どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

「東京スクランブル」~西郷虎之助、半年間の苦悩と葛藤~

東京の夜は…

眠ることを知らない…

まるで宝石のような…
眩しいネオンの光が月まで届きそう…

僕たちは…
眠りにつくのも忘れて…
今夜も誘惑だらけの街へと消えてゆく… 

お洒落に着飾って…
偽りの自分を脱ぎ去り…
ありのままの姿で…
輝けるステージに立つために…

決して孤独なんかじゃないんだ…

だけど… 

本当は寂しさを紛らわしているのかもしれない…

嘘と偽りと…
空の見えない高層ビルだらけのこの街で…

僕たちは一体どこまで生き延びて行く事が出来るのだろうか…

この…

新宿2丁目で・・・



「東京スクランブル」

~西郷虎之助、半年間の苦悩と葛藤~

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(第2話)


新宿2丁目にある…
とあるゲイバー
「ロマンス」では…
今夜も「会員制」と表示されているドアからは…
溢れんばかりの賑わいを隠せず外まで聞こえていた…

この中には…
大勢の…



ジャジャジャ!ジャガジャガ!
「じれぇったぁ~い♪
じぃ~~れぇったぁい~♪
ジャガジャン!
いくつに見えてぇ~も
わたし誰でもぉ~~♪
じぃれぇったぁ~い♪
じぃ~~れぇったぁ~い♪
ジャガジャン!
わたしはわたしよ♪関係ぇ~なぁ~~いわぁ~~~~~~♪♪♪
ジャジャン!ジャジャン!
特別ぅ~~じゃない♪
どこにもぉ~~いるわ♪
わぁ~♪ジャン!たぁ~♪ジャン!しぃ~♪ジャン!
しょお~~じょ~えぇ~~えぇ~~~~~♪」
ジャガジャガジャガンッ!
ジャガジャガジャガンッ!


「イェ~~~~~イッ!」

「ヒュウ~~~~!!
アキナァ~~~~!!」

「ママ最高~~♪」

さとし
「次アタシだからね!聖子歌うわよ!聖子!」

ヨッちゃん
「マッキーの曲まだぁ~?」

ノブ
「ちょっとぉ~~!アタシのダンシングヒーローちゃんと入ってるの!?」

ゲイバー「ロマンス」
のママ「チーコ」
「あぁ~~~♪
久しぶりにアキナ熱歌しちゃったわ~~~♪
でもアタシ本当は聖子派なのよね~~♪」

さとし
「アタシ次聖子ちゃん歌うんだから、チーコママ勝手にハモっちゃやぁ~よ!」

チーコママ
「や~ね!アタシは仕事中なんだから、今の1曲でおしまいよ~♪」

さとし
「キャーッ!曲始まったわ!赤いスイートピーよ!
マイク貸して!マイク!」

テンテンテテン♪テン♪テン♪
テンテンテテン♪テン♪テン♪


慎吾
「ねぇ、コーちゃん、せっかくだから僕たちも何か歌わない?
そうだ!一緒に「ゆず」歌おうよ~~♪」

浩介
「いいよ、俺は…
慎吾好きな曲入れて歌いなよ…」

慎吾
「えぇ~~~・・・
つまんなぁ~~~い・・
何だかコーちゃん、今夜はノリ悪くない~~・・?」

浩介
「そんな事ないって、俺、あんま人前で歌うの苦手なんだ…」

慎吾
「えぇ~~~?そうだったっけ~~~?
前は一緒に猿岩石の「白い雲のように」歌ったじゃん・・・」

浩介
「え…?そんな事あったか??・・・?アハハハハハ、忘れちまった…!」

慎吾
「もぅ~~・・コーちゃんのバカ!」

浩介
「怒るなよ~~(苦笑)」

チーコママ
「あらあらあら~~~♪
幸せなおふたりさ~~ん♪
どうしちゃったの~~~?
お店の中で喧嘩しちゃダメよ~~~~♪
今夜は付き合ってからちょうど1周年でしょう?楽しく飲んでちょうだぁ~い♪」

慎吾
「チーコママ~
コーちゃんったらさ、さっきから全然楽しそうじゃないんだよ~~・・・」

浩介
「そ…そんな事ないってば!」

チーコママ
「あらぁ~~~~?
コーちゃん、せっかくアタシがごちそうしたカシスオレンジ、無駄にたら怒るわよ~~~~~(笑)」

浩介
「わ…わかってるよ~~!
チーコママ~~~(苦笑)」


チーコママ
「わかってんのなら…
はい・・・♪こ~れ♪」

チーコママは…
乗りの悪い浩介にカラオケのデンモクを渡した…

浩介
「うわ~最近のデンモクってデカいなぁ~~!」

慎吾
「コーちゃん!ゆず歌おうよ!ゆず!」

浩介
「よ~し・・・!
じゃあ・・・!
一緒にゆず歌うか!」

慎吾
「うんっ!やったぁっ!」

浩介
「え~っと・・・
ゆず・・ゆず・・ゆず・・・・・っと・・・」

ピッ♪ピッ♪ピッ♪ピッ♪

浩介
「どれにする?
えぇ~~~・・・っと…
夏色、ともだちのうた、栄光の架け橋、いつか、さよならバス、アゲイン2、少年、嗚呼…青春の日々…」


慎吾
桜木町がいい!これ大好き!」

浩介
「え~~・・!これちょっとキー高くないか?
難しいぞ~~?」

慎吾
「僕、北村パート歌うから、コーちゃん岩沢パートね!!」

浩介
「ハァッ!?あんな高い声出せるか!!」

慎吾
「大丈夫だよ、コーちゃんは歌上手いしさ、スピッツだって歌えるじゃん!」

チーコママ
「はぁ~~~い♪
桜木町だっけ?この曲に決定ね~~~~♪」

浩介
「ち…ちょっと!ママ!
待ってってば!」

チーコママ
「はい♪入れました~~~~~~っと♪」

「ピピッ…♪」

慎吾
「チーコママありがとう~~~♪」

浩介
「おいおい~~・・・
勘弁してくれよ~~・・」

チーコママ
「い~~じゃな~い♪
別に音程外しちゃったって、なんならキー下げてあげるわよ~♪」

浩介
「あぁ~~・・・
ママ~~・・・烏龍茶ちょうだい・・・」

チーコママ
「あらあら…
もうお終い?
どうしたのよ、コーちゃん・・・
いつもらしくないじゃない・・・」

慎吾
「コーちゃん・・・
僕…ちょっとトイレ行ってくるね・・・」

浩介
「ん・・・?
あ・・・ああ・・・」

慎吾は…
カラオケで盛り上がっている賑やかな店内で、ゆっくりと人の間を割り切るようにしてトイレへと向かって行った・・・


・・・すると・・・
チーコママが…
慎吾のいない隙を見計らって、コッソリと浩介に呟く・・・・

チーコママ
「ちょっと・・・
どーしたのよ、何かあったの…?」

浩介
「うん・・・ちょっと気になる事があって・・・」


チーコママ
「まだ・・・
あの子の事が忘れられないのね・・・」


浩介
「う・・・・・ん・・・
あぁ・・・」


チーコママ
「アタシはね…
アンタがあの子と関わっていた事・・・
口を滑らせる気は毛頭無いわ・・・

でもね・・・
悪いことは言わないわ・・・
あの子の事は早く忘れなさい・・」


浩介
「・・・・・・
俺だって・・・
そうしたいんだ・・・」

チーコママ
「慎吾ちゃんはね…
思い込みの激しい子だから・・・・
付き合っていくにはそれ相当の覚悟がいるわよ…」


浩介
「わ…わかってる・・・」


チーコママ
「この世界で・・・
浮気は御法度よ・・・
すぐ周りに広がるわ・・・・・」

浩介
「お・・俺は別に浮気とかしたわけじゃない・・・」


チーコママ
「アンタがそう否定しても・・・
周りは認めてくれないわ・・・・・
甘いようで厳しいのがゲイの世界よ・・・
ほら・・・あちらを見てご覧なさい・・・」

浩介はチーコママに言われた方を見てみると・・・

トイレから出てきて浩介の方へ向かっている慎吾を…
後ろから睨みつける客が3人いた・・・


チーコママ
「アンタはこの二丁目でも有名なモテ筋だからね・・・
その相方が憎まれるのは当然の事・・・」

浩介
「あ・・・・
あいつら・・・・!」


チーコママ
「早くあの子の事は忘れて・・・
これからはアンタが慎吾ちゃんを…
守っていかなきゃいけないのよ・・・ 

じゃ・・・いいわね・・」

浩介
「あ・・・あぁ・・・」

チーコママ
「頑張んなさいよ・・・」

慎吾
「コーちゃん、おまたせ!」

浩介
「ママ~!やっぱ烏龍茶止めて、焼酎にして~♪」

チーコママ
「はいは~~い♪」 

「さぁ~~次はマッキー曲よ~~~!
誰が歌うのかしら~~♪」

ヨッちゃん
「は~~~い!
アタシで~~~~す!!
マッキーの「北風」歌いまーす!」

チーコママ
「みんな~~~!
ヨッちゃんがマッキー歌うわよ~~~♪
耳塞ぎなさ~~~~い♪」


ヨッちゃん
「ママァ!!!
ちょっと…!!!
アンタたち聞きなさいよっ!!!」


浩介
「慎吾、次の次の次が俺たちが歌う番になってるからな…」

慎吾
「うん・・・

ねぇ・・・
コーちゃん…今…楽しい…?」

浩介
「あ・・・あぁ・・!
あたりまえだろ!!
楽しいよなあ!慎吾!」

慎吾
「僕・・・
さっきトイレの前で…
足踏まれちゃった・・・」


浩介
「な・・・!なんだ!
失礼な奴だなぁ~~!!
大丈夫か?慎吾・・・」


慎吾
「うん・・・
僕は平気だよ・・・」


浩介
「足・・・
傷むなら見せてみろよ…」


慎吾
「大丈夫・・・」

浩介
「お・・・おい・・・」

慎吾は…
浩介の胸元に顔を埋めて抱きついた…

浩介
「よ・・よせよ・・・
慎吾・・・
ここは店ん中だぞ・・・」

慎吾
「うん・・・
いいんだ・・・」


浩介
「し・・慎吾・・・」


慎吾
「僕はね・・・
誰かに憎まれたっても・・
かまわない・・・・
悪口言われても・・・
気にしない・・・
僕はコーちゃんさえ側にいてくれたら・・・
どんな事だって耐えられるよ・・・」

浩介
「・・・・・・」

慎吾
「・・・・
だけど・・・・・」

浩介
「だ・・・・
だけ・・・・ど・・?」


慎吾
「もし・・・
コーちゃんの心の中に・・・・
まだ忘れられない人がいるとしたら・・・」


浩介
「え・・・・・・!!?」


慎吾
「僕は・・・
その人を・・・
憎んでやる・・・

そして・・・
今後コーちゃんに近づいたりしたら・・・
僕はその人を絶対に許さないから・・・」


浩介
「・・・・・・!!」


恋愛は…
トランプのように裏を返せばジョーカーとなる…

愛情と憎しみは・・・
ほんの裏表の差でしかないという男同士の恋愛事情…

ポーカーフェイスになれない浩二は・・・
先ほどポケットに入れたビラが気掛かりで…
早く帰ってからその真相を突き止めたくてしょうがなかった・・・

だけど…
今はそれが許されない・・・・・
これからもずっと・・・

浩二は…
ビラに表記されていた…

「西郷虎之助」と

どのような関係だったのか・・・・

それは…

隣にいる慎吾や…
お酒とカラオケで楽しんでいる御仲間たちには…


まだ知られてはいない…


(第2話)終わり