どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

「3月11日・ボクは一本松に会いに行く」~東日本大震災・復興支援オリジナルストーリー~

製作
「Kent・graphics,18」

企画・監督
西郷虎之助

Childhomepresence



「もう・・・・
行ってしまうのじゃな・・・・・?」

「うん!
もうすぐ朝になるんだ!
だからボクかえらなくっちゃ!」


「またここに・・・
来てくれるかのう・・・」


「うん!また遊びにくるよ!!」

「ほ・・・本当に・・・
本当かのう~・・・」


「うん!約束する!
ボクたち、おともだちになったんだもんね!」


「おともだちか・・・
ずいぶん歳の差があるがのう~・・・・」


「なんでもいいの!
ボクと○△□はおともだちなの!!」


「わかった・・・
わしは信じるよ・・・
○□△くんの事を・・・」


「じゃ~ねぇ~!○△□バイバイ!」


「や・・…約束じゃぞう~~・・・・
きっと・・・・きっとまた会いに来ておくれ~~・・・・・・!!」

「は~い!!♪」



「・・・・・・・・・」

「行ってしもうたかぁ~・・・・
寂しいのぅ~・・・・
わしはまたひとりぽっちじゃ・・・・」


ピ・・・♪

ピピッ・・・♪

ピピッ・・・♪

ピピッ♪ピピッ♪ピピッ♪ピピッ♪

ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピーーーーーーーーーーーーー♪♪♪♪♪


「う・・・・
うぅ~~~・・・・ん・・・・・
んじゃぁ~~~・・・またねぇ~~~・・・・
ムニャムニャ・・~~
おとも・・だち・・だよ~~・・・・
約束・・したから・~~ねぇ~~・・・・」


「おい起きろ・・・」


「ムニャムニャ・・・
きっと・・・また・・・
会えるから~・・・・
・・・楽しみに~・・・
待っててねぇ~~・・・・フガフガ・・・」

「こら!起きろ!」

「そんなに~・・・
寂しいのぉ~・・~~?
ボクが~・・・来たから・・大丈夫・・・だ・・よ・・・グガ~~♪ゴガ~♪」


ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ♪♪♪♪♪


「ガァ~~~~・・♪
ガァ~~~~~・・♪
ガァ~~~・・・・♪♪」


「サッサと起きねぇーかぁっっ!!
バッキャローーーーーーーーー!!!」

「バシィッ!!!」

「あ痛ぇっ!!」

「いい加減に起きねぇかぁーーーーーっっ!!!
けんとぉーーー!!!」


けんと
「あ・・・あれ・・・?
ゆ・・・夢・・・・?
ホゲェ~~~・・・?」


つよし隊長
「ホゲェ~~~~!じゃねぇよっ!!!アホッ!
とっとと起きろっっ!!
いつまで寝ぼけてんだ!
この馬鹿野郎っ!!
訓練の時間だぞっ!!」


けんと
「えぇ~~・・・・
もう訓練の時間かぁ~~~・~~~・・・
嫌だなぁ~~~・・・・」

つよし隊長
「つべこべ言わずにサッサと準備しねぇかぁっ!!
仮眠時間はとっくに終わってるんだぁっ!!!
他のみんなはもう訓練へ向かってるぞ!!!
呑気にガースピコーと寝坊していたのは・・・・
けんと!お前だけだっ!」

けんと
「ふぁ・・・ふぁいっ!!

18番隊員!!けんと!
今すぐ出動しまふっ!!」

「ガバッ!ダッダッダッダッダッダ・・・!!」

けんと
「あっ・・・!!
わったったったった・・・・・・!!!」

「ズデ~~ンッ!!」


つよし隊長
「あっちゃぁ~~~!
大丈夫かいなぁ~~・・・・・・
あのバカ・・・・」

けんと
「あ・・・アハッ!アハハハハハ・・・・(笑)
転んじゃった・・・!」

つよし隊長
「アハハハハハ(笑)じゃないだろうっ!?
とっとと訓練場へ行けぇっ!」

けんと
「は・・・はぁいっ!!」

「ダッダッダッダッダッダッダッダ・・・・!」


ボクの名前は「けんと」

25歳

アニマル消防局に務める…
新米レスキュー隊員なんだ!
消防隊員からレスキュー隊員に昇格して・・・

今年から
レスキュー隊員の鬼教官である「つよし隊長」に弟子入りして・・・

毎日しごかれながら厳しい訓練してるんだけど・・・

いつもドジ踏んで…叱られてばかりなんだ・・・

こんなんで…
みんなの命を守れるのかなぁ~~・・・?

早く
つよし隊長のように…

みんなから頼りにされる…
一人前のレスキュー隊員にならなくっちゃ・・・・!!


ここはアニマルランド

動物たちが仲良く暮らしている遠い…遠い星・・・・

今回は…
子だぬきのけんとがアニマルランドにやって来て・・・
チャイルドホームに入ったあの日から・・・

20年の月日がたった物語です・・・・


大人になったチャイルドホームのけんとたちが・・・

どんな大人になったのか…

ちょっぴりのぞいてみましょう・・・・










「3月11日・ボクは一本松に会いにいく」

東日本大震災・復興支援オリジナルストーリー~

イメージ 1


 






「降下訓練中」

けんと
「あぁ~~~あ…
ボク・・・・
さっきなんであんな夢みちゃったんだろう~~・・・・

広い…広い浜辺に・・・
一本の松ノ木が・・・
ポツン…と佇んでいて・・・・・
あと・・・ジャングルジムも・・・・

あんな寂しい所で子どもなんか誰も遊ばないだろうに変なの~~・・・」

19番隊員
(おい…!おい・・・!
けんと・・・!コソ…
次……お前の番だぞ…!)

けんと
「え・・・?
あっ・・・・!!!」


つよし隊長
「ゴラァッッーーーーーーーー!!!
18番!!何ボサーッと突っ立っとるんだぁっ!!
サッサと降下せんかぁっ!!!!!」

けんと
「あっちゃ~~!
しまった・・・(汗)!」

つよし隊長
「けんとぉぉーーーーーーーーーー!!!」

けんと
「18番隊員!!けんと!
降下しまーーーっす!!」

つよし隊長
「まったく!このバカちんがぁっ!
毎度毎度ドジ踏みやがって・・・!!」

けんと
「お願いしますっ!
降下準備っ!!よしっ!
スタートッ!!!」

つよし隊長
「スラーイッ!!!」

けんと
「スラーイッ!!!」

つよし隊長
「スラーイッッ!!」

けんと
「スラーイッッ!!
スラ・・・・!!
わっ・・・!!!
わったったったった・・・・・・!!
て・・・手が滑った・・・・・・!!!」

つよし隊長
「んっ・・・・!!?
あ・・・・あのバカ・・・・・!!!
落下するぞ・・・・!!」

「ダッダッダッダッダッダッダッダ・・・・!!」


けんと
「うわぁ~~~~ぁぁ~~~~ぁぁあんっ!!(泣)
助けてぇぇぇぇぇぇぇ~~~~~~!!!」

つよし隊長
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーー!!!
けんとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーー!!!」

けんと
「うわぁぁぁーーーーーーーーーーーーっ!!!」

「ドッシ~~ンッッ!!」

つよし隊長
「あ・・・・
あ痛たたたた・・・・
け・・・けんと・・・・
だ・・・大丈夫・・・か・・・・・?」

けんと
「あ・・・アハッ…!
つ・・・つよし隊長・・・・・あ・・・ありがとう・・・ございます・・・
か・・・かばってくれて・・・・・・」

つよし隊長
「ぐ・・・ぐぐ・・・・・・・・こんのぉ~アホ~~~~~~・・・・!
お…俺を殺す気かぁ~~・・・・・・!(泣)」


「応急処置・蘇生術授業」

けんと
「でもなぁ~~・・・・んか覚えてるようで・・・・
思い出せないんだよなぁ~~~~~・・・・

もっと…こう・・・何か大切な事を忘れているような気がするんだけど~・・~~~・・・
一本松と・・・誰かが居たような気がするんだぁ~~・・・」

17番隊員
(けんと…
けんと……コソ…
お前・・・隊長から当てられてるって・・・・!!)

けんと
「えっ・・・・!?
あっ・・・・・!!!」

つよし隊長
「はぁ~・・・・

こんのアホッ!!!
18番隊員起立っ!!!」

けんと
「は・・・はは・・・はははは・・・はいっ!!!」

つよし隊長
「今・・・・
俺が説明した内容全てを・・・
教台に立ってみんなに説明しろ・・・・!!!」

けんと
「ア・・・アハッ・・・!アハハハハハ・・・(笑)

わ・・・・わ・・・・
わっかり~ましぇ~ん♪」

つよし隊長
「えぇ~~~いっ!!!
この馬鹿ちん野郎がぁっ!!!!!
訓練場10週走って来いっっ!!!」

けんと
「は・・・!はははは・・・・・・!!
はぁ~~~いっ!!!」

「ガタタタン・・・!!」

つよし隊長
「はぁ~~・・・
俺・・・そのうち胃に穴が空きそう・・・・」


「昼食時間」

けんと
「うわあぁ~~~!!!
トイレ!トイレ!!
お昼のレバニラ食べ過ぎちゃった!!
ウ○コ!!ウ○コ!!
漏れちゃう!漏れちゃう!」

「ダダダダダ・・・!」

「教官専用トイレ→」

けんと
「うあぁ~~!!!
ウ○コの先っぽが顔出してる~~~~!!!
もう我慢出来ないよ~!
このトイレに入ってやれ!」

「ダダダダダ・・・!!」

「大便個室」

「ガチャッ!!」

けんと
「入りま~・・・!!
わあっっ・・・・!!!」

つよし隊長
「うおっっ!?
お・・・おまっ・・!!!!!
俺が入ってたんだよっ!!馬鹿野郎っっ!!!」

けんと
「た・・・隊長・・・!
か・・・鍵くらい閉めましょうよ・・・・!!」

つよし隊長
「アホウッ!!!
このトイレは教官トイレ専用なんだよっ!!!」 

「ブンッ!」

けんと
「わっ!!ちょっ・・・!!!待って・・・!!
た・・・隊長・・・!」

「ゴンッ!!!←拳骨」

つよし隊長
「サッサと出てけっ!!
俺は鍵は閉めずにゆっくりと用を足す主義なんだよっ!!」

イメージ 2


けんと
「あ・・・・・
あ・・・・あぁ~~・・・・・・(泣)」

つよし隊長
「お・・・お前・・・
泣いて・・・
ど・・・どうしたんだよ・・・・・?
そ・・・・そんなに痛かったのか・・・・?
俺の拳骨・・・・・」

けんと
「うぁ~~~ぁぁ~~~・・・・・ん(泣)」

つよし隊長
「クンクン・・・
ああっっ!!!!
お前・・・・!!!
クソ漏らしたなぁっ!!」

けんと
「だって隊長が急に拳骨食らわすからっスよぉ~~(泣)」

つよし隊長
「臭いんだよっっ!!!
馬鹿ちん野郎っ!!!
サッサと医務室行って着替えて来いっ!!!アホウッ!!」

けんと
「く・・・臭いのは隊長のウ○コの方じゃないっスか~~?(苦笑)!!!」

つよし隊長
「こんのぉ~~・・!!
とっとと出て行きやがれ!!!
ウ○コ垂れ野郎っ!!
ここは教官専用トイレなんだからなっ!!!」

けんと
「は・・・ははは・・・はぁ~~~いっ!!!
すんませ~~ん!!!」

つよし隊長
「まったく・・・・
油断も隙もない・・・

・・・あ・・・!

あ痛たたたた・・・・!
り…力みすぎて…少しキレたかも・・・・・(涙)」


「訓練終了」

つよし隊長
「えぇ~・・・!
これにて本日の訓練、及び授業を終了する・・・!

今日学んだ事は、遼や家に帰っても…
予習、復習をしっかりして忘れないように!!
明日からまた新しい事を学ばなければならないぞ!

我々レスキュー隊員は命を救うのが使命だ!!

まだまだ覚える事は山のようにあるぞ~・・・!

常に己の信念を強く持ち、向上心を持って務めるよう、肝に銘じるんだ!
わかったか!!!」

レスキュー隊員
「はいっっ!!!」

つよし隊長
「以上!!解散!!
ありがとうございました!!!」

隊員
「ありがとうございました!!!」

「ガタタタン!ガタンガタン・・・!」


けんと
「あぁ~~!終わった♪終わった♪
なぁ、これからアニマルバーガー行って、ジャンボチーズクジラバーガー食おうぜ!!」

17番隊員
「おっ!いいね~~!
腹へったぁ~~~!
早く着替えて行こうぜ!」

19番隊員
「あ!俺も行く!!
新作のサメバーガー食ってみたかったんだ!」

けんと
「アハハ!サメバーガーって今凄い話題だよな!みんなで行こう!行こう!」


つよし隊長
「18番隊員のけんと!」

けんと
「え・・・・!?
は・・・はい・・・・」

つよし隊長
「お前は居残りだ!
ちょっと話したい事もある・・・!」

けんと
「えぇ~~~・・・!?
そ・・・そんなぁ~~~~~~・・・・
これからアニマルバーガー食いに行こうとしてたのにぃ~~・・・・」

17番隊員
「あぁ~~あ・・・
残念だったな・・・けんと・・・・」

19番隊員
「あらら~・・・
俺たち先行ってるから…もし早く終わったら携帯鳴らせよ!」

17番隊員
「あの鬼教官が相手だからなぁ~~・・・・
夜10時は確定だろうなぁ~~~・・・・」

19番隊員
「ま!期待しないで8時までは待っててやるよ!
じゃあな~♪」

けんと
「じゃ・・・
じゃ~~~なぁ~~・・・・・・」


それからボクは・・・
つよし隊長御指命の…
マンツーマン特別補習授業が行われたんだ・・・


つよし隊長
「なぁ、けんと・・・
お前・・・本っ当にレスキュー隊員になる気あるのか・・・・?」

けんと
「はいっ!もっちろんですよ!!(ニッコリ)」

つよし隊長
「じゃあ今日の訓練・授業態度は何なんだ…!?」

けんと
「あ・・・アハッ…!
アハハハハハ・・・(笑)
すんませぇ~~…ん!」


つよし隊長
「馬鹿野郎っっ!!!
ヘラヘラ笑ってんじゃねぇーよっ!!!
俺は本っ気でお前を心配してるんだからなっ!!」

けんと
「は・・・はい・・・
す・・・すみませんでした・・・・ボソリ…」 

つよし隊長
「まったく・・・!
お前って奴ぁ~~・・・
毎度毎度ドジ踏みやがって!!
今日なんか仮眠時間過ぎて寝坊するし!

降下訓練中に手を滑らせてあわや大惨事! 

授業はポケ~ッと考え事してて俺の話なんかまるで聞いちゃいないうわの空!

おまけにお昼休みは教官専用トイレへ勝手に侵入するわクソまで垂らすわ・・・! 

お前は本っ当にアニマル消防局の一員としての自覚があるのかっ!?

えぇっ・・・!?

どうするんだ!?
こんな態度ではいつまでたっても…
立派なレスキュー隊員にはなれないぞ!?」

けんと
「そ・・・・
そんなに・・・
沢山言わなくったって・・・
いいじゃないっスか・・・

ボ…ボクだって・・・
精一杯頑張ってるんスから・・・・」

つよし隊長
「はぁ~~・・・

けんとよ・・・
お前…いつまでも…
甘ったれてるんじゃねえぞ!!
俺たちは命を救うのが仕事だ・・・!
一分一秒の行動が生死を境を決めるんだ・・・!

絶対に失敗は許されない仕事なんだ・・・!!」

けんと
「・・・・
そんなこと・・・
ボクだって・・・
わかってますよ・・・」

つよし隊長
「そうか・・・
わかっていてそんな拗ねた態度とってんだな?」

けんと
「・・・・・・
拗ねてなんか・・・・
ないもん・・・・」

つよし隊長
「よしっ!
今から今日習った訓練・及び授業をお前だけもう一度受けてもらう!!」

けんと
「えぇっ・・・!
い・・・・今からですかぁ・・・・!?」

つよし隊長
「あたりまえだろう!
この馬鹿ちん野郎が!」

けんと
「そ・・・そんなの無茶ですよぉ~~・・・!!
今日習った授業を今からもう一度だなんて・・・!

8時間は軽く掛かっちゃうじゃないですかぁ~~!!!」

つよし隊長
「大丈夫だ、無駄な説明を短縮する・・・
訓練もお前独りだけだから1時間で済む・・・

残り3時間で授業も大事な所をしっかりまとめて集中させる・・・

だが・・・深夜0時は確実だ・・・覚悟しろ・・・」

けんと
「えぇ~~~!!!
そんなの嫌だよお~~!

今夜9時に…
見たい話題の連続ドラマ「うらみや本舗」があるんスからぁ~~!」

つよし隊長
「あんなふざけた内容のドラマ見てる時間は無い!
俺たちは24時間レスキュー隊員なんだっ!!」

けんと
「もぉ~~いぃ~~じゃないっスかぁ~~~・・!

なんでボクだけそんな面倒くさい補習授業受けなきゃならないなんて~~・・
本っ当!かったるいなぁ~もぉ~~・・!」

つよし隊長
「この大馬鹿野郎っ!!」

「ブンッ・・!!」

けんと
「うわっ・・!」

「バキィッ・・!!!」

「ドシィーーンッッ・・・・・・・・!!!」


つよし隊長は・・・

補習授業を全くやる気の無いボクのいい加減な態度に堪忍袋の緒がキレて・・・

ついにボクを硬い拳で強く殴った・・・


けんと
「あ・・・あぁ・・・」

つよし隊長
「はぁ~・・・!
はぁ~~~・・・!
はぁ~~~~・・・!」

けんと
「ひ・・・酷い・・・
な・・・何も殴らなくったっていいのに・・・・グス・・・」

ボクは・・・
あの鬼教官と隊員たちから恐れられている・・・

つよし隊長を涙目で睨みつけた・・・・

つよし隊長
「おい・・・・・
・・・なんだその目つきは・・・・」

けんと
「教官が・・・・
隊員に暴力振るうなんて・・・

最低だよ・・・!
あんた・・・・」

つよし隊長
「何だと・・・・?
貴様・・・・・
もう一度言ってみろ・・・・・・」

けんと
「た・・・隊長なんか・・・・隊長なんか・・・
ボクの事が気に入らないんだ・・・・
ボクには両親が居ない孤児院育ちだから・・・・・
こうやっていじめるんだ・・・・!」

つよし隊長
「・・・・・!!
お前はまだそんな事を・・・・・・・!!」

けんと
「両親に・・・
暖かく育てられた隊長に・・・!!!
ボクの気持ちなんてわかるもんかぁぁーーーーーーーーーーーっっ!!!」

イメージ 3


「ブンッ!」

つよし隊長
「うおっ・・・!?」

「バキィッ・・・!!」

つよし隊長
「ぐはぁっっ・・・!!」


ボクは・・・
どうして急にこんな事を思うようになってしまったんだろう・・・

両親の居る奴らが・・・

なんだか憎たらしくってきて・・・・
とうとう・・・・
つよし隊長を・・・
殴ってしまった・・・・

けんと
「はぁ…!はぁ…!
はぁ…!はぁ…!」

つよし隊長
「ぐっ・・・・・!
お前・・・・・・!!」

けんと
「も・・・・
もう・・・
隊長なんか嫌いだ・・・

隊長なんて…
大っ嫌いだぁぁあっ!!」

つよし隊長
「かってにしろっ!!
俺がせっかくお前の事を心配してやってるのに…!

もう知らんっ!!
お前なんか辞めちまえっ!!!」

けんと
「い~ですよっ!
い~ですよっっ!!
ボクもうレスキュー隊員なんてやってらんないね!

もう辞めてやらあっ!!」


つよし隊長
「ああぁーそうかい!
そうかい!そうかい!
俺もお前みたいなお荷物が辞めてくれたら清々するわいっ!!!」

けんと
「じゃあ!つよし隊長!!
今までお世話になりましたっっ!!
ボク本当にレスキュー隊員辞めますからねっ!
もうここには絶対に帰って来ませんからねっ!!
さよーーならっ!!!」

つよし隊長
「ああぁーけっこう!けっこう!大けっこう!!
絶対に引き止めたりしねぇーから安心しなっ!!

バァーカッ!!
お前なんかとっとと何処へでも行っちまえっ!!」

けんと
「ぐ・・・・!!
ふんだっ・・・・!!
隊長のバーカッ!!」

「ダダダダダ・・・!」

つよし隊長
「うるせえっ!
ウンコ垂れっ!!

じゃーなっ!!!」


ボクは…
とうとう隊長の前を去った…

本当は…

引き止めてくれると思っていたのに…

不器用でもいいから「馬鹿ちん野郎!」って…
抱きしめて欲しかった・・・・・

どうしてボクは…

こんなに寂しいんだろう・・・
こんなに悲しいんだろう・・・・・

そして・・・


どうして・・・
こんなに涙が溢れて止まらないんだろう・・・

前がぼやけて見えないよ・・・・・

ボクは泣きながら…
電灯が少ない暗い道を走って行った・・・

こんな時…

お父さん…
お母さんに甘えたいよ…

大人なんて…

辛いことばかりでちっともつまんない!!

ボクなんて・・・

ボクなんて・・・

誰からも必要とされてないんだ・・・・!
この世に居なくなったって・・・
誰も悲しんでくれないんだ・・・・!!

泣きながら自暴自棄になって暗い夜道を走っているボクの鼻に・・・・

フワリ…と…
菜の花の香りが漂ってきた…

ボクは「ハッ…」と何かを思い出し・・・
走るのを止めて立ち止まった・・・・

けんと
「この香り・・・・
なんだか懐かしい・・・

優しい香りがする・・・」



気がつけば…
厳しい冬も終わり…

けんとは…
もう春がすぐそこまでやって来ている事を…
すっかり忘れていたのです…

けんと
「夜も少しづつだけど…
暖かくなってるんだなぁ・・・
最近はず~っと辛い訓練や授業の毎日で…

季節を感じる事なんてすっかり忘れてたよ・・・」


けんと
「明日は・・・
3月11日かぁ~・・・

ボクは…
何か・・・
大切な事を忘れているような気がする・・・・」


けんとは…
菜の花の優しい香りに慰められ…
さっきまで怒りまかせに自暴自棄になっていた自分が…
今ではすっかり嘘のように気持ちが安らいできました…

心が落ち着いた
けんとは…

自分の態度を改め反省し、方角を変えてある所へと向かったのでした…

果たして…
その場所とは・・・・


けんとは…
夜空いっぱいの星を数えながら…
ゆっくりと歩いていきました…

(づつく)