!」
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海之助おじさん
「あ・・・
あわわわわ・・・

あ・・・
あの・・・その・・・

けんとくんで・・・

お間違いないのでござりますよのう~~~~~~~・・・?」


けんとくん 
「うん!そーだよ!
ぼく、けんと!!
おじさん元気そうだねっ!あはっ!」



海之助おじさん
「お・・・
おやまぁ~~~・・・
わ・・・
わしのこと・・・
覚えておいてくれとったんじゃのう~~~~~・・・」


けんとくん
「うんっ!
知ってるよ!」
 


海之助おじさん
「う・・・
う・・・
うれしいのう~~~・・・
ちゃ~~~んと..
わしのこと覚えておいてくれて・・・

グスッ・・・!

わしゃあ涙が出てきたわい・・.」



けんとくん
「もちろん!
覚えてるよ!
泣き虫でおヒゲのきちゃない精霊のおじさんでしょ?」
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海之助おじさん
「!!
・・・・・むかっ!
なんと失礼な・・・
・・・相変わらず・・・
礼儀知らずな子たぬきじゃのう・・・」


けんとくん
「おじさん、そのきちゃないおヒゲ...
ちゃんと剃らないとダメだよ~♪」


海之助おじさん
「失敬なっ!!
わしは精霊じゃからいいのっ!!
どうせ皆には見えんのじゃっ!!
 
ふ~~んだっ!
子どものけんとくんにはこの髭の良さがわからんじゃろうのうっ!」


けんとくん
「でも、おじさんのおヒゲ
きっちゃないけど、似合ってるし...
ぼくは好きだよ!!」



海之助おじさん
「う・・・
褒めてるのかバカにしとるのかどっちなんじゃい...!」


けんとくん
「でもおじさん
久しぶりだね!
しばらく会ってなかったけど・・・
今日はどうしてここに来れたんだろう・・・」


海之助おじさん
「ふふう~ん♪
それはじゃな、わしの力と頭上にある...
一番星じゃ♪
わしは一番星にいる天女様に、もう一度けんとくんに会いたいぞーーっ!!
...ってお願いしたのじゃ♪」



けんとくん
「ふーん...
よくわかんないけど、すごいね!」



海之助おじさん
「な・・・
なんかバカにされてるような・・・
興味なさげな御返答をどうも・・・」



けんとくん
「おじさんぼくね!」



海之助おじさん
「うんうん...
なんじゃ...?」



けんとくん 
「今日、リトルアニマルリーグ・ポンターズの練習試合だったんだ!」


海之助おじさん
「り・・・
リトル・・アニマル・・リーグ・・・?
ポンターズ・・・?とな...?
わしゃあ横文字苦手じゃのう~・・・」



けんとくん 
「もう~
おじさんったら~~・・・
野球チームのことだよ!
ぼくね、4年生になってからリトルアニマルリーグのポンターズに入団したんだ!」
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海之助おじさん
「ほほう~~~・・・
それで野球のユニフォーム着てるんじゃな...」


けんとくん
「そうだよ!
かっこいいでしょ~!!」


海之助おじさん
「うんうん...♪
その野球のユニフォーム...
けんとくんによぉ~く似合っとるぞい♪」




けんとくん
「それでね!
チャイルドホームに帰って...
ヒトミお姉ちゃんがおやつに作ったホットケーキを食べたらさ...
お腹いっぱいになって...
ついベッドに寝転がったら... 
いつの間にか寝ちゃったみたい~~♪」



海之助おじさん
「きっちゃな~~!!
わしのこときっちゃないヒゲって言うけど、けんとくんだってきっちゃな...!!

まったくお風呂も入らずに...!

汗と泥だらけのユニフォームのまんまベッドに寝転がって居眠りなんてしてたら...
ヒトミお姉ちゃんに怒られるぞいっ!!」



けんとくん
「エヘヘ~♪」


海之助おじさん
「エヘヘ~♪
じゃないわい!もう~笑」



沈む夕日の中...
ほんの少しだけ...
時がゆっくり流れてるよう...

海之助おじさんと...
けんとくんは...

久しぶりに会った喜びに...
ふたりの話は...
止まることなくはずみます...



海之助おじさん
「けんとくんや...
守備はどのポジションなのじゃ...?」


けんとくん 
「ぼくね!キャッチャーなんだ!」



海之助おじさん
「ほうほう~!
キャッチャーとや、ピッチャーの女房役じゃのう~
責任あるポジションじゃないかや...」


けんとくん
「女房~??
結婚なんかしてないよ~?」 


海之助おじさん
「例えじゃよ..」
遠い星の世界ではそう言われてるのじゃよ...」


けんとくん
「へんなの~
男の子どうしなのに女房なんて~...
ぼくそんなのやだ!」



海之助おじさん
「男はのう...
細かい事を気にしたらダメじゃよ...

それで...
けんとくんは何番バッターなのじゃ?」


けんとくん 
「ぼくね~・・・!
4番バッターなんだ!!」


海之助おじさん
「おおっ!!
4番バッターとは驚いた・・・!
満塁ホームランを打てばスーパーヒーローじゃぞっ!!」


けんとくん
「エッヘン!
すごいでしょ~!」


海之助おじさん
「けんとくんはキャッチャーで、パワースイング型の選手なんじゃな...」


けんとくん
「うん!
おじさん、よくわかったね!
ぼく、ミートスイング苦手なんだ!
うんと遠くまでボールをかっ飛ばすホームランの方が得意なんだよ!」



海之助おじさん
「けんとくんや...
なぜ...
野球を始めたんじゃ...?」


けんとくん
「あのね!
アニマルメジャーリーグ
「シカゴ・ブラックベアーズ」の
クーマ・モーン選手が大好きなんだ!

それでね!それでね!
球場に試合を見に行ったら、クーマ・モーン選手が打ったホームランボールが...
たまたまボクのお菓子袋にスポッ...と入って...

ホームランボールをクーマ・モーン選手に投げたらスペシャルキッズMVPとしてグラウンドに招待してくれたんだ!!」


海之助おじさん
「う~~・・ん・・・
喜ばしい事じゃが危ないのう~
もしホームランボールがけんとくんに直撃してたら大怪我じゃぞ~?」



けんとくん
「ぼく!
クーマ・モーン選手のホームランボールならケガしたって平気だもん!」


海之助おじさん
「どうしてけんとくんは...
MVPでグラウンドに招待されたのじゃ?」


けんとくん
「そのホームランボールね...
クーマ・モーン選手の...
100本目のホームランボールだったんだ!!」


海之助おじさん
「ほうじゃったのか~~・・・
あわや大惨事になりかけたが・・・
クーマ・モーン選手と触れ合う事が出来て良かったのう~・・・」


けんとくん
「うんっ!
ぼくね!クーマ・モーン選手に...
肩車してもらったんだよっ!!」



海之助おじさん
「それは良かったのう~♪
グラウンドのヒーローに肩車してもらえるなんて、一生にあるかないかの貴重な思い出なったろう~♪」



けんとくん 
「うんっ!
ぼく、大きくなったら・・・
アニマルメジャーリーグの・・・
クーマ・モーン選手のような・・・」


「野球選手になるんだっ!!!」




海之助おじさん
「・・・!!!・・・・」




けんとくん
「野球選手になって・・・
広くて大きなアニマル球場で・・・

ホームラン打つんだっ!!!」



それを聞いた...
海之助おじさんは...
けんとくんにつぶやいた...



海之助おじさん
「けんとくんは...
大きくなったら...
野球選手になりたいのかや...」


けんとくん
「うん!
そうだよ~♪」



海之助おじさん
「けんとくんや...
さっきアニマルメジャーリーグのクーマ・モーン選手に...

肩車をしてもらったって...

わしにそう話してくれたな....?」



けんとくん
「うん、話したよ~♪」



海之助おじさん
「けんとくんが...
もっと幼かった頃にも...

肩車をしてもらった事があるのを...
覚えておるかいのう~・・・」



けんとくん
「ぼくがもっと小さかった頃に...?
肩車してもらった事なんかあったっけ....!」



海之助おじさん
「よ~・・・く・・・
思い出してごらん・・・」



けんとくん
「あぁ・・・!!」


けんとくんは...
思い出しました...



海之助おじさん
「あれは確か...
小学校に入学して間もない...
ピッカピカの1年生の頃じゃったのう~・・・」



けんとくんには...
もう一つ...
たいせつな夢があったのです...

それは...

アニマル小学校の...
入学したばかりの時でした...


オレンジ色の制服を着た...
消防士のお兄ちゃんに...
肩車をしてもらったあの日を...


ぼくとおんなじ名前で...
「けんと」っていう...
消防士で...
たぬきのお兄ちゃん...



けんとくんは...
さっきまであっけらかんとした顔から...

悲しくて...
今にも泣き出しそうな表情になりました...



けんとくん
「どうしよう...
ぼく...
野球に夢中になりすぎて...
すっかり忘れちゃってた...」



海之助おじさん
「わしは覚えておったよ...
けんとくんは...

大きくなったら...

消防士さんになるのが夢じゃったのう...」



けんとくん
「う...うん...
ぼ...ぼく...

大きくなったら...
おとなになったら...

消防士さんになるんだいっ...!!」



海之助おじさん
「では...
野球選手の夢はあきらめるのじゃな...?」



けんとくん
「や...やだいっ...!!
ぼ...ぼく...!!
野球選手にもなるんだいっ!!」



海之助おじさん
「けんとくんや...
消防士さんと野球選手...
どちらになりたいのじゃ...!」



けんとくん
「どっちもなるんだいっ!
消防士さんも...
野球選手にも...

どっちもなりたいっ!!」




海之助おじさん
「けんとくんや...
それは無理なんじゃよ...」




けんとくん
「な...
なんでだよ!!
消防士さんしながら野球選手したっていいじゃんか!!」



海之助おじさん
「では野球の試合中に...
チャイルドホームが火事になったら...
どうするのじゃ...?」


けんとくん
「し...
試合を途中で抜けて...
消防士さんになって...
火を消しにいくからいいんだい!」



海之助おじさん
「けんとくんが試合を抜けせいで...
チームが負けてしまったらどうするのじゃ...?」



けんとくん
「ま...
負けないもんっ!
火を消し終わったら...
ユニフォームを着て...
また試合に出て大活躍するんだいっ!」



海之助おじさん
「けんとくんや...
野球選手をしながら消防士さんをやるなんて事は無理なのじゃよ...

どちらかを選ばなければならぬのじゃ...」



けんとくん
「い...いやだ...
グスン...グスッ...グシッ...!
ぼ...ぼく...
消防士さんにもなりたい...
でも...

野球選手にもなりたい...!」



さっきまで笑っていた...
けんとくんの頬には...
キラキラと大粒の涙がこぼれ落ちます...



海之助おじさん
「おやおや...
けんとくん...!
男の子じゃろうに...!
メソメソ泣いたりして...!
情けないぞ!」 



海之助おじさんは...
泣き出したけんとくんを...
ちょっぴり厳しく叱ります...



けんとくん
「うっ...ひっく...!
グシッ!グシッ!ズビビビ...!
お...おじさんの...
いじわる...!
どっちもなるんだいっ...!
なってみせるんだいっ...…!」




海之助おじさん
「けんとくんや...
まだまだあせることないぞ...

ゆっくりと決めていけば良いのじゃ...」
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けんとくん
「グスン...!グシッ...!ひっく...!
おじさん...
ぼく...
どうしてこんなに悲しくなっちゃうのかな...
いつもは泣いたりしないのに...」



海之助おじさん
「それはのう...
けんとくんが...
だんだんとおとなになっている証じゃよ...」



けんとくん
「グッシ...グシッ...グスン...!
ぼ..
ぼくが...
おとなになってるから...?」



海之助おじさん
「けんとくんはのう...
今....本当の夢に向かって歩き始めたのじゃ...」



けんとくん
「ほ...
本当の...
夢...?
グスン...」


海之助おじさん
「そうじゃよ...
幼い頃に見た無邪気な夢ではなく...
本物の夢へと向かっているのじゃ...

眠っている時の夢でもない...

現実の夢じゃ...

これからけんとくんは...
その現実の夢を実現させるために...

たくさん努力して...
いっぱい頑張って...
辛いことや...悲しいことを...
乗り越えなければ...
夢は叶えられんのじゃよ...

夢が夢のままで終わるのは悲しいじゃろう...?」



けんとくん
「う...うん...
ぼ...ぼく...
絶対になるんだもん...

消防士さんか...
野球選手か...
どっちになるのか...

まだ決められないけれど...

絶対に...
絶対になるんだもんっ!!」



海之助おじさん
「まだまだ時間はあるから大丈夫じゃよ...

これからいっぱい悩んで努力して...
何度つまずいても良いから...

今の気持ちを忘れずに...
夢への情熱を持ち続けるのじゃ...
そうすれば...
おのずと答えが出る日が来るからのう...」



けんとくん
「うんっ!
わかった!!
ぼく...!
もう泣いたりなんかしないよ!
消防士さんか...
野球選手になるか... 
まだわかんないけど...

今はどっちの夢を見ててもいいよね!」




けんとくんにようやく笑顔が戻りました...
ユニフォームの袖で涙と鼻水を拭くと...
ニッコリと笑ってわんぱく坊主へと早変わり...


これにはさすがに...
海之助おじさんも呆れてしまいました...


海之助おじさん
「やれやれ...
さっきまで鼻水垂らしてメソメソ泣きベソ坊主だったのに...
直ぐさまあっけらかんとしおってもう~・・・

ほんにお調子者な子だぬきじゃ!

しかし...
男の子はこれぐらいが良い...

はっはっはっはっはっは!!」




太陽が堤防台から海へと沈み...
空はうす暗いオレンジ色から...
紫色へと変わり...

とうとうお別れの時がやってきました...

けんとくんの体がうっすらと消え始めます...


けんとくん
「あ...
ぼくの体が消えていく...」



海之助おじさん
「けんとくんや...
そろそろお別れの時じゃ...
今日は会えて嬉しかったぞ...

来てくれて...
ありがとう...

ほんの一時じゃったが...
いっぱいお話して楽しかった...」




けんとくん
「なぁ~~んだ・・・
もうさよならしないといけないの・・・?

もっとおじさんと...
お話したかったなぁ...」




海之助おじさん
「そうじゃのう...

わしもまだまだ...
けんとくんに話したい事がいっぱいあったんじゃが...

太陽が沈むと...
一番星の力が消えてしまうのでのう...

またいつか...
来ておくれ...」
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けんとくん
「うん...
また来るからね!!

...でも...
どうやったら今日みたいに...
おじさんに会えるのかなぁ・・・」




海之助おじさん
「わしがまた天女様にお願いしてみるから大丈夫じゃ!!」



けんとくん
「じゃあぼくはまた、ヒトミお姉ちゃんが作ったホットケーキをお腹いっぱい食べて、汗と泥んこだらけのユニフォームのまんまベッドで居眠りしてみるね!」




海之助おじさん
「あ~~~~!!
きっちゃな~~~~い!!」



けんとくん
「おじさんのヒゲだって!きっちゃないや~~~~い!!」



海之助おじさん
「むっか・・・怒!!
大きくなったけんとくん...
なんか可愛くな~~~い!!」



けんとくん
「あはは!また怒ってる!

だけどぼく...
おじさんのこと大好きだよ!
じゃあまたね~!
さよなら~!」



海之助おじさん
「け...けんとくん...
げ...元気でのう...」



太陽は海に沈み...
暗くなった海辺をお月さまが照らします...
お空の一番星は星座の一つとなり...


けんとくんの姿は消えて...
遠い遠いアニマルランドへと帰ってしまいました...



広い砂浜の公園に...

残された...
海之助おじさんは...

けんとくんの成長した姿を見て...
とても嬉しかったはずでした...

だけど...

頭に葉っぱをのせて...
コーラやカレーライスを出して...

不思議な魔法を見せてくれていた...
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あの純粋であどけなく...
まだ幼かった頃の...
小さなけんとくんはもういない...

子どもの成長は喜ばしい事...

でも...






奇跡の一本松の根元にある...

小さな希望の一本松の若葉に...

ポツリ...
ポツリ...と...

しずくが...

ひとつ...
またひとつ落ち...

葉に乗ったしずくは...
広い広い...
満天の星空と...
まんまるお月さまを映しているのでした...

 





このお話は...

奇跡の一本松に宿る精霊...

一松虎之助おじさんと...

遠い星にあるアニマルランドに暮らしている子だぬきの...

けんとくんの...

夢のお話なのでした...




おわり























































.

3月11日 「一松海之助おじさんの役目」

皆の衆よ...

しばらくぶりじゃのう~・・・


久しぶりにわしの出番が来たわい...


え・・・?

わしが誰かって・・・?

ウォッホン!!

わしのはのう...

ナイトショップ「ふくろう」の店主...

「森之風九朗」・・・・


・・・ではないぞ!!


似たような口調じゃがぜ~んぜん違うからのう...!
間違えんでおくれぇ~な♪


ではあらためて...

ウォッホン!


わしは陸前高田市高田松原にある...

奇跡の一本松に宿る精霊の...

一松海之助じゃ。


覚えてくれている者は何人おるんかのう~?


なにしろ虎之助がブログをすっかり更新しなくなったせいで、わしの唯一の出番じゃった3月11日ですらこの有様よ...


さて、あまり愚痴っても気分が沈んでしもうたらせっかくの出番が台無しじゃ...


もう知ってる者もおるじゃろうが、初めて来られた者の為に、わしがこの地でどう過ごしているのかを簡単にお話してしんぜよう...

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3月11日
「一松海之助おじさんの役目」




2011年の3月11日...

あの東北を襲った震災から11年じゃ...

もうそんなに時が過ぎてしもうたんじゃのう...

こうして海を見ていると...

あの日を思い出すのう...

海の向こうから深緑色の巨大な波がグングン押し寄せてきて...

とんでもなく大きな津波がこの砂浜を容赦なく襲ったのじゃ...

家が...車が...電柱が...次々と流されて...
多くの人や動物の命を奪っていった...

それはもう恐かったよ...

わしの周りにあった...
たくさんの松の木はみんな流されて...

残ったのはわしの一本松だけになってしまったのじゃ...

わしは寂しくて寂しくてのう...

寒い夜空を見ながら泣いていると...

わしの真上に光輝く一番星が出たのじゃ...

その一番星はのう...
天の川に宿る天女様に見守られており...

残された家族や愛する人たちの...
想いやメッセージを...
天国へ旅立った者へと届けることが出来るのじゃよ...

みんなには内緒じゃぞ...
ここだけの話じゃからな...

わしは天女様に津波から生かされ...

はるばるこの地まで足を運んでくれる...
皆の温かい想いやメッセージを...
一番星に届ける役目を与えてくださったのじゃ...

届けた想いやメッセージは...
天女様が短冊で筆をとり...
ちゃんと天国まで「速達ゆうメール便」にて送ってくれるのじゃ...

しかも無料じゃぞ...?

でも...

あまりいっぺんにたくさんのメッセージを送ると...
さすがに天女様もてんてこ舞いするかもしれんから...
一人一通が思いやりかのう...

なぁ~・・・に大丈夫じゃ...
想いはほんのひと言で良いのじゃ...

それだけでも充分伝わるもんなんじゃよ...

一年のうちいつでもかまわんからのう...

御親族でなくても良いのじゃ..



3月11日

どうかあの日を忘れないでおくれ...

そして...
世界に平和が訪れますように...




ん...?
天女様がどんな人かって...?


ふふふ..
それは...
企業秘密じゃ♪











今日は日差しが暖かく春の訪れに心までポカポカ陽気じゃわい...

久しぶりに...
子だぬきのけんとくんに会いたくなったのう~・・・
元気にしとるんかなぁ~・・・

天女様よ...

けんとくんに会いたぞ~い!

2022年2月22日「7年越しの真実」

おや、いらっしゃい...

珍しく客人かや...

わしはナイトショップ「ふくろう」の店主

「森之風九朗」じゃ。

今夜も寒いのう...

まぁ...あまり暖房が効いてない店内じゃが、ゆっくりしておいきなさいや...

遠慮はいらんぞな。

かっかっかっかっかっか!


さて、皆の衆よ...

今日はなんの日か知っておるかな...?

世間では「スーパー猫の日」などと騒がれておるそうじゃが...

ブログは現実逃避する安らぎの場...
そのような話題も...
ここまで届くまい...


2月22日とはのう...

そうじゃ、このブログが始まってから今日で丁度7年の月日が経ったのじゃよ...


いやぁ~・・・
早いもんじゃのう~・・・

というわけで...
今夜はわしからおまんさんにプレゼントじゃ...


男色豊満写真館より、逞しい男児の写真を授けようぞ


百貫村の熊太郎の写真じゃ...
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ほんに立派な尻じゃのう!

かっかっかっかっかっか!

今年は寅年じゃ...
漢字は違えど今年はちょっと頑張るそうじゃ...

皆の衆や、これからもよろしゅうな~・・・。