どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

「一松おじさんと、けんとくん」

ここは
陸前高田市

高田松原


東日本大震災による津波に襲われた…
あの日から…

6年という年月が…
経ったのです…



7万本もあった…
高田松原の松の木は…

大きな波に呑み込まれ…

浜や町中の至る所に流されてしまいました…



しかし…

1本だけ…

海水に浸かった状態で…

しっかりと根を張らし
力強く立っていました…


「奇跡の1本松」



あれだけの恐ろしい巨大な大津波でも…


「ど根性の1本松」を流す事は出来なかったのです…



家も…

車も…

家族も…

思い出も…

何もかもを津波によって流され

悲しむ被災者の皆は…


そんな1本松を見て

生きる力をもらい…



復興の希望として…

これからも
ずっと守っていこうと…

たくさんの方が

奇跡の1本松の復旧作業に携わり

見事に復元させ

陸前高田市のシンボルとなりました






今ではたくさんの方が…

県内外だけでなく
外国からも…

奇跡の1本松を
一目見ようと…

遠路遥々やって来てくれるようになりました…







~3月11日、あの震災から6年~

「一松おじさんとけんとくん」








沈み行く夕日を…

6年前のあの日を思い返しながら…

涙ながらに…

海をただただ…

眺めていた…

・・・すると・・・

突然海が眩しく光を放ちました・・・


・・・そして・・・


奇跡の1本松である「1本松おじさん」の前に…


1匹の子だぬきの男の子

「けんとくん」

・・が、姿を現したのです…

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その子だぬきは…

なぜかジャングルジムのてっぺんにいました…


1本松おじさん
「おやおやおや・・・
あんなところに・・・

ジャングルジムで遊んでいる
タヌキの子どもがおる…

いったいどこからやって来たのじゃ…

まったく不思議じゃのう…」


子だぬき
「あれあれあれれ~~~・・・?
ここどこだろう~~~・・・??」

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1本松おじさん
「お~~~・・・い、そこの小さな子だぬきさん…

キミはどこから来たのかな…?」


1本松おじさんは、ジャングルジムのてっぺんにいる子だぬきに、海辺から声をかけてみました…


子だぬき
「わあっ!!木がおはなししてる!?
へんなの!!」


1本松おじさん
「キミだって、たぬきなのにお話ししてるだろう~・・・?」


子だぬき
「あ~・・!
ほんとだ~・・・!!」


1本松おじさん
「な・・・なんじゃ・・・!?
不思議な子だぬきくんじゃ・・・

なにも自分で驚ろかんでも・・・」


1本松おじさんは
その言葉を話す不思議な子だぬきに…

違和感を覚えながらも質問してみました…


1本松おじさん
「キミは、どこから来たのかな~・・・?」 


子だぬき
「あっちー!!」

子だぬきは、海を指さして…
そう答えました…


1本松おじさん
「あ・・・あっちー!って・・・

海の方を指さしとるやないか・・・

お~・・・い、子だぬきくんや・・・

キミのお家はどこかな~・・・?」



子だぬき
「え~・・・っと・・・
むこう-!!」


子だぬきくんは、1本松おじさんにそう言われると

真っ先に海と反対方向を指さして言いました…


1本松おじさん
「むこうー!!って、言ったって・・・

それじゃあわかんないよ・・・


じやあ、子だぬきくんや…

キミのお名前は・・・??」


子だぬき
「けんと!!」


子だぬきは、1本松おじさんにそう名前を聞かれると、「けんと」と自分を名乗りました…


それを聞いた1本松おじさんは…



1本松おじさん
「キミはけんとくんというのか・・・
健康で強そうな名前ではないか!

いやいやけっこうけっこう・・・♪」



けんとくん
「えへん!い~でしょお~~~♪」



1本松おじさん
「い・・・い~や・・・!
別に羨ましくもなんともないもんね~だ!」




「じゃあ、けんとくん・・・
キミの、お父さんとお母さんは・・・

今・・・
・・・どこにいるのかなぁ~・・?」



けんとくん
「いないよー!」


1本松おじさん
「い・・・居ないって・・・

・・・じゃあ・・・余程複雑な家庭環境で育ってしまったんじゃな~・・・」


1本松おじさんは、けんとくんからそう聞いて、しみじみ同情しましたが・・



けんとくん
「ちがうもん!
ここは、夢の中なんだい!!」



1本松おじさん
「ゆ・・・夢の中じゃとぉっ!?

な・・・なぁ~・・・にを、言っとるんじゃあ・・・この子だぬきくんはぁ~・・・」



けんとくん
「ほんとだもん!
ここは夢の世界だよ、

ぼくね、さっき向こうの夢の中で、おじさんが泣いているのが聞こえてきたから来たんだもーん!!」



1本松おじさん
「な・・・
なんじゃとおっ・・・!?」


けんとくん
「おじさん、さっき泣いてたもん!」


1本松おじさん
「な・・・!な・な・な・・・!

わしは・・・
・・・泣いてなんかないわいっ!!」



けんとくん
「うっそだー!!

だってぼく今さっき、おじさんがメソメソシクシク泣いてたのが聞こえてきたから、こっちの夢に呼ばれてやってきたんだもんねー!!」



1本松おじさん
「む・・・むむむむむう~~・・・」


けんとくん
「おじさん、どうしたの?

なんで泣いてたの・・・?
さみしかったのかな・・・?


だけどね・・・

もうだいじょうぶだよ!
ぼくがいっしょに遊んであげるから、
ね!
もう泣いちゃダメだよ♪」

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1本松おじさん
「ぐ・・・・ぐぬぬぬ・・・

こんな子だぬきくんに励まされるとは・・」・

わしもまだまだ修行が足らんようじゃのう~・・・」



1本松おじさんは、まだ幼い子だぬきの、けんとくんに励まされ…

ちょっぴり恥ずかしいけれど…

それでも本当は
嬉しくて…

けんとくんの真っ直ぐで純粋な優しさに

答える事にしました…


1本松おじさん
「ようし・・・
けんとくんに、わしの本当の姿を見せてあげよう・・・

キミの不器用な優しさに負けたわい!」



けんとくん
「本当の姿って、なぁーにぃー?」



けんとくんが1本松おじさんにそう言われると、不思議そうな顔をして…

少しだけ首を傾げていました…


そして
その時です・・・!


1本松おじさん
「子だぬきさんが・・・
こぉぉぉ~・・・ろぉんだっ・・!!」


1本松おじさんが、何かおまじないのような言葉を放ちました・・・!


・・・すると・・・・

奇跡の1本松の上に・・・

何か大きな姿の・・・
お髭を生やした、おじいさんが浮かび上がってきました・・・!


1本松おじさん
「どうじゃ、おどろいたか?
けんとくんよ・・・
これが奇跡の1本松である精霊の姿

一松海之助じゃ!」

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けんとくん
「わぁぁ~~~ぁあんっ!!

お化けがでたー!!」


一松海之助
「失礼な!わしはお化けではないぞい!」


けんとくん
「へんなかおー!!

こわぁぁ~~~~・・・いっ!!」



一松海之助
「へ・・・へんな顔って・・・(汗)」

本当に失礼な子だぬきじゃのう・・」


けんとくん
「おめめの下から、お髭が生えてるー!

へんなのー!」


一松海之助
「う・・・・!
これはその・・・・

とにかく細かい事は気にするんじゃない・・・!」


けんとくん
「鼻からもお髭が生えてるー!

きっちゃなーーーいっ!!!」



一松海之助
「う・・・うぅ~・・・

言いたい放題じゃのう・・・まったく・・・

子どもには、鼻下の髭の良さはまだわからんじゃろうのう~・・・

よいか・・・


これがじぃーじ(幼子がお爺さんを表現する言葉)のチャームポイントなのじゃ・・・!」

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けんとくん
「ねぇ!お髭のおじいちゃん!」


一松海之助
「あれ・・・?
おじさんからおじいさんになってしもうたのか・・・」


けんとくん
「僕だって、凄い事できちゃうんだもんねーだっ!!」


一松海之助
「ほぅ~~!なんじゃ?
ひとつじぃーじに見せておくれ!」


けんとくん
「いーよ♪」


けんとくんは、そう言うと
ジャングルジムをスルリと降りて

一松海之助の方へとやってきました




けんとくん
「いくよー!」


一松海之助
「えぇ~ぞぉ♪」


けんとくん
「ちゃんと見ててよー!」


一松海之助
「はい…はい…
じぃーじはちゃ~んと見てるからの…」


子だぬきのけんとくんは…

一枚の葉っぱを出し、それを頭に乗せました…

・・・そして・・・


けんとくん
「ににんが四!にさんが六!

にしが八!

んん~・・・・!!

うぅ~~~・・・ん!!」

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一松海之助
「ドキドキ・・・
わくわく・・・」




けんとくん
「うぅ~~・・・んっ!!」
「うぅ~~・・・んっ!!」
「うぅ~~・・・・・・んっっ!!」

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一松海之助
「あののう~・・けんとくんや・・・

水を差すよう悪いが・・・

あんまり力みすぎると・・・・

ウンチでちゃうぞ・・・」

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奇跡の1本松の精霊の姿である
一松海之助

そして
頭に葉っぱを乗せ
何かを始めようとしている
子だぬきのけんとくん


ふたりはこの後
どうなってゆくのか・・・


この続きは
また来週で・・・