どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

「西郷虎之助・半年間の苦悩と葛藤」~東京スクランブル~(第7話)

私の書く話の中で・・・

生まれ育った故郷・・・

「深山町」について綴った記事はいくつもあります・・・・・

その中で・・・
特に中心的な人物・・・・

龍雲寺の「龍玄和尚」

をはじめとする、所縁の者が至る場面に登場します・・・

幼馴染みだった・・・
「森山健太郎」(ケン坊)

その弟
「森山正弘」(マー坊)


深山中学相撲部であり、同じクラスの同級生たち・・・・・

柴田電器店の息子、一昨年ようやく結婚した
「柴田幸信」(ユキラス)


現在は大型トラックの長距離運転手で、日本を東から西まで横断している
「宮本太」(ふとし)


元深山中学校の番長、現在は四女の父として大忙しの
「高橋正次郎」


担任の体育教師で相撲部顧問だった
「林田茂」

そして・・・

母親の・・・
「西郷昌子」

・・・と、ここまではよく登場するのだが・・・・

父親がお話に登場する場面は・・・

ほぼ無いに等しい・・・

その理由は・・・

書く事を・・・
無意識のうちに拒絶してしまうのです・・・・

なので・・・

これまで父については殆ど書いていません・・・

自分の父親なんだからもっと大切に思わなければならないという意見もあるのは充分に御承知ですが・・・

どうしても・・・

出来なかったんです・・・



ですが・・・

今回初めて僕の父親についてお話していこうと、ようやく決心がつきましたので・・・

もしよろしければ・・・・

御覧になってみて下さいな・・・

私の父・・・

西郷一
(さいごう・はじめ)

・・・について・・・





「西郷虎之助・半年間の苦悩と葛藤」

イメージ 1

~東京スクランブル~
(第7話)



西郷一
(さいごう・はじめ)

深山町の寺村に生まれる・・・・ 
ちなみに3つ歳下の弟が居ます・・・
(西郷豊)(さいごう・ゆたか)


つまり、現在住んでいる家から・・・

今の歳になるまでずっと同じ故郷と実家でしか生活をした事がありません・・・・

深山高校を卒業してからは、農家である家業を営んでいるので・・・

一般社会への関わり方を一切知りません・・・

当然、何処かの企業へ就職して、会社員として働いた経験が全く無いのです・・・・

上司に怒られたり、後輩の指導をしたり、得意先や顧客、同僚等・・・

周囲に気を遣い・・・

息苦しいストレスを溜め込むような厳しさを味わった事が無い・・・

そんな無知な男です・・


松山市内へ出向く事も殆どありません・・・

それは車が多く、細かな道路標識や頻繁な車線変更等が全然分からないので・・・・・
松山市内の道路を車で運転する事が出来ないからなのです・・・

父は深山町でしか生活した事が無いので・・・
深山町でしか生きられません・・・

深山町が基準の全てであり、外の世界を全く知らないのです・・・


そんな父も・・・
学生時代は相撲が強かったらしく・・・

毎年行われる深山町の愛宕山奉納相撲大会で横綱になったのが唯一の誇りであり・・・

実家には、茶色くなった賞状を今だに飾っています・・・

何かあればその当時の事を振り返るかように御説教をしてきます・・・


西郷家の・・・

「長男」
として伸び伸び持てはやされながら育てられてきた父・・・

これが・・・

これが・・・
どういう事かわかりますか・・・?


そうです・・・

私の父は・・・

我がままで言いたい放題の「亭主関白」「男尊女卑」主義者です・・・・

何でも自分が言った事が正しいと思い・・・

自分は立派で完璧な男だと思い込んでいます・・・


なぜ・・・

なぜ母は・・・

こんな頑固で関白亭主な父と結婚したんだろう・・・・

私は父と・・・

笑って会話をした事はありません・・・

普通の父と息子ならば・・・・
もっと息子に・・・
父親として・・・

頼りになるような・・・
大きな背中を・・・

見せて欲しかった・・・




しかし・・・

父は私が生まれた時・・・

それはもう大きな雄叫びを上げて喜んだという・・・



だけどいつからか・・・・・

私が相撲の稽古を嫌がったり・・・
新聞広告の裏に絵を描くようになったのを見てから・・・・

自分の理想とする息子と・・・・
あまりにも掛け離れているのがどうしても気に入らなかったのだろう・・・

男の子ならば・・・

もっと強くてわんぱくで逞しいのが・・・
父の理想とする息子像だったらしく・・・


それに反して・・・
女の子のように・・・
おっとりした性格と、ナイーヴで神経質な・・・

どちからというと文化系の男の子だった私は・・・

次第に父から冷たい態度をとられるようになってゆくのでありました・・・


そして・・・

決定的だったのは・・・

深山中学校の・・・

「入学式」での出来事が・・・・・

私と父の深い溝に・・・

癒えない亀裂のヒビが入り・・・
親子としての鏡を・・・

永遠に引き裂いたのだった・・・




「・・・・・すけ」

「・・・・・・らのすけ」

「・・・おい、虎之助」

「虎之助、返事せえや?」

「虎之助ぇっ!!!」


虎之助
「・・・・!!
はっ・・・・・・!!」


西郷一(さいごう・はじめ)
~以下(はじめ)と表記~
「お前は耳ついとんかっ!?虎之助ぇっ!!!」




虎之助
「ご・・・
ごめん・・・・
ちょっと考え事しちゃって・・・・」




はじめ
「ぼぉ~~~~~っと!
しよったんやないけえっ!?
しゃんと男らしゅう返事せぇやぁあっ!!!
アホ垂れがぁ~~~!!」




虎之助
「わかっとるわい!!
何っ!?どうしたん!?」




はじめ
「明日のう、1日父ちゃんの仕事手伝ってほしいんじゃけのう~~~~・・・
たのまいやっ!!」




虎之助
「えぇぇ~~~・・ぇぇぇぇ~~~ぇぇええっ!!
ほんなん急に言われても無理やって!!!」




はじめ
「なんで無理なんぞ、お前明日は休みじゃろげえ!」




虎之助
「やらないけん事がたくさんあるんよっ!!」




はじめ
「やることぉ~~~?
独り身のクセに何をやるんぞ?」




虎之助
「何って・・・
色々あるんよ・・・」




はじめ
「色々じゃわからまいがぁっっ!!ボケがぁっ!!

男やったらもっとハッキリ言わんかいっ!!!

わしはお前のそういう…
おなごみたいなクネクネした態度が大っ嫌いなんじゃけのうっ!!!」



虎之助
「正直に言ってもわかってくれんやろっ!?
明日は絵を2枚描かないけんのや!!
ほじゃけん、仕事は手伝えんっ!!!」




はじめ
「絵なんか描きよる場合じゃなかろうが・・!!!

いつまでも独り身でおりやがって情けない・・・

もう独身はお前だけになっとるんやぞ!?
わしはもう恥ずかしくて町内のもんらに顔立て出来んわいっ!!!」




虎之助
(またこの独身の話が始まった・・・・・・・)




はじめ
「太も、幸信も、正次郎もケン坊も、みんな嫁さん貰って一人前になったぞ!?

ケン坊なんか本当立派になって・・・・!!
お前とはえらい違いやないかぁっ!!!」




虎之助
「余所は余所、家は家、ほうやって昔から父ちゃんい言いよったやんか・・・」




はじめ
「お前のう~・・・
えぇ~~加減・・・・
正気に戻って嫁さん貰わんと・・・・
町内の恥晒しになるぞ!?」




虎之助
「あんな閉鎖的な田舎町の民らに・・・
何言われたって気にせんでえぇやろ?」




はじめ
「嫁の一人も貰えんとは・・・・・
がいに情けない男やのう~~~~~・・・
お前は~~・・・」




虎之助
「もう忙しいから切るよ~~~・・・?」




はじめ
「虎之助ぇっ!!!!!
明日8時半にのう!!
JA農協酒米センターに来いっ!!!
わかったなっ!!??」




虎之助
「もうっ!!
明日は行けんって言よるやろっ!!!」





はじめ
「酒造会社に玄米の精米が遅れてのう!!
明日はどうしても張り込み作業をせんと間に合わんのじゃっ!!!

明日は沖田はん一人じゃけのうっ!!!
お前しか手が空いたんがおらんのやっ!!!」




虎之助
「はぁ~~~・・・
もう~~・・・・!!
うるさいなぁ~~~・・・!!」



もう父に何を言っても聞き入れてはもらえない・・・




はじめ
「明日は30kgの袋入りが800と!!
フレコンの大袋1トンが18袋あるけんのうっ!!

わしと沖田はんだけじゃあ持ちこたえられんのや!!!
ほじゃけん、お前明日は絶対に来いっ!!!

ええかっ!?もし来んかったら・・・・
正月の元旦稽古に出させるぞっ!!

正次郎に電話して、お前を強制的に出させるよう言っちゃるけんのうっ!!」



正次郎に連絡されたら厄介だ・・・



虎之助
「わかったわいっ!!
もう行くわいっっ!!
8時半やろっ!?」




はじめ
「たまには親孝行せえよ!?
好き勝手フラフラしやがって・・・!!」




虎之助
「JA農協酒米センターやろ!?
A-co-opの隣の・・・

これ、まさかタダ働きやなかろうねっ!?」



はじめ
「7000円出すわいっ!
欲どしいのうっ!!
お前はぁっ!!!」



虎之助
「税金の対象にしたくないから手渡しにして!!」



はじめ
「しちゃるわいっ!!
欲どしいのうっ!!!」




虎之助
「あんまり・・・
沖田さんと一緒になって・・・・
昔の話題掘り起こしたりせんといてよっ!!!」



はじめ
「もう~・・皆知っとらい、お前は家(西郷家)の恥さらしやけんのう~・・・」




父はもう・・・
全てを話している・・・

私の恥ずかしい過去の何もかもを・・・

そして「沖田さん」とは、深山町相撲協会の会長をしている人です・・・

この人は父とは昔からの仲であり、田舎人特有の喋り魔なのだ・・・

父と同様、この深山町出身で、余所へ出て生活した事が無い世間知らずの爺様で・・・

父とは相撲で通じ合っているので非常に仲が良い・・・
「類は友を呼ぶ」とはまさにこの事なのだろう・・・




虎之助
「あんまり沖田さんと・・・・
妙な話題を口走ったりしないでよ・・・・

もし・・・

あの時の事を喋ったりしたら・・・

真っ先に帰るからね・・・」




はじめ
「なぁ~~にを言よんぞぉ~~・・
お前がやらかした事じゃろげぇ~~~・・・!!!

昔の事をいつまでも気にしてウジウジメソメソしやがって・・・・!!

情けない・・・!!」



虎之助
「もう切るよ・・・!」



はじめ
「沖田はんに、一六タルトの1つぐらいは買ってきちゃれよ~~~・・・!?」



虎之助
「はいはい!!
わかったわかった!!
じゃあね・・・・!!」


はじめ
「絶対に遅れるなぁぁあ~~~~~~~ぁぁああっ!!!!

時間までに張り込み終わらせないかんのじゃけえっ!!!」


「ピ・・・♪」


私は・・・
父がスマホの向こうで叫んでいる途中で、間髪入れずに通話を止めた・・・




虎之助
「はぁ~~~ぁぁぁぁ~~~~~~ぁぁぁぁ~~~~ぁぁぁぁあ!!
鬱陶しいっっ!!!

せっかくストーリーが波に乗ってきた頃なのに・・・!
2枚の新しいキャラクターも描かないといけなかったのに・・・・

やる気も起こらなくなってしまったよぉ~~・・・

これはもう・・・

今週の更新は無理だな・・・・・・!!!」


私は・・・
スマホのメール投稿を途中で中断して未送信boxへ入れた・・・
この続きはまた来週を書く事に・・・。

そして・・・
明日JA農協酒米センターへ行く準備を始める・・・



どうせ1日我慢すれば済む事だと・・・
この時はまだそう思っていた・・・

父との電話のやりとりも・・・・
年に一度あるかないかだし・・・・

明日JA農協酒米センターで作業を終わらせたら・・・・・

また・・・
いつもの生活に戻れるものだと・・・



思っていた・・・





だけど・・・

明日で人生が変わってしまうんだ・・・

家から出なければ・・・

深山町のJA農協酒米センターなんかに行かなければ・・・・・

私は・・・
ずっと幸せなままでいられたのに・・・


スマホで父と口論を交わしながら話したが・・・

こんな会話はいつもの事・・・・・

まだなんてことない・・・

ありふれた日常・・・



しかし・・・

明日・・・

私はいよいよ永遠の苦しみが癒えない地獄へと落とされてしまうんだ・・・・




そして・・・

父「西郷一」を・・・

本気で死ぬほど憎む毎日がやって来る・・・・・



壁に掛けてある時計の針が・・・
一周り半したら・・・・


その時が始まる・・・・






「僕はお前のせいで・・・
こうなってしまったんだからな・・・・・

同じ目に遭わせてやる・・・・・・

いつか必ず・・・・」






2018年・12月31日

西郷虎之助・秘蔵メモリアル集

「出る杭は打たれる」

公開予定・詳細につきましてはまだ未定