どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

「ぼくはもうすぐ2年生」~父兄参観スペシャル~

ここはアニマルランド…

遠い遠い星にある…
動物たちだけが暮らしている国です…






え~~・・・

ゴッホン・・・

今日は皆様に…

けんと君が通っている…

「アニマル小学校」の参観日に…

父兄参観という形で出席してもらいたく…

お願いに上がった模様ででございます…

是非…

皆様御参加して頂けますよね…?


・・・・・


ありがとうございます。

貴男様ならばきっとオーケーして下さると信じてましたから・・・

では・・・

試着室へどうぞ・・・

こちらでお着替えをして下さいな…


ゴソゴソ・・・

ゴソゴソ・・・


いかがでしょう…?

準備の方は整いましたでしょうか…?

自慢の背広でビシッと決めて下さいね…

ほらほら…

大事なネクタイが曲がってますよ…?


それではようこそ…

いらっしゃい…

アニマル小学校「1年4組」の教室へ・・・・



ガラガラガラガラ~・・・♪




「キィーーーーー・・ン・・♪」
「コォーーーーー・・ン・・♪」
「カァーーーーー・・ン・・♪」
「コォーーーーー・・ン・・♪」


1時間目・授業参観




作文発表会のテーマ

「おおきくなったら、何になりたい?」







ぼくはもうすぐ2年生

~父兄参観スペシャル~

イメージ 1




とらのすけおじさん
「おぉ~~~・・・い・・・!
けんとく~~~・・・ん!
シッポ忘れてるぞ~~・・・」

イメージ 7

けんと君
「あぁ~~・・・!!
ホントだぁ~~~~・・・!!
えいっ!!」
(ポンッ♪)

イメージ 6

「えっへん!!
はじまるよ!!」











アニマルランドの寒くて厳しかった冬は…
ようやく終わりを迎えたようです…

野山の雪はとけ…
小川がサラサラと…
太陽の光をまぶしそうに浴びながら流れています…

どこから来たのだろう…

暖かい風にそって、優しい草木の香りが校舎の窓から教室を行き来して…
子供たちに春の訪れを知らせてくれているよう…


アニマル小学校の校舎に並ぶ桜並木…

つぼみがすっかり大きくなりました…

もうすぐピンク色の桜でいっぱいになるのです…


1年前の入学式…

桜がチラリ…チラリ…と舞い散る校舎で…

ピッカピカの1年生になった…

「けんと君」が…

新品のランドセルをしょって…

はじめて小学校へ登校した…

あの日から早くも1年が過ぎたのです…

あどけなかった「けんと君」も…

すっかりお兄ちゃんらしくなってきました…


さて・・・

けんと君がこの1年で…

どれだけ成長したのか…

父兄参観に御参加の皆様…

暖かい眼差しで見守りながら見てみましょう・・・



ガラガラガラガラ~~・・♪


よし子先生
「はい、1年4組の皆さん…
おはよぉ~・・ございまぁすっ!」



1年4組の生徒たち
「おはよぉぉ~~~ぉぉ~~ございまぁ
ぁ~~~~~ぁぁぁぁすっ!!!」
(↑耳を塞ぎたくなる程響く)



よし子先生
「はい、皆さん元気でよろしい♪
それでは~♪
1時間目の授業を始めますよ~・・♪」



1年4組の生徒たち
「はぁぁぁ~~ぁぁぁ~~いっ!!!」
(↑無駄に大きすぎる返事)



よし子先生
「あ、こらぁ~~・・♪
まもる君?
お父さんが来てくれているからって、後ろを向いて手を振ったりしてたらダメでしょぉ~~・・・?メッ!」
(↑普段ならばもっと厳しく注意する)



まもる君
「イヒヒヒヒヒ~~・・♪
ごめんなさぁぁ~~ぁい・・♪
(ポリポリ)」
(↑必ず一人はこういうタイプが存在する)




よし子先生
「はいっ♪はいっ♪(パンッパンッ)
皆さんも後ろを向かないの~~♪
ちゃ~んと、前を向いて姿勢を正してぇ~~~~♪
きちんと授業を受けている姿を、お父さん、お母さんに見てもらうんですよ~♪
わかりましたね~~~♪」
(↑わざとらしい程クドい)




1年4組の生徒たち
「はぁぁぁぁ~~ぁぁぁあいっ!!!」




よし子先生
「はい、1時間目の授業は・・・
皆さんが…
「大きくなったら、何になりたい?」
が、テーマの作文発表会でしたね~~?

皆さんは宿題の作文を・・・
ちゃ~んと書いてきてくれたかなぁ~~~?」



1年4組の生徒たち
「はぁぁぁぁぁぁぁあいっ!!!
はぁぁいっ!はぁいっ!はいっ!はい!はいはーいっ!はぁぁいっ!はいっ!」
(↑この盛り上がりは参観日の定番)




よし子先生
「は~い♪はいはいは~~い♪
皆さんあわてない、あわてない♪
ちゃ~んとひとりづつ順番に発表してもらいますからね~~♪」




よし子先生
「はい、それでは~♪
先ほどから後ろのお父さんが気になってしょうがない、まもる君~♪
席を立って発表して下さ~い♪」



まもる君
「うあいっっ!!」
(↑叫ぶような返事)



まもる君
「ぼくのお父さんは世界一
1年4組、山田まもる

ぼくのお父さんは、大工さんですっ!

おっきなお家、ちっさなお家、かわいいお家、カッコイイお家、なんでもかんでも建てちゃう自慢のお父さんですっ!!

ぼくがイタズラしたら、ゲンコツしたり、お尻を叩いたり、怒ったらコワいけど、一緒にキャッチボールしたり、お風呂はいったり、日曜日には釣りに連れてってくれたりします!!

ぼくは、そんなお父さんが大好きです!

世界で一番のお父さんです!

ぼくが大きくなったら、お父さんとおんなじように大工さんになって、一緒にお城みたいなお家を建てたいです!いつか先生の家もぼくが建ててあげます!!
おわりですっ!!」



よし子先生
「はい♪まもる君♪
良かったですよ~~♪
後ろのお父さんが、とお~っても嬉しそうに聞いてくれていました…

まもる君はお父さんのように、大工さんになるんですね~♪」



まもる君
「うはぁいっ!!エヘヘヘへへ~~♪」



よし子先生
「先生のお家を建ててくれるの~♪
大丈夫かなぁ~~?」



まもる君
「うはぁいっ!お父さんと一緒に建ててあげますっ!」
(↑父を巻き添えにする息子)


よし子先生
「あらぁ嬉しいぃ~~♪♪
でも・・・
先生は注文うるさいぞぉ~~♪」




まもる君
「先生なら、ただで建ててあげますっ!!!」
(↑子供だから許される大嘘)



よし子先生
「んまぁぁ~~ぁぁあ♪
本当に良いのかしらぁ~~・・・♪」
(↑とりあえず乙女チックに喜ぶ)


まもる君
「はいっ!先生と結婚するからいいんですっ!!」
(↑突然の問題発言)



よし子先生
「まぁぁ~~・・・
先生プロポーズまでされちゃったぁ~♪
どうしましょぉ~~♪」
(↑わざとらしく照れるが、内心は嬉しい)



「お前絶対に先生と結婚しろよ~~!」
「嘘ついたらハリセンボン飲ますからなぁ~~~!!」
(↑実際にした者はいない)




よし子先生
「はいはぁ~~い♪
皆さん静かに静かにぃぃ~~・・♪
発表の続きを始めますよ~~♪」




よし子先生
「え~っと♪
次は~・・・♪
けんと君!
発表して下さ~い♪」





けんと君
「はいっ♪」



よし子先生
「皆さんも知っていると思いますが…

けんと君には御両親がいません…

チャイルドホームという子どもの施設から学校へ通っています・・・

皆さんと家庭の境遇が違い・・・

寂しい思いをする時もあったでしよう・・・

だけど、けんと君は・・・

そんな事で泣いたりしません!

この1年間で・・・ 

すっかりお兄ちゃんになりました・・・

背丈も伸びました・・・

お友だちもたくさんできました・・・

運動場でみんなとボール遊びをして走り回っています・・・

苦手だった跳び箱も・・・
みんなで励ましあったおかげで・・・

4段までも飛べるようになりましたよね・・・

本当に・・・

よく頑張りました・・・

けんと君は・・・
元気な男の子ですよ・・・!




さて・・・

今日はけんと君の・・・ 
お父さん代わりとして・・・ 
チャイルドホームの園長先生であり、神父さんの・・・

「熊八先生」と・・・

けんと君のお母さん代わりである・・・
シスターの・・・ 

「マリア先生」が・・・

おふたりそろって来てくれました・・・


熊八先生・・・
マリア先生・・・

ようこそいらっしやいました・・・



熊八先生
「はふうっ!!
あ・・・あああ・・・!!
ど・・・どうも・・・・
いつもけんとがお世話になっております・・・!!」
(↑突然だったので心の準備が出来ていない)



マリア先生
「熊八先生・・・
落ちついて下さいな・・・

 

こんにちは・・・
よし子先生に、けんとのお友だちの皆さん・・・

チャイルドホームのシスター・マリアです・・・」




よし子先生
「はい・・・
皆さん、ごあいさつは~・・・?」




1年4組の皆さん
「こぉぉぉぉ~~んにぃぃ~~ちわぁぁぁ~~~ぁぁああっ!!!」
(↑教室全体に響くのでキツい)



よし子先生
「えぇ~~・・・っと・・・
先生おふたりは・・・

御夫婦・・・?
なのかしら・・・?」
(↑何気に失言)



熊八先生
「いっ・・・!?」

マリア先生
「えぇ・・・!?」



熊八先生
「ち・・ち・・ちちち・・・!!!
ちが・・・ちが・・・ちがいま・・・・・す・・・!!!」




マリア先生
「熊八先生・・・
落ちついて下さいな・・・・」



けんと君
「うんっ♪
夫婦じゃないけど・・・・
熊八先生は、いつもマリア先生の事が好きだって言ってるよぉ~~・・・」




熊八先生
「こ・・・・こらぁ~・・・
けんとぉ~~ぉぉ~~ぉぉおっ!!!」




マリア先生
「あぁ~~・・・・
けんとったらぁ~~・・・
恥ずかしいぃ~~・・・・」
(↑でも実は凄く嬉しい)




よし子先生
「ウフフ・・♪
では、近い将来御夫婦になるという事で・・・」
(↑余計なお世話)




熊八先生
「ガ・・
ガハハハハ・・・
夫婦だって・・・!
ど・・・
どうしようか・・・?
マリア・・・」
(↑興奮している)



マリア先生
「や・・・
やだっ・・・
熊八先生ったら・・・
こんな時に何言ってるんですか・・・」
(↑赤面しているがやっぱり嬉しい)



まもる君
「あぁーーーーーっ!!!
これからふたりが結婚するぞぉーー!
みんなで応援しよーぜぇーーっ!!」
(↑こういう展開になると必ず出しゃばってくる)


その他の生徒たち
「熊八先生がんばって~~!」

「ヒュ~~♪ヒュ~~~♪」

「プロポーズ!プロポーズ!」

「熊八先生がマリア先生に・・・
愛の告白だぁ~~!!」
(↑告白コーナーの決め台詞)


「ダダダダ~ン♪ダダダダ~ン♪
ダダダダン♪ダダダダン♪ダダダダン♪
ダダダダン♪ダダダ・・・♪
チゃ~~ン♪チャ~~ン♪チャ♪チャ~ン♪チャ~~ン♪チャ~~ン♪チャ~~ン♪・・・」
(↑結婚式の曲をわざわざ口で歌う)



よし子先生
「はい♪はい♪は~~い♪
皆さんお静かにぃ~~~~♪
作文の発表を続けますよ~~♪」
(↑原因の元は先生)






よし子先生
「えぇ~・・・

まず発表会の前に・・・

先生が・・・
今日・・・
どうして授業に・・・

「大きくなったら何になりたい?」

という・・・
作文発表会のテーマを考えた理由を・・・

ちょっとだけお話します・・・



今年も3月に入り・・・
春が近づいて来ました・・・

皆さんはこのアニマル小学校へ入学してから早や1年が過ぎようとしています…

春休みが終われば新学期・・・
皆さんはもうすぐ2年生です・・・


この1年間で・・・
皆さんはすっかりお兄さん、お姉さんになりました・・・

だけど・・・

先生はちょっぴりさみしいです・・・

新学期からは学級が変わり・・・

もう皆さんと一緒に楽しくお勉強をしたり、遊んだりする事が出来なくなるのだから・・・

だけど先生は・・・
皆さんの成長をとても喜ばしく思います・・・

これから2年生・・・3年生・・・
中学校・・・高校生へと・・・

皆さんはだんだんと大人への階段をのぼって行きます・・・

長いようですが・・・・
あっという間です・・・

皆さんが大人になってから・・・

今日作文で発表してくれた夢が・・・
本当に叶っているかもしれません・・・

でもねぇ・・

たとえ夢が叶ったとしても・・・

楽しい事ばかりではありません・・・

辛い事や悲しい事もたくさんあります・・・

泣きたくなったり・・・

時には逃げ出したくなる事だってあるでしょう・・・

だけどそんな時には・・・

皆さんが今日発表した作文を思い出して欲しいのです・・・

大きくなったら・・・

こうなりたい・・・

ああなりたい・・・

皆さんが子供の頃・・・
夢中になって思い描いた大人へのビジョンを・・・

もう一度だけ・・・
ゆっくりと・・・
思い返してみてください・・・

そうすれば・・・

きっと勇気がわいて・・・

まだ頑張ってみよう・・・!
あきらめてはいけない・・・!
辛いのは自分だけじゃないんだ・・・!



こうして皆さんが・・・

何度も挫折や失敗を乗り越えて・・・

立派な大人へと成長してくれる事を・・・

先生は心から願っております・・・


今日はそのための発表会なのです・・・

だから・・・
皆さんは自信を持って・・・!

先生やお友だち・・・
そして後ろで見守ってくれている…
お父さんやお母さんに・・・

大きな夢を・・・

発表して下さいね!!」




1年4組の生徒たち
「はいっ!!」




よし子先生
「はい、じゃあ次は・・・
けんと君・・・
席を立って発表して下さい~・・♪」




けんと君
「はいっ!!」
(ガタタン…)



よし子先生
「先生は知ってます・・・

けんと君は・・・

とっても大きな夢を持っているんです…

これから先生や・・・

お友だちの皆さん・・・

そして・・・

後ろで暖かく見守ってくれている・・・

熊八先生と、マリア先生に・・・

大きな声で・・・

けんと君の将来の夢を・・・
聞かせて下さいね・・・」



けんと君
「はいっ!!」




けんと君
「ぼくの夢は消防士
1年4組、さいきけんと

ぼくは、大きくなったら・・・
消防士さんになるのが夢です!

火事はとってもこわいです
思い出のつまったお家も、大事な写真も、ぼくたちの命も…
ぜ~んぶ燃やしてしまいます…

ぼくは、そんなひどいことする火事が許せないからです…!!

だから・・・
ぼくが大きくなったら消防士さんになって、火事をやっつけてやるんだ!!

お家や大事な写真が火事で焼かれてしまっても・・・

みんなの命だけは絶対に守ってみせるっ!!

命はなくなったら…
かえらない…

だからぼくは・・・
悪い事ばかりする火事に・・・
たいせつな命だけは渡さない・・・!!



消防士さんになるのはとても大変な事だと思います・・・

お勉強も、スポーツも・・・

苦手な算数やテスト、ドリルも・・・
頑張らないとなれません・・・

逃げたくなる時もあります…

だけど…

逃げたらだめなんだ!


消防士さんのお兄さんも・・・
あんな恐ろしい火事や炎の海に・・・
逃げずに立ち向かって行くんだもん!


だからぼくも立ち向かう!!
逃げてたまるもんか!!
負けてたまるもんか!!


そしていつか・・・
ぼくが大きくなったら必ず・・・

チャイルドホームのみんなや…
学校の先生やお友だち…
たくさんの命を守る、消防士さんになろうと思いますっ!!

おわり。






よし子先生
「はい・・・

とってもすばらしかったですよ~・・
けんと君の力強い意志と信念・・・

そして情熱に溢れる優しさが詰まった作文でした・・・!!

あらやだ・・・
先生・・・
ちょっぴり涙が・・・

グスッ…
皆さん、けんと君の勇ましい夢に拍手を!!」


「わああああああああああ・・・!!」
「パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!」




まもる君
「けんとーーっ!!
カッコよかったぞーー!!!」
(↑懲りずに出しゃばりやのまもる君)


しずく
「けんと君ステキ~♪
消防士さんってカッコいい!
わたし大好き~!!
お嫁さんになりたい~~♪」
(↑どさくさに紛れて告白する女子)



その他の生徒たち
「ぼくん家が火事になったらたのんだよーーー!」

「わたしの家にも来てね~~!!」

「けんと君が消防士さんになってくれたら安心だね!!」

「絶対消防士になってね~~!!」

「消防士さんが着ているオレンジの服ってカッコいいよなぁ~」


「ぼくも消防士さんになろうかな~・・」




よし子先生
「けんと君・・・

もし・・・

先生の家が火事になったら・・・

きっと・・・

勇敢に駆けつけてくれるよね・・・?

先生の事・・・

守ってくれるよね・・・?」



けんと君
「うんっ!!
ぼく・・・!
消防士さんになったら・・・
絶対に先生を火事から守ってあげるんだっっ!!」



よし子先生
「ありがとう・・・

先生・・・

うれしい・・・・

グスン・・・・」



まもる君
「あーーーっ!!
よし子先生がまた泣いてるーーっ!!」
(↑先生が泣くと必ず突っ込む)



しずく
「あぁ~~・・・ん!
やだぁ~~・・・・!
よし子先生ぇ~~・・・
泣かないでぇ~~~・・・!!」
(↑なぜかもらい泣きするしずく)




まもる君
「あぁ~~~あっ!!
しずくまで泣き出したぞ~!
泣くなや~~・・・!!」
(↑実はしずくに好意を寄せているまもる君)



よし子先生
「はいはい皆さん静かに静かに~・・
グスン・・・
じゃあけんと君・・・
席について・・・」



けんと
「はいっ!」
(ガタタン…)


よし子先生
「はい・・・
それじゃあ次は・・・
しずくさん・・・
席を立って発表して下さい~・・♪」



しずく
「はぁ~い!」
(ガタタン…)



しずく
「わたしの夢は看護婦さん
1年4組、朝野しずく
わたしの夢は看護婦さんになる事・・・

それは・・・
怪我や病気で苦しんでいる・・・・・・・

・・・・・・・・・・・



・・・・・
僕は・・・

作文を読んだ後・・・

席について後ろをふりかえると・・・

熊八先生とマリア先生が・・・

お互いに肩を抱き寄せていた・・・

マリア先生は…
グッシ…!グッシ…!としゃくり上げて泣いている熊八先生の眼鏡の下をハンカチで拭きながら・・・

時折熊八先生の胸元に顔を預けて肩を震わせている・・・

ふたりとも僕が書いた作文を聞いて・・・

泣いてくれたんだ・・・

僕には本当の・・・
お父さんとお母さんは居ないけど・・・

それでも幸せなんだと思った・・・

みんなからも祝福されて・・・

僕は本当に嬉しかった・・・

大きくなったら絶対に消防士さんになるという強い想いは・・・
どんな炎でも消してしまう・・・
強力な消火ポンプの水でも消すことは出来ないだろうな・・・

きっと・・・









それから僕は・・・

いつしか大人になり・・・

作文に書いたとおり・・・

アニマル消防本部局の扉を叩き・・・

子供の頃からの夢だった・・・

「消防士」になったのです・・・



しかし・・・

消防士は命を守るお仕事です・・・

命を懸けて守らなければなりません・・・

消防士に失敗は許されません・・・



僕が消防士になってからというものの・・・

毎日毎日辛く厳しい訓練の日々が続きます・・・

つよし隊長に・・・

いつも怒鳴られている僕・・・

何度も何度も・・・

失敗や挫折を繰り返した・・・

ホームシックになって・・・

寮のベッドに潜って泣いた夜もあった・・・


ある日・・・

つよし隊長に・・・

「僕・・・
もう消防士でいる自信がないので辞めます・・・」


・・・と言ったら・・・

おもいっきりぶん殴られた・・・

「何するんだよぉっ!!」

・・・て、僕も怒って拳をつよし隊長に振りかざそうとしたら・・・・

つよし隊長は泣きながら・・・

「小さな子供が・・・
燃えているジャングルジムに取り残されて居ても・・・・

お前は・・・
子供をおいて逃げるのかぁっっ!!

助けるのはお前しかいないんだぞお!?

それでも小さな命を見捨てて逃げるのかぁっ!!!」




つよし隊長が僕に言いたかったた事…

それは僕が時々悪夢を見て夜にうなされている時に・・・
寝言で泣きながら自分の名前を叫んでいる・・・

何度も何度も「けんとーっ!!けんとーっ!!」って・・・


それは・・・

小さな5歳くらいの可愛い男の子が・・・

急速に燃えだした木製のジャングルジムから逃げられず・・・

助けられなかった・・・

小さな命は・・・

救えなかったんだ・・・


僕は何度もこの悪夢を繰り返し見てうなされてしまうんだ・・・

つよし隊長はそれを知っていた・・・

救えなかった小さな命・・・

あの5歳くらいの男の子は・・・

ひょっとすると・・・

僕なんじゃないかって・・・




そう思ったら・・・

何だか急に悔しくなった・・・

これぐらいの事で泣き言を吐いている自分が情けなくなり・・・

火事に対する怒りがグングンと溢れるように込み上げてきた・・・


子供の頃から・・・

強い憧れを抱いてきた消防士になる夢・・・

みんなの命を守るんだって・・・!

作文に書いたじゃないか!!

チャイルドホームのみんなや
よし子先生やクラスのお友だちの命を・・・…

僕が守らなくてどうするんだ!!

逃げたらダメなんだ!!
諦めたらダメなんだ!!
負けたらダメなんだ!!

僕は・・・

消防士なんだっっ!!!




泣いているつよし隊長の前にある・・・

僕の拳が震えている・・・


つよし隊長
「お・・・俺はなぁ・・

不器用だけど・・・
一生懸命直向きに頑張っているお前の事が好きだから毎日誰よりも厳しく叱っているんだ・・・・

それだけはわかってくれ・・・」



けんと
「う・・・う・・・
グシッ・・・グシンッ!・・・」



つよし隊長
「俺はこれからも・・・
お前と一緒に戦っていきたい・・・

ふたりでかけがえのない命を・・・
守っていこうじゃないか・・・

消防士になるのがお前の子供の頃からの夢だったのならば・・・

俺はその・・・

夢の架け橋にるから・・・」



けんと
「つ・・・
つよし隊長~・・・・!!

ぼ・・・僕・・・

情けなかったです・・・・

つ・・・つよし隊長は・・・

いつも僕を心配して気にかけてくれているのに・・・

な・・なのに・・・

なのに・・・

泣き言なんか言ったりして・・・!
ごめんなさぁぁ~~~い・・・!!!

うわぁぁ~~~ぁぁぁあん!!
あぁぁぁ~~ぁぁああああんっ、!!」



僕は・・・
震えている拳を下ろした・・・

そして・・・
つよし隊長の胸元に勢いよく飛び込み、顔をうずめて泣き叫んだ・・・

つよし隊長も・・・

僕を強く抱きしめながら泣き叫んだ・・・


そんな最中・・・

つよし隊長が・・・
泣きじゃくりながら僕に小さくささやいた言葉は・・・

 

「馬鹿ちん野郎・・・」



つよし隊長の・・・

ちょっぴり汗臭い・・・
オレンジ色の制服・・・

頼りがいのある鍛えらた胸元の筋肉が兄貴肌を感じさせ、僕を時々甘えさせてくれる・・・


この日から僕は・・・

一生つよし隊長について行く決心をした・・・


消防士からレスキュー隊員へ・・・

僕の新しい夢への挑戦が始まったんだ!!




おわり





えぇ~・・・・


皆様・・・
御協力ありがとうございました

さぁ・・・
もう目を開けても大丈夫ですよ・・・

ゆっくり・・・ゆっくりと・・・

さて・・・
父兄参観は如何でしたでしょうか・・・

もうすぐ2年生になるけんと君の成長を・・・
御覧頂けましたでしょうか・・・

子供の成長は早いものですね・・・


時の流れは・・…
夕暮れ空に浮かぶ茜雲のように・・・

ゆっくりと流れてきえてしまうように思えます・・・

私は時間の流れと共に・・・

これからも・・・

けんと君の成長を書いていきますので・・・・

もし・・・

皆様さえ宜しければ・・・

時々覗いて見てあげて下さいね・・・

けんと君はこのアニマルランドで・・・
元気に楽しく幸せに暮らしています・・・。











時の流れは茜雲





あさ目が覚めたら
真っ先にひらいたんだ
パパが読んでくれた
僕の大好きな絵本


ランドセルを置いて
ジャングルジムで遊んだ
僕が絵本のヒーロー
夢中になり日が暮れる

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夢をひたすら追いかけた
無邪気な僕がかけてくる
時の流れは茜雲
ゆっくりと流れてきえてゆく





あさ目が覚めたら
絵本はもうきえていた
魔法がとけたみたいに
どこかへいってしまった…


僕は寂しそうに
部屋を見わたしている
大人になったから
きっとそうなんだね




夢を叶えてしまっても
追いかけたあの頃に戻りたい

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絵本のヒーロー
帰ってきたよ
夕暮れの中たたずむ
ジャングルジム

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もっと子供でいたかった

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夢をひたすら追いかけた
無邪気な僕が懐かしい
時の流れは茜雲
ゆっくりと流れてきえてゆく

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夢をひたすら追いかけた
無邪気な僕はかえらない
時の流れは茜雲
ゆっくりと流れてきえてゆく

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