どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

「3月11日・ボクは一本松に会いに行く」~東日本大震災復興支援・オリジナルストーリー~「Part4・悪夢再び」

「ガラガラガラ~~♪」

けんと
「あぁ~~~・・・!
サッパリしたぁ~~♪」

つよし隊長
「ふう~~・・・
ちと、長湯しちまった…
ビール飲みてぇ~・・・」

けんと
「飲んだらいいじゃないっスか、ボクに遠慮なんかしなくってもいいのに…」

つよし隊長
「ダメだ!寝る前にやる事がある!」


ようやく風呂から上がったボクとつよし隊長…
つい長話してて、のぼせちゃったんだ!
早くヒトミ姉ちゃんのカレーが食べたいなぁ~・・!
もうお腹ペコペコだよ~~・・・・


けんと
「あ!ランニングシャツとパンツが用意してある!
少し小さいのがボクのだよね!」

つよし隊長
「ん…あぁぁ~・・・
デカいのは俺の下着だからな…」

けんと
「んじゃ!遠慮なく隊長のパンツ穿きまーす♪」

つよし隊長
「バーカ、そのパンツは俺のじゃねーよ!
第一そのサイズだと俺じゃあ破けちまうだろ?」

けんと
「え・・・・!? 
そうなの・・・・・?
じゃあ・・・このランニングシャツとパンツ・・・
誰のなんスか・・・?」

つよし隊長
「弟の「ひろし」のだ
去年の夏に泊まりに来た時に忘れて帰ったんだよ…」

けんと
「えぇっ…!?
つよし隊長に弟なんていましたっけ!?」

つよし隊長
「お前なぁっ!!
俺とヒトミの結婚式の時に挨拶してただろうがぁっ!!!」

けんと
「あ・・・・あはっ!
・・・そ・・・そうだったっけ・・・?
・・・・覚えてないや・・・・・」

つよし隊長
「じゃあ・・・
俺の兄貴の事も覚えてないようだな・・・」

けんと
「えぇっ!?
つよし隊長って・・・・!
お兄さんもいたんスかぁっ!?」

つよし隊長
「はぁ~~・・・・
まったくお前って奴ぁ~~~~・・・」

けんと
「え・・・・
えぇ~~~・・・っと…
ちなみにお兄さんのお名前は~~・・・・」

つよし隊長
「「あつし」だよ!
ひろしの隣にいただろうが!」

けんと
「へぇ~~~~!!
まったく知らないや~~!
あはははははは…!」

つよし隊長
「俺ん家は3兄弟なんだ、
「あつし」「つよし」「ひろし」、想いが熱く!力が強く!心が広い!男の3モットーを名前にしやがったんだよ!俺の親父がな!!」

けんと
「ははははは!いいっスねぇ~~!
あつし!つよし!ひろし!3拍子揃ってるじゃないっスかぁ~~♪
・・・・・で、ちなみに親父さんの名前は・・・?」

つよし隊長
「「あらし」だ、コノヤロ・・・親父の存在すら忘れやがって!」

・・・と
つよし隊長と下着を着ながらアレやコレやと話していると・・・
突然洗面所の扉が開いた・・・・

「ガラガラガラ~・・」

ヒトミお姉ちゃん
「あんたたち遅いわねぇ~~~~、何やってんのよ、もうカレー準備出来てるわよ!」

つよし隊長
「おうっ!すぐ行くからな~♪」

けんと
「あ~~~!!
ヒトミ姉ちゃんの・・・
エッチィィ~~~~!!」

ヒトミお姉ちゃん
「なぁ~~~にバカ言ってんのよ、お姉ちゃんと昔一緒にお風呂に入ったでしょ!」

けんと
「は・・・入ってないわい!ヒトミ姉ちゃん、つよし隊長の前で変な事言わないでようっ!!」

ヒトミお姉ちゃん
「いぃ~~え!
入りました!けんとがお姉ちゃんと一緒じゃなきゃイヤだって泣いたじゃないのよ~~~~(笑)」

けんと
「もう止めてよぉ~~!!
ヒトミ姉ちゃん!!
そんなガキの頃の話…
恥ずかしいだろ!」

つよし隊長
「がっはっはっはっは!!なぁ~んだ!けんとはそんな甘えんぼさんだったのか!!」

けんと
「違うよ~!!」

ヒトミお姉ちゃん
「もうどっちでもいいわよ、それよりも、カレーでしょ♪
早く台所にいらっしゃい♪」

けんと
「あ!そうだった!
はぁ~~~~~いっ!!」

つよし隊長
「まったく・・・
調子の良い奴め・・(笑)」


ボクは…
すっかり忘れていた…

笑いの絶えない家族との団らんを…

もう・・・
何年ぶりかなぁ・・・

こんなにお腹が痛くなるまで笑うなんてさ・・・

チャイルドホームにいた頃は・・・
こんな楽しい毎日を過ごしていたんだね・・・

だけど・・・

この幸せが・・・
この楽しいひとときが・・・
一瞬にして悪夢へと塗り替えられてしまうんだ・・・

そう・・・

ボクがあの星から消えてしまったあの日のように・・・・・










「3月11日・ボクは一本松に会いに行く」

東日本大震災復興支援・オリジナルストーリー~

「Part4」

「悪夢再び…」

イメージ 1







けんと
「ヒトミ姉ちゃん!おかわり!!」

ヒトミお姉ちゃん
「はいはい・・・
でも…けんと・・・
そんなに食べて大丈夫なの?これでもう5杯目よ?」

けんと
「いーの!いーの!
だって、ヒトミ姉ちゃんのカレー、最高に美味しいんだもん!!
これぐらい食べておかないと、明日の訓練で身体持たないんだからさ~♪」

つよし隊長
「まったく~・・・
お前は食うときだけは元気いっぱいなんだから・・・
さすがに若い奴は食欲が違うな…
俺は3杯で腹パンパンだぜ・・・」

ヒトミお姉ちゃん
「つよしは3杯でも食べすぎ、健康診断で中性脂肪と尿酸値と悪玉コレステロール値が高いって忠告されたでしょう?」

つよし隊長
「ヒ・・ヒトミ~・・・
それを言われちゃ敵わんよ~・・・」

ヒトミお姉ちゃん
「もう…
つよしも40歳なんだから、そろそろ体の健康にも気を配らないと~・・・」

つよし隊長
「う・・・うん~・・・」

ヒトミお姉ちゃん
「ビールは一日1杯、ご飯も2杯まで、間食はヨーグルトのみ、筋トレだけじゃなく、少しは有酸素運動もしなくっちゃダメなのよ?わかってるの…?」

つよし隊長
「うぇぇぇ~~・・・ 
おい~~・・・けんとぉ~~・・・
助けてくれよぉ~~・・」

ヒトミお姉ちゃん
「もう~・・・

つよし、しっかりしなさい!」

つよし隊長
「・・・・
なんかどっかで聞いた事あるフレーズだな・・・」

けんと
「あはははははは!!
つよし隊長、訓練ではいつも怒鳴ってばかりで恐いけど、家ではヒトミ姉ちゃんの尻に敷かれてぐうの音も出ないね♪♪」

つよし隊長
「コノヤロ…
他人事・・・いや・・・
猫事だからって笑いやがって・・・」

けんと
「ねぇ、ヒトミ姉ちゃん
さっき隊長から聞いたんだけど、隊長の家って3兄弟だったんだね!」

ヒトミお姉ちゃん
「あら、けんと知らなかったの~~?
結婚式で一緒だったじゃない・・・」

けんと
「うん、結婚式は酔っぱらっちゃってあんまり覚えてないや~~♪」

ヒトミお姉ちゃん
「もう~・・・
つよしがけんとに無理矢理ビール飲ませるからいけないのよ~~・・・」

つよし隊長
「いや・・・
コイツが酒ダメって事知らなかったから・・・」

けんと
「でね、隊長のお兄さんが「あつし」弟が「ひろし」って名前でね、隊長が3兄弟の次男だってのも、今さっき知ったばかりなんだ~~~♪」

ヒトミお姉ちゃん
「うふふ、そうよ
つよし、次男だったから結婚したんだもの~~♪」

つよし隊長
「ヒトミ~~!!
お前まさか・・・!?」

ヒトミお姉ちゃん
「もう~~~(笑)
冗談よ冗談!!
つよしったら、本当ジョークが通用しないんだから~・・・」

けんと
「あはははははは!!
つよし隊長、顔が真っ赤になってる~~~♪」

つよし隊長
「う・・・・
うるさい・・・!
生意気言ってると殴るぞコラッ!!!」

五郎
「ふぇ・・・ふぇ・・・
ふぁ・・・ふぁ・・・」

けんと
「あぁっ!
隊長が大きな声出したから五郎が泣いちゃう!!」

五郎
「ぶわぁぁ~~ぁぁあ~~~~ぁぁぁ~~~ぁぁあぁぁぁ~~~ん・・・!!
びぇぇ~~ぇぇぇ~~~ぇぇぇええ~~~んえんえんえん・・・!!」

ヒトミお姉ちゃん
「はいはいはい~~♪
ゴロちゃんばぁ~~♪
いないいない・ばぁ~~♪パパはこわいでちゅね~」

けんと
「あぁ~~~あ、隊長のせいで、五郎が泣いちゃった!」

つよし隊長
「お・・・お前がちゃかすからだなぁ・・・!!」

ヒトミお姉ちゃん
「しぃーーーー・・・」

つよし隊長
「あ・・・・・・」

ヒトミお姉ちゃん
「ゴロちゃんもう眠たいのよ・・・・
ちょっと寝かしてくるから・・・
けんと、カレー食べたお皿、流しに漬けといて…」 

けんと
「はぁ~・・・・い
ヒトミ姉ちゃん、カレー美味しかった、ごちそうさま~・・・」

ヒトミお姉ちゃん
「じゃ、けんと…
私、ゴロちゃん寝かしつけてくるから、後はお願いね・・・・
洗面所に新しい歯ブラシ用意してあったでしょ?
寝る前に、ちゃんと歯を磨くのよ~・・・・
わかった~・・・・?」

けんと
「はぁ~~・・・・い♪
ヒトミ姉ちゃん、おやすみ~~♪」

ヒトミお姉ちゃん
「おやすみ~・・・♪
けんと・・・・♪
明日の訓練…頑張るんだよ・・・!」

けんと
「うん・・・ありがとう…
ヒトミ姉ちゃん・・・」

ヒトミお姉ちゃん
「じゃ・・・
つよしもおやすみ~~・・・・♪
あんまり夜更かししちゃダメよ~~・・・・」

つよし隊長
「おうっ!ヒトミ!
カレー美味かったぞ!
ごちそーさん、おやすみ…」

ヒトミお姉ちゃん
「愛してるわよ、つよし
チュッ…!」

「スーー・・・パタン…」

ヒトミお姉ちゃんは、つよし隊長に・・・
静かな声で投げキッスをすると、台所の扉をゆっくりと締め、五郎を寝かしつけに姉ちゃんの部屋へと向かっていった…

つよし隊長
「さて…と・・・
俺たちもそろそろ寝るか…」

けんと
「つよし隊長~・・・
ダメッスよぉ~~・・?
寝る前にはちゃんと歯を磨かなくっちゃ~~・・・
ヒトミ姉ちゃんが言ってたでしょぉ~~・・・?」

つよし隊長
「当たり前だろっ!!
この馬鹿ちん野郎がぁっ!!!
誰が歯磨きせずに寝ると言ったっ!!!」

けんと
「隊長…隊長・・・
しぃーーーー・・・・・
五郎がまた泣いちゃいますよぉ~・・・・・」

つよし隊長
「・・・・・・・・
うっ・・・・・・!!
コノヤロ・・・・・!!」

ボクとつよし隊長は…
食べ終わったカレーのお皿を洗い終えると・・・
歯磨きをしに洗面所へ向かった・・・・

それから大の男ふたりが・・・
パジャマも着ていない…
ランニングシャツとパンツ姿のままで歯磨きをした姿が洗面所の鏡に映っている・・・
そんな自分たちの見ながら歯磨きシュシュシュ…♪

ゴシゴシゴシゴシ…♪
ガシガシガシガシ…♪
コシュコシュコシュコシュ…♪
カシャシャシャシャシャシャシャシャ・・・♪

洗面所にはボクとつよし隊長ね歯磨き音だけが聞こえてる・・・

そんなボクたちを…
優しく照らすお月様…
星空が…
キラキラ光る平和な夜・・・
アニマルランドの夜は…
静かに更けていった・・・

生きているって…
こういうことなんだな…

しあわせって…
こんな何気ない… 

当たり前の毎日を平和に過ごせる事なんだと・・・ 

ボクは…
隣にいるつよし隊長の存在を・・・
親しく想いながら感じていた・・・・


「ガチャリ・・・♪」

けんと
「わぁ~~~♪
ここがつよし隊長の部屋かぁ~~~~・・・
結構キレイに片付いてるっスね!!」

つよし隊長
「バーカ!俺はキレイ好きなんだよ…!」

ボクはつよし隊長の部屋の扉を開けると…
興味津々に部屋中の見渡した・・・
すると、隊長の大きなベッドを発見して大興奮!

けんと
「あ!つよし隊長のベッドだぁ~~!!
わぁ~~~~い♪♪
大きぃ~~~~い♪♪」

つよし隊長
「あっ!コラッ!
オメェ~勝手にベッドへ上がってんだよ!!」

けんと
「わぁ~~~~い♪♪
ボイ~ン♪ボイ~ン♪ボイ~~~~ン♪♪
楽しぃ~~~~♪♪」

つよし隊長
「バカヤロウ!!
俺のベッドでトランポリンしてあそぶんじゃねえっ!
ホコリが舞うじゃないか!!!」

けんと
「はぁ~~~い!
すんませ~~~ん♪」

つよし隊長
「この馬鹿ちん野郎が・・・・・・・
おい、けんと…
今夜はもう遅い、お前は先に寝てろ・・・」

けんと
「あれ~?
つよし隊長は…?
まだ寝ないんスかぁ~?」

つよし隊長
「・・・ああそうだ・・
俺はまだまだやらなきゃならない勉強があるんでな・・・・」

・・・と・・・
つよし隊長は書斎の前にある机に腰を掛けると…
分厚い教則本を出した…

けんと
「うへぇ~~~・・・
分厚い教則本だなぁ~・・
頭が痛くなりそう~・・」

つよし隊長
「隊長になるとな、毎日この教則本を見て勉強しておかないと・・・・
後輩や若手の隊員を育てられないんだ・・・」

けんと
「ふぅ~~・・・ん…
隊長って・・・厳しいポジションなんだなぁ~・・・ボクはてっきりデカい声を張り上げて、ただ怒鳴ってらゃいいもんだと思ってた・・・・」

つよし隊長
「隊長だからお前のような新米隊員の教官も務めなければいけない・・・
隊長って役職は憎まれ役だけでなく、しっかり勉強をして知識を身に着けておかねばな、相当大変なんだぞ~~…」

けんと
「じゃあボクには無理だなぁ~~~・・・
だって・・・勉強苦手なんだもん~・・・・」

つよし隊長
「お前なぁっ!!
そんないい加減な気持ちでレスキュー隊員に・・・!!」

けんと
「はぁ~~いはいはいはいはい・・・・
つよし隊長、お説教は長くなるからここまでね!
ここまで♪ここまで♪」

つよし隊長
「まったく・・・!
お前はレスキュー隊員としての自覚と向上心が全く足らん!!!」

けんと
「ねぇ~~~・・・
つよし隊長は、ヒトミ姉ちゃんとどうやって知り合って結婚したの~~?」

つよし隊長
「コラッ…話をそらすな…!!」

けんと
「だって~・・・
気になるんだもん…」

つよし隊長
「じゃあ…
なんでお前はレスキュー隊員になろうとおもったんだ…?」

けんと
「小学校の入学式でさ…
レスキュー隊員のお兄さんと会ったんだ・・・

青空に…まぶしい太陽の下でね・・・
桜の花びらが…
そよそよと風になびいててたんだ・・・
ボクは初めてランドセルを背負い、真新しいの制服を着て、ボクはピッカピカの1年生になったんだ・・」

つよし隊長
「ほう~・・・!
それでそれで~?」

けんと
「学校の校門前で…
オレンジ色の制服を着た…レスキュー隊員のお兄さんと出会ったんだ・・・」

つよし隊長
「・・・・?
誰だったんだよ・・・
そのレスキュー隊員の兄ちゃんは・・・・」

けんと
「わからない・・・
だけど・・・
そのレスキュー隊員のお兄さんも、ボクと同じ1年生なんだって・・・言ってたんだ・・・・」

つよし隊長
「ふぅ~・・・ん…
じゃあ今のお前と同じ新米レスキュー隊員だな…」

けんと
「そうなんだ!
確かそのお兄さんも、訓練でドジばっかりしてるんだって…」

つよし隊長
「がっはっはっは!
まるでお前だな…!」

けんと
「そうそう…ボクと同じ・・・・・・・・
・・・・・・・・・・」

つよし隊長
「・・・・・?
・・・・・おい・・・?
どうしたんだ・・・・?
急に黙り込んで・・・」

けんと
「・・・・・・
・・・・同じ・・・・だ・・・・・・」

つよし隊長
「・・・・・
な…なんだよ・・・・?」

けんと
「・・・・・・・
けんと…って言ってた…」

つよし隊長
「けんと・・・・?」

けんと
「レスキュー隊員のお兄さん・・・・
確か・・・・
ボクと同じ名前で…「けんと」って言ってた!!」

つよし隊長
「ほう~~~・・・!!
その新米レスキュー隊員は、お前と同じ名前の「けんと」…っつう名前なのか!
がっはっはっは!偶然もここまでくるとなんだか不気味だな!!」

けんと
「・・・・・・
なんだろう~・・・・・
何で今になってこんな事思い出しちゃったんだろう・・・・・・」

つよし隊長
「疲れてんだよ…
はい、お話はもうこれでお終い!
明日も早いんだ、訓練だって更に厳しいぞ!
お前はもう寝るんだ…」

けんと
「う・・・・
うん・・・・
ボク・・・もう寝る…
なんダか疲れてるみたい・・・・・・」

つよし隊長
「ほらよ、俺の枕だ、ヨダレ垂らすなよ!」

けんと
「あ、はぁ~・・い
ありがとう・・・・
つよし・・・隊長・・・
いや・・・つよし・・兄さん・・・」

つよし隊長
「な・・・なんだよ急に・・・・(照笑)」

けんと
「だって・・・
だって・・・・
つよし兄さんは・・・
ボクの義理のお兄さんになるんだもん・・・」

つよし隊長
「そういやそうだな…
形は違うけど・・・」

けんと
「ボク・・・
なんだかよくわかんないけど・・・・
このアニマルランドに来れて良かった・・・
チャイルドホームに入って本当に良かった・・・
だって…
こうして…ヒトミ姉ちゃんやつよし兄さんに出会たんだもん・・・・
ボクね・・・今とっても幸せだよ・・・」

つよし隊長
「ふふっ・・・・
その気持ち・・・
大切にしろよ・・・
ずっと忘れんなよ・・・・
今度泣き言言いやがったら承知しないからな!」

けんと
「うん・・・・
つよし兄さん・・・
おやすみなさい~・・・」

つよし隊長
「よせやい…
照れくさいだろう・・・
ほら、風邪ひかないように布団をしっかりかぶるんだ、春先とはいえ夜は案外冷えるからな…」

けんと
「う・・・ん・・・
スゥ~~~・・・・・
スゥ~~~~・・・・
スゥ~~~~・・・・・」

ボクは…
つよし隊長に布団をかぶせてもらうと…
安心したのか…そのまますぐに眠ってしまった・・・

つよし隊長
「ふふ・・・
もう寝やがったか・・・
まったく・・・・
訓練もこれぐらいの早さがあればなぁ~~・・・
まぁ…これで俺のやかましいイビキに悩む事もないだろう~・・・

さて…と・・・・
俺は2時までは勉強だ…
ふわぁ~あ、もうひと頑張り・・・!」

アニマルランドの静かな夜

まんまるお月様は…
ボクの寝顔を…
窓のカーテンのすき間から優しく照らしてる…

その様子を…
幾千万のお星さまが見守っている・・・

今夜はきっと・・・
良い夢見れるよね・・・

つよし隊長の部屋にあるボンボン時計の針は…

「カチャリ…♪」
・・・と0時を指した…

アニマルランドは今日…

「3月11日」


「ねぇ、レスキュー隊員のお兄ちゃん!」

「うん、なんだい?」

「ボクも・・・
お兄ちゃんみたいなレスキュー隊員に・・・
なれるかなぁ~~・・?」

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「うん!
もちろんだよ!
キミはお兄さんよりも…
もっと立派なレスキュー隊員になれるよ!」


「わぁ~~~~い!!!」

「キミ…お名前は…?」

「ボク「けんと」だよ!」

「お兄さんもね…
キミと同じ「けんと」って名前なんだよ!」

「お兄ちゃん、ボクとお名前おんなじなんだね!」

「そうだよ…おなじだね…」

・・・・・・・・・・・・
・・・・あれ・・・・?

この夢・・・・・前にも見たような・・・・?

・・・・・・・・
なんだろう・・・・・・
この重苦しい胸騒ぎ・・・
何だか物凄く嫌な予感が・・・・頭から離れない・・・・・

わぁ~~~~~い!
ジャングルジムだぁ~~♪
遊ぼうっと~~~♪♪

けんとくん…
あんなに嬉しそうにジャングルジムに登って・・・

ジャングル・・・・
ジム・・・・・

・・・・・・・・・・・・

ねぇ~~~~!!
お兄ちゃ~~~~ん!!
コレ見てぇ~~~~!!
1番高い所まで登ったよ~~~~~♪♪

・・・・・・・・・・・

ジャングル・・・・
ジム・・・・・!?

ボクの夢には…
必ずジャングルジムがすぐそばにある・・・・

子供の頃からいつもそうだった・・・・
・・・・・それは・・・
・・・・どうして・・・

お兄ちゃ~~~ん♪
一緒に遊ぼうよ~~~♪
楽しいよ~~~~~~♪
ジャングルジム~~♪♪

・・・・・・・・・!!
・・・・・・・・・!!

はっ・・・・・・!!!

ジャングルジムからすぐ逃げるんだっっ!!!

早くっっ!!!

ボクは咄嗟にけんとくんの元へと走って行った・・・!!

けんとくんっ!!
すぐにジャングルジムから降りてっ!!!
早くっっ!!!

レスキュー隊員のお兄ちゃん・・・
どうしたの~~~?
そんなにこわいかおして~・・・・

けんとくんっ!!!
今すぐお兄さんの元へ飛び込んで来るんだっっ!!!
早くっっ!!!

えぇ~~・・・・
楽しいのにやだよぉ~~・・・・

早くしろっっ!!!
お兄さんの元へ来いっ!!
キミはジャングルジムに近づいてはダメなんだよっっ!!!

お兄ちゃんこわい・・・
ボクいやだ・・・

ぐっ・・・・・!!!
こうなったらボクが・・・・・・!!!

けんとくんはジャングルジムから降りようとはしなかった・・・
もうボクが自ら行くしかなかった・・・・

・・・だけどその時・・・・!!!
恐ろしいアイツがやって来たんだっっ!!!!!

「ボウッ!!ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオッッ!!」

ジャングルジムから突然大きな炎が・・・・!!!


「ひっひっひっひっひ!
こんな可愛らしい姿になって遠くの星に逃げていたとはなぁ~~~~!」

けんと
「わぁぁ~~~~ん!!
熱いよぉ~~!!!
お兄ちゃん助けてぇ~~~~~!!!」

大人けんと
「けんと!!
お兄さんの元へ飛び込むんだっっ!!!早くっ!!」


「どんな姿をしていても!
このワシからは逃れるられんぞぉ~~~!!!
もう一度お前を飲み込んでやるっ!!!」

けんと
「わぁぁ~~~~ん!!
助けてぇ~~~~!!!
お兄ちゃぁ~~~~ん!!!!!」


「ひっひっひっひっひ!
絶対に逃がさないぞ!
いっただきまぁ~~~~~~~~すっっ!!
ゴォォォォォォォォォォォォォォォオオッッ!!」

けんと
「わぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁんっ!!!」

・・・・・!!!
けんとくんが・・・
炎に飲み込まれたっ!!


「ひっひっひっひっひ!
旨い旨い~~~!!」

大人けんと
「・・・・・!!!
ボクを・・・!
ボクを・・・・!!!
けんとくんを・・・!!
子供のボクを返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーぇぇぇぇぇぇええっ!!!」


「ひっひっひっひっひ!
お前は永遠にワシの恐怖から逃れられない!!!
たとえレスキュー隊員になろうがな・・・・!!!
ひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ!!!」

大人けんと
「・・・・・・・・!!
チクショウ・・・!!!
チックショウ・・・!!!
うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


「わあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

つよし隊長
「おいっ!!!
けんと!!起きろ!!
起きるんだっ!!!!」

けんと
「わあああああああああああああ・・・・!!!」

つよし隊長
「けんと!俺だ!!
俺はここにいるぞ!!
もう大丈夫だから…!!」

けんと
「はぁっ…!はぁっ…!はぁっ…!はぁっ…!はぁっ……!!」

つよし隊長
「だ・・大丈夫か…!?
しっかりするんだ・・・
けんと・・・・」

けんと
「あ・・・あぁ・・・
つ・・・つよし兄さん・・・・・」

つよし隊長
「どうした・・・
何かあったのか…?
話してみろ・・・!?」

けんと
「ボクが・・・・
子供のボクが・・・
炎に飲み込まれて・・・
・・・・・・
助けられなかった・・・・・う・・う・・・うぅ~・・・うえぇ~・・・ん…」

つよし隊長
「大丈夫だ・・・!
お前は生きている…!
ほら、俺がこうしてお前を抱きしめてやってる!
あったかいだろう?
もう大丈夫だから…何の心配いらないから・・・!」

けんと
「わあぁ~~~ぁぁあぁぁぁぁぁあん・・・!
兄さぁぁ~ぁぁ~ぁぁあん!!!
怖い~~!!怖いよお~~~~!!!」

ボクは…
つよし隊長の腕を強引に鷲?みにしていた・・・
立てた爪のせいで血が出ている…
だけど・・・
つよし隊長は…
ボクをギュッ…と強く抱きしめて離さなかった…

つよし隊長
「もう寝ような・・・
俺も勉強は終わりにするから一緒に寝よう…
な…?」

けんと
「炎がぁ~~~ぁぁぁぁぁああぁぁぁあ・・・!
炎が怖いよぉ~~~!!
兄さぁ~~ぁぁぁぁぁあん・・・・!!!」

つよし隊長
「よぉ~~~しよしよしよしよし・・・・
悪い夢はもうどっか行っちまった・・・
今度は良い夢見ような~・・・・」

けんと
「うぅ~・・・
うぇぇ~~ぇぇぇええん…
グズッ!・・・グスンッ!・・・ヒック・・!ヒック・・・・!」

つよし隊長
「さぁ~…寝ような…
明かりを消すぞ……?」

けんと
「ずっと・・・・
ずっと・・・離さないでよ・・・・グスンッ!ヒック!グシッ・・・!」

つよし隊長
「あぁ…大丈夫だ…
ずっとお前が眠るまで…
俺が抱きしめててやるからな・・・・」

けんと
「う・・・うん・・・
グシッ・・・グスンッ!」

「パチッ・・・♪」

・・・と・・・
つよし隊長の卓上ライトを消した時だった・・・

バラバラバラバラバラ・・・

・・・・・・・・!?
つよし隊長
「ん・・・・・・?
何か聞こえる・・・・」

バラバラバラバラバラ・・・
バラバラバラバラバラ・・・

つよし隊長
「これは・・・!!
ヘリの音・・・・!?」


ピコン!ピコン!ピコン!
ピコン!ピコン!ピコン!
ピコン!ピコン!ピコン!

突然・・・つよし隊長の携帯から異様な音の着信音が鳴り出した・・・

つよし隊長
「・・・・!?
これは!緊急出動命令の着信音!!!」

ピコン!ピコン!ピコン!
ピコン!ピコン!ピコン!

つよし隊長
「このヘリの音といい・・・
緊急出動命令の着信音といい・・・
一体何事だ・・・!!」

「ピ・・・♪」

つよし隊長
「もしもし!・こちらアニマル消防本部・つよし隊長だ!!」

本部長
「あー、つよし隊長…
これより緊急出動命令を命じる…」

つよし隊長
「はっ・・・・・!!」

本部長
「今キミの家へ…ヘリを1機向かわせておる・・!」

つよし隊長
「はっ・・・!
こちらヘリの音…確認しました!」


本部長
「火災が発生した・・・
しかも回りに水源地もない大草原の真ん中だ・・・!」

つよし隊長
「了解、これよりすぐに緊急出動の準備に掛かります、ヘリが到着するまでには完了します!」

本部長
「うむっ!
では火災発生の現場を伝える!」

つよし隊長
「はっ・・・!」


本部長
「アニマル地区、A-117、孤児院施設の修道院・・・!」

つよし隊長
「アニマル地区…A-117の・・・・
孤児院施設修道院・・・!?
・・・・・ま・・・・・・まさか・・・・・!?」


本部長
「チャイルド・ホームだ」

つよし隊長
「な・・・何だと!?」


チャイルドホーム・・・
つよし隊長が口にしなくっても・・・

ちゃんとボクには聞こえていたんだ・・・・・

突然のヘリコプターの音に…
緊急出動命令の着信から伝えられた火災発生現場・・・・・
チャイルド・ホーム・・・

ついさっきまで・・・
幸せだった家族との団らんも・・・・

悪夢の知らせによって塗り替えられてしまった・・・

つよし隊長…
そして・・・
まだ新米レスキュー隊員であるけんとの運命は・・・
一体どうなってしまうのか・・・・・!!!

Part5へ!!