どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

「3月11日・ボクは一本松に会いに行く」~東日本大震災・復興支援オリジナルストーリー~「Past3」

ボクは・・・

あの日・・・
夢を見ていたんだ・・・
太陽が海へ沈んでいる・・・・・
まっ赤に染まったキレイな夕日と・・・
広い…広い…砂浜・・・

ボクは確かに・・・
ジャングルジムに乗っかったまま・・・
見ていたんだ・・・
あの景色を・・・

何となくだけど・・・
覚えている・・・

寂しそうに泣いていた…

一本の松の木・・・

ボクがその松の木に…
語りかけると・・・

何かが見えたんだ・・・

そう・・・
誰かが姿を現したはずなんだ・・・

それは・・・
とても優しくて・・・
暖かくって・・・
だけどちょっぴり泣き虫屋さんで・・・

思い出そうとするんだけど・・・
思い出せない・・・

だけどボクは・・・
すごく楽しくって・・・
それが大好きになったんだと思う・・・

一緒に・・・
遊んだんだよね・・・?

お願いだよ・・・
あの日夢見た寂しい一本松よ・・・

もう一度・・・
ボクの夢に出てきてよ・・・
またキミに会って…
楽しくお話したいんだ…

どうして子どもの頃のように出てきてくれないの…?

ボクが大人になるにつれて見えなくなってしまった…

あの日の夢・・・

3月11日・・・

菜の花の優しい香りが…
ボクを懐かしい夢の思い出へと誘ってくる・・・

ボクは・・・
子どもの頃の夢だった…

レスキュー隊員になったんだ・・・

名前は・・・

「けんと」

どこの星から来たのかわからない・・・

タヌキの男の子・・・







「3月11日・ボクは一本松に会いに行く」

東日本大震災・復興支援オリジナルストーリー~

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「ガチャリ・・・」

居間のドアを開ける音が鳴った・・・

つよし隊長が・・・
ヒトミ姉ちゃんの家へ帰ってきたんだ・・・

ボクは…
五郎を抱っこしたままで…
振り返る事が出来ない…

背中に視線を感じながら…
ただテレビを見ている…

どうしよう・・・・
怖いよう~・・・・

つよし隊長・・・
ボクがおもいっ切り殴ったの・・・
きっとカンカンに怒ってるだろうなぁ~・・・・

だけど・・・
ハッキリ伝えないといけないんだ・・・!

ボクの強い意志を!!

肩をブルブル震わせながら・・・
勇気を振り絞って後ろを振り返ろうとした時だった・・・

つよし隊長
「ゴロちゃぁ~ん♪♪
ただいまぁ~~~~♪♪
パパが帰ってきまちたよ~~~~♪♪」

突然…!!
つよし隊長は・・・
ボクが抱っこしている五郎の方へ一直線にやってきたんだ…

五郎
「ふぇ・・・!
ふぇぇぇ~~・・ん!!
ふぇぇぇんえんえんえん!!!」

五郎は…
つよし隊長の怖~い顔を見て泣き出した・・・

つよし隊長
「あれれれぇ~~~?
ゴロちゃんどうちて泣いちゃうのかなぁ~~~♪
パパでちゅよ~~~♪♪」

・・・と
舌を出してあやすも逆効果・・・
五郎はもっと泣き出したんだ・・・

ボクは…
いてもたっていられなくなり、勇気を出して…
つよし隊長に言ったんだ・・・

けんと
「つ・・・つよし隊長・・・・・さっきはゴメ・・・・・」

・・・と言いかけた時だった・・・
突然・・・!!
つよし隊長がボクに話しかけた一言・・・!

つよし隊長
「けんと・・・
俺と一緒に風呂だ・・・」

けんと
「え・・・・・?」

つよし隊長
「飯の前に風呂だ・・・
俺の背中・・・・
しっかり洗ってくれな・・・!」

けんと
「は・・・はい・・・」

つよし隊長
「おぉ~~~い!
ヒトミ~~~!
飯の前に、俺コイツと風呂入るからなぁ~~~!」

ヒトミお姉ちゃん
「はいはぁ~~~い♪♪」

つよし隊長と一緒にお風呂入るなんて・・・

ボク・・・
どうなっちゃうんだろう・・・・






「Part3」
~つよし隊長とはだかんぼう~

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つよし隊長
「急に消防局を飛び出したお前を捜しに・・・
そこら中駆け回ったからもう汗だらけだよ、これじゃあ五郎が抱っこ出来んだろ?
だから先ず飯の前に俺と風呂入るぞ!いいな!」

けんと
「は・・・はい・・!!
ボク・・・隊長の背中…
しっかり洗いますから・・・・!!」

つよし隊長
「よ~~~し・・・
たのんだぞ・・・!
この馬鹿ちん野郎!(笑)」

けんと
「は・・・はいっ!!」

つよし隊長
「おしっ!けんと行くぞ!
来いや!」

けんと
「はいっ!!」

つよし隊長は笑ってくれた・・・・
その顔を見て・・・
安心したのか・・・
ボクも自然と笑みを見せた・・・

ヒトミお姉ちゃん
「けんと~~
制服と下着、つよしのと一緒に洗濯機に入れといて~~~♪
明日には着れるよう洗って乾燥しといてあげるから~~♪」

けんと
「え・・・?
泊まってっていいの…?」

ヒトミお姉ちゃん
「あたり前じゃない~♪
久しぶりなんだからさ、今夜はゆっくりして行きなさいよ~♪」

ヒトミ姉ちゃんに進められ…
ボクは…
つよし隊長の顔色を伺った・・・

つよし隊長
「なんだ・・・?
遠慮してんのかぁ~・・?いいじゃないか、今から寮に戻ってたら遅くなる、今夜は俺と一緒に寝るんだ!」

けんと
「えぇ~~~っっ!?
こ・・・今夜は・・・
つよし隊長と一緒に寝るのぉ~~!?」

つよし隊長
「嫌なのかよっ!(怒笑)」

ヒトミお姉ちゃん
「いぃ~じゃな~~い、けんと~~♪♪
たまには師弟同士水入らずで語り合いなさい♪
同じ消防局に所属している者同士、二人だけにしか話せない事だってあるでしょお~?」

けんと
「そ…そんなぁ~・・
だ…だって・・・!
まだ心の準備が出来てないよぉ~~~・・・」 

つよし隊長
「つべこべ言うなっ!
何がそんなに嫌なんだよっ!!(怒笑)」

けんと
「だって・・・
つよし隊長のイビキって・・・・
ウシガエルより酷いんだもん~~・・・・」

ヒトミお姉ちゃん
「あ、それ解るわぁ~…」

つよし隊長
「なんだよっ!!
二人して~~(苦笑)
悪かったなっっ!!!
どうせ俺のイビキはウシガエル以上だよっ!!」

五郎
「ふぇぇ~~ん!えんえんえん!!
ふぇぇぇ~~~んえんえんえんえんえんえん!!」

ヒトミお姉ちゃん
「あらあらあら…
ゴロちゃんゴメンねぇ~~~~♪
んもうぅ~~~・・・
パパが大きな声出して怒鳴るから五郎が泣き出しちゃったじゃないのよ~~~・・・」

つよし隊長
「あ・・・・
スマン・・・・シュン…」

けんと
「アハ・・・!
アハハハハハハハハ!!
つよし隊長ったら、顔も大きくて怖いんだもん~~!」

つよし隊長
「・・・っるせえっ!
サッサと風呂行くぞ!
このヤロ!!」

ヒトミお姉ちゃん
「んじゃ…♪
お風呂から上がる頃に夕食並べておくから~♪
つよし、今夜はビールどうする~~・・?」

つよし隊長
「今夜はいいよ、問題児だが可愛い愛弟子と語り合わにゃならんのでな~…」

ヒトミお姉ちゃん
「そ…、じゃあ冷たい麦茶出しておくから!
行ってらっしゃ~い♪」

つよし隊長
「ヒ・・・ヒトミ・・
ほ・・・ほれ・・・
あ・・・あれ忘れてるだろ~・・・?」

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けんと
「え・・・何・・・?
あれ・・・って・・・」

ヒトミお姉ちゃん
「んもうぅ~~~!
つよしったらぁ~~(笑)
けんとの前なんだからガマンしなさい♪」

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つよし隊長
「いぃ~~~や!
俺はガマンしないぞ~!
お帰りなさいの・・・」

ヒトミお姉ちゃん
「あん・・・」

「チュッ・・・!」

けんと
「わっ!わわわわわ…!」

つよし隊長は・・・
ボクがいる前で・・・

ヒトミお姉ちゃんに・・・
お帰りの「キス」をした…

それを目の前で見て・・・
ボクは慌てて背を向けてしまった・・・

「お風呂場」

ボクとつよし隊長は…
お互い今日1日、厳しくハードな訓練に務め、汚れた制服を脱ぐ…

つよし隊長
「ふう~~~・・
汗ビッシリだ・・・」

けんと
「そ・・・そうスね…」

つよし隊長
「ん・・・?
けんと・・・・
お前…何さっきからモタモタしてんだよ・・・?」

けんと
「え・・・・!?
エヘヘヘヘへ・・(半笑)
何か隊長の前で裸になるの・・・・
恥ずかしくって・・・」

つよし隊長
「男同士なのに恥ずかしがるんじゃないっ!!」

「ポカッ!」

けんと
「イテッ・・・」

つよし隊長
「お前の裸なんて、消防局の風呂場で何度も見てるから心配するなっ!!
サッサと脱げ!俺は先に入ってっぞ!!」

「ガラカラガラ~・・♪」

つよし隊長は、グズグズしているボクを、ポカッ♪と軽くゲンコツし、先に風呂場へと入ってった…

そうだよなぁ・・・
ボクだって、つよし隊長の裸なんて消防局の風呂場で何度も見ている・・・
今さら恥ずかしがる事もないか・・・

ボクも制服と下着をパッパッと脱いで洗濯機に入れると・・・
つよし隊長の後を追うようにお風呂場へと入っていった・・・

「ガラカラガラ~~♪」

けんと
「つよし隊長~~♪
ボクも入りま~~す♪♪」

つよし隊長
「おう!入れ~・・」

扉を開けてお風呂場に入ると、石鹸のいい香りがボクの鼻をくすぐる・・・

なんだかホッ…とするような・・・
優しくて懐かしい香り・…・・・・
つよし隊長は毎日この暖かいお風呂に入って幸せだなぁ~~~・・・と思った…

「ザバァ~~~♪」

つよし隊長
「あぁ~~・・・!
サッパリするなぁ~・・」

つよし隊長は、気持ちよさそうにお風呂のお湯を洗面器ですくい上げ、掛け湯をしていた・・・

つよし隊長
「けんと、お前も先ずは掛け湯して、一緒に湯船に入るぞ~~♪」

けんと
「はぁ~~い♪」

つよし隊長
「お・・・!
立派なモンぶら下げてんな!!
がっはっはっはっはっ♪」

けんと
「え・・・?
あっ・・・・!!!
隊長っ!そんなにジロジロ見ないで下さいよっ!!」

つよし隊長
「なぁ~~・・に恥ずかしがってんだよバァ~カ!
男にはみんなついてんだからいいんだよ!!

ほれっ!洗面器!
お前も掛け湯しろ!掛け湯!家は1つしかないんだからな・・・」

つよし隊長は…
掛け湯をしながらも・・・
何気にボクの大事なアソコをチェックする・・・
もう~~・・・
隊長ったら…、消防局の風呂場でもこうなんだから…

つよし隊長
「んああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ~~・・・♪
ええぇぇ気持やなあ~~~~・・・・♪♪」

先につよし隊長が気持ち良さげな顔をして湯船に浸かる・・・
まるで虎みたい・・・

「ザバァ~~~♪」

けんと
「うひゃあ~~~♪
気持ちいい~~~♪♪

・・・んじゃ…♪
ボクも失礼して入りま~~~~す♪♪」

「ポチャリ・・・♪」

続いてボクも・・・
つよし隊長から渡された、1つしかない洗面器で掛け湯をすると・・・
隊長に遠慮しながらも…
ゆっくりと湯船へと入り…
つよし隊長と向かい合わせになった時・・・

「ザババババァァ~~~~~~~・・・♪♪」

大きな男二人が入ると…
湯船のお湯が波のように溢れ出す・・・

けんと
「わぁ~~~い・・♪
津波だぁ~~~・・♪♪」

つよし隊長
「・・・ったく・・
子どもみたいにはしゃぎやがって~~・・・」

けんと
「・・・・・・・・?
・・・・津波・・・」

つよし隊長
「・・・・ん・・?
なんだ・・・・?
どうしたんだ・・・?
急に黙り込んで・・・」

けんと
「・・・・津波・・・
そう・・・!!
津波だよ!津波・・・!」

つよし隊長
「おいおい・・・
急にデカい声出してなんだよ・・・
津波がどうかしたんか・・・・?」

ボクは・・・
津波と言った瞬間・・・
あの日見た夢を少しだけ思い出したんだ・・・

けんと
「・・・津波・・・!
そう・・・・
あの広い海辺の砂浜に・・・・・
一本の松の木があって・・・・・
寂しそうに泣いていたんだ・・・・!!」

つよし隊長
「・・・・・・?
津波・・・・・?
広い海辺の砂浜・・・?
一本松・・・・?
俺には一体何の事かサッパリだけど・・・・
それがどうかしたんか・・・・?」

けんと
「子どもの頃の夢・・・・
ボクは3月11日になると必ず夢を見てたんだ・・・・
太陽が沈む夕暮れ時で…
広い海辺の砂浜に…
一本の松の木があって…

それをいつもジャングルジムの上から眺めている所から始まるんだ・・・」

つよし隊長
「3月11日・・・?
その日にアニマルランドでは津波の被害はないぞ・・・?」

けんと
「この国じゃなくって…
もっと…もっと…遠い星なんだ・・・・・・
だけど・・・
ボクは昔その星で暮らしていた記憶が薄っすらと残っていて・・・・
だけど・・・・
何故かどうしても思い出せないんだ・・・!!!」

少し取り乱したボクの肩を・・・・
つよし隊長が…
グッ・・・!と両手でつかみ・・・
ボクを見つめながら真剣な眼差しで話し始めた・・・

つよし隊長
「それはなぁ・・・
けんと・・・
お前が大人になったからだよ・・・」

けんと
「え・・・・・・」

つよし隊長
「俺にだって・・・
そういう経験ある…

子ども頃に見た夢が…
本当に夢だったのか…
それとも実在したものなのか・・・・

やがて大人になるにつれて・・・
だんだんと記憶が薄れていくんだけど・・・・

なんとなくまだ覚えているんだよな・・・
子ども頃の出来事っていうのは不思議でな・・・
夢と現実がごちゃ混ぜになっているんだよ…」

けんと
「毎日…毎日…厳しくて辛い訓練続きで忘れていたんだけど・・・
3月11日が近づいて・・・・・・
菜の花が咲き出す頃になると・・・
いつも思い出してしまうんだ・・・」

つよし隊長
「なるほどなぁ・・・
明日は3月11日か…
運が良ければ・・・
また夢の続きが見れるかもしれんぞ・・・」

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けんと
「つよし隊長・・・
ボクの話を聞いて笑わないの・・・!?
変と思ったりしない・・・・!?」

つよし隊長
「笑うもんか…
明日・・・・
何か奇跡が起きるといいな・・・」

けんと
「つ・・・つよし隊長ぉ~~~~~・・・
ボク・・・ボク・・・
凄く嬉しいよ!!」

つよし隊長
「けんとよ・・・
俺にはわかるんだ・・・
本当か嘘か・・・
お前の瞳を見ればな・・・」

けんと
「え・・・・瞳…」

つよし隊長
「お前は訓練で・・・
毎日…毎日…失敗を繰り返し…ドジを踏む・・・

・・・だけどな・・・
瞳は真剣だ・・・・
本当に一生懸命で・・・
立派なレスキュー隊員になりたいという己の強い信念と意志は…
他の新米隊員の誰よりも強いんだ・・・!!!」

けんと
「ま…まさか・・・ボクが・・・・・!?
そんなぁ・・・・」

つよし隊長
「けんとよ…
もっと自分に自信を持て・・・
俺は確信しているんだ・・・・・・・
お前は俺以上のレスキュー隊員になると・・・!」

けんと
「え・・・!?
ボ・・・ボクが・・?
ま…まさかぁ~・・・
そ…そんなはずないよぉ~~~・・・

つよし隊長よりも凄いレスキュー隊員なんて・・・
このアニマルランドの何処探したっていないよ・・・・」

つよし隊長
「子どもの頃からの夢だったんだろ…?
レスキュー隊員になるの・・・・」

けんと
「た・・・隊長・・・!
ど…どうしてそれを・・・・!?」

つよし隊長
「外から聞こえてたよ…
ヒトミに反対されても己の信念を貫いたお前の強い意志を言ってくれて・・・
俺は本当に嬉しかった…」

けんと
「なぁ~~んだぁ~~!
隊長ったら人聞き・・・
・・・・いや・・・
猫聞きが悪いなぁ~~・・・・・・
ボクがヒトミ姉ちゃんの家に居る事気付いてたんなら・・・
なんでもっと早く言ってくなかったのぉ~~・・・?(苦笑)」

つよし隊長
「がっはっはっは!
いやぁ~、ちょっとビビらせてやろっかなぁ~~・・って思って・・・(笑)」

けんと
「もう~~~・・・!
隊長ったら意地が悪いんだから~~~(笑)」

つよし隊長
「たわけっ!!
さっきのさっきまで飛び出したお前を捜し回って俺はヘトヘトなんだぞっ!!
この馬鹿ちん野郎っ!!」

「バシャシャッ…!!」

けんと
「ブハッ・・・!!」

つよし隊長は…
怒ってるのか…
それとも笑っているのか…
湯船に浸かって赤くなった顔をしかめながらボクにお湯を引っ掛けた・・・

つよし隊長
「まったく・・・!
俺に殴り掛かってきた新米隊員はお前が初めてだよっ!!バカヤロッ!!」

けんと
「あ・・・・・
隊員・・・ごめんなさい・・・・・」

つよし隊長
「ま・・・!
いっちょ前のレスキュー隊員目指すなら・・・
これぐらいの根性がないとな!!!」

けんと
「で…でも・・・
痛かったよね・・・?」

つよし隊長
「バーロゥッ!!
あれぐらいどうって事ないわいっ!!
この俺様を見くびるな・・・!!!」

・・・と・・・
つよし隊長は余裕そうな顔をするので・・・

けんと
「ふぅ~・・・ん…
こんなに腫れてるのに…
さすが隊長だなぁ~・・」

「つんつくつん…♪」

・・・と、殴った右頬をつついてみると・・・・・

つよし隊長
「うぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーぁぁぁぁああああっっっ!!!!!」

つよし隊長・・・
怒濤の大絶叫・・・
ボクは慌てて謝るも・・・

けんと
「ひい~~~~!!!
ご・・・・
ごめんなさいっ!
ごめんなさいっ!!
ごめんなさいっ!!!」

つよし隊長
「はぁ~・・・!
はぁ~~・・・!!
はぁ~~~・・・!!!
な・・・何でもない!
何でもないからなぁ~!」

あれだけ大絶叫しておきながらも・・・
まだ強情に何でもないと・・・・・
平静を装い意地を張る頑固なつよし隊長なのでした・・・・・

つよし隊長
「んぁぁぁぁあああ~~~~~!!!
すっかりのぼせちまった!!!
ほれっ!けんと!出るぞ!俺の背中洗ってくれ!!」

けんと
「あ・・・は~いっ!!」

熱い湯船で長く語り合い…
すっかりのぼせ上がってしまったボクとつよし隊長・・・
湯船を出ると…
早速つよし隊長から背中を洗うよう指示された…

さぁ!がんばるぞ~!!

つよし隊長
「よっこらせっと♪」

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つよし隊長は、木製のイスにドッシリと大きな体で腰掛ける・・・
アハ…壊れないかな・・・?
そしてボクは・・・
ボディタオルに石鹸をお湯に馴染ませながら擦り込むと・・・
モコモコと雲のような泡を作った・・・

けんと
「んじゃっ!隊長~♪
18番隊員のけんと!
いっきま~~~~す♪♪」

つよし隊長
「ラッジャ~~~♪♪」

「ゴッシ♪ゴッシ♪ゴッシ♪ゴッシ♪・・・
キュッ♪キュキュッのキュッ♪♪っと!」

つよし隊長
「こらっ!けんと~!
もっと力入れんか~い♪」

けんと
「ラジャ~~!!」

「ガッシ!ガッシ!ガッシ!ガッシ!
ギュッ♪ギュギュッのキュッ♪♪っと!」

つよし隊長
「なに歌いながら洗ってんだよ~~(笑)」

けんと
「つよし隊長の背中って、大きいなぁ~~・・・
こうして洗っていると…
熊八先生思い出すなぁ~~・・・・♪」

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つよし隊長
「熊八先生・・・って…
お前やヒトミが居た孤児院施設の園長先生だっけ・・・・・?
あの施設…
なんか協会というか…修道院のような建物だったけど・・・
クリスチャンなのか…?」

けんと
「うん!!修道院の協会だよ!
「チャイルドホーム」
マリア先生はシスターで
熊八先生は牧師さんなんだ~~♪」

つよし隊長
「じゃあ・・・
マリア先生が母ちゃんで・・・・・・
熊八先生が父ちゃんみたいなものか~・・・」

けんと
「うん・・・
おっちょこちょいで怒りんぼうだけど・・・
絵本を読んでくれたり…
優しく抱きしめてくれる…
マリア先生がお母さんでね・・・

食いしん坊で、ドジな先生だけど・・・
相撲が強くて力持ち…
大きな体の頼りになる熊八先生がお父さんなんだぁ~~~・・・・・」

つよし隊長
「じゃあ・・・
けんとと俺が今一緒にお風呂入ってるみたいに・・・
熊八先生ともこうやって一緒にお風呂入ったりしてたんだよな・・・?」

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けんと
「うんっ!そうだよ~♪
ぽん太兄ちゃん、たいち兄ちゃん、モッくんもみんな一緒、仲良く毎日洗いっこしてて楽しかったなぁ~~~・・・・」

つよし隊長
「幸せ・・・
だったんだよな・・・?」

けんと
「うんっ!もちろん!」

つよし隊長
「じゃあ・・・
お前は独りぼっちなんかじゃないじゃないだろう・・・?」

けんと
「あ・・・・・・」 

つよし隊長、
「お前は半ベソで俺を睨みつけながら・・・
「両親の居ない孤児院施設で育ちだからボクに冷たく当たるんだ・・・!
暖かい両親の元で育った隊長に・・・
ボクの気持ちなんてわからないんだー!!」・・・とか言って俺を殴ったけど…

ちゃんとお前には・・・
家族と呼べる者が居て…
幸せに暮らしていたじゃないか・・・」

けんと
「ホントだね・・・
ボクったらあんな事言って・・・・
隊長…ごめんなさい・・・・・・」

つよし隊長
「今だってそうだろう?
俺とこうしてお風呂入って・・・
湯船でのぼせるまで語り合ったり・・・・
仲良く背中を洗ったりなんかしたりしてな・・・

ヒトミだって、お前の事…
本当の弟のように今でも慕っているし・・・
カレーの味も・・・
忘れていないよな…?
覚えているよな・・・?

・・・これも・・・
家族なんじゃないかな・・・?」

けんと
「・・・うん・・・
そうだった・・・・
ボクったら・・・・
自分だけを悲観して…
あんな泣き言いっちゃって情けない…

恥ずかしいよ・・・
ボク・・・」

つよし隊長
「形は違うけど・・・
俺とお前は義理の兄弟じゃないか・・・
家族じゃないか・・・

もう・・・
自分は独りなんだ!とか言うんじゃないぞ・・・!」

けんと
「あ・・・
そっか・・・・
ボクと隊長って・・・
義理の兄弟だったんだ・・・・・!」

つよし隊長
「お前なぁ~・・・
俺とヒトミの結婚式で…
言ってたじゃないか~・・・・・
お義兄さん隊長!!
どうかヒトミ姉ちゃんを幸せにしてやって下さい!!って・・・・」

けんと
「・・・だって・・・!!
あの時は隊長が無理矢理ボクにビール飲ませてベロンベロンに酔わせたからじゃないっスかぁ~~!!
ボクぜ~んぜん記憶にないっスよぉ~~!(苦笑)」

つよし隊長
「がっはっはっはっは!
そうそう!お前酒弱いよなぁ~!」

けんと
「弱いんじゃなくって、ボクはお酒が全然飲めないんですっっ!!!」

つよし隊長
「まったく…
うまい酒の味がわからんとは・・・

ほれっ、けんと来い…
交代だ…お前座れ!」

けんと
「え・・・・?
い・・・いいっスよぉ~~~~・・・
ボクは自分で洗いますからぁ~~~・・・」

つよし隊長
「・・・っるせいっ!
兄貴の言う事は黙って聞くもんだっっ!!
ほれっ!!交代!交代!」

けんと
「はぁ~~・・・い・・」

つよし隊長
「お前もこうして見ると・・・・・
ずいぶん良い体してるなぁ~~・・・」

けんと
「そりゃあ~~・・・
あれだけ毎日毎日厳しい訓練や筋トレしてるんスからぁ~~・・・・
嫌でも逞しい体になっちゃいますよ~~~♪」

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つよし隊長
「お!プリップリの良いケツしてんなぁ~~♪」

「ペシン!ペシン!」

けんと
「ちょっ・・・.!?
隊長・・・!!! 
何ボクのお尻触ってるんですかっ!!エッチ!!」

つよし隊長
「がっはっはっはっは!
ちょっとケツ触られたぐらいで…そんな慌てふためいた怒り方すんなよ~・・・(笑)
顔まっ赤だぞ~・・?」 

けんと
「もうっ・・・!
ビックリしたじゃないっスかぁ~!!」

つよし隊長
「けんと・・・
お前もしかして・・・
男が好きなんか…?」

けんと
「・・・・!!!
違いますよっっ!!!
なんでそうなるんですかっっ!!!」


つよし隊長
「だってよ・・・
お前のちん○ん・・・
ピンピンに勃ってるぞ~~・・・?」

けんと
「・・・・え・・・?
・・・・あぁっ!!!・・・・・」

つよし隊長
「がっはっはっはっは!
別にいぃ~じゃねぇ~かよ!!
俺たちゃ男なんだから・・
恥ずかしがるな!
恥ずかしがるな!(笑) 

でも…
風呂で何やらしい事考えてたんだよ~!(笑)」


けんと
「もうっ!!
隊長ったら!!
からかわないで下さいよっ!!!」

つよし隊長
「お前~・・・
彼女くらいはいるんだろ~・・・?」

けんと
「ま・・・・
まだ居ませんよ~だ!!」

つよし隊長!
「先ずは彼女を作らんとな
お前の結婚式では俺が仲人してやる!!」

けんと
「隊長~~、絶対泣くでしょう~・・・!」

つよし隊長
「うるさい!この馬鹿ちん野郎!!」

アハハハハハ・・・!
アハハハハハ・・・!



外にも聞こえるボクとつよし隊長の声…
久しぶりに感じた家族と一緒に過ごす幸せ…
しかし・・・
この後・・・
3月11日・・・
この幸せから一変して…
とんでもない悲劇がボクたちを待ち受けているのを…
この時はまだ片時も考えられなかった・・・

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