「一松海之助とけんとくん」~くいしんぼうな子だぬき~
わしは、陸前高田市のシンボル
復興の希望、奇跡の1本松に宿る精霊
「一松海之助」じゃ…
突然わしの前に姿を現した
子だぬきの「けんとくん」がのう…
何やらわしの事を心配して…
夢の世界から遥々ここまでやってきてくれたというのじゃが…
わしは夢のハズではないと思っているんじゃよ…
しかしのう・・・
けんとくんはまだ5才の子だぬき…
少々ぶっきらぼうな発言をする子じゃが…
と~・・・っても素直でわんぱくな良い子でのう~・・・
決してウソをつくような子には思えんのじゃよ…
けんとくんとお話してるのう…
なんだかとっても気持ちが安らいで、心があったかくなるんじゃ…
不思議じゃのう・・・
今日は3月11日・・・
あの恐ろしい…
東日本大震災で津波に襲われたあの日から…
ちょうど6年という月日が経ってしもうたのじゃ・・・
本当ならば・・・
悲しい気持ちになるハズなのに・・・
津波に流されてしまった、家族や仲間たちの事を思い出して・・・
・・・涙があふれて・・・
泣いてしまうよのう・・・
じゃがのう、子だぬきのけんとくんは
泣いていたわしを心配して、一生懸命はげまそうとしてくれているんじゃ…
小まだ5才のさな子どもに・・・
200年以上もこの松の木に宿っていたわしが気遣いをしてもらう事になろうとはのう~・・・
なんだか情けないやら恥ずかしいやら…
じゃけど、わしは…
この子だぬきのけんとくんと
もっと…
もっと…
お話したくなったのじゃ・・・
さて・・・
けんとくんは、頭に葉っぱを乗せて
何やら
う~・・んっ!う~・・・んっ!
・・・と、力みながら何かを始めたのじゃが・・・
わしにいったい
何を見せてくれるのかいな~・・・?
ドキドキ…
わくわくしながら待っているのじゃ…
じゃけど…
あんまり力みすぎて・・・
ウンチ出ないか…
じぃーじはちょっぴり心配しておるぞ…
さて、お話の続き
一松海之助じぃーじと、けんとくんの…
はじまりはじまり~・・・♪
「一松海之助とけんとくん」
~くいしんぼうな子だぬき~
制作「Kento・Graphics」
けんとくん
「海之助おじぃ~ちゃぁ~ん♪♪
ぼく、これからすご~いことするから、ちゃんと見よって~♪」
海之助
「はいはい♪
じぃーじはちゃ~んと見よるからのう…」
けんとくんは、一枚の葉っぱを取り出すと頭にのせ、おまじないのような言葉を言いながら、顔を赤くしながら
う~・・ん!う~・・・ん!
・・・と、力みはじめました
けんとくん
「ににんが四っ!にさんが六っ!!
にしが八っ!!!」
「う~~~・・・・・んっ!」
「うぅ~~~・・・・・んっ!!」
「うぅぅ~~~~・・・・んっ!!!」
海之助
「けんとくんや・・・
水を差すようで悪いのじゃが・・・
そんなに力むと・・・
ウンチが出ちゃうぞ・・・」
けんとくん
「うぅ~~~・・・・んっ!!!
うぅ~~~・・・・・んっ!!!
はっぱ・・・・はっぱ・・・!
はっぱ・・・・
えぇ~・・・っと・・・・・!
うぅぅ~~~~・・・・んっ!!
はっぱ・・・!はっぱ・・・!
はっぱ・・・・・・・・・・・!!?」
海之助
「けんとくんや・・・
もしかして・・・・
はっぱ・・・・とは・・・?
はっぱ六十四ではないのかのう・・・・?」
けんとくん
「あっっ!!!
そうだった!!!
うぅぅ~~~・・・ぅぅううんっ!!!
・・・・・・・・・・・・!!!
はっぱ六十四!!!」
海之助
「あ・・・あってる・・・?
やっぱり九九だったのね・・・・」
けんとくん
「えいっ!!!」
「ぽんっ♪ぽんっ♪ぽんっ♪ぽんっ♪ぽんっ♪」
海之助おじいさんに、九九の答えを教えてもらい…
ようやくけんとくんはおまじないを唱えます…
・・・すると・・・
頭の葉っぱが消え、何やらたくさん食べものがたくさん出てきました…
けんとくん
「やったー!できたよ!じぃ~じ~♪」
海之助
「あれまあ・・・とうとうじぃーじになってしもうたか・・・・
・・・それにしても・・・・
・・・けんとくんや・・・・
その頭の上からたくさん出てきたもんは・・・なんじゃ・・・?」
海之助おじいさんは、けんとくんに聞きました
けんとくん
「えっへへ~んっ!!!
ぼく、すごいでしょぉ~~~~♪
じぃ~じ~♪これね・・・・!
コーラだよ!!」
「シュワシュワ~♪ってね!お口の中がアワアワでキュンキュン痛いけど、美味しーんだよ!!
はい!これ、じぃ~じにあげる!」
海之助
「コ・・・コーラとなぁ・・・
それはちょいと刺激が強いぞい・・・・・
じぃ~じはのう・・・
どちらかと言えば、緑茶の方が良いかのぅ~・・・」
けんとくん
「え~~~・・・・!!!
じぃ~じはコーラ、きらいなの~?」
海之助
「きらい・・・というわけではないんじゃが・・・・
じぃ~じは1本松に宿っておる精霊なんでのう・・・
雨水しか飲めんのじゃよ・・・
お供え物としてならば、緑茶がありがたいのじゃが・・・」
けんとくん
「じゃあこれは!?
カレーライス!!!」
海之助
「ほう~・・・これはおいしそうな
カレーライスじゃのう・・・
・・・しかし、じぃ~じはカレーライスも食べれんのよ・・・」
けんとくん
「えぇ~・・・!!
カレーライスだよ!とってもおいしいんだよ?」
海之助
「す・・・すまんのう・・・
けんとくんや・・・・
せっかく頑張って出してくれたのに・・・・」
けんとくん
「じゃあこれは!?
りんご🍎!シャクシャクしてておいしーよ!!」
海之助
「
りんごものぅ~・・・🍎
お供え物で、フジりんごはよくいただくのじゃが・・・
これも、食べる事は出来んのじゃ…」
けんとくん
「じゃあこれは!!
おうどん!!
チュルチュルしてておいしーよ!!」
海之助
「あ・・・・
はっはっはっはっは・・・・
そのおうどんは香川県産の讃岐うどんかのう~・・・・」
けんとくん
「ドーナツもあるんだよっ!!
これ、ぼくだーい好きっ!!!」
海之助
「けんとくんや・・・・
じぃ~じのために、一生懸命頑張って出してくれたのに・・・
本当にすまんのう・・・
残念じゃが・・・
じぃ~じはおうどんもドーナツも・・
りんご🍎にカレーライスやコーラも…
けんとくんが口にする物は・・
食べる事は出来ないのじゃよ・・・
・・・・せっかく出してくれたのに・・・・・
ごめんのう・・・・」
けんとくんは、せっかく海之助おじいさんに、喜んでもらおうと…
頑張っておいしい物を出したのに・・・
1個も食べてもらえなくて・・・
とうとうスネてしまいました・・・
けんとくん
「もういい!
じぃ~じのワガママ!!
おとなが好き嫌いいったらダメなんだよ~!」
海之助
「まっておくれ・・・
けんとくんや・・・・
そんなに機嫌を悪くせんで、じぃ~じのお話を、よぉ~く聞いてくれ・・・」
けんとくん
「ふ~んだ!
ぼく、つまんないもんねっ!」
海之助おじいさんは…
スネてしまったけんとくんを見つめながら…
悲しい表情になり・・・
今にも泣いてしまいそうな顔のまま…
ゆっくりお話しました・・・
海之助
「けんとくんのおいしそうな大好物…
じぃ~じのために、いっぱいいっぱい出してくれたのに・・・
一つも食べてあげる事が出来んですまなかった・・・
じゃがのう・・・
わしは
とっても・・」
と~~~~っても・・・
嬉しくってたまらんのじゃよ・・・
けんとくんの優しさでの・・・
じぃ~じのポンポン(お腹)はいっぱいじゃ・・・
満腹のパンパン!
食べられなくったって・・・
美味しかったよ・・・
・・・ありがとう・・・
・・・けんとくん・・・
わしはのう・・・
じぃ~じはのう・・・
優しいけんとくんが好きじゃ・・・
大好きじゃ・・・・
ほっぺたにチュウしてあげたいくらい大好きじゃよ・・・」
海之助おじいさんは、ここまで話すと
目からキラリと光るしずくが・・・
けんとくんの前に落ちました・・・
けんとくんは、そのしずくが落ちるところを・・・
何も言わずに…
じ・・・っとだまって見つめていました・・・
しずくは一粒・・・
また一粒・・・
やがて二粒・・・三粒と・・・
・・こぼれてきました・・・
しずくが落ちてゆくのを見つめ…
けんとくんがやっと口を開きました…
けんとくん
「ねぇ・・・じぃ~じ・・・
これ、なぁ~に・・・?」
けんとくんは、海之助おじいさんに
そえ訪ねながら、しずくが落ちてゆく方を指さしていました…
・・・すると・・・
けんとくんが指さしているところには・・・
1個のマツボックリが落ちていました
マツボックリは、海之助おじいさんが流したしずくの涙で・・・
ちょっぴり濡れていました…
海之助おじいさんの涙は、このマツボックリに落ちていたのです・・・
海之助おじいさんは、鼻をすすりながら
けんとくんに話し始めました
海之助
「グズッ・・・グシグシ・・・!
そ・・・それはのう・・・・
マツボックリじゃ・・・
この1本松から出来たんじゃよ・・」
けんとくん
「マツボッコリ~??
ねぇ~じぃ~じ、マツボッコリってなぁ~にぃ~??」
けんとくんはマツボックリに興味津々!
海之助おじいさんは、嬉しそうにしている、けんとくんを見て・・・
ホッ・・・・とひと安心・・・
けんとくんに、マツボックリについて…
教えてあげるました…
海之助
「マツボッコリじゃなくって、マツボックリじゃ・・・
じぃ~じが宿っている1本松はのう、実はこのマツボックリから出来たんじゃよ…」
けんとくん
「ほんとう!?
このマツボッコリで、じぃ~じが出来るの!?
すごぉ~い!!!」
海之助
「マツボッコリじゃなくってマツボックリじゃよ・・・
ほんとうじゃぞ、マツボックリの笠のなかに、胞子である種が入っているのじゃ・・・」
けんとくん
「かさ~・・・?
このマツボッコリ、傘なんてさしていないよ~・・・?」
海之助
「マツボックリと言うとるのに・・・
傘ではなくて笠じゃよ・・・・
表面がうろこみたいになっておるじゃろう・・・?」
けんとくん
「うろこ・・・?ってなぁ~にぃ~・・・?」
海之助
「お魚さんの体にはうろこがあるじゃろう…?」
けんとくん
「あっ!ほんとうだ!
お魚さんみたい!マツボッコリ!」
海之助
「・・・・・・・・・
・・・もうマツボッコリでかまわんよ・・・(諦)
そのうろこのような笠の裏に胞子の種が入っているのじゃが・・・・
そのマツボッコリは笠が閉じたままじゃ・・・・
松を新しく裁判するには、笠が開いてすぐに土の中に埋めなければ、松の木は育たんぞい・・・」
けんとくん
「あ~!わかった~!!ぼくにまかせて~~♪
マツボッコリの、うろこの傘…
ひらけてあげる~~~♪」
けんとくんは、そう言うと…
また葉っぱを一枚出して頭の上にのせました…
・・・そして・・・
けんとくん
「ににんが四!にさんが六!!
にしが八!!!」
「うぅ~~~~・・・んっ!」
「うぅぅ~~~・・・んっ!!
うぅぅぅぅううんっ!うぅぅぅぅううんっ!!
うぅぅぅぅ~~~~~~~~~ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうんっっ!!!
はっぱ・・・!はっぱ・・・!!
・・・はっぱ・・・・・!!!」
海之助
「六十四じゃよ・・・ボソリ…
けんとくんや・・・
だ・・・大丈夫かいのう~・・・・
そんなに力むと・・・・
ほんとうに・・・ウンチ出ちゃうぞい・・・・」
けんとくん
「あ!そうだ!はっぱ・・
はっぱ・・・はっぱ・・・・
六十四・・・・!!!
うぅぅ~~~ぅぅううんっ!
うぅぅぅ~~~ぅぅぅううんっ!!
うぅぅぅぅぅぅぅぅぅううんっ!!!」
けんとくんは頑張って力みますが、なかなかマツボックリの笠が開きません・・・
・・・と、その時です・・・
「ぷぅ~♪」
「あ・・・・・」
海之助
「あ・・・・・」
けんとくん
「あぁ~・・・・・・・・・・」
海之助
「・・・う・・・くっ・・・!
・・・・くっく・・・・・くくく・・・・・
くっくくくく・・・・・
・・・・ぐはっ・・・・・!!!」
海之助
「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!!」
けんとくんは、力みすぎて・・・
「ぷぅ~♪」
・・・と、おならをしてしまいました・・・・
それを聞いた海之助おじいさんは…
思わず大笑い・・・
さて・・・
この後はどうなってしまうのでしょう・・・・・
・・・つづく・・・
復興の希望、奇跡の1本松に宿る精霊
「一松海之助」じゃ…
突然わしの前に姿を現した
子だぬきの「けんとくん」がのう…
何やらわしの事を心配して…
夢の世界から遥々ここまでやってきてくれたというのじゃが…
わしは夢のハズではないと思っているんじゃよ…
しかしのう・・・
けんとくんはまだ5才の子だぬき…
少々ぶっきらぼうな発言をする子じゃが…
と~・・・っても素直でわんぱくな良い子でのう~・・・
決してウソをつくような子には思えんのじゃよ…
けんとくんとお話してるのう…
なんだかとっても気持ちが安らいで、心があったかくなるんじゃ…
不思議じゃのう・・・
今日は3月11日・・・
あの恐ろしい…
東日本大震災で津波に襲われたあの日から…
ちょうど6年という月日が経ってしもうたのじゃ・・・
本当ならば・・・
悲しい気持ちになるハズなのに・・・
津波に流されてしまった、家族や仲間たちの事を思い出して・・・
・・・涙があふれて・・・
泣いてしまうよのう・・・
じゃがのう、子だぬきのけんとくんは
泣いていたわしを心配して、一生懸命はげまそうとしてくれているんじゃ…
小まだ5才のさな子どもに・・・
200年以上もこの松の木に宿っていたわしが気遣いをしてもらう事になろうとはのう~・・・
なんだか情けないやら恥ずかしいやら…
じゃけど、わしは…
この子だぬきのけんとくんと
もっと…
もっと…
お話したくなったのじゃ・・・
さて・・・
けんとくんは、頭に葉っぱを乗せて
何やら
う~・・んっ!う~・・・んっ!
・・・と、力みながら何かを始めたのじゃが・・・
わしにいったい
何を見せてくれるのかいな~・・・?
ドキドキ…
わくわくしながら待っているのじゃ…
じゃけど…
あんまり力みすぎて・・・
ウンチ出ないか…
じぃーじはちょっぴり心配しておるぞ…
さて、お話の続き
一松海之助じぃーじと、けんとくんの…
はじまりはじまり~・・・♪
「一松海之助とけんとくん」
~くいしんぼうな子だぬき~
制作「Kento・Graphics」
けんとくん
「海之助おじぃ~ちゃぁ~ん♪♪
ぼく、これからすご~いことするから、ちゃんと見よって~♪」
海之助
「はいはい♪
じぃーじはちゃ~んと見よるからのう…」
けんとくんは、一枚の葉っぱを取り出すと頭にのせ、おまじないのような言葉を言いながら、顔を赤くしながら
う~・・ん!う~・・・ん!
・・・と、力みはじめました
けんとくん
「ににんが四っ!にさんが六っ!!
にしが八っ!!!」
「う~~~・・・・・んっ!」
「うぅ~~~・・・・・んっ!!」
「うぅぅ~~~~・・・・んっ!!!」
海之助
「けんとくんや・・・
水を差すようで悪いのじゃが・・・
そんなに力むと・・・
ウンチが出ちゃうぞ・・・」
けんとくん
「うぅ~~~・・・・んっ!!!
うぅ~~~・・・・・んっ!!!
はっぱ・・・・はっぱ・・・!
はっぱ・・・・
えぇ~・・・っと・・・・・!
うぅぅ~~~~・・・・んっ!!
はっぱ・・・!はっぱ・・・!
はっぱ・・・・・・・・・・・!!?」
海之助
「けんとくんや・・・
もしかして・・・・
はっぱ・・・・とは・・・?
はっぱ六十四ではないのかのう・・・・?」
けんとくん
「あっっ!!!
そうだった!!!
うぅぅ~~~・・・ぅぅううんっ!!!
・・・・・・・・・・・・!!!
はっぱ六十四!!!」
海之助
「あ・・・あってる・・・?
やっぱり九九だったのね・・・・」
けんとくん
「えいっ!!!」
「ぽんっ♪ぽんっ♪ぽんっ♪ぽんっ♪ぽんっ♪」
海之助おじいさんに、九九の答えを教えてもらい…
ようやくけんとくんはおまじないを唱えます…
・・・すると・・・
頭の葉っぱが消え、何やらたくさん食べものがたくさん出てきました…
けんとくん
「やったー!できたよ!じぃ~じ~♪」
海之助
「あれまあ・・・とうとうじぃーじになってしもうたか・・・・
・・・それにしても・・・・
・・・けんとくんや・・・・
その頭の上からたくさん出てきたもんは・・・なんじゃ・・・?」
海之助おじいさんは、けんとくんに聞きました
けんとくん
「えっへへ~んっ!!!
ぼく、すごいでしょぉ~~~~♪
じぃ~じ~♪これね・・・・!
コーラだよ!!」
「シュワシュワ~♪ってね!お口の中がアワアワでキュンキュン痛いけど、美味しーんだよ!!
はい!これ、じぃ~じにあげる!」
海之助
「コ・・・コーラとなぁ・・・
それはちょいと刺激が強いぞい・・・・・
じぃ~じはのう・・・
どちらかと言えば、緑茶の方が良いかのぅ~・・・」
けんとくん
「え~~~・・・・!!!
じぃ~じはコーラ、きらいなの~?」
海之助
「きらい・・・というわけではないんじゃが・・・・
じぃ~じは1本松に宿っておる精霊なんでのう・・・
雨水しか飲めんのじゃよ・・・
お供え物としてならば、緑茶がありがたいのじゃが・・・」
けんとくん
「じゃあこれは!?
カレーライス!!!」
海之助
「ほう~・・・これはおいしそうな
カレーライスじゃのう・・・
・・・しかし、じぃ~じはカレーライスも食べれんのよ・・・」
けんとくん
「えぇ~・・・!!
カレーライスだよ!とってもおいしいんだよ?」
海之助
「す・・・すまんのう・・・
けんとくんや・・・・
せっかく頑張って出してくれたのに・・・・」
けんとくん
「じゃあこれは!?
りんご🍎!シャクシャクしてておいしーよ!!」
海之助
「
りんごものぅ~・・・🍎
お供え物で、フジりんごはよくいただくのじゃが・・・
これも、食べる事は出来んのじゃ…」
けんとくん
「じゃあこれは!!
おうどん!!
チュルチュルしてておいしーよ!!」
海之助
「あ・・・・
はっはっはっはっは・・・・
そのおうどんは香川県産の讃岐うどんかのう~・・・・」
けんとくん
「ドーナツもあるんだよっ!!
これ、ぼくだーい好きっ!!!」
海之助
「けんとくんや・・・・
じぃ~じのために、一生懸命頑張って出してくれたのに・・・
本当にすまんのう・・・
残念じゃが・・・
じぃ~じはおうどんもドーナツも・・
りんご🍎にカレーライスやコーラも…
けんとくんが口にする物は・・
食べる事は出来ないのじゃよ・・・
・・・・せっかく出してくれたのに・・・・・
ごめんのう・・・・」
けんとくんは、せっかく海之助おじいさんに、喜んでもらおうと…
頑張っておいしい物を出したのに・・・
1個も食べてもらえなくて・・・
とうとうスネてしまいました・・・
けんとくん
「もういい!
じぃ~じのワガママ!!
おとなが好き嫌いいったらダメなんだよ~!」
海之助
「まっておくれ・・・
けんとくんや・・・・
そんなに機嫌を悪くせんで、じぃ~じのお話を、よぉ~く聞いてくれ・・・」
けんとくん
「ふ~んだ!
ぼく、つまんないもんねっ!」
海之助おじいさんは…
スネてしまったけんとくんを見つめながら…
悲しい表情になり・・・
今にも泣いてしまいそうな顔のまま…
ゆっくりお話しました・・・
海之助
「けんとくんのおいしそうな大好物…
じぃ~じのために、いっぱいいっぱい出してくれたのに・・・
一つも食べてあげる事が出来んですまなかった・・・
じゃがのう・・・
わしは
とっても・・」
と~~~~っても・・・
嬉しくってたまらんのじゃよ・・・
けんとくんの優しさでの・・・
じぃ~じのポンポン(お腹)はいっぱいじゃ・・・
満腹のパンパン!
食べられなくったって・・・
美味しかったよ・・・
・・・ありがとう・・・
・・・けんとくん・・・
わしはのう・・・
じぃ~じはのう・・・
優しいけんとくんが好きじゃ・・・
大好きじゃ・・・・
ほっぺたにチュウしてあげたいくらい大好きじゃよ・・・」
海之助おじいさんは、ここまで話すと
目からキラリと光るしずくが・・・
けんとくんの前に落ちました・・・
けんとくんは、そのしずくが落ちるところを・・・
何も言わずに…
じ・・・っとだまって見つめていました・・・
しずくは一粒・・・
また一粒・・・
やがて二粒・・・三粒と・・・
・・こぼれてきました・・・
しずくが落ちてゆくのを見つめ…
けんとくんがやっと口を開きました…
けんとくん
「ねぇ・・・じぃ~じ・・・
これ、なぁ~に・・・?」
けんとくんは、海之助おじいさんに
そえ訪ねながら、しずくが落ちてゆく方を指さしていました…
・・・すると・・・
けんとくんが指さしているところには・・・
1個のマツボックリが落ちていました
マツボックリは、海之助おじいさんが流したしずくの涙で・・・
ちょっぴり濡れていました…
海之助おじいさんの涙は、このマツボックリに落ちていたのです・・・
海之助おじいさんは、鼻をすすりながら
けんとくんに話し始めました
海之助
「グズッ・・・グシグシ・・・!
そ・・・それはのう・・・・
マツボックリじゃ・・・
この1本松から出来たんじゃよ・・」
けんとくん
「マツボッコリ~??
ねぇ~じぃ~じ、マツボッコリってなぁ~にぃ~??」
けんとくんはマツボックリに興味津々!
海之助おじいさんは、嬉しそうにしている、けんとくんを見て・・・
ホッ・・・・とひと安心・・・
けんとくんに、マツボックリについて…
教えてあげるました…
海之助
「マツボッコリじゃなくって、マツボックリじゃ・・・
じぃ~じが宿っている1本松はのう、実はこのマツボックリから出来たんじゃよ…」
けんとくん
「ほんとう!?
このマツボッコリで、じぃ~じが出来るの!?
すごぉ~い!!!」
海之助
「マツボッコリじゃなくってマツボックリじゃよ・・・
ほんとうじゃぞ、マツボックリの笠のなかに、胞子である種が入っているのじゃ・・・」
けんとくん
「かさ~・・・?
このマツボッコリ、傘なんてさしていないよ~・・・?」
海之助
「マツボックリと言うとるのに・・・
傘ではなくて笠じゃよ・・・・
表面がうろこみたいになっておるじゃろう・・・?」
けんとくん
「うろこ・・・?ってなぁ~にぃ~・・・?」
海之助
「お魚さんの体にはうろこがあるじゃろう…?」
けんとくん
「あっ!ほんとうだ!
お魚さんみたい!マツボッコリ!」
海之助
「・・・・・・・・・
・・・もうマツボッコリでかまわんよ・・・(諦)
そのうろこのような笠の裏に胞子の種が入っているのじゃが・・・・
そのマツボッコリは笠が閉じたままじゃ・・・・
松を新しく裁判するには、笠が開いてすぐに土の中に埋めなければ、松の木は育たんぞい・・・」
けんとくん
「あ~!わかった~!!ぼくにまかせて~~♪
マツボッコリの、うろこの傘…
ひらけてあげる~~~♪」
けんとくんは、そう言うと…
また葉っぱを一枚出して頭の上にのせました…
・・・そして・・・
けんとくん
「ににんが四!にさんが六!!
にしが八!!!」
「うぅ~~~~・・・んっ!」
「うぅぅ~~~・・・んっ!!
うぅぅぅぅううんっ!うぅぅぅぅううんっ!!
うぅぅぅぅ~~~~~~~~~ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうんっっ!!!
はっぱ・・・!はっぱ・・・!!
・・・はっぱ・・・・・!!!」
海之助
「六十四じゃよ・・・ボソリ…
けんとくんや・・・
だ・・・大丈夫かいのう~・・・・
そんなに力むと・・・・
ほんとうに・・・ウンチ出ちゃうぞい・・・・」
けんとくん
「あ!そうだ!はっぱ・・
はっぱ・・・はっぱ・・・・
六十四・・・・!!!
うぅぅ~~~ぅぅううんっ!
うぅぅぅ~~~ぅぅぅううんっ!!
うぅぅぅぅぅぅぅぅぅううんっ!!!」
けんとくんは頑張って力みますが、なかなかマツボックリの笠が開きません・・・
・・・と、その時です・・・
「ぷぅ~♪」
「あ・・・・・」
海之助
「あ・・・・・」
けんとくん
「あぁ~・・・・・・・・・・」
海之助
「・・・う・・・くっ・・・!
・・・・くっく・・・・・くくく・・・・・
くっくくくく・・・・・
・・・・ぐはっ・・・・・!!!」
海之助
「ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!!」
けんとくんは、力みすぎて・・・
「ぷぅ~♪」
・・・と、おならをしてしまいました・・・・
それを聞いた海之助おじいさんは…
思わず大笑い・・・
さて・・・
この後はどうなってしまうのでしょう・・・・・
・・・つづく・・・