どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

新春!虎之助スペシャル!!「丑年の年賀状」

おやおや...?

いらっしゃい...

寒いのによう~来てくれましたのう...


え~・・・先ずは
年が明けたという事でご挨拶を・・・

当ブログへお越しの皆様...

「新年あけましておめでとうございます」

本年も御贔屓願います...


・・・と

挨拶をしたのは良いのじゃが・・・

肝心の管理人がおらんのだわな~・・

ん・・・・?

わしが誰かって・・・?

かっかっかっかっか!

わしはのう~・・・

ナイトショップ「ふくろう」の店主

「森ノ風九朗」じゃ...

皆の衆よ・・・

久しぶりじゃのう!!

この通り、わしはピンピンしとるぞい!

かっかっかっかっか!

まぁ...
わしなんてのう~・・・
元気なだけが取り柄の太ったオヤジじゃよ・・・

・・・・ん!?

知らんとや・・・・!?

はぁ~~~~~~・・・・

なんとも寂しいもんじゃのう~・・・

Yahoo!ブログ時代はレギュラー出演していたわしを知らんとは・・・

このブログの読者層も...
すっかり変わってしもうたんじゃのう~・・・

無理もないわな~・・・

ブログをYahoo!からはてなに移籍してからは・・・
すっかり更新が途絶えてしもうとるんやからのう~~・・・

今日もこの通りもぬけの殻の閑古鳥じゃ・・・

ほんにどうしたものかのう・・・

はぁ~・・・



・・・と
森ノ風九朗が小さく溜息をついた時でした・・・


おじさん・・・!!
ふくろうのおじさん!


自分の名を呼ぶ子どもの声が・・・!


風九朗
「おやおや・・・!
その声は・・・
うり坊じゃな・・・!」


うり坊
「うんっ!おいら、おやちゃいぼうずのうり坊だい!」


風九朗
「はて、うり坊や・・・
姿が見えぬが・・・
どこにいるのじゃ・・・!」


うり坊
「おじさん!あのね!
おいらたち、おやちゃいぼうずの絵を描いてもらえないから姿が出せないんだいっ!」


風九朗
「おやおや・・・
そういう事じゃったのか~・・・
かわいそうに・・・」


うり坊
「あのね、これからみんなに...
おやちゃい村に来てもらいたいんだ・・・!」


風九朗
「ありゃりゃ・・・
わしの出番はもう終わりかや・・・
せっかく久しぶりに出演出来たというのに・・・」


うり坊
「おじさんごめんなさい・・・
でも...おいら...どうしても絵を描いてもらいたいんだ...」


風九朗
「かっかっかっかっか!
なぁ~・・んにも気にせんでかまわんよ・・・!
じゃがのう~・・・
うり坊や・・・
先ずはみなさんに新年のごあいさつじゃよ...」


うり坊
「うんっ!!みんな!あけてまし、おでめとうごまいざすっ!!」


風九朗
「・・・・・・・・・。

うむっ...まぁ...よかろう...
ではうり坊や...
行っておいで~・・・」


うり坊
「うんっ!
おじさん!じゃあねー!!」


風九朗
「さてと...
わしもそろそろ店を開ける準備をするかのう~~・・・
初売りじゃ!
お客なんて1人も来やせんがのう!
かっかっかっかっかっかっかっか♪」


うり坊はおやちゃい村へ行き...
ナイトショップ「ふくろう」の店主
森ノ風九朗は重いお尻を上げ...
初売りの準備に取りかかった...












「おやちゃいぼうず」







おやちゃい村の「安養寺」

このお寺には...
独り身の和尚様と、虎丸という村の力士が...
ひっそり2人で暮らしておったとさ...


戦の最中に親を失い...
まだ子どもだった虎丸を和尚は引き取り、寺の坊主にしようと大事に育てた・・・
しかし・・・
虎丸はたいそうなわんぱく小僧で和尚の手にはとても負えず...

しかし力だけは村のどの男達よりも強く...
おやちゃい村の豊作を願う愛宕山奉納相撲では見事横綱になり力士となる。

さらに畑の作物を運ぶ力人としても活躍してくれるので、和尚は虎丸を寺の坊主にするのは諦めたそうな・・・


さて...
安養寺の和尚と虎丸の元へ帰ってきたうり坊は・・・



うり坊
「おしょうしゃま~~!
おしょうしゃま~~~!!」


和尚
「おや...?
うり坊や...
おかえり、今日はどこまで遊びに行っておったのじゃ?」


境内の鐘をついていた和尚が...
にっこりと福々しい笑みを浮かべながら...
うり坊にやさしく問いかけた...


うり坊
「あのね!
ふくろうおじさんのとこに行ってたんだ!!」


和尚
「ふくろういおじさん・・・?
はて・・・変わった名の者じゃのう・・・
村の者では無さそうじゃが...
あまり見知らぬ者と関わると...
危ない目に遭うかもしれぬ・・・
うり坊主や...
今度からは気をつけるのじゃぞ...?」


うり坊主
(あ・・・そうだ・・・!
おしょうしゃまは、ふくろうのおじさん知らないんだ・・・!)
「お・・・!
おしょうしゃま!!
と・・・虎丸は~~?」


和尚
「虎丸ならまだ畑の収穫から戻って来ておらんが・・・
まぁ...
そろそろ帰って来る頃じゃろう...」



・・・と和尚がそう言った時じゃった・・・



虎丸
「おーーーーーーーい!
和尚ーーーーっ!
今帰ったぞーーーーー!!」


米俵と野菜などの作物を両肩に抱えた大きな体の虎丸が山門を潜り...
のっし...のっし...と境内をがに股で歩いて来た...


和尚
「虎丸や...
おかえり、今日も畑の収穫ご苦労じゃった...」


虎丸
「今日は百姓から米俵1俵、野菜は大根、人参、ゴボウ、獅子唐辛子もろうたわい!がっはっはっは!」


和尚
「ありがたや...
天地の恵み、万民の労苦に感謝し...
ありがたく頂きます...南無南無...」


虎丸
「はぁ~~~・・・あ・・・
わしはもうクタクタじゃ~・・・..
和尚、米俵と野菜はわしが倉に運んどくからのう...
すぐ風呂の火焚いておいてくれ...」 


和尚
「風呂ならもう火ぃ焚いて熱まっとるよ、うり坊と一緒にお入り...」


うり坊
「虎丸!おかえり!!」


虎丸
「なんじゃ、ちび助!
そこにおったんかいや....
わし気づかず踏みつぶすとこじゃったわい。」


うり坊
「おいら...!ちび助じゃないもんっ!
うり坊っていうんだいっ!!」

虎丸
「ちびじゃからちび助でいいんじゃ!ちび助!ほれ、風呂はいるぞ!!」


うり坊
「虎丸のいじわるっ!!
おいら...虎丸大好きだけど...
ちび助ってバカにするから大きらい!!」


虎丸
「がっはっはっはっはっは!!
大好き言うたり、大きらい言うたりお前はようわからんやっちゃのう~
やいっ!ちび助!お前はちび助がお似合いじゃ!」


うり坊
「うわぁぁ~~~~~~~~~・・・ぁあんあんあんあん!!!
またちび助ってバカにする~~~~~!!
虎丸のいじわる~~~~!!」


虎丸
「ああぁぁ~~~・・・あ・・・
またちび助が泣き出した~~・・・
うるさいのぅ~~~~・・・
もう~・・・」


虎丸に「ちび助」とバカにされ...
とうとううり坊が泣き出してしまいました・・・

すると・・・



「ポカッ!」



虎丸
「いてっ!!」


和尚
「このバカもんっ!!
うり坊は仏様の申し子じゃぞ!!
いじわるすると仏様のバチが下るぞ!!」


虎丸 
「お・・・
和尚ぉ~~・・・・
またわしに拳骨かまして・・・」


和尚 
「ちゃんとうり坊に謝るのじゃっ!!」


虎丸 
「あぁぁ~~ぁぁ~~ぁぁ・・・
めんどうじゃのう~~・・・」


うり坊
「うぇぇ~~~・・ぇぇ・・・ん!
ひっく!ひっく・・・!」


虎丸 
「・・・・・・・・・・・。
す・・・すまん・・・
悪かったわい・・・
謝るからのう~・・・
ほじゃからもう泣くなや・・・
ちび助よぉ~・・・」


うり坊
「また、ちび助って言った!!
虎丸のバカッ!
おいらもう・・・
もう・・・」


・・・・と
うり坊が泣きながら虎丸にそう言った時じゃった・・・



フワッ・・・・
・・・・と


突然うり坊が消えてしまったとさ・・・

 


虎丸
「わわわっ!!!
ちび助が消えてしもうたぞっ!!」


和尚
「な・・・なんとまぁ~・・・」



風の吹かれた笹の葉と共に消えてしまったうり坊に驚く和尚と虎丸・・・



虎丸
「お・・・おい・・・
ちび助・・・・
どこに行ってしもうたんじゃ・・・」


和尚
「・・・・・・・・
仏様がうり坊を連れ戻してしもうたんじゃろう・・・
虎丸がうり坊にいじわるするから・・・」


虎丸
「そ・・・そん・・・な・・・
わ・・・わし・・・・
そんなのイヤじゃ・・・」


虎丸の目からは大粒の涙がボロボロとあふれ出す・・・


和尚
「バカもん・・・
今さら泣いてもうり坊は帰ってこん・・・」


虎丸
「お・・・和尚・・・
ど・・・どうにかしてくれ・・・
本堂でお経唱えたらまたうり坊が帰ってくるかもしれん・・・
なぁ・・・ 
グスッ・・・グシッ・・・
う・・・うぅ~~・・・
和尚・・・たのまいや・・・」



和尚
「うり坊はのう・・・
戦で無くなった子どもの魂を畑の作物に与えた座敷わらしじゃ・・・
いくらわしが本堂でお経を唱えても・・・
うり坊は2度と現世には現れまい・・・」


虎丸
「いやじゃ・・・
いやじゃあぁぁ~~~・・・!」


虎丸は大粒の涙と鼻水を垂らしながら和尚の肩につかまり震えながら訴えた・・・


和尚
「・・・・・・・
虎丸や・・・
どうして素直になれなんだ・・・
本当はうり坊が好きでたまらんのじゃろう・・・?」


虎丸
「・・・・・・・
だって・・・だって・・・
ちび助が・・・いっつもわしに付いてくるのが可愛くてしょうがないから・・・
つい...
いじわるしてしまったんじゃ・・・・」



和尚
「素直に可愛がってあげたなら...
一緒に過ごせたのにのう~・・・
わしもうり坊が来てくれてから本当に心温まる毎日を過ごせて幸せじゃった・・・
仏様に毎日お経で感謝をお唱えしたのじゃ・・・」


虎丸
「わ・・・わし・・・!!
探してくるっ・・・・!!」


虎丸は泣きながら...
うり坊を探しに行こうとするが...


和尚
「かぁぁーーーーーーつ!!(喝)」


虎丸
「うひっ!」ビクッ・・・!!


和尚
「虎丸や・・・
探しても無駄じゃ・・・
もう現世にうり坊はおらん・・・
あきらめるのじゃ・・・」


虎丸
「い・・・
い・・・・
いやじゃ・・・・
いやじゃ・・・・
そんなのイヤじゃああぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああっっ!!!」



日はすっかり西に沈み...

まっかな夕焼け空のなか...

カラスと虎丸の泣き声が...

暗くなりゆくおやちゃい村の山々に
大きく響き渡りましたとさ・・・






うり坊は...
どこへ行ってしまったのでしょう...




あたたかい風が吹いている...
広い大草原の草たちがサラサラと波のように揺らめくなか・・・.

うり坊の姿がありました・・・


おや・・・?
うり坊だけではないようです・・・

ここはどこなのでしょう・・・










「チャイルドホーム」







ねぇ...

君は知ってるかい...?

遙か遠い星の彼方に・・・

動物たちが仲良く暮らす惑星があるんだ・・・


そう...

ここは...
アニマルプラネット...




ようこそ...

「アニマルランド」へ...





広い広い大草原のまんなかに...

親のいない子どもたちが仲良く暮らしている...
 
赤いとんがり帽子が目じるしの...
孤児院施設の修道院...

「チャイルドホーム」がありました...


このとんがり帽子の...
チャイルドホームで...

子どもたちがどんな暮らしをしているのでしょうか...

みんなでちょっぴりのぞいてみましょう...














「ただいまーー!!」

玄関から元気な男の子の声が聞こえて来ました...


この子はだれなのでしょう...?



けんと
「ただいまーーーーー!!
ああ~~!消防士さんごっこ楽しかったなぁ~!!」



けんとくん
5歳の元気なタヌキの男の子です。



ひとみお姉ちゃん
「けんちゃんお帰りなさ~・・・
ああーー・・・!!
けんちゃんまたどろんこだらけになってー!!」


けんと
「えへへ♪
消防士さんごっこしてたらころんじゃった♪
ひとみお姉ちゃん、おやつは~?」



ひとみお姉ちゃん
「こら!けんちゃん。
どろんこだらけじゃダメだぞ!
おやつはお風呂にはいってから!」



けんと
「えぇ~~・・・!
はやくおやつ食べたいよ~~~!」



ひとみお姉ちゃん
「今日のおやつはね!
ヨーグルトゼリーにお星さまのクッキーだよ!
お風呂はいらないとあげな~い!」



けんと
「わあっ!
ヨーグルトゼリーに、お星さまのクッキー!?
おいしそう!!」


ひとみお姉ちゃん
「はやくお風呂にはいらないと・・・
みんなが食べて無くなっちゃうぞ~~~・・・?」


けんと
「わっ!わっ!わっ!
やだやだやだぁ~~~~!!
ぼく、お風呂はいってくる~~!」


ひとみお姉ちゃん
「よろしい!
タオル用意してるからね~~!」


けんと
「はぁ~~~~・・・い!
ちゃんとぼくのぶんのおやつとっといてね~~~!!」


ひとみお姉ちゃん
「はいはい♪
うふふ・・・
けんちゃんったらわんぱく坊主なんだから・・・」


エプロンをしてるのは...
ミケ猫のひとみお姉ちゃんです... 

小学6年生でみんなの中で1番年長さんの12歳。

お菓子やお料理を作るのが大好きな女の子、みんなの頼れるお姉さんです。



「ただいまー」


またまた男の子が帰ってきました。



ぽん太
「ただいまー
ひとみお姉ちゃん、おやつー!」



ひとみお姉ちゃん
「あら!ぽんちゃんおかえり!
今日ははやかったじゃない!」



ぽん太
「だってー・・・
けんちゃんと、ほのぼの湖で遊ぼうと思ったのにさ、消防士さんごっこがいいって、幼稚園のお友だちん家へ行っちゃったんだもん、ぼくひとりじゃあつまんないや・・・」



ひとみお姉ちゃん
「ぽんちゃんはお絵かきしてたんでしょう?
けんちゃんは消防士さんに憧れてるからしょうがないよ・・・
大きくなったら消防士さんになるんだってさ!」




ぽん太
「ぼくはお絵かきが好きなんだもん、消防士さんごっこなんてやだもーん」



ぽん太
お絵かきが大好きなタヌキの男の子、7歳の小学1年生です。



ひとみお姉ちゃん
「でもさ...
ぽん太はよく...
ほのぼの湖のほとりで居眠りしちゃうでしょう?
お姉ちゃん、夕方むかえに行くのが大変だっんだから~」 




ぽん太
「ひとみお姉ちゃん、今日のおやつなに~♪」



ひとみお姉ちゃん
「うふふふ・・・♪
ぽんちゃん、おてて洗ってきたら教えてあげる~♪」



ぽん太
「えぇ~~~~!?
もったいぶらないで教えてよ~~!」



ひとみお姉ちゃん
「だめ~~!
ちゃ~んと... 
おててを洗ってからじゃないと教えてあげなぁ~~~い!」





「ひとみお姉ちゃーん!
おてて洗ってきたよ~~~♪
おやつ食べて良いよね~~~♪」




今度は...
けなげな女の子の声が聞こえてきました...



みぃー子
「えへへ♪
わぁ~~~い♪みぃー子がおやつ1番のりだもんね~~~♪♪」



みぃー子
とっても走るのが速い...
うさぎの女の子、8歳の小学2年生です。




ひとみお姉ちゃん
「みぃーちゃん!
ちょっとお姉ちゃんにおててを見せてご覧なさい...!」




みぃー子
「えぇ~~!やだやだやだぁ!
おやつはやく食べたぁ~~~い!」




ひとみお姉ちゃん
「みぃーちゃん!ちゃんと石鹸でおてて洗ってないでしょう!?
おやつはまだダメッ!
ぽんちゃんと一緒におてて洗ってきなさい!」




みぃー子
「えぇ~~~~~~・・・!
そんなぁ~~~~・・・!!」




ぽん太
「ぼく先におてて洗ってきまーす!」



ぽん太はダッシュで洗面所へ行ってしまいました...



ひとみお姉ちゃん
「あ!みぃーちゃん!
早くしないとぽんちゃんにおやつ食べられちゃうぞ!!」



みぃー子
「あぁーーーっ!!
ぽんちゃんずるーいっ!!」



みぃー子はぽん太を追って、洗面所へ走って行きました。





「たっだいまぁーーーー!!!
あー腹へったーー!!
ひとみ姉ちゃん!おやつ!おやつー!!」


またまた元気な男の子の声が玄関から響きました。

今度は、けんと、ぽん太より...
もっともっとやんちゃ坊主な男の子です。



たいち
「ひとみ姉ちゃーん!
おやつあるんでしょーー!?
早く!早く!おれ腹ペコなんだよー!!」


サッカーが得意な男の子...
イタチのたいち...
9歳の小学3年生です...。


ひとみお姉ちゃん
「キャーーー!!
たいち・・・!
どうしたのよそのユニフォーム!!
まっっ黒じゃないっ!!」


たいち
「だって昨日雨ふっただろ?
グラウンドが水たまりだらけだったんだよ!
しょうがないじゃん!」


ひとみお姉ちゃん
「冗談じゃないわよっ!!
そんな泥だらけのユニフォームでおやつ食べたら台所が汚れちゃうじゃない!
たいちも今すぐお風呂にはいって!
じゃないとおやつあげない!!」



たいち
「えぇぇぇーーーーーーっ!!
めんどくさいなぁっ!!
ちょっとだけ食わせてよっ!!
おれ腹へってんだよ!」




ひとみお姉ちゃん
「だーーーーーーーーーーめっ!
台所を誰がおそうじすると思ってんのよ!!
早くユニフォームも洗濯するからぬいでぬいで!!」



たいち
「ちぇっ・・・!!
うるさいなぁ~・・・
わかったよもう~・・・」



ひとみお姉ちゃん
「はぁ~~~ん・・・
やだよもぉ~~~・・・・
泥だらけのまっ黒なユニフォーム・・・
私のエプロンが汚れちゃう~・・・」



たいち
「おれが風呂から出るまでおやつ残しておいてくれよ!?
絶対にぽん太やみぃー子たちに食べさせたらダメだかんな!!」




たいちはそう言いながらユニフォームを脱いでパンツ一丁でお風呂場へ向かいました・・・



ひとみお姉ちゃん
「あっ!たいち~~!
今お風呂にけんちゃんがはいってるから、ついでにけんとの体もよぉ~く洗ってあげてね~~~!!」



たいち
「うげっ・・・!
風呂にけんとがいるのかよ!!
あいつ風呂の中ではしゃぐから困るんだよなぁ~~~・・・」



ひとみお姉ちゃん
「たいちだって小さい頃は暴れて大変だったんだから!
たいちはお兄ちゃんなんだから、頑張って♪」



たいち
「あぁぁぁぁ~~~・・・
ついてねぇ~~~・・・
めんどくせぇ~~なぁ~~・・・」



・・・と
たいちが面倒くさそうにパンツ一丁でお風呂場へ向かったその時でした・・・





「キャアッ・・・!!」


たいち
「え・・・・・!?」


たいちが女の子の驚いた声に気づきました・・・





フレア
「た...
たいち...
パンツ1枚で何してるの・・・?」





たいち
「げっ・・・・!!
フ・・・フレア姉ちゃん・・・!!」






フレア
「あ...
たいちのパンツ...
キャプテンタイガー...?
アニメの...?」





たいちのパンツはサッカーアニメ
「キャプテンタイガー」のブリーフなのでした・・・





たいち
「うわぁぁぁぁぁああああああああああああああああああっ!!!
フレア姉ちゃん見るなよぉっ!!!」




フレア
「たいち...
可愛らしいパンツはいてるのね...
...」




たいち 
「うわぁぁぁぁぁああーー!!
見るなったら見るなーーーーー!!」




たいちは真っ赤な顔をして...
パンツ一丁の姿で...
お風呂場へ走って行きました...




フレア
「・・・・・
そんなに恥ずかしがることないのに...」




フレア
ピアノを弾くのが好きなトイプードルの少女...
10歳の小学4年生です。
エメラルドグリーンの瞳がとても美しく、王国のお嬢さまなのではとの噂がある。



ひとみお姉ちゃん
「たいちったらぁ・・・
私の前だと平気でパンツ一丁になるクセに・・・・
フレアの前だと妙に意識してるのか、オーバーに恥ずかしがるのよね~・・・」




フレア
「たいち..
いつもそう...
みんなの前では...
やんちゃでぶっきらぼうだけど...
私とふたりだけの時はとっても素直でおとなしいの..
なんでだなんだろう...」




ひとみお姉ちゃん
「たいちはきっと...
フレアのことが好きなんだよ...」




フレア
「そうなのかな...」 




ひとみお姉ちゃん
「そうなのよ・・・・!」





フレア
「私たちは...
血のつながった兄弟ではないけれど....

私とたいちでは種族が違う....

それでも...いいのかな...?」




ひとみお姉ちゃん
「好きに種族も兄弟も関係ないよ・・・!
たいちはフレアを本当のお姉さんとして甘えたいのよ・・・

私には...
たいちの気持ちがわかるんだ...」






ぽん太
「ひとみお姉ちゃ~~ん!
おてて洗ってきたよ~~~!!」



みぃー子
「今度はちゃんと石鹸でゴシゴシ洗ったもんね~~~♪
ひとみお姉ちゃん!
おやつはやく~♪」



ひとみお姉ちゃん
「よーし!えらい!えらい!
それじゃあ!
おやつにしよっか!!」



みぃー子
「わぁ~~~~~~い!!
やったぁ~~~~~~!!」



ぽん太
「ねぇ!
ひとみお姉ちゃ~ん!
今日のおやつなぁ~~にぃ~?」




ひとみお姉ちゃん
「.お姉ちゃん、頑張ったんだからね~~~!
今日のおやつは...
ヨーグルトゼリーと、お星さまの形をしたクッキーだよ!!」



みぃー子
「わぁ~~~い♪
ヨーグルトゼリーにお星さまのクッキーだぁ!!」


ぽん太
「ねぇ...
ひとみお姉ちゃん...
けんちゃんと...
たいちお兄ちゃんは~~・・・?」




ひとみお姉ちゃん
「けんちゃんと...
たいちは...
泥だらけだったから...
今ふたりでお風呂はいってるよ~♪.

あ・・・そうだ!
フレア・・・
マリア先生は・・・・?」



フレア
「マリア先生なら...
熊八先生と....
もっくんを呼びに行ったよ...」



ひとみお姉ちゃん
「あーーーー・・・・
すっかり忘れてたーー・・・・

たしか熊八先生...
もっくんに相撲の稽古つけてたんだ・・・・」






その頃...
修道院の裏にある土俵では...

熊八先生と、もっくんが相撲の稽古に明け暮れていました...



熊八
「よーーしっ!こいっ!!」


もっくん
「は・・・はいだなモォ~~~!」



熊八
「おうしっ!!
どぉすこぉぉーーぉぉぉいっ!!」


もっくん
「ど・・・どぉすこいなんだなモォ~~~~~!!」


「バチィーーー・・・ッン!!」




熊八
「ほらっ!どうしたぁっ!?
押しが弱いぞおっ!!
怖がるんじゃない!!
おもいっきりぶつかってこいっ!」



もっくん
「ブモォ...!ブモォ...!ブモォ...!
ど・・ど・・・どぉすこぉぉーーーーぉぉいなんだモォ~~~・・・!」




熊八
「.だめだっ!
まだまだ押す力が足りないぞっ!
そんな押しじゃあ中学では通用しないぞっ!!」




もっくん
将来アニマル大相撲の横綱力士を目指す、心優しい力持ち。
体は大きいですが、11歳の小学5年生です...



熊八先生
「チャイルドホームの院長先生であり、修道院の神父さん。

学生時代はアニマル相撲大会で優勝して横綱にもなった。

不器用な性格で怒るとこわいが、みんなの良きお父さんの役割を果たしている。

副院長のシスター
「マリア先生」に想いを寄せてはいるものの、不器用な性格たる故...
素直になれずいつもケンカばかりする。

体重150kg、ヒグマの38歳






「はぁ・・・・
何だか気まずいなぁ・・・・」



熊八先生と、もっくんの...
相撲の稽古を...
チャイルドホームの壁から...
心配そうに見つめるシスターがいました・・・



マリア先生
「相撲の稽古の途中で...
女の私が止めに入るのも...
何だか場違いな感じもするし...
でも・・・
もっくんだって・・・
いくら力持ちっていったって...
まだ小学5年生なんだし...
そろそろ厳しすぎる稽古を...
なんとか止めさせないと...」




マリア先生
「チャイルドホームの副院長であり、修道院のシスター。

聖アニマル女学院出身。
フィアンセがいたが病死、以後このチャイルドホームにて副院長、及びシスターとして生活する。

普段はおとなしいが、短気で怒りっぽく、熊八先生とケンカすると見境無くなり、よく子どもたちを困らせる。

熊八先生に想いを寄せつつも、元フィアンセの存在も忘れられず、生涯を独り身で負えるか心を揺るがす。

子どもたちの良きお母さんの役割を果たしている・・・つもりではある...。

体重???ヒグマの33歳





もっくん
「ぶ・・・ぶ・・・ぶ・・・
ブモォ~~~~~・・・ン・・・
ブモォモォモォモォ~~~~・・・・・ン・・・!泣」



もっくんは...
自分の不甲斐なさが悔しくて...

とうとう泣いてしまいました...




熊八
「おやおや...?
どうしたもっくん...?
あれぐらいの稽古で泣きベソか?」




もっくん
「グスンッ・・・!
お・・・
お・・・おいら・・・・
も.・・・もう・・・
ムリなんだなモォ~~・・・ン泣」




熊八先生
「もっくん...
そんな情けない事言うな...

先生は怒ってるんじゃない...

もっくんには誰よりも強いお相撲さんになって欲しいから・・・

今のうちに厳しい稽古をつけているんだぞ....


もっくんは将来...
アニマル大相撲の横綱力士になるんだろ?」




もっくん
「うん...
...だなモォ~・・・」



泣きながら小さく首を縦に振るもっくん....


それを見ていたマリア先生は...




マリア先生
「あぁ・・・
もっくん・・・
あんなに傷だらけになって・・・
あんなに涙を流して・・・

それでも夢をあきらめない・・・

もっくん・・・
頑張るのですよ・・・
神はあなたを見守っています・・・
そして私も祈ります・・・
もっくんに...
神の御加護を...

アーメン....」





熊八先生
「はふぅ~・・・
困ったなぁ~・・・」


熊八先生は...
メソメソ泣いているもっくんを見て...
小さなため息をもらした...

相撲の稽古になると...
つい我を忘れて熱くなってしまう悪い癖が出てしまった...

指導者、教育者として...
まだまだ経験不足なんだと深く反省する・・・


私は子どもたちの父親なんだ・・・

それなのに・・・

愛情が足りなかった・・・




熊八先生
「今日の稽古はもうおしまいにしよう・・・
なぁ?もっくん・・・?」




もっくん
「グスン・・・・グスンッ・・・」





熊八先生
「よーーし...
今日の稽古はこれまでおしまい・・・
さぁ...もっくん...

一緒にお風呂にはいって...
ひとみお姉ちゃんが作ったおやつを食べよう・・・!

な・・・!!」




もっくん
「・・・・ブモォ・・・
グシッ・・・・ブシッ・・・!」




熊八先生
「ごめん・・・
もっくん・・・
先生の稽古・・・
ヘタクソだよな・・・」



熊八先生は...
肩を落とし...
もっくんに厳しすぎた稽古指導をしてしまった事を...
謝った....



それを聞いたもっくんは・・・・




もっくん
「どぉすこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉいっ!!!」


「ズドォーーーーーーーーォオンッ!!!」



突然!
もっくんは鼻から「フンッ!」と息を吹き出すと・・・
熊八先生の胸元目掛けておもいっきりぶつかっていったっ!!!



熊八先生
「ぐっうっはぁあっっ・・・!!!」



もっくん
「お・・・おいら・・・!!
お・・・おいら・・・・!!!
おいら・・・!!!
絶対に横綱力士になんだなモォッ!
横綱になって・・・
土俵入りする姿を・・・・!!!


熊八先生に見せてあげるんだなモォッ!!!


だから・・・!
だから・・・!!

もっと厳しい稽古をつけて欲しいんだなモォーーーーーッ!!

熊八先生・・・!!!
もう絶対に・・・!!!

謝ったらダメッ!なんだなモォッ!!!」



もっくんは...
普段は温和で優しく...
強気な事は言わない性格ですが...


熊八先生の...
申し訳なさそうに謝ったひと言を聞いて...
今日初めて自分の意思をハッキリ言ったのでした・・・!!!



熊八先生
「ぐっ・・・・!!!
凄い・・・なんて力強い当たりだ・・・!!!
ここまでの当たりは学生力士時代でも感じた事が無いぞ・・・!!!


・・・・・・!!

こいつぁ~強くなるぞぉ~~!!!

アニマル相撲界最強の横綱になる!!

ようしっ!!
こうなったらわしも手加減はせんぞぉっ!!
遠慮せず...
おもいっきりぶつかってこいっ!!!」



もっくん
「どぉすこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉいっ!!!」


「ズドォーーーーーーーンッ!!!」




マリア先生
「あぁ...
なんてずばらしいのでしょう...

あきらめない心...

夢に向かって全力でぶつかっていく無限の可能性...

もっくん...

あなたは今...
とても幸せな時を生きているのですよ...

夢が叶うその日まで...
私も神に祈ります...

もっくんに神の御加護を...

アーメン...」



夕暮れに染まるチャイルドホームに...
激しい相撲の稽古の激しい音と呼吸が鳴り止まず...
日が沈む...
あかね空に遠く響きわたりました...



「おわり」




けんと
「ねぇー、ひとみお姉ちゃ~ん」


ひとみお姉ちゃん
「なぁ~に...?
けんちゃん...」



けんと
「熊八先生と、マリア先生と、もっくん・・・・
おやつ食べないのかなぁ~・・・?」


ひとみお姉ちゃん
「さぁ~・・・
どうしたんだろうね~・・・」


みぃー子
「わたし食べてあげてもいいよ!」


ぽん太
「あー!!
みぃー子お姉ちゃんいっけないんだーー!!!」



たいち
「ひとみ姉ちゃん、そろそろ晩ごはん作んないと・・・」



フレア
「はい...
たいち...
ユニフォームと...
パンツ...
洗濯、乾燥出来たよ...」



たいち
「あぁっ!!
フレア姉ちゃん!!
やめろよ!恥ずかしいなぁ!」



みぃー子
「あーーーー!
たいち兄ちゃんのパンツ、アニメのキャプテンタイガーだぁっ!!!」


ぽん太
「あはははははは!!」


けんと
「ぎゃははははははは!!」











いかがでしたでしょうか...
久しぶりの虎之助ワールドは...


それでは最後に...

丑年の年賀状イラストを御覧下さい。



年男もっくんと、おやちゃいぼうず

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どすこい!
太刀持ちのおやちゃいぼうず!!
「たまさぶろう」でごわす!
(たまねぎ)
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はっきよい!
露払いのおやちゃいぼうず!
「そうたろう」だべ!
(ほうれん草)
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おら、懸賞旗を持った呼び出しのおやちゃいぼうず。
「いもさく」だぁ~~♪
(じゃがいも)
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にぃ~~ぃぃ~ぃしぃぃぃ~~♪
もう次郎のもっくん~~~♪
見合って見合ってぇ~~~♪
わいは行司のおやちゃいぼうず
「とんとん」やでぇ~!!
(ししとう)
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おいらは横綱
おやちゃいぼうず!!
うり坊だいっ!
(赤瓜トマト)
アニマルランドのもっくん!
お相撲の稽古
頑張ってね!!

もっくん
「うり坊くん、応援してくれて...
ありがとうなんだなモォ~~~!
おいら大きくなったら・・・
アニマル大相撲の横綱力士になるんだなモォ~~~~!!!」
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もっくん
今年は丑年だ!
がんばれ!!


2021年
西郷虎之助
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あの日僕へ3(予告編)と~夢幻の世界へ御招待~

寒くて長い冬が...
ようやく終わりを迎える頃...

菜の花の香りが...

風にのせて僕の鼻先をくすぐってきた...

思わず大きなくしゃみをして...

春の夕映にできた僕の長い影を見たとき...

幼かったあの頃をふと思い出す...






~思いつきおまけ短編集~
「夢幻の世界へ御招待」

(第一話)






僕の名は「田中幸彦」40歳

妻、子供2人

万年ヒラの商社サラリーマンだ...





毎日毎日忙しくて....

時間の流れを忘れて生きていると...

夢や目標を持ち...
未来へ向かって足早に歩いている足を...
なんとなく辞めたくなる時がある...


逃げられない社会で...

重い責任をいくつも背負い...

必死に這いつくばって生きていくことが...

本当に僕の幸せなんだろうか...



僕の子供の頃の夢は...

野球選手だった...

だけどそんな夢も叶うはずもなく...

見積書と報告書がたくさん詰まった安物のカバンを片手に...

硬いコンクリートで舗装された歩道を走って...

得意先のオフィスビルへと向かい...

ひたすら赤の他人に頭を下げる毎日が続いてく...




(田中の心の叫び)

ちっ!馬鹿野郎が....!

それぐらいわかってんだよ...!

この頭でっかちのハゲ!!

まったくよ...!

こいつの嫁の顔がどんなのか...
一度拝んでみたいもんだぜ...!



僕はまた...

深々とお辞儀をして...

ロビーの入り口を出る...

そしてまた...

次の得意先のオフィスビルへと向かって走ってく...


もう...
嫌だ...こんな人生...

疲れた...
何もかも忘れて何処か遠くへ逃げたいよ...

とうとう情けない弱味を口走ってしまった僕...



その時だった...


合同庁舎の駐車場に咲いている...
満開の桜が...

風に乗せてハラハラと舞い散り...

僕はまるで...
映画のワンシーンのような桜吹雪に包まれた...


あぁ...
綺麗だなぁ...

もう桜が散り頃の季節になっていたのか...


僕は走っている足を止め...
ゆっくりと目を閉じた...


すると...




あれ...?

ここは...

僕が再び目をあけた時....


目の前に広がるのは...

どこまでも広く続いてくだんだん畑に...

深々と緑溢れる山々...

一本の細い田んぼのあぜ道の真ん中に立っている僕は...

生まれ育った故郷にいたんだ...


あ!僕の体が...!!


学生服に身をまとい...
頭には学生帽...

肩掛けカバンを下げている...


ど...

どうなってんだ...!?

中学生に戻ってるじゃないか!!




田中く~~~ん!!
待ってよ~~~~!!



え....?


誰か女子中学生が僕の方へと駆けつけてくる...



ハァハァ...
田中くん、一緒に帰ろう!



え....誰だよ...

って!・・・おいっ!!

お前・・・!
確か2年の時同じクラスだった...
「深沢ゆきえ」じゃねえかよっ!!



深沢
「そ~だよ?
私、深沢ゆきえだよ、今さら何言ってんの?田中くんったら変なの!」



田中
「お....お前....
確か山中と結婚したはずなのに....
何で....」



深沢
「山中くん?
やだー!なんで私が山中くんと結婚しなきゃならないのよ!?
私...山中くんなんて...大っ嫌い!!」



田中
「何いってんだよ...
山中に泣きつく程に惚れてたくせによ...!
あいつん家は親父が大手企業の上役部だから玉の輿でウハウハだったじゃねーかよ!!」


深沢
「失礼ね!私、結婚は本当に好きな相手じゃないとしないんだもん!!
お金目当てで結婚なんて、バカみたい!」


田中
「よく、言うぜ...
外車にベンツに海外旅行...
ブランドもんいっぱいちらつかせやがってよ!」


深沢
「もう!田中くんったら~~・・・
さっきから何訳の分からないこと言ってんのよ!」



田中
「お前は金につられた女なんだよ...!」



深沢
「べーだ!そんな意地悪聞かないもーん♪
私は山中くんなんかより...
田中くんの方が理想の旦那さんだも~ん♪」



田中
「あぁっ!?
何言ってんだよっ!!
お前みたいな金づる女と誰が一緒になるかよっ!
バーーーカッ!!」



深沢
「ひ...ひどい...
わ...私...
た...田中くんの事.....好きなのに...
あぁ~・・ん・・あんあんあ~~ん・・・泣!!」



田中
「ば...!バカッ...!!、泣くなよ!こんな所で!」



深沢
「グスン....
じゃあキスして!!キッパリ」



田中
「はぁっ!?キスぅ~!?
バカかよお前はっ!!」



深沢
「う...グスン...
いいもん...また泣いちゃうから...」



田中
「わ...!わかったよもうっ!
キスしてやりゃあ~いいんだろっ!!」



深沢
「うん♪」


田中
「いいか・・・
一度だけだからな・・・」


深沢
「はやく・・・
して・・・」


田中
「じ...じゃあ...
目をつむれ....」



深沢
「うん...」


田中
「よ...よ~し....
じゃあ...いくぞ....」


深沢
「うん...」


田中
(ドキドキドキ・・・)


深沢
「・・・・」


田中
「ぐっ・・・!!」


僕は深沢の肩に手を掛けて・・・
思い切って目をつむった・・・


そして・・・


あ・・・・


あれ・・・・??


僕が再び目を開けると・・・

合同庁舎すぐ横の歩道の真ん中に立っていた・・・



な・・・

何なんだよ・・・

さっきの幻覚は・・・

夢か・・・?


どうやら元の世界に戻ったようだ・・・


足元を見ると...

道道に落ちた桜の花びらが...

風に吹かれてふわりと舞い上がった...



あーーあ・・・

せっかく深沢ゆきえとキスするチャンスだったのによー・・・



足元の桜がサラサラと風に流されてゆく・・・

僕は歩道をゆっくりと歩き出し・・・

小さな声で・・・

一人つぶやいた・・・



バカだなぁ・・・

どうしてあいつを振っちまったんだろう・・・



本当は好きだったんだ・・・

だけど素直になれなくて・・・

あの時...

もし本当の気持ちを打ち明けていたら.・・・








「あら、田中くんじゃない?」




突然後ろから・・・

僕の名前を呼ぶ女性の声が・・・!



え・・・?
って振り返ってみると・・・


黒光りした真っ黒な高級ベンツの窓から顔を出して手を振る女性・・・

その正体は・・・



「田中くんでしょ?久しぶりじゃない!私よ私!」



高級ベンツの窓から手を振っている女性・・・


スタイリストにヘアアレンジを施され・・・

パステルカラーのソフトな仕上がりのナチュラルメイクに・・・

大胆に胸元が見える純白のシルクワンピースでドレスアップしたセレブなマダム・・・


あの深沢ゆきえだった・・・



田中
「なっ・・・!
何処の奥様かと思えばよ・・・

セレブの深沢ゆきえじゃねーか・・・

綺麗にドレスアップなんかしやがって・・・
何の用だ?」




ゆきえ
「あら...いやだ...

久しぶりに会ったのに...
そんな冷たく遇うことないじゃい...

それに私...
今は山中ゆきえよ...
失礼しゃちゃう...」



田中
「ふんっ!
何か御用ですか...
山中グループの御婦人様よ!」



ゆきえ
「ウフフ...
偉そうな口の利き方も相変わらずね...
ところで田中くん...
今何してるの?」



田中
「な・・・何って・・・
見りゃわかるだろ・・・?
仕事だよ!仕事・・・!」



ゆきえ
「また営業回りかしら?
不知火コーポレーションも今は経営不振で大変よね~・・・
あなたの会社、大丈夫なの?ウフフ♪」



田中
「うるせえよっ!
だから今こうやって、必死でオフィスビルを周ってんだろーが!」



ゆきえ
「あら...コワイ顔しちゃて...
ホント昔とちっとも変わらないわね...
営業マンがそんな生意気な態度だと...
いつまで経っても得意先から契約してもらえないわよ?」



田中
「う・・・!!
うっせーよっ!!
余計なお世話だ!!

何不自由なく暮らしているセレブの奥様には関係ねーだろ!」




ゆきえ
「ねえ田中くん...
これから主人が開催する、山中グループ専属会社のパーティーに向かう所なんだけど・・・」




田中
「専属会社のパーティーだぁ~?」



ゆきえ
「よかったら、あなたも来ない...?」



田中
「はぁっ・・・!?」



ゆきえ
「主人と・・・
久しぶりに会ってみたらどうかしら...?」




田中
「さっきも仕事中だって言ったろ!
何をバカなこと・・・!」




ゆきえ
「いいじゃない...
たまには一流シェフの作った世界のグルメ料理食べましょうよ
山中グループの名前出したら、あなたの会社もきっとOKしてくれるはずだわ...」



田中
「バーーーカ!
これだからマダムはわかってないよな!

そんな理由で会社抜けたりしたら信用失っちまうよ...
今が踏ん張り時なんだ!
これまでの努力が台無しになったらどうするんだ...!」



ゆきえ
「雇われのヒラ社員は大変よね~!
田中くんは営業マンなんだもの...
忙しくてパーティーなんかに現を抜かしている暇なんてないわよね...
あ~残念、美味しいシャンパンもあるに!」




田中
「なんだとこのぉっ!!」





運転手
「奥様...
そろそろ急がないとお時間が...」



ゆきえ
「あらごめんなさい...」



プッ♪プーー♪



田中
「早く行けよバーカ!
後ろ車が待ってるぞ!」



ゆきえ
「出してちょうだい」



運転手
「はい、奥様...」




ゆきえ
「じゃあ田中くん、忙しい時にごめんなさいね」




田中
「まったく...
いい迷惑だよ!」




ウィーーーーー・・・ン・・・





ゆきえ
「田中くん...
営業周り頑張ってね!
契約取れるといいわね、さようなら...」




田中
「じゃーな、セレブの奥さん」




ウォォォーー・・・・ン・・・♪




僕は・・・
真っ黒な高級ベンツが出るのを・・・
ただ悔しい思いで眺めていた・・・




これで良かったんだ・・・

これで・・・






一方ベンツの車内では・・・


運転手
「奥様...先ほどの男性との御関係は...」



ゆきえ
「・・・・・・」



運転手
「申し訳ございませぬ奥様...
わたくし大変御無礼を申し上げまして...

差し支えなければと思ったのですが...」




ゆきえ
「あの男はね・・・」




運転手
「あ...
はい...」




ゆきえ
「私の・・・・
初恋の男だったの・・・」




運転手
「は....
さようでございましたか...

ありがとうございます...
わたくしなんぞに心の内を話して頂いて...

ですが心配御無用ですぞ奥様...

旦那様には...御内密にしておきますので....」





ゆきえ
「バカな男よ・・・
私を振ったするから・・・

ちょっと意地悪しちゃった・・・」




運転手
「奥様には旦那様がふさわしいと
わたくしは思いますぞ...」




ゆきえ
「スッキリしたわ!
あの男に・・・
私との格差を見せつけてやったの・・・」




運転手
「同じ男のわたくしならわかります...
あの男性...
奥様を見て...大変悔しい思いをした事でしょうな...」




ゆきえ
「フンッ...
私の勝ちね...」




運転手
「もちろんです...
奥様は山中グループ会長である旦那様の...
御婦人なのですから...」




ゆきえ
「男はやっぱり・・・
経済力よね・・・

いつまで経ってもヒラの雇われ社員では...
主人の足元にも及ばないわ・・・」




運転手
「誠でございます奥様...」




ウォォォーーーーー・・・・ン・・・







そして・・・

ゆきえが乗った高級ベンツが・・・
交差点を右に曲がり見えなくなると・・・



田中
「バーーーカ!!
バーーーカ!!バーーーカ!!
バァァーーーーーーーーーーーーーァァカッ!!
2度と現れんな!!金に目が眩んだ銭ゲバ女が!!
いつか山中に捨てられろっ!!!」


ハァ....ハァ...ハァ....


僕は息を切らしながら・・・
ふと腕時計へと目をやると・・.


やっべっ!!!
もう15時半かよっ!!

早く湧永商事のビルに急がないと!
アポイントの時間に遅れちまう!!

僕は慌てながら...

見積書と報告書がたくさん詰まったカバンを抱え...

再び走り出したのであった...




厳しい現実社会の中で・・・

重い責任をたくさん背負い・・・

僕はこれからも・・・

この街で・・・

忙しい毎日を生きていくだろう・・・



いつかは訪れる・・・
夢幻のような安らぎの世界へと旅立つ日まで・・・













(終わり)






あの日僕へ3(仮)
(予告編)




マー坊
「ねぇ、虎にーちゃん」



虎之助
「んー?どうしたマー坊?」



マー坊
「どうして虎にーちゃんの、おちんちんには毛が生えてるの?」



虎之助
「んん~~・・・
それはだなぁ~~・・・
おちんちんが風邪をひくからかなぁ~?」


マー坊
「じゃあボクのおちんちんには、どうして毛がないの?寒くて風邪ひいちゃうよ~?」


虎之助
「う~ん・・・
マー坊のおちんちんはね、まだ小っちゃいから風邪ひかないんだよ・・・」


マー坊
「どうしておちんちんが小っちゃいと、風邪ひかないの~?」


虎之助
「マー坊のおちんちんは、皮を被ってるでしょ?
あったかいから風邪ひかないんだよ~」


マー坊
「ふ~~~ん・・・
そうなのか~~・・・
皮を被ってると、風邪ひかないんだね!」


虎之助
「大きくなったら、皮を脱ぐだろう?
それで寒くておちんちんが風邪ひきそうになるんだ!」


マー坊
「だから虎にーちゃんのおちんちんには毛が生えてるんだね!」


虎之助
「えっへん!そうなのだ!」


マー坊
「ボクにも早くおちんちんに毛が生えてこないかなぁ~?」


虎之助
「大丈夫だよ!
マー坊も、きっと大きくなったらおちんちんに毛が生えてるからさ!」


マー坊
「ほんとう~?」


虎之助
「本当だよ!」


マー坊
「ボクのおちんちんに毛が生えてたら、虎にーちゃんは1番で見せてあげる!」


虎之助
「にーちゃん1番で見せてくれるの?
楽しみだな~!」


マー坊
「うんっ!!」



僕を「お兄ちゃん」と呼んでくれたのは...

ケン坊の8つ歳下の弟「将弘」(まさひろ)

通称「マー坊」だった...

ケン坊とマー坊は

僕のお向かいに家があるんだけど...

親父さんが出稼ぎ労働者のため、家には殆ど居なかったので...

幼い頃から僕の家に住んでいたのです...

なのでマー坊は本当の弟のように可愛がっていました...

マー坊も、僕を「虎にーちゃん」と呼び、とても懐いてくれたので...

マー坊の前ではいつもお兄ちゃんぶって、弱い所や泣いている姿はなるべく見せないようにしていました...

そんなマー坊を肩車した時の思い出を...

ちょっぴり思い出してみました...


「お兄ちゃんと肩車」
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誕生日シリーズ第4弾!!2年振りに発信!

ふんどし坊主の山あり谷あり七転八倒

・・・を御覧の皆様こんばんは!


今・・・

日本中・・・
いや・・・

世界中を地獄に貶めようとしている

「新型コロナウィルス(COVID-19)」


ブログ御覧になられている皆さんは大丈夫でしょうか・・・?

一月前までは・・・

私自身も・・・まぁ大丈夫だろう・・・

時間が解決してくれる・・・

と・・・ 

見えないウィルスを甘く見過ぎていました・・・


しかし・・・

大好きなドリフターズのメンバー

コント界の巨匠
志村けんさんがお亡くなりになりました・・・

コロナウィルス陽性反応から・・・
その期間はわずか10日足らず・・・

志村けんさんは、滋養強壮剤の「キヨーレオピン」の愛飲者だったのは、以前から知っていましたし・・・

近年ではタバコも辞め、お酒の量も減らし
健康には気をつけていたはずなのに・・・

70歳という・・・
まだまだ活躍出来たはずの年齢でしたが・・・

静かに極楽浄土へと旅立ってしまいました・・・

残念な思いが募るばかりです・・・


この速報に、多くの方が悲しみ・・・

志村さんの御冥福を祈る間にも・・・

ウィルスの感染は容赦なく広がり続け・・・

悲しむ余裕すら与えられない程の速さで今なお感染者は増え続けています。

問題はウィルスだけではありません・・・

東京オリンピックが来年に延期・・・

飲食店や夜のお店は続々廃業・・・

学校は休校期間が延長・・・

マスクが店舗から消えて買えない状況・・・

緊急事態宣言が出ても出社しなければならない方たち・・・

医療機関はいっぱいで検査も受けられず・・・



まさか・・・
2020年が・・・
こんな年になるなんて・・・
思わなかった・・・


来週、再来週と感染者はもっともっと増え続けます

日本はこれからどうなってしまうのでしょうか・・・

終わりが見えない恐怖と不安・・・

私もいつ感染するかわかりません・・・

敵は見えないウィルス・・・

防ぎようがない・・・

今の私に出来ることといえば・・・

やはりブログを書く事しか出来ません・・・



そこで!!

4月11日

今日は虎之助の誕生日です!!

皆さん御存知でしたか?


誕生日ということは・・・


久しぶりに・・・

あのシリーズを書きます!

いえ!描きます!!

さて・・・

今でも虎之助が忘れられない!!

・・・という、究極の七転び八起きマニアの皆さんに朗報です!!

コロナウィルスで暗くなったあなたを少しでも明るい光を・・・!!!


西郷虎之助の誕生日の感動?シリーズ台4弾!!

製作決定!! 

昨年は平日で時間もとれなく、あからさまな手抜きで終わってしまいましたが・・・

今年は久しぶりにやりますよ!!

さすがに今日中は無理でしたが、只今必死に描いて製作中でございますので・・・

もうしばらくお待ち下さい!!

今回はこれまで以上の出来栄えになるかも!?

2016年に配信された第一弾シリーズのリメイク版イラストや、深山中学相撲部のお馴染み5人のチャルメラーズ軍団等も廻し姿で登場!!

まだ完成がどうなるかは未定ですが、コロナウィルスに負けないよう久しぶりに奮闘しますので、是非皆さん覗いてやって下さい!!

早くて明日か、遅くて来週末になりますので、皆さんもコロナウィルスに負けないよう待っていてね!!


愛媛県立深山中学校入学式
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愛媛県中学相撲大会(団体戦)
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3.11~9th year hope~「空からふってきたものは...」

なんでも知ってるつもりでも...

世の中には知らないことがいっぱいあるんだよ...


(おでんくんのパクり)


2020年 3月 11日


あの東日本大震災から...
今日で9年の時が流れました...


長かったような気がしたけれど...

思い返してみれば速かったような...

来年で10年になるなんて...

時の流れが瞬きする間にどんどん過ぎてゆく...

でもそれはあなたが一生懸命生きたから...

気づかなかった...

幸せな時間を過ごしてきたのかな...


だって...
9年前で時間が止まってしまった人が...
この町にはたくさん居るのだから...


笑ったり、泣いたり、怒ったり

生きているからできるんだ...

今日は大切なあの人と...

暖かい体で触れあえる喜びと幸せを...

一緒に感じたいな...







3.11~9st year hope~

「空からふってきたものは...」(完全版)

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東日本大震災から...

今日で9年目となる...

3月11日の朝を迎えた...

この陸前高田市高田松原で...

遙か遠くまで見渡す限りに続いてゆく砂浜に...

空に向かってグンと伸びてくシルエット...

希望の象徴を表す存在感に...

今日もこの場所へと...

皆がやってくる...

これが...


「奇跡の一本松」



太陽が東の方から顔を出し...

朝日の光が広い水平線を...
キラキラと照らします...


海から砂浜へと吹き抜ける風...

この地を見守る「一本松」の青葉が...
ザワザワと音をたてて揺れている..


まだ冷たい風が...
静けさの中...

松の青葉の揺れる音...
遠くから聞こえる小さな波の音が.... 

広い砂浜を優しく撫でるようにささやいている.....
...




そんな静寂な朝の中...

まだ周囲に誰も居ない早朝の高田松原に...

ある親子2人の姿が見えてきました....




真奈美(まなみ)
「父さぁーーーーーん!
早くーーーーーーーーーー!!
こっちだよーーーーーーーー!!」



猛(たける)
「ハァ・・!ハァ・・!ハァ・・・!
お・・・おぉ~~~・・・い・・・!
ま・・真奈美~~~・・・・・!
は・・・・走るのだけは・・・!
勘弁してくれよ~~~・・・・!!」



真奈美
「もうっ!父さんったら!
ゆうべビールなんか飲んでるからへばっちゃうのよ~~!」




「はぁ~~~~・・・!しんどい・・・!
ハァ・・ハァ・・・ハァ・・・・
父さん・・・
心臓がパンクしそうだよ・・・!」



真奈美
「父さんが最近太って体重増えたの知ってるんだからね!
年齢も40歳とっくに過ぎてるんだから、いい加減体の事考えておかないと次の健康診断引っかかっちゃうぞ~~!」




「あぁ~~~~!!
さては真奈美~~~~!!!
父さんの健康診断結果通知みたなぁ~~!!」



真奈美
「血圧と尿酸値が高めの肥満型だってさ!
このままだと、生活習慣病になるかもねー!」





「ふんっ!
父さんはまだまだ生活習慣病なんかにならないぞ!
習慣にしているウォーキングだって、しっかり頑張ってるんだからな!」



真奈美
「やだっ!父さん!?
ズボンのお尻が破けてるよ!!」




「え・・・えぇっっ!?
まさかっっ!!」



真奈美
「なぁ~~んてね!!
ウッソぴょ~~~~~ん♪♪」





「このやろ~!(怒笑)
親をからかいやがって~~~!!」



真奈美
「ははぁ~~ん♪
ここまでお~~~いで~~~だ!!」




「こらぁ~~~~!!
逃げるな!!待て~~~~!!」





他愛のない親子の会話...

仲良くじゃれ合う仲の良い父親と娘...


まだ日が登り始めたばかりの広い海辺に...

吹き抜ける風と...
小さな波の音...

2人の楽しげな笑い声が...
遠い砂浜まで届きそう...





陸前高田市高田松原にある

「奇跡の一本松」へ...

朝一番のりでやってきたのは...




本条真奈美(15歳)と...

本条猛(43歳)の...

父親と娘の親子でした...





「さぁ鬼ごっこはもうおしまい!
真奈美、父さんと一緒に並んで...」



真奈美
「はーーい!
・・・お祈りの前に・・・
希望の鐘・鳴らすね・・・」



カラァ・・ン♪
カラァン♪カラカラァン♪カラァ~ン♪


真奈美は...
海風に吹かれながら...
一本松の横にある「希望の鐘」を鳴らすと...

高田松原の砂浜一辺が優しい音色に包まれる...

左右に揺れる金色の鐘が...
朝日に照らされキラキラ眩しい光を放ちながら揺れている...



真奈美と猛は2人並ぶと...

手を合わせ...

そっ...と目をつむった....


真奈美は4月に入学する高校の真新しい制服を着て...

猛は高校の入学式に着ていく為...
新しくオーダーメイドに仕立て上げた紺の背広を紳士に...


9年前の3月11日...

津波で亡くなった...

真奈美の母親であり...

猛の妻...

本条恵子(けいこ)に...

祈りを捧げた...






静まり返る中...

祈りを捧げる2人...

頭上から松の葉が...
風でザワザワ....

砂浜一辺の波が...
ザザァ...ザザァ....

制服と背広が...
風ではためく音...



2人は9年目の想いを祈った

愛する恵子へ...





2011年・3月11日


あの日...

僕たちは...

当たり前の生活をしていた...

よくあるありふれた...
仲の良い夫婦...

真奈美がまだ6歳の頃...

卒園式が終わったら...

4月から晴れてピッカピカの1年生...

恵子は真奈美の卒園式と入学式には...







3月11日の朝



恵子
「真奈ちゃーん!
ごはん食べ終わったら、幼稚園に行く準備してねー」


真奈美
「え~~!
まだテレビ見た~い!」



恵子
「もう幼稚園に行く時間だから、テレビはもうおしまい、ごはん終わったらすぐにお着替えする!
わかった~?」



真奈美
「うぅ~~~~ん・・・
やだぁ~~~~・・・」



恵子
「真奈ちゃ~~・・ん・・・.
もうすぐ1年生でしょ~・・?
学校へ行くようになったら、朝もっと早起きしないといけないんだぞぉ~~?」



真奈美
「えぇ~~~・・・
そんなの真奈やだぁ~~~・・・」



恵子
「えぇ~~~・・・?
じゃあもう1年・・・
幼稚園通わないといけなくなるぞ~~~?
せっかくパパがピンク色の可愛いランドセル買ってくれたのに~~~~?
それでもいいの~~~?」



真奈美
「はぁ~~~い・・・
ママごちそうさま~~~・・・
真奈、お着替えしてくる~~~・・・」




恵子
「は~い、よく食べました~~♪
真奈ちゃんは良い子だね~~~♪
制服と靴下、ハンカチ、もう出してあるから、お着替えGO♪」




真奈美
「は~~~~い!」




「おーーーい!
おーーーい!恵子ー!
ネクタイがうまく締められないんだ...
ちょっと手伝ってくれよーー!」



恵子
「ちょっと!あなた!?
まだ着替え済んでなかったの!?
早く支度しないと、会社遅刻するでしょ!?」




「わかってるよ~~・・・!
でもワイシャツの糊付けが硬くて..
1番上のボタンが止まらないんだ!
これじゃあネクタイが締められないよ~!
恵子早くしてくれー!」



恵子
「もう~!
しょうがないひとね~~~!
ほら、貸してごらん・・・!」 




「はぁ~~~・・・
もう~~~・・・・
頭痛ぇ~~~~・・・
ラクラする~~~・・・」



恵子
「ゆうべビールばかり飲むからよ!」




「なぁ~恵子~・・・
俺の財布と携帯と鞄はーー?」



恵子
「ちゃんと玄関に置いてるわよ~」




「え・・・
えへへへ・・・すまんなぁ~・・・」




恵子
「ちょっ・・・!!
口が超く・さ・い!!!

あなたっ!?
ちゃんと歯磨きしたのっ!?」




「もういいじゃねぇ~かよぉ~~・・・
遅刻しそうなんだからさぁ~~~・・・
通勤中にキスミントガム噛むから大丈夫だって!」



恵子
「あ~~やだやだ!
私、歯も磨かない不潔な夫となんて・・・」





「お・・・
夫となんて・・・?」 



恵子
「ふふ~~・・・ん・・・」




「な・・・なんだよぉ~・・・」




恵子
「いってらっしゃいの・・・

キスしてあげないもんね~~~だ♪」





「お・・・
おいおい~・・・
そりゃあないだろぉ~~・・・・」



恵子
「だぁ~~~~~めっ!
ちゃんと歯を磨いてくれるまで・・・
キスはおあずけ!!

はい!ネクタイ出来上がり!」




「わかったよ!
今から急いで磨いてくるから・・・
ちょっとそこで待っといてくれよな!」



恵子
「髭もしっかり剃っといてね~♪
私ジョリジョリ痛いの嫌だから!」




「お・・・おうっ!
恵子にはかなわんなぁ~~・・・」


ドテドテドテドテドテ・・・













何気ない朝の日常...

寝ぼすけな僕は...

朝が弱くてなかなかベッドから起きられない...

それでも君は...

毎朝ちゃんと僕を起こしに来てくれて...

台所で美味しい朝食を用意してくれたんだ...

真奈美の面倒も任せっきりで...


本当に...

ズボラでダメな夫だった...


だけど僕は...
本当に...

本当に幸せだったよ...

恵子・・・

・・・

僕は君を・・・










恵子
「ほら、あなた...
おサイフ、携帯電話、ハンカチに鞄・・・
大丈夫?忘れ物ないわよね?」




「まだひとつ...
忘れているぞ~~~・・・?」



恵子
「・・・・・・?
・・・何よ・・・
もう持って行く物は全部持ったでしょ?」




「・・・・・・・・・・・・・・・
んーーーーーーーーーーーーー・・・・」



恵子
「んふふふ・・・
もう~・・・
あなたったら~~・・・
しょうがないな~~・・・・・・」











「チュ❤」







真奈美
「あぁ~~~~~~~!!
ママとパパがチューしてる~~~!!」









それが...
君との...


最後のキスになるなんて...



そして...




恵子
「ねぇ...あなた...
今日金曜日だから、お仕事早く終わるんでしょ?」





「おうっ!
新しい企画の案件も目処が立たった事だし...
今日は残業もなく早く帰れるぞ!!」




恵子
「じゃあ...
今晩の夕飯、何がいい?」




「そうだなぁ~・・・
今日は寒いから、恵子の作ったアツアツの...」







「ロールキャベツが食べたいな!」







恵子
「ロールキャベツね!
オッケー!
ちょっと下ごしらえが面倒だけど...
まぁいいわ!任せといて!!」





「多めに作っといてくれよな~~♪」




恵子
「わかってるわよ♪」




「それじゃあ・・・」



恵子
「うん・・・」






「行って来まーーす!」 



恵子
「行ってらっしゃーーい!
気をつけねー!」





・・・・・・





これが....

恵子と交わした...

最後の言葉だった....





9年間・・・

僕と真奈美・・・

2人3脚で生きてきたよ・・・


まだ幼かった真奈美を...
男手1人育てるのは...
想像を絶する苦労だった...


父親と娘という関係は...

言ってみれば男と女...

いくら親子であれど...

性別の違いによって...

絶対に踏み入れる事の出来ない大きな壁があるんだよ...

真奈美が小学校高学年になる頃には...

何度も衝突したし...

母親の役割がどれほど必要か...

身をもって刻まれたよ...


だけど...

今こうして真奈美と一緒に...

君を想い...

祈りを捧げてる...


6歳だった真奈美も...

15歳になり...

4月から高校生だよ...


僕もすっかり43歳...

中年の親父になってしまって...

だけど...

僕と真奈美の中に残っている...

君と過ごした思い出の記憶は...



あの日で止まったままなんだ...



いつも明るくて...

いつも優しくて...

いつも朗らかで...

いつも活発で...

いつもキレイで...

いつも笑っている...

そんな君の姿が...



そんな恵子の姿しか・・・・・












真奈美
「父さん...
泣いてるの・・・?」





「あ・・・
真奈美...
ごめん...
父さん...
恵子の事...
色々思い出しちゃってな・・・」




真奈美
「いいよ・・・
今日ぐらい泣いてもさ...
神様は許してくれるよ...」





「神様かぁ・・・
もし本当に居てくれたら...
父さんは・・・
恵子を天国から連れてきてもらいたいなぁ...」





真奈美
「父さん・・・
海・・・
キレイだね・・・」





「うん・・・
キレイだね・・・
海の光が眩しいな・・・」




真奈美
「こんなにキレイな海なのに...
まっ黒な津波がこの砂浜一辺にあった松の木を押し流してしまうなんて・・・
何だか信じられない・・・」





「7万本もあった松の木を...
この1本だけを残して...」




真奈美
「あれ・・・?
ちょっと父さん!父さん!
あそこ!見てよ!」





「真奈美...
どうしたんだ...?」




真奈美
「ほら!父さん!
一本松のふもと見てよ!」



真奈美が指差す一本松のふもとをへ...
猛が目を伏せるやると...




そこには・・・
小さくてかわいらしい...
新芽の松の木が生えていました...

この松の木は...

誰が植えたのだでしょう...




真奈美
「わぁぁ~~~~~!!
こんなに小さな松の木が生えてるよ~~~!!
かわいい~~~~~!!!」





「またずいぶんと小さな松の木だな・・・
こんなの前は無かったよな気がするけど・・・?」






と・・・

2人が小さな松の木に夢中になっている...
その時でした・・・



パラパラパラ・・・
と何か・・・
雨のような雫が降ってきました・・・




真奈美
「え・・・!?
ちょっと父さん・・・!?
雨降ってきたんだけど・・・!?」



猛 
「わっ・・!わっ・・・!
なんだなんだなんだ~~・・・!!
急に雨が降るなんておかしいぞ~!?」




2人は突然の雨に...
慌てながら空を見上げると・・・



真奈美
「変なの~~・・・
雲なんてほとんど無いのに・・・」





「こんな晴れた日に雨なんて...
考えられないよ...
きっと...
松の木の若葉に付いていた朝露か何かの水滴が...
風に揺られて降ってきたのかもしれないな...」





2人が上から降ってきた...

謎の雫に不思議がっていると・・・

真奈美はある異変に気がついて大声をだした・・・





真奈美
「ちょっと父さーーんっっ!!!」





「な・・・!
何だよ真奈美・・・!!
急に大声出したりしてー!!
父さんびっくりするじゃないかー!!」




真奈美
「この雨みたいな水滴・・・!!

おしっこの匂いがするんだけどっっ!!!」





「おしっこ~・・・?
今の雫がかぁ?
ははは!まさかぁ~~・・♪」


クン...クン...クン...クン...


・・・と

猛も背広の袖を嗅いでみると・・・




「う・・・うわ・・・!
うそだろ・・・!?
これ・・・・!
本当に小便の匂いがする・・・!!」




真奈美
「でしょーーーっ!?
この匂いは間違いなく・・・
おしっこよっっ!!!」




「うっへっ!!
くっさいな~~!!
せっかくオーダーメイドした背広に小便かけられるなんて冗談じゃないぞ!!」



真奈美
「私だってー!!
今日母さんに高校の制服見てもらおうと思って着てきたのにーっ!!
こんなの最悪だよーっ!!」





「鳥の大群とか飛んでなかったよな・・・?」




真奈美
「もうっ!ヤダー!!
父さん!早く帰ろうよー!!
早くクリーニングに出さないと匂いが染みついちゃう!!」





「父さんだって・・・
このオーダーメイドしたスーツ高かったんだぞ!」





真奈美
「私帰るっ!!
父さん早くしてよ!!」




「待てよ真奈美ー!
走るのだけは勘弁してくれー!!」




怒りながら...

奇跡の一本松を後にした真奈美...

それを慌てて追いかける猛...



陸前高田市...
高田松原の空は...

冷たい雪の降っていた...
9年前のあの日とは...

うって変わって良い天気...







恵子...

天国から見ているかい...?

僕と真奈美は...

こんなに元気だよ...

まだまだ真奈美の気苦労が絶えない...
毎日が続きそうだけど...


君の分も...

しっかりと生きていくからね...



いつか真奈美が結婚して...

バージンロードを真奈美と一緒に歩く日が来るまでは...

気が抜けそうにないかな~~・・・








今日は2020年の3月11日


あの東日本大震災から9年目となる日


猛の愛する妻であり...

真奈美の母親の...

本条恵子に祈りを捧げ...

しんみりと思い出に浸っていたはずが...

空から降ってきた「おしっこ」のせいで・・・

ムードが壊れてしまいました・・・


この・・・


空から降ってきた「おしっこ」は・・・


一体誰の仕業なのでしょう・・・


西郷虎之助のブログを見てきたユーザーさんなら・・・


何となくわかる・・・よね・・・?












3・11~9st year hope~
「空から降ってきたものは・・・?」


(終わり)























































恵子へ

僕は今でも君のことを

愛している。








母さんへ

4月から高校へ入学するよ!

カッコイイ彼氏が出来たら紹介するね!


真奈美

5年目のあゆみ。

2020年・2月22日

ブログ開設記念日・特別フォトショット公開


皆さまこんばんは...

お久しぶり
西郷虎之助でございます。

今世間では、新型コロナが流行っておりますが...
皆さんお変わりなくお過ごしでしょうか...


本日・2月22日

ブログを開設したあの日から...

5年もの時が流れてゆきました。

本当...
早いものですね...
.

歳をかさねると...
四季の移り変わりが早すぎて
古いアルバムのページをめくっているみたい...




虎之助は変わらず...
意地っぱりな泣きベソ坊主でございますが...

日本の男児として生まれた暁として...

真っさらな褌をグッ...!と締めなおし...

山あり谷ありの人生を...
堂々とがに股で歩んで行く覚悟でございますので...

どうかこの先も...
暖かい眼差しで見守って下さい...



いままでも...

そしてこれからも...

ありがとう...

2020年・2月22日

西郷虎之助
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ふんどし坊主の七転び八起き人生

あなたは「西郷虎之助」を・・・

知っていますか・・・?



それは・・・

Yahoo!ブログから始まりました・・・


「ふんどし坊主の七転び八起き人生・中学編」
ウェブサイトより発刊(徳間書房)
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西郷虎之助

桜の花びらが・・・

春風に吹かれ・・・
田畑や川谷に舞い散る頃・・・

愛媛の山奥にある深山町の寺村に・・・

元気な男の子「虎之助」が誕生しました・・・


「虎之助」という名は...


龍雲寺の住職である「龍玄和尚」が名づけました...



西郷家に待望の男の子が生まれ・・

父親の「西郷一(はじめ)」は、たいそう喜んだそうな・・・

先祖代々から農業を営む西郷家の大事な跡継ぎとして、元気でたくましく育つよう願いました・・・



そして...

相撲の盛んな町である「深山町」では...
男の子はみんな強くなるよう相撲の稽古に励みます...
深山っ子の男の子は骨太で丈夫な体になり、都会の子どもには負けない筋力と体力を兼ね備えるのでした。

もちろん...

西郷家の長男として生まれた「虎之助」は...

小学4年生から深山町の相撲道場へ通い...

新鮮な野菜、美味しいお米をたくさん食べ...

厳しい稽古を積み重ねたおかげで...

相撲をとるに相応しい体格に育ちました。


毎年秋祭りに開催される

「深山町・愛宕山奉納相撲大会」

西郷家は祖父「西郷誠」父親「西郷一(はじめ)」

代々「横綱」になった経歴があります...

西郷家の長男であれば...

必ず強い横綱になるであろうと...

熱い期待をされていました...


が・・・・!!

しかし・・・・!!

ある事件がきっかけで...

その熱い期待を裏切る事になるのです....

問題のある事件とは・・・

深山中学校の「入学式」で起こったのでした・・・


西郷家の自慢の跡取り息子「西郷虎之助」

相撲道場で厳しい稽古に励み...
実家で採れた新鮮野菜に丹精込めて作られたお米をたくさん食べ...

大きく逞しい体に育ったあのわんぱくな男の子が・・・

入学式で・・・・

深山中学始まって以来となる史上最大・前代未聞の大きな大失態をしてしまったのだ・・・!!!

あの事件以来・・・

深山中学校の入学式では・・・

式を始める前に・・・

「校長先生」から・・・

ある警告が発せらるようになったのだ・・・

その問題の警告とは・・・



校長先生
「えーー・・・

これから入学式を始める前に・・・・

まず言ってきたい注意事項があります・・・

それは・・・

「今、トイレを我慢している生徒は速やかにトイレに行って下さい・・・」


また・・・
式の途中でどうしてもトイレが我慢出来なくなった時は・・・

恥ずかしがらずに手を挙げて近くの先生に知らせて下さい・・・

絶対に無理してはいけませんよ!


えーーー・・・

あとは・・・

周りの生徒でトイレを我慢している子や・・・
具合が悪そうな子を見かけた場合は速やかに手を挙げて近くの先生に知らせて下さい・・・

よろしくお願い致します・・・


えーー・・・

本日は・・・
誠に晴れやかな入学式でございます・・・

皆さんは今日から中学生としての第一歩を踏み出しました・・・

これから始まる中学校生活・・・・

堂々と胸を張って我が深山中学校の生徒としての誇りを持って突き進みましょう・・・!


ですが・・・

こんなせっかくの晴れ舞台の最中に・・・

嫌な思い出は残したくないでしょう・・・?

失敗してからでは遅いのです・・・

恥ずかしがってはいけませんよ・・・?

何事も勇気を出して行動しましょう・・・!!!


えーーー・・・・

では・・・!

これから入学式に入りたいと思います・・・・」


「新入生一同・・・起立っっ!!!」



・・・僕は・・・

あの日(入学式)の悪夢を・・・・

何十年経った今でも・・・

忘れられず・・・

月に一度は夢の中で泣いている・・・


下腹部が張り裂けるような苦しみ・・・
グイグイと込み上げてきたあの瞬間・・・・
あの流れる感触・・・

そして・・・

みんなからの視線・・・・

何百人の在校生に新入生・・・

綺麗な背広を着た先生たち・・・

PTA会長・・・

深山町の消防署長・・・

深山町の駐在官・・・

深山相撲連盟の会長・・・

深山相撲部の師範、顧問、OBの指導員・・・

みんな・・・

みんな・・・

みんな僕の事を・・・

哀れみの目で見ていた・・・



僕は大事な入学式で・・・

真新しい学生服を・・・

汚してしまった・・・

大勢のみんなが見ている目の前で・・・






「ふんどし坊主の七転び八起き人生」
tragedy

(B版)
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西郷虎之助・シリーズ第三章・もうじき開幕


2015年・第一章
「ふんどし坊主の七転び八起き人生」


2018年・第二章
「西郷虎之助の人生は七転び八起き」



そして・・・

2020年・第三章

ついに開幕・・・!!

あの話題を呼んだ、メモリアル・ベストフォトアルバム集から早や4ヶ月・・・!!

「Yahoo!」から「はてな」へと移行、新境地で再び虎之助ワールドが炸裂!!

開幕セレモニーにて新タイトルを発表!!

知っている方も・はじめましての方も!

西郷虎之助が繰り出す異次元ワールドに目が離せない!?

新境地から始まる西郷虎之助の第3章を、是非御期待御来観下さいませ!!

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