どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

「海之助おじさんとけんとくん3」~ぼく5年生になったんだ!~

もうすぐ3月の終わり...

出会い...別れ...門出の季節...

冬の冷たかった風も...
春の訪れとともに暖かくなり...

菜の花の香りをのせて...
真っ赤になった頬を優しくなでる...

太陽の日差しがまぶしいな...

つくしんぼうより...
お寝坊さんな桜のつぼみくん...

ようやくポツリ...ポツリと目を覚まし...
うすい桃色の花を咲かせてく...

みの虫の寝床となっていた...
寂しい枝も華やかに模様替え...

これからスタートラインに立つ人たちを...
華やかに彩りながらも...
春風とともに寂しく散ってゆく...

儚いな...







「海之助おじさんとけんとくん3」

~ぼく5年生になったんだ!~
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ここは陸前高田市高田松原の広い砂浜...

2011年の3月11日...

東日本大震災の大津波がこの砂浜を飲み込んだあの日から11年...

今日もたくさんの人たちが...
それぞれの想いを抱きながら...
この地へとやってきます...


きれいに整備された砂浜...
長いコンクリートの道の向こうには...


海辺の向こうには堤防台が設けられ...
海が見えなくなっている...


震災の年に生まれた赤ちゃんも...
今ではすっかり大きくなり...
4月からは小学5年生に...



おやおやまぁ~~・・・
ほんの少し前まで甘えん坊だったのに...
もうこんな元気盛りになったのか...

子どもの成長はほんに早いもんじゃのう~・・・

11年前...
この砂浜に1本だけ残った...

「奇跡の一本松」

この一本松に宿る精霊の...

「一松海之助おじさん」は...

ここへやってくる可愛らしい子どもたちを...
優しく見守りながら語りかけていました...

だけど...
子どもたちには海之助おじさんの声は聞こえません...
もちろん姿も人には見えないのです...

海之助おじさんは...
お父さん、お母さんと一緒に帰っていく子どもたちの後ろ姿を見つめながら...

あの子のことを思い出してました...



奇跡の一本松の横には...
小さな新しい松の木が伸びています...

その松の木は...
5年前に...

ある男の子が...
一本松の下に落ちていた...
マツボックリを植えて誕生した...
「希望の一本松」

この希望の一本松のおかげで...
海水によって根元が腐り、人工化してしまった奇跡の一本松に、精霊として宿る力が失われて.いた海之助おじさんでしたが...

見事にパワーアップして精霊としての力を吹き返したのでした...


この「希望の一本松」
を誕生させてくれた...

あの男の子...


5年前...
突然ジャングルジムからやってきた...

「けんとくん」に会いたい...!


ちょっぴり失礼で...

おとぼけさんだけど...

ぷぅ~♪っておならしちゃったり笑

不思議な魔法を使う...

泣き虫で甘えん坊で優しい...

子だぬきの...

けんとくんに会いたいぞー!!



日が暮れて...
太陽が堤防台に隠れはじめ...
海辺の広場がオレンジ色に包む中...

海之助おじさんは...
夕焼け空に向かって叫びました...


初めてけんとくんに会ったのは...
今日みたいにきれいな夕焼け空じゃった...

寂しくて...
泣いているわしを気づかってくれたんじゃ...

あの優しいけんとくんと...
またお話がしたい...

可愛らしい子だぬきのけんとくん...


太陽が堤防台に隠れ...
海辺は少しづつ暗くなり...
広場の周辺には誰も居なくなりました...


海之助おじさんは...
空をキッ!・・・と睨み上げ...


天女様よおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい・・・!!!


もう一度・・・っ!!!
けんとくんに・・・っ!!


会わせたおくれええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ・・・!!!


大きな大きな声で叫びました...


すると...
海之助おじさんの上に...

キラリと一番星が光りました...


海之助おじさん
「けんとくんや...
一番星が光っておるぞ...
もう一度わしのもとへ来ておくれ...

大丈夫...
ここは夢の中じゃ...
さぁ...おいで...」
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海之助おじさんは...
一番星に願いを届けました...
今日ここへ来てくれた...
たくさんの人たちの想いと一緒に...



その時でした・・・!!


けんとくん
「ちぃ~~~っす♪」
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なんとそこに・・・!
野球のユニフォームを着た・・・!
わんぱく盛りなたぬきの男の子がやってきたました・・・!!



その男の子を見て...
海之助おじさんはびっくり仰天!!



海之助おじさん
「な・・・!
な・・・・!!
なぬぅ~~~・・・・・!!!
なんとまあ~~~驚いた・・・!!!
しばらく見ないうちに...
すっかり大きくなりおったわい・・・!!!」


その野球のユニフォームを着た...たぬきのわんぱく坊主は...

小学5年生になる...

「けんとくん」なのです!!


けんとくん
「ちぃ~~~~っす♪
おじさん!!
久しぶりだね!!」
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海之助おじさん
「あ・・・
あわわわわ・・・

あ・・・
あの・・・その・・・

けんとくんで・・・

お間違いないのでござりますよのう~~~~~~~・・・?」


けんとくん 
「うん!そーだよ!
ぼく、けんと!!
おじさん元気そうだねっ!あはっ!」



海之助おじさん
「お・・・
おやまぁ~~~・・・
わ・・・
わしのこと・・・
覚えておいてくれとったんじゃのう~~~~~・・・」


けんとくん
「うんっ!
知ってるよ!」
 


海之助おじさん
「う・・・
う・・・
うれしいのう~~~・・・
ちゃ~~~んと..
わしのこと覚えておいてくれて・・・

グスッ・・・!

わしゃあ涙が出てきたわい・・.」



けんとくん
「もちろん!
覚えてるよ!
泣き虫でおヒゲのきちゃない精霊のおじさんでしょ?」
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海之助おじさん
「!!
・・・・・むかっ!
なんと失礼な・・・
・・・相変わらず・・・
礼儀知らずな子たぬきじゃのう・・・」


けんとくん
「おじさん、そのきちゃないおヒゲ...
ちゃんと剃らないとダメだよ~♪」


海之助おじさん
「失敬なっ!!
わしは精霊じゃからいいのっ!!
どうせ皆には見えんのじゃっ!!
 
ふ~~んだっ!
子どものけんとくんにはこの髭の良さがわからんじゃろうのうっ!」


けんとくん
「でも、おじさんのおヒゲ
きっちゃないけど、似合ってるし...
ぼくは好きだよ!!」



海之助おじさん
「う・・・
褒めてるのかバカにしとるのかどっちなんじゃい...!」


けんとくん
「でもおじさん
久しぶりだね!
しばらく会ってなかったけど・・・
今日はどうしてここに来れたんだろう・・・」


海之助おじさん
「ふふう~ん♪
それはじゃな、わしの力と頭上にある...
一番星じゃ♪
わしは一番星にいる天女様に、もう一度けんとくんに会いたいぞーーっ!!
...ってお願いしたのじゃ♪」



けんとくん
「ふーん...
よくわかんないけど、すごいね!」



海之助おじさん
「な・・・
なんかバカにされてるような・・・
興味なさげな御返答をどうも・・・」



けんとくん
「おじさんぼくね!」



海之助おじさん
「うんうん...
なんじゃ...?」



けんとくん 
「今日、リトルアニマルリーグ・ポンターズの練習試合だったんだ!」


海之助おじさん
「り・・・
リトル・・アニマル・・リーグ・・・?
ポンターズ・・・?とな...?
わしゃあ横文字苦手じゃのう~・・・」



けんとくん 
「もう~
おじさんったら~~・・・
野球チームのことだよ!
ぼくね、4年生になってからリトルアニマルリーグのポンターズに入団したんだ!」
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海之助おじさん
「ほほう~~~・・・
それで野球のユニフォーム着てるんじゃな...」


けんとくん
「そうだよ!
かっこいいでしょ~!!」


海之助おじさん
「うんうん...♪
その野球のユニフォーム...
けんとくんによぉ~く似合っとるぞい♪」




けんとくん
「それでね!
チャイルドホームに帰って...
ヒトミお姉ちゃんがおやつに作ったホットケーキを食べたらさ...
お腹いっぱいになって...
ついベッドに寝転がったら... 
いつの間にか寝ちゃったみたい~~♪」



海之助おじさん
「きっちゃな~~!!
わしのこときっちゃないヒゲって言うけど、けんとくんだってきっちゃな...!!

まったくお風呂も入らずに...!

汗と泥だらけのユニフォームのまんまベッドに寝転がって居眠りなんてしてたら...
ヒトミお姉ちゃんに怒られるぞいっ!!」



けんとくん
「エヘヘ~♪」


海之助おじさん
「エヘヘ~♪
じゃないわい!もう~笑」



沈む夕日の中...
ほんの少しだけ...
時がゆっくり流れてるよう...

海之助おじさんと...
けんとくんは...

久しぶりに会った喜びに...
ふたりの話は...
止まることなくはずみます...



海之助おじさん
「けんとくんや...
守備はどのポジションなのじゃ...?」


けんとくん 
「ぼくね!キャッチャーなんだ!」



海之助おじさん
「ほうほう~!
キャッチャーとや、ピッチャーの女房役じゃのう~
責任あるポジションじゃないかや...」


けんとくん
「女房~??
結婚なんかしてないよ~?」 


海之助おじさん
「例えじゃよ..」
遠い星の世界ではそう言われてるのじゃよ...」


けんとくん
「へんなの~
男の子どうしなのに女房なんて~...
ぼくそんなのやだ!」



海之助おじさん
「男はのう...
細かい事を気にしたらダメじゃよ...

それで...
けんとくんは何番バッターなのじゃ?」


けんとくん 
「ぼくね~・・・!
4番バッターなんだ!!」


海之助おじさん
「おおっ!!
4番バッターとは驚いた・・・!
満塁ホームランを打てばスーパーヒーローじゃぞっ!!」


けんとくん
「エッヘン!
すごいでしょ~!」


海之助おじさん
「けんとくんはキャッチャーで、パワースイング型の選手なんじゃな...」


けんとくん
「うん!
おじさん、よくわかったね!
ぼく、ミートスイング苦手なんだ!
うんと遠くまでボールをかっ飛ばすホームランの方が得意なんだよ!」



海之助おじさん
「けんとくんや...
なぜ...
野球を始めたんじゃ...?」


けんとくん
「あのね!
アニマルメジャーリーグ
「シカゴ・ブラックベアーズ」の
クーマ・モーン選手が大好きなんだ!

それでね!それでね!
球場に試合を見に行ったら、クーマ・モーン選手が打ったホームランボールが...
たまたまボクのお菓子袋にスポッ...と入って...

ホームランボールをクーマ・モーン選手に投げたらスペシャルキッズMVPとしてグラウンドに招待してくれたんだ!!」


海之助おじさん
「う~~・・ん・・・
喜ばしい事じゃが危ないのう~
もしホームランボールがけんとくんに直撃してたら大怪我じゃぞ~?」



けんとくん
「ぼく!
クーマ・モーン選手のホームランボールならケガしたって平気だもん!」


海之助おじさん
「どうしてけんとくんは...
MVPでグラウンドに招待されたのじゃ?」


けんとくん
「そのホームランボールね...
クーマ・モーン選手の...
100本目のホームランボールだったんだ!!」


海之助おじさん
「ほうじゃったのか~~・・・
あわや大惨事になりかけたが・・・
クーマ・モーン選手と触れ合う事が出来て良かったのう~・・・」


けんとくん
「うんっ!
ぼくね!クーマ・モーン選手に...
肩車してもらったんだよっ!!」



海之助おじさん
「それは良かったのう~♪
グラウンドのヒーローに肩車してもらえるなんて、一生にあるかないかの貴重な思い出なったろう~♪」



けんとくん 
「うんっ!
ぼく、大きくなったら・・・
アニマルメジャーリーグの・・・
クーマ・モーン選手のような・・・」


「野球選手になるんだっ!!!」




海之助おじさん
「・・・!!!・・・・」




けんとくん
「野球選手になって・・・
広くて大きなアニマル球場で・・・

ホームラン打つんだっ!!!」



それを聞いた...
海之助おじさんは...
けんとくんにつぶやいた...



海之助おじさん
「けんとくんは...
大きくなったら...
野球選手になりたいのかや...」


けんとくん
「うん!
そうだよ~♪」



海之助おじさん
「けんとくんや...
さっきアニマルメジャーリーグのクーマ・モーン選手に...

肩車をしてもらったって...

わしにそう話してくれたな....?」



けんとくん
「うん、話したよ~♪」



海之助おじさん
「けんとくんが...
もっと幼かった頃にも...

肩車をしてもらった事があるのを...
覚えておるかいのう~・・・」



けんとくん
「ぼくがもっと小さかった頃に...?
肩車してもらった事なんかあったっけ....!」



海之助おじさん
「よ~・・・く・・・
思い出してごらん・・・」



けんとくん
「あぁ・・・!!」


けんとくんは...
思い出しました...



海之助おじさん
「あれは確か...
小学校に入学して間もない...
ピッカピカの1年生の頃じゃったのう~・・・」



けんとくんには...
もう一つ...
たいせつな夢があったのです...

それは...

アニマル小学校の...
入学したばかりの時でした...


オレンジ色の制服を着た...
消防士のお兄ちゃんに...
肩車をしてもらったあの日を...


ぼくとおんなじ名前で...
「けんと」っていう...
消防士で...
たぬきのお兄ちゃん...



けんとくんは...
さっきまであっけらかんとした顔から...

悲しくて...
今にも泣き出しそうな表情になりました...



けんとくん
「どうしよう...
ぼく...
野球に夢中になりすぎて...
すっかり忘れちゃってた...」



海之助おじさん
「わしは覚えておったよ...
けんとくんは...

大きくなったら...

消防士さんになるのが夢じゃったのう...」



けんとくん
「う...うん...
ぼ...ぼく...

大きくなったら...
おとなになったら...

消防士さんになるんだいっ...!!」



海之助おじさん
「では...
野球選手の夢はあきらめるのじゃな...?」



けんとくん
「や...やだいっ...!!
ぼ...ぼく...!!
野球選手にもなるんだいっ!!」



海之助おじさん
「けんとくんや...
消防士さんと野球選手...
どちらになりたいのじゃ...!」



けんとくん
「どっちもなるんだいっ!
消防士さんも...
野球選手にも...

どっちもなりたいっ!!」




海之助おじさん
「けんとくんや...
それは無理なんじゃよ...」




けんとくん
「な...
なんでだよ!!
消防士さんしながら野球選手したっていいじゃんか!!」



海之助おじさん
「では野球の試合中に...
チャイルドホームが火事になったら...
どうするのじゃ...?」


けんとくん
「し...
試合を途中で抜けて...
消防士さんになって...
火を消しにいくからいいんだい!」



海之助おじさん
「けんとくんが試合を抜けせいで...
チームが負けてしまったらどうするのじゃ...?」



けんとくん
「ま...
負けないもんっ!
火を消し終わったら...
ユニフォームを着て...
また試合に出て大活躍するんだいっ!」



海之助おじさん
「けんとくんや...
野球選手をしながら消防士さんをやるなんて事は無理なのじゃよ...

どちらかを選ばなければならぬのじゃ...」



けんとくん
「い...いやだ...
グスン...グスッ...グシッ...!
ぼ...ぼく...
消防士さんにもなりたい...
でも...

野球選手にもなりたい...!」



さっきまで笑っていた...
けんとくんの頬には...
キラキラと大粒の涙がこぼれ落ちます...



海之助おじさん
「おやおや...
けんとくん...!
男の子じゃろうに...!
メソメソ泣いたりして...!
情けないぞ!」 



海之助おじさんは...
泣き出したけんとくんを...
ちょっぴり厳しく叱ります...



けんとくん
「うっ...ひっく...!
グシッ!グシッ!ズビビビ...!
お...おじさんの...
いじわる...!
どっちもなるんだいっ...!
なってみせるんだいっ...…!」




海之助おじさん
「けんとくんや...
まだまだあせることないぞ...

ゆっくりと決めていけば良いのじゃ...」
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けんとくん
「グスン...!グシッ...!ひっく...!
おじさん...
ぼく...
どうしてこんなに悲しくなっちゃうのかな...
いつもは泣いたりしないのに...」



海之助おじさん
「それはのう...
けんとくんが...
だんだんとおとなになっている証じゃよ...」



けんとくん
「グッシ...グシッ...グスン...!
ぼ..
ぼくが...
おとなになってるから...?」



海之助おじさん
「けんとくんはのう...
今....本当の夢に向かって歩き始めたのじゃ...」



けんとくん
「ほ...
本当の...
夢...?
グスン...」


海之助おじさん
「そうじゃよ...
幼い頃に見た無邪気な夢ではなく...
本物の夢へと向かっているのじゃ...

眠っている時の夢でもない...

現実の夢じゃ...

これからけんとくんは...
その現実の夢を実現させるために...

たくさん努力して...
いっぱい頑張って...
辛いことや...悲しいことを...
乗り越えなければ...
夢は叶えられんのじゃよ...

夢が夢のままで終わるのは悲しいじゃろう...?」



けんとくん
「う...うん...
ぼ...ぼく...
絶対になるんだもん...

消防士さんか...
野球選手か...
どっちになるのか...

まだ決められないけれど...

絶対に...
絶対になるんだもんっ!!」



海之助おじさん
「まだまだ時間はあるから大丈夫じゃよ...

これからいっぱい悩んで努力して...
何度つまずいても良いから...

今の気持ちを忘れずに...
夢への情熱を持ち続けるのじゃ...
そうすれば...
おのずと答えが出る日が来るからのう...」



けんとくん
「うんっ!
わかった!!
ぼく...!
もう泣いたりなんかしないよ!
消防士さんか...
野球選手になるか... 
まだわかんないけど...

今はどっちの夢を見ててもいいよね!」




けんとくんにようやく笑顔が戻りました...
ユニフォームの袖で涙と鼻水を拭くと...
ニッコリと笑ってわんぱく坊主へと早変わり...


これにはさすがに...
海之助おじさんも呆れてしまいました...


海之助おじさん
「やれやれ...
さっきまで鼻水垂らしてメソメソ泣きベソ坊主だったのに...
直ぐさまあっけらかんとしおってもう~・・・

ほんにお調子者な子だぬきじゃ!

しかし...
男の子はこれぐらいが良い...

はっはっはっはっはっは!!」




太陽が堤防台から海へと沈み...
空はうす暗いオレンジ色から...
紫色へと変わり...

とうとうお別れの時がやってきました...

けんとくんの体がうっすらと消え始めます...


けんとくん
「あ...
ぼくの体が消えていく...」



海之助おじさん
「けんとくんや...
そろそろお別れの時じゃ...
今日は会えて嬉しかったぞ...

来てくれて...
ありがとう...

ほんの一時じゃったが...
いっぱいお話して楽しかった...」




けんとくん
「なぁ~~んだ・・・
もうさよならしないといけないの・・・?

もっとおじさんと...
お話したかったなぁ...」




海之助おじさん
「そうじゃのう...

わしもまだまだ...
けんとくんに話したい事がいっぱいあったんじゃが...

太陽が沈むと...
一番星の力が消えてしまうのでのう...

またいつか...
来ておくれ...」
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けんとくん
「うん...
また来るからね!!

...でも...
どうやったら今日みたいに...
おじさんに会えるのかなぁ・・・」




海之助おじさん
「わしがまた天女様にお願いしてみるから大丈夫じゃ!!」



けんとくん
「じゃあぼくはまた、ヒトミお姉ちゃんが作ったホットケーキをお腹いっぱい食べて、汗と泥んこだらけのユニフォームのまんまベッドで居眠りしてみるね!」




海之助おじさん
「あ~~~~!!
きっちゃな~~~~い!!」



けんとくん
「おじさんのヒゲだって!きっちゃないや~~~~い!!」



海之助おじさん
「むっか・・・怒!!
大きくなったけんとくん...
なんか可愛くな~~~い!!」



けんとくん
「あはは!また怒ってる!

だけどぼく...
おじさんのこと大好きだよ!
じゃあまたね~!
さよなら~!」



海之助おじさん
「け...けんとくん...
げ...元気でのう...」



太陽は海に沈み...
暗くなった海辺をお月さまが照らします...
お空の一番星は星座の一つとなり...


けんとくんの姿は消えて...
遠い遠いアニマルランドへと帰ってしまいました...



広い砂浜の公園に...

残された...
海之助おじさんは...

けんとくんの成長した姿を見て...
とても嬉しかったはずでした...

だけど...

頭に葉っぱをのせて...
コーラやカレーライスを出して...

不思議な魔法を見せてくれていた...
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あの純粋であどけなく...
まだ幼かった頃の...
小さなけんとくんはもういない...

子どもの成長は喜ばしい事...

でも...






奇跡の一本松の根元にある...

小さな希望の一本松の若葉に...

ポツリ...
ポツリ...と...

しずくが...

ひとつ...
またひとつ落ち...

葉に乗ったしずくは...
広い広い...
満天の星空と...
まんまるお月さまを映しているのでした...

 





このお話は...

奇跡の一本松に宿る精霊...

一松虎之助おじさんと...

遠い星にあるアニマルランドに暮らしている子だぬきの...

けんとくんの...

夢のお話なのでした...




おわり























































.

3月11日 「一松海之助おじさんの役目」

皆の衆よ...

しばらくぶりじゃのう~・・・


久しぶりにわしの出番が来たわい...


え・・・?

わしが誰かって・・・?

ウォッホン!!

わしのはのう...

ナイトショップ「ふくろう」の店主...

「森之風九朗」・・・・


・・・ではないぞ!!


似たような口調じゃがぜ~んぜん違うからのう...!
間違えんでおくれぇ~な♪


ではあらためて...

ウォッホン!


わしは陸前高田市高田松原にある...

奇跡の一本松に宿る精霊の...

一松海之助じゃ。


覚えてくれている者は何人おるんかのう~?


なにしろ虎之助がブログをすっかり更新しなくなったせいで、わしの唯一の出番じゃった3月11日ですらこの有様よ...


さて、あまり愚痴っても気分が沈んでしもうたらせっかくの出番が台無しじゃ...


もう知ってる者もおるじゃろうが、初めて来られた者の為に、わしがこの地でどう過ごしているのかを簡単にお話してしんぜよう...

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3月11日
「一松海之助おじさんの役目」




2011年の3月11日...

あの東北を襲った震災から11年じゃ...

もうそんなに時が過ぎてしもうたんじゃのう...

こうして海を見ていると...

あの日を思い出すのう...

海の向こうから深緑色の巨大な波がグングン押し寄せてきて...

とんでもなく大きな津波がこの砂浜を容赦なく襲ったのじゃ...

家が...車が...電柱が...次々と流されて...
多くの人や動物の命を奪っていった...

それはもう恐かったよ...

わしの周りにあった...
たくさんの松の木はみんな流されて...

残ったのはわしの一本松だけになってしまったのじゃ...

わしは寂しくて寂しくてのう...

寒い夜空を見ながら泣いていると...

わしの真上に光輝く一番星が出たのじゃ...

その一番星はのう...
天の川に宿る天女様に見守られており...

残された家族や愛する人たちの...
想いやメッセージを...
天国へ旅立った者へと届けることが出来るのじゃよ...

みんなには内緒じゃぞ...
ここだけの話じゃからな...

わしは天女様に津波から生かされ...

はるばるこの地まで足を運んでくれる...
皆の温かい想いやメッセージを...
一番星に届ける役目を与えてくださったのじゃ...

届けた想いやメッセージは...
天女様が短冊で筆をとり...
ちゃんと天国まで「速達ゆうメール便」にて送ってくれるのじゃ...

しかも無料じゃぞ...?

でも...

あまりいっぺんにたくさんのメッセージを送ると...
さすがに天女様もてんてこ舞いするかもしれんから...
一人一通が思いやりかのう...

なぁ~・・・に大丈夫じゃ...
想いはほんのひと言で良いのじゃ...

それだけでも充分伝わるもんなんじゃよ...

一年のうちいつでもかまわんからのう...

御親族でなくても良いのじゃ..



3月11日

どうかあの日を忘れないでおくれ...

そして...
世界に平和が訪れますように...




ん...?
天女様がどんな人かって...?


ふふふ..
それは...
企業秘密じゃ♪











今日は日差しが暖かく春の訪れに心までポカポカ陽気じゃわい...

久しぶりに...
子だぬきのけんとくんに会いたくなったのう~・・・
元気にしとるんかなぁ~・・・

天女様よ...

けんとくんに会いたぞ~い!

2022年2月22日「7年越しの真実」

おや、いらっしゃい...

珍しく客人かや...

わしはナイトショップ「ふくろう」の店主

「森之風九朗」じゃ。

今夜も寒いのう...

まぁ...あまり暖房が効いてない店内じゃが、ゆっくりしておいきなさいや...

遠慮はいらんぞな。

かっかっかっかっかっか!


さて、皆の衆よ...

今日はなんの日か知っておるかな...?

世間では「スーパー猫の日」などと騒がれておるそうじゃが...

ブログは現実逃避する安らぎの場...
そのような話題も...
ここまで届くまい...


2月22日とはのう...

そうじゃ、このブログが始まってから今日で丁度7年の月日が経ったのじゃよ...


いやぁ~・・・
早いもんじゃのう~・・・

というわけで...
今夜はわしからおまんさんにプレゼントじゃ...


男色豊満写真館より、逞しい男児の写真を授けようぞ


百貫村の熊太郎の写真じゃ...
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ほんに立派な尻じゃのう!

かっかっかっかっかっか!

今年は寅年じゃ...
漢字は違えど今年はちょっと頑張るそうじゃ...

皆の衆や、これからもよろしゅうな~・・・。

どすこい!西郷虎之助の七転八倒!~虎之助・相撲大会お漏らし事件~

愛媛県支部中学相撲春場所選抜大会」


熊本ゆみ
「皆様こんにちは~!
テレビ愛媛のピチピチリポーター!熊本ゆみでぇ~す!」


石坂晃
「はいどーもー!
皆さんこんにちはー!
JOEUFMのDJでお馴染みの!石坂晃でーす!!」


熊本ゆみ
「石坂さん、本日は愛媛県支部、中学相撲春場所選抜大会の会場へやってきましたけどいかがでしょう~!」


石坂晃
「ほうやね~!
中学生ともいえどみんな体も立派やし力持ちやからね~!
プロに負けず劣らず迫力ある試合になるやろうなぁ~~!」


熊本ゆみ 
「楽しみですよね~~!!
今日は愛媛の皆様に、わんぱく中学生力士達の熱く激しい試合の様子をお伝えしていきたいと思いますので!
「愛媛っ子!ふるさといちばん!」最後まで楽しく御覧になって下さいね~!」


石坂晃
「はーい!
僕もね、いつものラジオとは違った形になりますがね、今日は中学相撲力士達の生の迫力をね、熊本ゆみちゃんと一緒に顔出しでリポーターしますんで、みんな最後まで見てーやーねぇー!」


熊本ゆみ
「石坂さん!石坂さん!」


石坂晃
「おいおい...
どしたんやぁ~...
ゆみちゃん...
そないに興奮して~・・・」


熊本ゆみ
「実は!
これからですね~!
深山町と野村町による、団体戦がもうじき始まりそうですよ~!」


石坂晃
「あ!もう始まんの!?」


熊本ゆみ
「そうですよ~!」


石坂晃
「深山中学と野村中学の対抗戦かー!
なんかいきなりやねー!」


熊本ゆみ
「そうなんですよ~!
深山中学と野村中学といえば相撲の強豪校でライバルですからね~!」


石坂晃
「愛媛の深山町といえば愛宕神社・豊作祈願の奉納相撲。
野村町といえばプロアマ対抗戦の乙相撲。
どちらも相撲で栄える町やね~!」


熊本ゆみ
「凄いですよね~!
もう究極の戦いですよ~!
熱い火花が飛び交う激しい戦いになること間違いなし!!」


石坂晃
「おぉ~笑!これは楽しみやね~!
どっちが勝つんやろうね~!」


熊本ゆみ
「それでは石坂さん!
さっそく選手の声を聞いてみましょう!」


石坂晃
「はーい!
それじゃあ僕らも行きますか!!」


熊本ゆみ・石坂晃
「愛媛に突撃~♪
ふるさといっちば~~ん♪♪」


ディレクター
「はいオッケー!
一旦CM入りまーす!」


・・・・・・・・・・・・・・・・



今日の愛媛は満点の青空なり...

絶好の相撲日和になりそうじゃ...

日頃厳しい稽古で鍛えたたくましい体に...
グイッ!と締め込んだ白い廻し姿のわんぱく少年力士たち...

片足上げて四股踏めば!

お尻も丸出しなんのその!

蹲踞に構えてはっきよい!

頭と頭がぶつかって!

ゴツン!もへっちゃら男の子!


まん丸の...
くりっと坊主がめんこいな...
お日様ピカピカまぶしかな...


今日はいっぱいぶつかれよ...

今日はいっぱい転がれよ..

今日はいっぱい喜んで...

今日はいっぱい笑おうな...

今日はいっぱい泣いてよし...

涙流して強くなれ...

わんぱく力士の少年よ...

大志を抱け!

明日はきっといい天気。


かっかっかっかっかっかっかっか!


(ナレーション・森之風九朗)


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「どすこい!西郷虎之助の七転八倒!」
~虎之助・相撲大会お漏らし事件~
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今日は愛媛県支部、中学相撲春場所選抜大会。

会場の広場には多くの人が集まっている...

勇ましい体に白い廻しをグッと締め込んだ、わんぱく少年力士たちはワイワイと会場内を行き来している...

土俵の周りは相撲協会の関係者やテレビ局の記者、応援席には保護者や観戦者で溢れかえっている...


もうじき深山中学相撲部と...
ライバルの強豪校である野村中学相撲部との対抗戦が始まろうとしていた..

試合前に選手達は土俵の東と西の位置につき5人が互いに並んだ...

しかし...

深山中学相撲部員には1人選手の姿が見えないそうな...

もうすぐ試合が始まってしまうというのに何処へ行ってしまったのか...

1人選手が足りない深山中学相撲部員と...
ライバルの野村中学相撲部員達は...
お互いに顔を見合わせる...





高橋正次郎
「あのアホ...
何処に行ってしもうたんや...」


宮本太
「おーい!
ケン坊、あいつ何処行ったかしらんか?」


森山健太郎(ケン坊)
「あぁ~・・・
虎助何やってんだよお~・・・」


柴田幸信(ユキラス)
「虎助おしっこだって!」


正次郎、太、ケン坊
「なぁぁぁぁぁにぃぃぃぃぃぃい!!」


ユキラス
「うん!もうガマンできないからってさっき便所に走って行ったよ~。」



「また小便かよ~・・・
今日これで何回目だよ~・・・」


ケン坊
「虎助のバカ...
今朝薬飲んでこなかったな...!」


正次郎
「あのアホウッ!!
会場の便所は1番離れの隅っこにあるけん時間掛かるんじゃい!!」


ユキラス
「どうする~?僕が連れてこようか?」


正次郎
「クッソがぁ~~~!!
よりによってあいつが先陣のトップバッターとはのう・・・!!」



「ぎひひひ!笑
もう漏らしてたりして~♪」


正次郎
「アホンダラッ!
馬鹿な冗談ぬかすなやっ!!」

「ボカッ!」


「痛ってぇ!何で拳骨食らわすんだよ!」


正次郎
「審判!もうちょい待ってもらえまへんやろか!先陣の奴がちょっと便所行ったまんま戻って来ぃへんのや!」


審判
「なっ...!なんだってぇっ...!?
困ったなぁ...!!
後の試合が控えているし...
時間の段取りが合わなくなる...
誰か急いで連れて来なさい...!」



「どーする?俺行こうかー!
でも....
あいつの事だからな...
万一の万一で失禁してたらどーする?」


正次郎
「あわわわわわわ・・・
もしそうなったら深山中学相撲部の恥さらしやぁ~~・・・・」


ユキラス
「ねえ...
野村中がなんかこっち睨んでるよ~?」


野村中の相撲部員
「おっせーんだよっ!
早くしろやぁっ!
ボト便の肥やし臭いど田舎深山中っ!!」


正次郎
「じゃかぁぁーしいわぁいっ!!
野村中だってど田舎の過疎化農村じゃろげえっ!!
おまえらの村は乙相撲が無かったらダムに沈んでたじゃろう!!
ガハハハハハ!!」



野村中の相撲部員
「な...!
なんだとぉ~・・・!!!
信号機に屋根付きのガソリンスタンドも無いようなクソ田舎人の深山中が偉そうな口ききやがって!!」



正次郎
「ガハハハハハハハハ!!
こっちにはレンタルビデオショップがあるんやぞ!
レンタルビデオショップ♪
ビデオやぞ!ビデオ!ビデ~オ~♪
ナウいじゃろげえっ!
おめえらビデオテープ知っとるか!?
ベータやぞベータ!
あ!お前らはビデオデッキすら持ってなかったな!
ガハハハハハハハハハハハ!!」


野村中学相撲部員
「あいつらぁ~~!!
野村中を舐めやがってぇ~~~!!
こっちはLDカラオケがあるんやぞ~♪
ナウいじゃろうげぇ~!」


正次郎
「え...えるでぃ~・・・やとぉ~・・?
な・・なんやそれ・・・!?
おい...宮...
えるでぃ~・・・ってなんぞや...コソコソ」



「正次郎ぉ~・・・
どっちも田舎なんやから張り合うなよ...」


審判
「選手同士言い争いはやめなさい!!
やめやければ今すぐ試合を中止します!!」


正次郎
「ぐ・・・!
ぐぬぬぬぬぬ・・・!!
す...すんまへん....
試合中止だけは堪忍しておくれやさいやぁ~・・・審判の旦那ぁ~♪」


審判
「深山中学の選手が5分以内に戻らなければ・・・
団体戦対抗の試合は深山中学の棄権放棄とみなし、よって野村中学を不戦勝とする!!」


正次郎
「ななな・・・!!!
なんやとぉ~~~!!!
ほがいアホな話ありまっかいな!!慌」


ユキラス
「あぁ~あ...
終わった...
帰ったらスーマリ3やろっと♪」

スーマリ
(スーパーマリオブラザーズ3の略)



「クソがぁっ!
冗談じゃないぜっ!
俺あのバカ連れてくらぁっ!!」


ケン坊
「いいや!!俺が行く!!
太より俺の方が足が速いから!!」

「ダッダッダッダッダッダッ!!」 


正次郎
「お...おいっ!
ケン坊っ!!」


ユキラス
「あぁ~・・あ・・・
行っちゃった・・・
別にいいのに~・・・」



「ちぇっ!
しゃ~ないや...
あいつに任せようぜ...
ケン坊の方があのバカの扱いに慣れているしよ...」


正次郎
「た・・・!
頼んだぞぉ~・・・!!
ケン坊ぉ~・・・!!」



5分以内に虎之助を連れ戻さなければ...
深山中学相撲部員の対抗戦は棄権放棄扱いになってしまうという...

まさかの予期せぬ展開に立ち上がった...
虎之助と一緒に暮らしている...
幼なじみの森山健太郎ことケン坊は...

果たして...
便所に行ったまんま帰って来ない虎之助を...
無事に連れ戻すことが出来るであろうか...



一方その頃...
会場から遙か離れた便所には...


ワイワイワイワイワイ...
ガヤガヤガヤガヤガヤ...


虎之助
「あぁ~~・・・・
何でこんなに便所が混んでるんだよぉ~~~~~~!!」


何と...
便所は家族連れのお父さんや子ども達、今日の相撲部春場所選抜大会に訪れた観客で不運にも大混雑していたのだ...



観客、家族連れ
「お父さんおしっこー!」

「はいはい待ってねー!

もうすぐシーシー出るからねー!」

「あぁ~!腹痛ぇ~!
早くしてくれやぁ~~!!」

「はぁ~さっぱりしたぁ~!」

「あぁ!!下痢が出そう!」

「まだ出ないのかよ~・・・
クソ~~・・・!」




虎之助
「どうしよぉ~~・・・
便所が混みすぎて順番までまだ時間が掛かりそう・・・
もう我慢の限界で漏らしそうだぁ~~~~・・・
試合ももうすぐ始まりちゃうから早く会場に戻らないとまた正次郎に怒鳴られる・・・・」


虎之助は...
容赦なく襲い掛かってくる激しい尿意に限界を覚えながらも足を交互にモジモジさせながら股間を押さえて便所の順番待ちをしていた...

が・・・

そこにケン坊が全速力で走って虎之助の元へと駆けつける...


ケン坊
「虎助のバカッ!
いつまでに帰って来ないつもりなんだよ!!」


虎之助
「何だよ!ケン坊!
しょうがないだろ!?
俺だって早く戻りたいよ!!
だけど便所がずっと混んでて空かないんだよ!…」


ケン坊
「いいか!虎助!!
よく聞けよ・・・!!
あと2分で虎助が会場に戻らないと・・・!
俺たち棄権放棄扱いで試合に出られなくなるんだよっ!!」


虎之助
「そ・・・!
そんな事いきなり言われたって知らないよおっ!!」


ケン坊
「話しているヒマはないんだ!!
早く会場に戻るぞ!走れっ!!」


ケン坊は股間を廻しの上から押さえている虎之助の腕を無理矢理掴み、会場へ向かって全速力で走り出した。


ケン坊
「急げ虎助!!走れ!!」

「ダッダッダッダッダッダッダッダッ!」


虎之助
「け・・・ケン坊待って・・・!
そ・・・
そんなに走ったら・・・!!
しょ・・小便が・・・!
で・・・出ちゃう・・・!!」


ケン坊
「我慢しろっ!!」


虎之助
「そ・・・
そんなの無理だぁ~~・・・・!!
小便が漏れるよぉ~~~・・・・!!」








その頃会場は...




審判
「あと20秒です!」


正次郎
「あぁ~・・・
もうアカン・・・」


太 
「しゃぁ~ない...
春場所はあきらめて秋場所でまた頑張ろうぜ...」


ユキラス
「早く帰ってスーマリ3やりたいなぁ~」


審判
「あと10秒!!」


野村中学相撲部員
「負っ戦勝♪はいっ!負っ戦勝♪
あらよっ!!」


審判
「7・6・5・4・・・
もうダメだな・・・」


正次郎
「ち・・・!!
チックショ~~~っ!!!」


観客
「あっ!戻って来たぞっ!!ガヤガヤ」


ケン坊
「おぉーーーーーいっ!!
待ってくれぇーーーーーーっ!!」


正次郎
「よっしゃああああああっ!!!
ギリギリセェーーーーーフッ!!!」


ケン坊
「し・・・審判っ・・・!
と・・・と・・・と・・・
虎助を連れて来ましたぁっ!!
こ・・・これで試合を・・・!
ハァッ...!ハァッ...!ハァッ...!」


審判
「ふぅ・・・
ちょうど0秒・・・
まぁ・・・いいだろう・・・」



正次郎
「このアホンダラッ!!
皆に迷惑ぎり掛けやがってぇっ!!」



「あっぶねーあっぶねー・・・
俺の足ならアウトだったな・・・
ケン坊お疲れサンキュー!!」


ユキラス
「あぁ~あ...
別に戻って来なくても良かったのに...
帰ってスーマリ3やりたかったなぁ...」


ケン坊
「ハァッ...ハァッ...ハァッ...
さぁ...虎助....
すぐ試合だからな...ハァ...ハァ...」



虎之助
「ハァッ...!ハァッ...!ハァッ....!
ま・・・待ってよ・・・ハァハァ...
お...俺...ハァハァ....
まだ....便所で小便してないんだよぉ...」



審判
「西郷虎之助くん・・・」


虎之助
「ハァ...ハァ...
も・・・もうダメ・・・
しょ...小便が出る...我慢出来ない・・・
ハァ..ハァ...」


審判
「西郷虎之助君っ!!!」


虎之助
「は・・・
はひっ・・・・!ビクッ!」


虎之助が息をきらしていたその時...

突然審判から怒号のよう呼びつけられ、思わずビビる虎之助...


審判
「君一人のために皆が迷惑してるんだ!
早く5人整列して!!」


ケン坊
「虎助早く並べ...
こっちだよ...」



「やれやれ怒られた...」


正次郎
「先陣はお前なんじゃ!
しっかりせいアホウッ!」


ユキラス 
「審判怖いなぁ...」


虎之助
「だ・・・
だって・・・
まだ小便が・・・」


審判
「えー!皆様!
大変長らくお待たせしました!
これより・・・・!
深山中学相撲部対野村中学相撲部の団体戦による対抗試合を行います!!」
 
観客
「わぁーー!!キャーキャー!!
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!」


審判
「選手並んでぇー!!」


野村中学相撲部員・深山中学相撲部員
「はいっ!!!」


審判
「礼っ!!」


野村中学相撲部員・深山中学相撲部員
「お願いしまぁーーーすっ!!!」



審判
「東!
野村中学・廣田貴司(たかし)!!」


廣田貴司
「はいっ!!!」


野村中学相撲部員
ひろたぁーー!!
きばっていけーっ!!」


審判
「西!!
深山中学・西郷虎之助!!」


虎之助
「・・・・・」


審判
「西郷虎之助ぇっ!!
早く土俵に上がってぇっ!!」


虎之助
「え・・・・
だって・・・」


正次郎
「アホかいやっ!!
サッサと返事せんかいっ!!」


ケン坊
「虎助何やってんだよ・・・!
早く返事して土俵に上がれよ・・・!」


太 
「何だよお前...
さっきから泣きそうなツラして...

まっ!まさかっ!!お前っ!!」


虎之助
「だって俺・・・
本当に小便が漏れそうなんだけど・・・」



「さっき便所で済まして来たんじゃないのかよっ!?」

 
虎之助
「まだ...
小便してない...
俺...便所で順番待ってたのに...
ケン坊が急に走ってきて無理矢理連れて来られたから結局行けなかったんだ...」


太 
「な...なんだと~!?
おいっ!
この試合ダメだぁっ!
中止にしないとっ!!」


審判
「西郷君っ!! 
いい加減にしないかっ!!
早く土俵に上がれっ!!」


痺れを切らした審判は...
ついに虎之助の腕を怒り任せに掴み...
土俵内へ上げてきた...


審判
「白線の前に立って!!」


虎之助
「あ・・・あの・・・
そ・・・その・・・」


ついに尿意が我慢の限界を超えた虎之助...
審判の顔を涙目で訴えるかのように見つめるものの、その本心には気づいてはもらえなかった...


審判
「礼っ!!」


虎之助
「う・・・うぅ~・・・
うぇぇ~・・・ぇぇえん・・・!」


野村中学相撲部員
「おいっ!なんかあいつ・・・
赤い顔して泣いてるぞー!!
ギャハハハッ!変なやつー!!」


審判
「西郷君!!
試合前だというのに...
何メソメソ泣いてないるんだ!!
早く礼してっ!礼っ!!」


虎之助
「あ・・・あ・・・あぁ・・・」


虎之助は...
審判に怒鳴られながらしょうがなく...
礼をした...




もうダメだ...

あと1分も我慢できない...

今から便所に走っても間に合わない...

僕はまた大勢の前で...
とんでもない大失態を晒してしまうのか...

こんな相撲大会の晴れ舞台に...

廻しを締めたまま...

う...ぐしっ...ぐしっ...!

これから起こる悲劇の幕開けが現実となってしまう...

そう思った僕は...
礼をしたまま泣いていた...

僕の目から溢れた涙は... 
頬から鼻の頭を伝い...
一滴が土俵の白線の上にポツン...と落ちていった...



「ケン坊...
これマズいぞ....!
あいつまだ便所で小便済ませてきてないってよ!!」


ケン坊
「1試合だけ・・・!
負けてもいいから1試合だけの辛抱だ…
我慢しろ虎助!!」



正次郎
「虎之助ぇぇーーーっ!!
野村中のアホどもに負けるなよぉー!!
おもいっきり頭ぶちかましてやれいっ!」



審判
「両者構えてっ!!!」



虎之助
「う・・ぐっ!・・あ・・ぐうっ・・・!
ハァッ・・・ハァッ・・・・!!」


一瞬だけ気を緩めてしまった股間に力をグッ...!っと入れたのだが...!!

廻しの前袋の中で陰茎の先からおしっこが尿道から水鉄砲のようにジュバッ!...と漏れ出してしまった!!


「あっ・・・!!」




その状態で...
体を震わせながら...
どうにか頑張って構える姿勢をとるために足を開いたその時...




再び前袋内の陰茎から水鉄砲のような放尿がまたジュバッ!っと2度3度・・・
どうにか膀胱に力を入れる・・・

しかしダメだ・・

もっと溢れ出して・・・

溢れ・・・



ジィィィィィィィィワァァァァァァァァァァーーーーーーーー・・・・・・・・・




・・・・・・・・・・・・・



僕はとうとう...
尿意の限界を迎えてしまった...

構えの姿勢をとるために....
足を大きく開いて...

腰を深く下ろして...

土俵の白線の前に左手をついたその時でした...
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ポト.....

ポト...ポト....

ポト...ポトポトポト....


僕の開いた両足の真ん中に...
雫が土俵の土へと滴り落ち....

だんだんと廻しの前袋内がジワジワジワ~と暖かくなっていく...

もう...
下腹部をグッ...!と膀胱に力を入れても尿道を通るおしっこが止まらない...

だんだんと視界は涙でボンヤリと霞みだし...
体はさらに激しくブルブルと震わせながら...



「も...もうダメだ...!!
これ以上我慢できない...!!」


プツ・・・っと...

緊張の糸が切れる...

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僕はここであきらめてしまい...

下腹部に力を入れるのをやめた...


その瞬間...
廻しの前袋からは盛大に...!!
「ジュバァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーー・・・!!!!!!」
と我慢していたおしっこが溢れ出す音が鳴りだした...

そして...
「ビチャ!ビチャビチャ・・・!!
ボタタタタタタタタタタタッ・・・!!」

廻しから溢れ出した大量のおしっこは...
容赦なく勢いをつけて土俵に滴り落ちていく...
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審判もようやく僕の異変に気づいたようでマイクを土俵に投げ捨て...
僕に警告するかのように...
耳元で何か叫びながら伝えている...

ショックで放心状態だった僕は...
あまりハッキリとは覚えてはいない...

でも...

「あぁ~~あ・・・!
中学生にもなってこんなこと....!!」

....と言っていたような気がする...

そして...
僕の正面で構えていた...
廣田貴司君は...

あまりにも突然な大失態に...
呆気にとられた表情をしていました...

それから審判が慌てて僕を後ろから両脇を抱えて立ち上がらせると...

下腹部への意識はとうに脱力していた僕は...

膀胱いっぱいに我慢していた大量のおしっこを全て漏らしてしまいました...

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「ジュジョォォォォォォォーーー!!!
ビジャァァァァァァーーーー!!!」

廻しの前袋からおしっこが更に勢い増して盛大に溢れ出し...

「ボタボタボタボタボタボタ!!!
ジュワジョッオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーー・・・・!!!」

・・・と・・・
周囲にも隠しきれない程に溢れ出す激しい失禁音...

ずっと我慢していた大量のおしっこは...
まるで滝のような勢いで股間から太股を伝いながら足元へと流れ落ちて止まらない...

僕が立っている足元周りには...
じわじわじわぁぁ~~・・・っと・・
生暖かいおしっこが瞬く間に水たまりとなって広範囲に広がってゆく...

そして廻しの雲材帆木綿の生地から染み出したおしっこの匂いはまた独特で...

鼻を突くようなしょっぱい香りとなって辺りに広がってゆく・・・



とうとうやってしまった・・・
恥ずかしいなんてものではない・・・



僕は悔しさに顔を真っ赤にして...
歯で唇をギユッ...!と噛み締めながら... ショックで呆然と立ち尽くす事しか出来なかった...

うつむいて...
その様子をぼんやりと涙目で見つめながら羞恥心と無念と屈辱と敗北感だけが心身に深く刻まれてゆく...

本当に自分が情けない... 
だけどどうしてもおしっこが我慢できなかったんだ...

相撲大会でお漏らしをしてしまった中学生の相撲部員なんて聞いた事がない...
こんな大勢の人が見ている土俵の真ん中で...





春先の...
まだ寒い4月の風が吹いている相撲競技場...

廻しを締めたまま我慢できずに漏らしてしまった大量の小便が...
皮肉にもこんなに暖かいなんて知らなかった...
次第に僕の足元からはゆらゆらと白い湯気が立ち篭める...




晴れ舞台のはずだった相撲大会...
短く刈り上げた男らしい坊主頭...
厳しい稽古で日々鍛え上げた逞しい体に...
グイッと勇ましく締め込んだ廻し一丁の相撲部男児は...


残念な事に...
おろしたての新しい白い稽古廻しも...
大量の尿失禁で濡らしてしまい...
恥ずかしながらも股間部の前袋はグッショリと黄金色に染まっている...


僕は無様にも足元へと溜まってゆく尿失禁の湖を見ながら...

まるで幼稚園児のように...
声を上げて泣きじゃくっていました...。




つづく...

どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

ウィーーー・・・ン・・・

テレレ...♪テレレ...♪テレレ...♪

古びた自動ドアが開き、来客を察知して単調な効果音が3回繰り返して鳴る...


「おや...いらっしゃい...」


お店の入り口付近にあるレジの番台で...
退屈そうにテレビを見ている店主らしきおじさんがこちらを見てそう言った...


「皆の衆や..
.一年振りじゃのう...」

「かっかっかっかっかっかっか!」


わしの名前は...

ナイトショップ「ふくろう」の店主。

「森之風九朗」じゃ...

皆はちゃんと覚えておったか?

昨年の始めに登場したからわかるよのう?

2つ前の記事じゃから嫌でもわかるわな!

かっかっかっかっかっかっか!


先ずは...新年の御挨拶じゃ...

皆様、新年あけましておめでとう御座います、本年も宜しくお願い致します。

...と言っても、このブログも...
わしの店もこの通り閑古鳥じゃ!

かっかっかっかっかっかっか!


さて、昨年は「おやちゃいぼうず」のうり坊が来てくれたが、今年は見えんのう...

実はのう...
今、虎之助は今必死で年始めの記事に投稿さるイラストを描いてるそうじゃが、正月の三が日まで間に合いそうにないんで、急遽別の年始め用の記事を書く事になったそうじゃ...


さて...
今回はどんなお話になるとやら...

早速本題に入るとするかのう...

かっかっかっかっかっかっか!



「どすこい!西郷虎之助の七転八倒!」

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2022年 1月1日

紅白歌合戦が終わって...
ゆく年くる年が始まってしばらくすると...

僕は毎年のように分厚い新聞を配る...

寒波の中、白い息をあげながら...
丁重に新聞を折り曲げ...
各々のお宅にあるポストや新聞袋へと配って行く...

今年で丁度20回目となる...

僕は人生の半分近くも...
新聞を配って来たんだなぁ...

冷たい風を受けながら...
今年で4年目となる...
ポンコツ丸3号」と共に住宅地や田畑を周る...

除夜の鐘を突く音が鳴っていた...

ほのかに護摩たきの香り...
片手薬師のかな...

新聞販売店から3回分けでようやく全ての新聞を配り終わる...
今年も雨が降ることなく無事に終えた...

この20年間...
元旦に雨が降られた経験は一度もない...

ジャージのポケットに潜らせといた100円玉を...
冷くなった手で取り出し...
100円均一の自動販売機で、ホットココアを買った...

取り出し口から出すと...
僕はココアの缶を両手で握りしめ...
冷たい頬に当てたりして暖をとる...

すぐに飲まずに、お腹のところに入れて...
ポンコツ丸に乗ってそのまま帰る...


...はずだったが....

僕は急遽公民館へと向かい...
広場にポンコツ丸を停める...

そしてジャンパーを脱ぎ...

足を広げ...腰を深く落ろすと...

右足を上げ...

ドスンッ!と力強く下ろす...

今後は左足を上げて...

ドスンッ!と...また力強く下ろす...:

僕は四股踏みを始めたのだ...

20回程繰り返すと...
寒かった体が...
ぽかぽかと暖かくなり...
額から汗が流れ始める...

四股を100回踏み終えると...

今後は摺り足を繰り返し...
繰り返し行った...

どうしてこんなことを始めたのかというと....ね....




「深山町公民館相撲稽古道場」


高橋正次朗(以下正次朗)
「えーー・・・
深山中学相撲部OB会・及び深山町相撲連盟の会長を代表致しまして...
新年の御挨拶を....

深山町の相撲連盟の皆様、深山中学相撲部OBの方々、現役中学相撲部のみんな、わんぱくちびっ子力士のみんな、いつも応援してくれている諸君!!

新年あけまして...
おめでとうございます!!!」


他の皆
「おめでとうございます!!!」


正次朗
「昨年、一昨年と、コロナウィルスの影響で、深山町の相撲行事、県大会、全国大会、青年部春の選抜戦、秋の奉納相撲の、全てが中止となり、相撲栄える深山町として、誠に残念な年となってしまいました、しかし....
深山町では、これまでのコロナ感染者はゼロ人でした、それが実り、ようやく今年2022年より、全ての相撲行事が実行される事が叶いました....!!」


拍手喝采
「パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!」


正次朗
「2022年元旦、本日こうして深山町の相撲連盟やOB会の方々、現役中学相撲部員、わんぱくちびっ子力士たちと初土俵に集まって頂いた事、誠に喜ばしく思います!」


正次朗
「本年は深山町の相撲の繁栄を願いまして....先ずは...
一本締めーーーーーー!!!」


正次朗
「いよぉぉぉぉぉぉぉーーーー!」

全員
「パァンッ!!!」

正次朗
「みんな頑張れよぉぉおおお!!」

全員
「パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!」


正次朗
「さて!深山町相撲関係者の皆様...
久しぶりだとは思いますが...
本日は懐かしい男を連れてきましたので紹介致します!!
.

私の古き同級生の仲間...
西郷虎之助でごさまいます!」


正次朗
「さぁ虎之助ぇ!こっち来いやぁ!!」


西郷虎之助(以下虎之助)
「え・えぇぇぇ・・・・!!!」


正次朗
「早よ前に来んかいや!!虎之助ぇ!」


虎之助
「い・・・いいよぉ・・・」


正次朗
「しばらく皆と顔合わせんかったんやから早よ来て御挨拶しろや!!」


虎之助
「いいってば・・・
なんでこっちに振るんだよ・・・」


正次朗
「何をオカマみたいにもじもじしとんや早よ来い!この野郎!やっと元旦の初土俵に顔だして来おったからな!!」




正次朗は嬉しそうに嫌がる僕の手首をギッュ!と強く掴んで前に連れて行った...



正次朗
「さぁ虎之助ぇ!皆様に御挨拶じゃ!
ほれ!しばらく振りじゃろうが!
コラッ!ちゃんと前向け!!」


虎之助
「う・・・うぅ・・・」


高橋恵(正次朗の奥さん)
「虎くぅ~~~ん♪
頑張って~~~~~~♪」


虎之助
「あ・・・あ・・・・
あ・・・あの・・・そ・・・
そ・・・その・・・・・」


相撲連盟の人々
「虎之助って、西さん家の息子かいや」

「はじめさんとこの息子や、ほれ農家の」

「はじめさんは奉納相撲で横綱になった人や、気難しい人じゃけんあまり皆とは話さんけどのう...」

「親父さんは誠はんやったわいなぁ...」


深山町の古い相撲連盟の御老人方々が僕の噂をヒソヒソしだす...
さらに....


深山中学相撲部OBの連中

「虎之助ー!大丈夫か~??
ちゃんと小便行ったか~~??」

「またおしっこ漏らすんじゃないか~?
ギャハハハハハ...」

「思い出さすなよ...!笑っちまうだろ!」

「ほら、あいつだよ...
入学式の時...やらかした奴だよ...!」

「あいつ大会の閉会式でもやらかしたんだぜ...!」

「親父さんと相撲連盟の前会長さんに怒られてわんわん泣いてたよなぁ!!笑」

「見ろよ...
顔が半べそになってるぜ...
あいつ今漏らしてるんじゃないのか?」


これだから相撲部OBの連中と顔をあわすのが嫌なんだ...
僕をみる度に過去の失態を掘り返して笑い話す奴ら...

大体僕の噂をするOBの連中は深山町から出ていない田舎の人間、都内に就職して1週間で逃げ帰って来た奴だっている、結局深山町でしかデカい顔出来ないから地元に戻ってきたんじゃないか...

そんな情けない奴らに...
何で僕が笑われないといけないんだ...


僕は顔を赤らめて何も言えないでいると...



柴田幸信(以下ユキラス)
「みんな静かにしないか!
今虎助が話そうとしてるんだから!」


僕は突然その声にハッ...とした...

後ろの方で腕を組みながら...
がっしり太い体格の親父が厳しい表情で僕の方を見ている...
泥に汚れた稽古廻しを逞しい体にしっかり締め込んで...

その姿は以前の甘ったれボンボンだった頃とは違い、結婚して父親となったかつての同級生...

ユキラスだった...

ユキラスは5年前に...
深山町に引っ越してきた市原海斗くんの母親である市原美智子さんと結婚した。

ユキラスは美智子さんを大切にし、海斗くんを実の息子のように愛情を注ぎ、強く厳しく逞しく育てた。

深山町ちびっ子相撲クラブに入った頃は...まだ小学5年生だった海斗くんも今では高校生になり...
小さかった体も、今ではユキラスの身長を抜いて175cm体重は95kgと大きな体に成長した、深山中学相撲部ではキャプテンを務めた。

そして...
昨年ユキラスと美智子さんの間に...
可愛らしい男の子が誕生した...

名前は「柴田孝太郎」

(正次朗が金太郎と提案したが却下された)


僕の知らないうちに...
ユキラスはすっかり親父の顔になっていた...


そんなユキラスと僕は...
些細な言い争いから大喧嘩をして絶縁状態が続いている...

それは3年前、父に酒米工場の手伝いを1日頼まれた時...
父が乗ったフォークリフトの爪先に吊り下げた米袋が落下して腕が下敷きになり、大怪我を負って入院していた時だった...

お見舞いに来たユキラスが言った一言に腹を立ててしまい、僕はユキラスに言ってはいけない事を言い放ってしまったのだ...

病院で大喧嘩をして、僕とユキラスは正次朗にもぶん殴られ、それから「お前とはもう絶交だ!」
泣きながら病室のドアをバンッ!と開けて走り去ってから...
今日まで僕とユキラスは一度も口を交わす所か合っていなかった...

それから腕の具合も奇跡的に回復して、今日こうして十数年振りに元旦の初土俵に顔を出したのは...

ユキラスと仲直りするためだったんだ...

昨年の12月28日の夜、正次朗に電話で僕の思いを全て話した...

すると正次朗は..:


正次朗
「よっしゃ!わかった!
虎之助の気持ちはよう分かった...
わしが協力しちゃるけえ、新聞配り終えたら深山町に帰って来い!
そしてお前も深山中学相撲部の一員なんやから、今年は元旦の初土俵が久しぶりに行われるさけぇ!
堂々と参加して!ちゃんと皆にも挨拶せえよ!ええな!」


虎之助
「うん...
わかった...
今年は参加する...」


正次朗
「なんや~!
弱気やなぁ~・・・!?」


虎之助
「あの...さぁ...」


正次朗
「あぁ~ん...?」


虎之助
「ユキラスさぁ...
まだ怒ってる...?」


正次朗
「さぁ~のぅ...
あいつも昨年チビが生まれたけん...
それであれこれ忙しそうやぞ~」


虎之助
「ほ...ほうなんかぁ...
とうとう...あいつも...
本物の父親になったんだなぁ...」


正次朗
「お前一人だけやぞ!
独身は・・・!」


虎之助
「もういいって...
結婚の話は...しないでよ...」


正次朗
「ほじゃけんお前は曽我部と結婚しとったら良かったんじゃ...
そうすれば今頃チビの一人や二人ぐらいこさえて幸せに暮らせとったのにのう~・・・」


虎之助
「もう遅いし切るよ...
明日も朝早いから...」


正次朗
「また逃げやがって...」


虎之助
「だって....」


正次朗
「だってじゃないわい!あほう!」


虎之助
「じゃあ切るよ...」


正次朗
「廻し忘れんなよ!
ちゃんとあるんか!?
無いんなら道場の汚いやつになるけど貸し出し用のやつ準備しておくぞ!」


虎之助
「九桜3号買った...」


正次朗
「おろしたては硬いけん...
わしが締めるの手伝ってやらい!」


虎之助
「うん...
ありがとう...」


正次朗
「大丈夫じゃけんのう!
心配すなや!
絶対にユキラスと仲直り出来るさけぇのう!!」

虎之助
「うん...」


正次朗
「じゃあの!
気いつけて来いよ!」


虎之助
「あ...うん...」


正次朗
「おう!おやすみ!
わしから切るからな!」


虎之助
「うん...
おやすみ...」


「ピッ...♪」


通話はとうに3時間は過ぎていた...

僕はスマホの通話画面から待ち受け画面に切り替え、しばらくジッ...と眺めながら...

2個の目覚まし時計の針がサクッ...サクッ...サクッ...と...
暗い部屋で刻み鳴っている音だけが聞こえた...






正次朗
「ほれ、虎之助ぇ!
ユキラスもちゃんと聞いとるぞ!
お前の思っている事を今ここで吐き出せ!!」



僕は今、十数年振りに...
この深山町公民館相撲稽古道場で...

裸の体に真新しい廻しを締め込み...
相撲連盟、深山中学相撲部OB、深山中学現役相撲部、深山町わんぱくちびっ子ちびっ子力士、保護者や関係者の皆の前に立っている...

今言わなくちゃ...
ここで逃げたら...


みんながこっちを見ている中...
腕を組んで厳しい表情のユキラスと目が合った...


虎之助
「ぼ..
.僕は...」


震える体に...
真っ赤になった半べそ顔で...
僕は唇をグッと仁王像のように瞑ると...

静かに口を開き...

僕の思いを打ち明けた...


「続く」


西郷虎之助2022年
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新春!虎之助スペシャル!!「丑年の年賀状」

おやおや...?

いらっしゃい...

寒いのによう~来てくれましたのう...


え~・・・先ずは
年が明けたという事でご挨拶を・・・

当ブログへお越しの皆様...

「新年あけましておめでとうございます」

本年も御贔屓願います...


・・・と

挨拶をしたのは良いのじゃが・・・

肝心の管理人がおらんのだわな~・・

ん・・・・?

わしが誰かって・・・?

かっかっかっかっか!

わしはのう~・・・

ナイトショップ「ふくろう」の店主

「森ノ風九朗」じゃ...

皆の衆よ・・・

久しぶりじゃのう!!

この通り、わしはピンピンしとるぞい!

かっかっかっかっか!

まぁ...
わしなんてのう~・・・
元気なだけが取り柄の太ったオヤジじゃよ・・・

・・・・ん!?

知らんとや・・・・!?

はぁ~~~~~~・・・・

なんとも寂しいもんじゃのう~・・・

Yahoo!ブログ時代はレギュラー出演していたわしを知らんとは・・・

このブログの読者層も...
すっかり変わってしもうたんじゃのう~・・・

無理もないわな~・・・

ブログをYahoo!からはてなに移籍してからは・・・
すっかり更新が途絶えてしもうとるんやからのう~~・・・

今日もこの通りもぬけの殻の閑古鳥じゃ・・・

ほんにどうしたものかのう・・・

はぁ~・・・



・・・と
森ノ風九朗が小さく溜息をついた時でした・・・


おじさん・・・!!
ふくろうのおじさん!


自分の名を呼ぶ子どもの声が・・・!


風九朗
「おやおや・・・!
その声は・・・
うり坊じゃな・・・!」


うり坊
「うんっ!おいら、おやちゃいぼうずのうり坊だい!」


風九朗
「はて、うり坊や・・・
姿が見えぬが・・・
どこにいるのじゃ・・・!」


うり坊
「おじさん!あのね!
おいらたち、おやちゃいぼうずの絵を描いてもらえないから姿が出せないんだいっ!」


風九朗
「おやおや・・・
そういう事じゃったのか~・・・
かわいそうに・・・」


うり坊
「あのね、これからみんなに...
おやちゃい村に来てもらいたいんだ・・・!」


風九朗
「ありゃりゃ・・・
わしの出番はもう終わりかや・・・
せっかく久しぶりに出演出来たというのに・・・」


うり坊
「おじさんごめんなさい・・・
でも...おいら...どうしても絵を描いてもらいたいんだ...」


風九朗
「かっかっかっかっか!
なぁ~・・んにも気にせんでかまわんよ・・・!
じゃがのう~・・・
うり坊や・・・
先ずはみなさんに新年のごあいさつじゃよ...」


うり坊
「うんっ!!みんな!あけてまし、おでめとうごまいざすっ!!」


風九朗
「・・・・・・・・・。

うむっ...まぁ...よかろう...
ではうり坊や...
行っておいで~・・・」


うり坊
「うんっ!
おじさん!じゃあねー!!」


風九朗
「さてと...
わしもそろそろ店を開ける準備をするかのう~~・・・
初売りじゃ!
お客なんて1人も来やせんがのう!
かっかっかっかっかっかっかっか♪」


うり坊はおやちゃい村へ行き...
ナイトショップ「ふくろう」の店主
森ノ風九朗は重いお尻を上げ...
初売りの準備に取りかかった...












「おやちゃいぼうず」







おやちゃい村の「安養寺」

このお寺には...
独り身の和尚様と、虎丸という村の力士が...
ひっそり2人で暮らしておったとさ...


戦の最中に親を失い...
まだ子どもだった虎丸を和尚は引き取り、寺の坊主にしようと大事に育てた・・・
しかし・・・
虎丸はたいそうなわんぱく小僧で和尚の手にはとても負えず...

しかし力だけは村のどの男達よりも強く...
おやちゃい村の豊作を願う愛宕山奉納相撲では見事横綱になり力士となる。

さらに畑の作物を運ぶ力人としても活躍してくれるので、和尚は虎丸を寺の坊主にするのは諦めたそうな・・・


さて...
安養寺の和尚と虎丸の元へ帰ってきたうり坊は・・・



うり坊
「おしょうしゃま~~!
おしょうしゃま~~~!!」


和尚
「おや...?
うり坊や...
おかえり、今日はどこまで遊びに行っておったのじゃ?」


境内の鐘をついていた和尚が...
にっこりと福々しい笑みを浮かべながら...
うり坊にやさしく問いかけた...


うり坊
「あのね!
ふくろうおじさんのとこに行ってたんだ!!」


和尚
「ふくろういおじさん・・・?
はて・・・変わった名の者じゃのう・・・
村の者では無さそうじゃが...
あまり見知らぬ者と関わると...
危ない目に遭うかもしれぬ・・・
うり坊主や...
今度からは気をつけるのじゃぞ...?」


うり坊主
(あ・・・そうだ・・・!
おしょうしゃまは、ふくろうのおじさん知らないんだ・・・!)
「お・・・!
おしょうしゃま!!
と・・・虎丸は~~?」


和尚
「虎丸ならまだ畑の収穫から戻って来ておらんが・・・
まぁ...
そろそろ帰って来る頃じゃろう...」



・・・と和尚がそう言った時じゃった・・・



虎丸
「おーーーーーーーい!
和尚ーーーーっ!
今帰ったぞーーーーー!!」


米俵と野菜などの作物を両肩に抱えた大きな体の虎丸が山門を潜り...
のっし...のっし...と境内をがに股で歩いて来た...


和尚
「虎丸や...
おかえり、今日も畑の収穫ご苦労じゃった...」


虎丸
「今日は百姓から米俵1俵、野菜は大根、人参、ゴボウ、獅子唐辛子もろうたわい!がっはっはっは!」


和尚
「ありがたや...
天地の恵み、万民の労苦に感謝し...
ありがたく頂きます...南無南無...」


虎丸
「はぁ~~~・・・あ・・・
わしはもうクタクタじゃ~・・・..
和尚、米俵と野菜はわしが倉に運んどくからのう...
すぐ風呂の火焚いておいてくれ...」 


和尚
「風呂ならもう火ぃ焚いて熱まっとるよ、うり坊と一緒にお入り...」


うり坊
「虎丸!おかえり!!」


虎丸
「なんじゃ、ちび助!
そこにおったんかいや....
わし気づかず踏みつぶすとこじゃったわい。」


うり坊
「おいら...!ちび助じゃないもんっ!
うり坊っていうんだいっ!!」

虎丸
「ちびじゃからちび助でいいんじゃ!ちび助!ほれ、風呂はいるぞ!!」


うり坊
「虎丸のいじわるっ!!
おいら...虎丸大好きだけど...
ちび助ってバカにするから大きらい!!」


虎丸
「がっはっはっはっはっは!!
大好き言うたり、大きらい言うたりお前はようわからんやっちゃのう~
やいっ!ちび助!お前はちび助がお似合いじゃ!」


うり坊
「うわぁぁ~~~~~~~~~・・・ぁあんあんあんあん!!!
またちび助ってバカにする~~~~~!!
虎丸のいじわる~~~~!!」


虎丸
「ああぁぁ~~~・・・あ・・・
またちび助が泣き出した~~・・・
うるさいのぅ~~~~・・・
もう~・・・」


虎丸に「ちび助」とバカにされ...
とうとううり坊が泣き出してしまいました・・・

すると・・・



「ポカッ!」



虎丸
「いてっ!!」


和尚
「このバカもんっ!!
うり坊は仏様の申し子じゃぞ!!
いじわるすると仏様のバチが下るぞ!!」


虎丸 
「お・・・
和尚ぉ~~・・・・
またわしに拳骨かまして・・・」


和尚 
「ちゃんとうり坊に謝るのじゃっ!!」


虎丸 
「あぁぁ~~ぁぁ~~ぁぁ・・・
めんどうじゃのう~~・・・」


うり坊
「うぇぇ~~~・・ぇぇ・・・ん!
ひっく!ひっく・・・!」


虎丸 
「・・・・・・・・・・・。
す・・・すまん・・・
悪かったわい・・・
謝るからのう~・・・
ほじゃからもう泣くなや・・・
ちび助よぉ~・・・」


うり坊
「また、ちび助って言った!!
虎丸のバカッ!
おいらもう・・・
もう・・・」


・・・・と
うり坊が泣きながら虎丸にそう言った時じゃった・・・



フワッ・・・・
・・・・と


突然うり坊が消えてしまったとさ・・・

 


虎丸
「わわわっ!!!
ちび助が消えてしもうたぞっ!!」


和尚
「な・・・なんとまぁ~・・・」



風の吹かれた笹の葉と共に消えてしまったうり坊に驚く和尚と虎丸・・・



虎丸
「お・・・おい・・・
ちび助・・・・
どこに行ってしもうたんじゃ・・・」


和尚
「・・・・・・・・
仏様がうり坊を連れ戻してしもうたんじゃろう・・・
虎丸がうり坊にいじわるするから・・・」


虎丸
「そ・・・そん・・・な・・・
わ・・・わし・・・・
そんなのイヤじゃ・・・」


虎丸の目からは大粒の涙がボロボロとあふれ出す・・・


和尚
「バカもん・・・
今さら泣いてもうり坊は帰ってこん・・・」


虎丸
「お・・・和尚・・・
ど・・・どうにかしてくれ・・・
本堂でお経唱えたらまたうり坊が帰ってくるかもしれん・・・
なぁ・・・ 
グスッ・・・グシッ・・・
う・・・うぅ~~・・・
和尚・・・たのまいや・・・」



和尚
「うり坊はのう・・・
戦で無くなった子どもの魂を畑の作物に与えた座敷わらしじゃ・・・
いくらわしが本堂でお経を唱えても・・・
うり坊は2度と現世には現れまい・・・」


虎丸
「いやじゃ・・・
いやじゃあぁぁ~~~・・・!」


虎丸は大粒の涙と鼻水を垂らしながら和尚の肩につかまり震えながら訴えた・・・


和尚
「・・・・・・・
虎丸や・・・
どうして素直になれなんだ・・・
本当はうり坊が好きでたまらんのじゃろう・・・?」


虎丸
「・・・・・・・
だって・・・だって・・・
ちび助が・・・いっつもわしに付いてくるのが可愛くてしょうがないから・・・
つい...
いじわるしてしまったんじゃ・・・・」



和尚
「素直に可愛がってあげたなら...
一緒に過ごせたのにのう~・・・
わしもうり坊が来てくれてから本当に心温まる毎日を過ごせて幸せじゃった・・・
仏様に毎日お経で感謝をお唱えしたのじゃ・・・」


虎丸
「わ・・・わし・・・!!
探してくるっ・・・・!!」


虎丸は泣きながら...
うり坊を探しに行こうとするが...


和尚
「かぁぁーーーーーーつ!!(喝)」


虎丸
「うひっ!」ビクッ・・・!!


和尚
「虎丸や・・・
探しても無駄じゃ・・・
もう現世にうり坊はおらん・・・
あきらめるのじゃ・・・」


虎丸
「い・・・
い・・・・
いやじゃ・・・・
いやじゃ・・・・
そんなのイヤじゃああぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああっっ!!!」



日はすっかり西に沈み...

まっかな夕焼け空のなか...

カラスと虎丸の泣き声が...

暗くなりゆくおやちゃい村の山々に
大きく響き渡りましたとさ・・・






うり坊は...
どこへ行ってしまったのでしょう...




あたたかい風が吹いている...
広い大草原の草たちがサラサラと波のように揺らめくなか・・・.

うり坊の姿がありました・・・


おや・・・?
うり坊だけではないようです・・・

ここはどこなのでしょう・・・










「チャイルドホーム」







ねぇ...

君は知ってるかい...?

遙か遠い星の彼方に・・・

動物たちが仲良く暮らす惑星があるんだ・・・


そう...

ここは...
アニマルプラネット...




ようこそ...

「アニマルランド」へ...





広い広い大草原のまんなかに...

親のいない子どもたちが仲良く暮らしている...
 
赤いとんがり帽子が目じるしの...
孤児院施設の修道院...

「チャイルドホーム」がありました...


このとんがり帽子の...
チャイルドホームで...

子どもたちがどんな暮らしをしているのでしょうか...

みんなでちょっぴりのぞいてみましょう...














「ただいまーー!!」

玄関から元気な男の子の声が聞こえて来ました...


この子はだれなのでしょう...?



けんと
「ただいまーーーーー!!
ああ~~!消防士さんごっこ楽しかったなぁ~!!」



けんとくん
5歳の元気なタヌキの男の子です。



ひとみお姉ちゃん
「けんちゃんお帰りなさ~・・・
ああーー・・・!!
けんちゃんまたどろんこだらけになってー!!」


けんと
「えへへ♪
消防士さんごっこしてたらころんじゃった♪
ひとみお姉ちゃん、おやつは~?」



ひとみお姉ちゃん
「こら!けんちゃん。
どろんこだらけじゃダメだぞ!
おやつはお風呂にはいってから!」



けんと
「えぇ~~・・・!
はやくおやつ食べたいよ~~~!」



ひとみお姉ちゃん
「今日のおやつはね!
ヨーグルトゼリーにお星さまのクッキーだよ!
お風呂はいらないとあげな~い!」



けんと
「わあっ!
ヨーグルトゼリーに、お星さまのクッキー!?
おいしそう!!」


ひとみお姉ちゃん
「はやくお風呂にはいらないと・・・
みんなが食べて無くなっちゃうぞ~~~・・・?」


けんと
「わっ!わっ!わっ!
やだやだやだぁ~~~~!!
ぼく、お風呂はいってくる~~!」


ひとみお姉ちゃん
「よろしい!
タオル用意してるからね~~!」


けんと
「はぁ~~~~・・・い!
ちゃんとぼくのぶんのおやつとっといてね~~~!!」


ひとみお姉ちゃん
「はいはい♪
うふふ・・・
けんちゃんったらわんぱく坊主なんだから・・・」


エプロンをしてるのは...
ミケ猫のひとみお姉ちゃんです... 

小学6年生でみんなの中で1番年長さんの12歳。

お菓子やお料理を作るのが大好きな女の子、みんなの頼れるお姉さんです。



「ただいまー」


またまた男の子が帰ってきました。



ぽん太
「ただいまー
ひとみお姉ちゃん、おやつー!」



ひとみお姉ちゃん
「あら!ぽんちゃんおかえり!
今日ははやかったじゃない!」



ぽん太
「だってー・・・
けんちゃんと、ほのぼの湖で遊ぼうと思ったのにさ、消防士さんごっこがいいって、幼稚園のお友だちん家へ行っちゃったんだもん、ぼくひとりじゃあつまんないや・・・」



ひとみお姉ちゃん
「ぽんちゃんはお絵かきしてたんでしょう?
けんちゃんは消防士さんに憧れてるからしょうがないよ・・・
大きくなったら消防士さんになるんだってさ!」




ぽん太
「ぼくはお絵かきが好きなんだもん、消防士さんごっこなんてやだもーん」



ぽん太
お絵かきが大好きなタヌキの男の子、7歳の小学1年生です。



ひとみお姉ちゃん
「でもさ...
ぽん太はよく...
ほのぼの湖のほとりで居眠りしちゃうでしょう?
お姉ちゃん、夕方むかえに行くのが大変だっんだから~」 




ぽん太
「ひとみお姉ちゃん、今日のおやつなに~♪」



ひとみお姉ちゃん
「うふふふ・・・♪
ぽんちゃん、おてて洗ってきたら教えてあげる~♪」



ぽん太
「えぇ~~~~!?
もったいぶらないで教えてよ~~!」



ひとみお姉ちゃん
「だめ~~!
ちゃ~んと... 
おててを洗ってからじゃないと教えてあげなぁ~~~い!」





「ひとみお姉ちゃーん!
おてて洗ってきたよ~~~♪
おやつ食べて良いよね~~~♪」




今度は...
けなげな女の子の声が聞こえてきました...



みぃー子
「えへへ♪
わぁ~~~い♪みぃー子がおやつ1番のりだもんね~~~♪♪」



みぃー子
とっても走るのが速い...
うさぎの女の子、8歳の小学2年生です。




ひとみお姉ちゃん
「みぃーちゃん!
ちょっとお姉ちゃんにおててを見せてご覧なさい...!」




みぃー子
「えぇ~~!やだやだやだぁ!
おやつはやく食べたぁ~~~い!」




ひとみお姉ちゃん
「みぃーちゃん!ちゃんと石鹸でおてて洗ってないでしょう!?
おやつはまだダメッ!
ぽんちゃんと一緒におてて洗ってきなさい!」




みぃー子
「えぇ~~~~~~・・・!
そんなぁ~~~~・・・!!」




ぽん太
「ぼく先におてて洗ってきまーす!」



ぽん太はダッシュで洗面所へ行ってしまいました...



ひとみお姉ちゃん
「あ!みぃーちゃん!
早くしないとぽんちゃんにおやつ食べられちゃうぞ!!」



みぃー子
「あぁーーーっ!!
ぽんちゃんずるーいっ!!」



みぃー子はぽん太を追って、洗面所へ走って行きました。





「たっだいまぁーーーー!!!
あー腹へったーー!!
ひとみ姉ちゃん!おやつ!おやつー!!」


またまた元気な男の子の声が玄関から響きました。

今度は、けんと、ぽん太より...
もっともっとやんちゃ坊主な男の子です。



たいち
「ひとみ姉ちゃーん!
おやつあるんでしょーー!?
早く!早く!おれ腹ペコなんだよー!!」


サッカーが得意な男の子...
イタチのたいち...
9歳の小学3年生です...。


ひとみお姉ちゃん
「キャーーー!!
たいち・・・!
どうしたのよそのユニフォーム!!
まっっ黒じゃないっ!!」


たいち
「だって昨日雨ふっただろ?
グラウンドが水たまりだらけだったんだよ!
しょうがないじゃん!」


ひとみお姉ちゃん
「冗談じゃないわよっ!!
そんな泥だらけのユニフォームでおやつ食べたら台所が汚れちゃうじゃない!
たいちも今すぐお風呂にはいって!
じゃないとおやつあげない!!」



たいち
「えぇぇぇーーーーーーっ!!
めんどくさいなぁっ!!
ちょっとだけ食わせてよっ!!
おれ腹へってんだよ!」




ひとみお姉ちゃん
「だーーーーーーーーーーめっ!
台所を誰がおそうじすると思ってんのよ!!
早くユニフォームも洗濯するからぬいでぬいで!!」



たいち
「ちぇっ・・・!!
うるさいなぁ~・・・
わかったよもう~・・・」



ひとみお姉ちゃん
「はぁ~~~ん・・・
やだよもぉ~~~・・・・
泥だらけのまっ黒なユニフォーム・・・
私のエプロンが汚れちゃう~・・・」



たいち
「おれが風呂から出るまでおやつ残しておいてくれよ!?
絶対にぽん太やみぃー子たちに食べさせたらダメだかんな!!」




たいちはそう言いながらユニフォームを脱いでパンツ一丁でお風呂場へ向かいました・・・



ひとみお姉ちゃん
「あっ!たいち~~!
今お風呂にけんちゃんがはいってるから、ついでにけんとの体もよぉ~く洗ってあげてね~~~!!」



たいち
「うげっ・・・!
風呂にけんとがいるのかよ!!
あいつ風呂の中ではしゃぐから困るんだよなぁ~~~・・・」



ひとみお姉ちゃん
「たいちだって小さい頃は暴れて大変だったんだから!
たいちはお兄ちゃんなんだから、頑張って♪」



たいち
「あぁぁぁぁ~~~・・・
ついてねぇ~~~・・・
めんどくせぇ~~なぁ~~・・・」



・・・と
たいちが面倒くさそうにパンツ一丁でお風呂場へ向かったその時でした・・・





「キャアッ・・・!!」


たいち
「え・・・・・!?」


たいちが女の子の驚いた声に気づきました・・・





フレア
「た...
たいち...
パンツ1枚で何してるの・・・?」





たいち
「げっ・・・・!!
フ・・・フレア姉ちゃん・・・!!」






フレア
「あ...
たいちのパンツ...
キャプテンタイガー...?
アニメの...?」





たいちのパンツはサッカーアニメ
「キャプテンタイガー」のブリーフなのでした・・・





たいち
「うわぁぁぁぁぁああああああああああああああああああっ!!!
フレア姉ちゃん見るなよぉっ!!!」




フレア
「たいち...
可愛らしいパンツはいてるのね...
...」




たいち 
「うわぁぁぁぁぁああーー!!
見るなったら見るなーーーーー!!」




たいちは真っ赤な顔をして...
パンツ一丁の姿で...
お風呂場へ走って行きました...




フレア
「・・・・・
そんなに恥ずかしがることないのに...」




フレア
ピアノを弾くのが好きなトイプードルの少女...
10歳の小学4年生です。
エメラルドグリーンの瞳がとても美しく、王国のお嬢さまなのではとの噂がある。



ひとみお姉ちゃん
「たいちったらぁ・・・
私の前だと平気でパンツ一丁になるクセに・・・・
フレアの前だと妙に意識してるのか、オーバーに恥ずかしがるのよね~・・・」




フレア
「たいち..
いつもそう...
みんなの前では...
やんちゃでぶっきらぼうだけど...
私とふたりだけの時はとっても素直でおとなしいの..
なんでだなんだろう...」




ひとみお姉ちゃん
「たいちはきっと...
フレアのことが好きなんだよ...」




フレア
「そうなのかな...」 




ひとみお姉ちゃん
「そうなのよ・・・・!」





フレア
「私たちは...
血のつながった兄弟ではないけれど....

私とたいちでは種族が違う....

それでも...いいのかな...?」




ひとみお姉ちゃん
「好きに種族も兄弟も関係ないよ・・・!
たいちはフレアを本当のお姉さんとして甘えたいのよ・・・

私には...
たいちの気持ちがわかるんだ...」






ぽん太
「ひとみお姉ちゃ~~ん!
おてて洗ってきたよ~~~!!」



みぃー子
「今度はちゃんと石鹸でゴシゴシ洗ったもんね~~~♪
ひとみお姉ちゃん!
おやつはやく~♪」



ひとみお姉ちゃん
「よーし!えらい!えらい!
それじゃあ!
おやつにしよっか!!」



みぃー子
「わぁ~~~~~~い!!
やったぁ~~~~~~!!」



ぽん太
「ねぇ!
ひとみお姉ちゃ~ん!
今日のおやつなぁ~~にぃ~?」




ひとみお姉ちゃん
「.お姉ちゃん、頑張ったんだからね~~~!
今日のおやつは...
ヨーグルトゼリーと、お星さまの形をしたクッキーだよ!!」



みぃー子
「わぁ~~~い♪
ヨーグルトゼリーにお星さまのクッキーだぁ!!」


ぽん太
「ねぇ...
ひとみお姉ちゃん...
けんちゃんと...
たいちお兄ちゃんは~~・・・?」




ひとみお姉ちゃん
「けんちゃんと...
たいちは...
泥だらけだったから...
今ふたりでお風呂はいってるよ~♪.

あ・・・そうだ!
フレア・・・
マリア先生は・・・・?」



フレア
「マリア先生なら...
熊八先生と....
もっくんを呼びに行ったよ...」



ひとみお姉ちゃん
「あーーーー・・・・
すっかり忘れてたーー・・・・

たしか熊八先生...
もっくんに相撲の稽古つけてたんだ・・・・」






その頃...
修道院の裏にある土俵では...

熊八先生と、もっくんが相撲の稽古に明け暮れていました...



熊八
「よーーしっ!こいっ!!」


もっくん
「は・・・はいだなモォ~~~!」



熊八
「おうしっ!!
どぉすこぉぉーーぉぉぉいっ!!」


もっくん
「ど・・・どぉすこいなんだなモォ~~~~~!!」


「バチィーーー・・・ッン!!」




熊八
「ほらっ!どうしたぁっ!?
押しが弱いぞおっ!!
怖がるんじゃない!!
おもいっきりぶつかってこいっ!」



もっくん
「ブモォ...!ブモォ...!ブモォ...!
ど・・ど・・・どぉすこぉぉーーーーぉぉいなんだモォ~~~・・・!」




熊八
「.だめだっ!
まだまだ押す力が足りないぞっ!
そんな押しじゃあ中学では通用しないぞっ!!」




もっくん
将来アニマル大相撲の横綱力士を目指す、心優しい力持ち。
体は大きいですが、11歳の小学5年生です...



熊八先生
「チャイルドホームの院長先生であり、修道院の神父さん。

学生時代はアニマル相撲大会で優勝して横綱にもなった。

不器用な性格で怒るとこわいが、みんなの良きお父さんの役割を果たしている。

副院長のシスター
「マリア先生」に想いを寄せてはいるものの、不器用な性格たる故...
素直になれずいつもケンカばかりする。

体重150kg、ヒグマの38歳






「はぁ・・・・
何だか気まずいなぁ・・・・」



熊八先生と、もっくんの...
相撲の稽古を...
チャイルドホームの壁から...
心配そうに見つめるシスターがいました・・・



マリア先生
「相撲の稽古の途中で...
女の私が止めに入るのも...
何だか場違いな感じもするし...
でも・・・
もっくんだって・・・
いくら力持ちっていったって...
まだ小学5年生なんだし...
そろそろ厳しすぎる稽古を...
なんとか止めさせないと...」




マリア先生
「チャイルドホームの副院長であり、修道院のシスター。

聖アニマル女学院出身。
フィアンセがいたが病死、以後このチャイルドホームにて副院長、及びシスターとして生活する。

普段はおとなしいが、短気で怒りっぽく、熊八先生とケンカすると見境無くなり、よく子どもたちを困らせる。

熊八先生に想いを寄せつつも、元フィアンセの存在も忘れられず、生涯を独り身で負えるか心を揺るがす。

子どもたちの良きお母さんの役割を果たしている・・・つもりではある...。

体重???ヒグマの33歳





もっくん
「ぶ・・・ぶ・・・ぶ・・・
ブモォ~~~~~・・・ン・・・
ブモォモォモォモォ~~~~・・・・・ン・・・!泣」



もっくんは...
自分の不甲斐なさが悔しくて...

とうとう泣いてしまいました...




熊八
「おやおや...?
どうしたもっくん...?
あれぐらいの稽古で泣きベソか?」




もっくん
「グスンッ・・・!
お・・・
お・・・おいら・・・・
も.・・・もう・・・
ムリなんだなモォ~~・・・ン泣」




熊八先生
「もっくん...
そんな情けない事言うな...

先生は怒ってるんじゃない...

もっくんには誰よりも強いお相撲さんになって欲しいから・・・

今のうちに厳しい稽古をつけているんだぞ....


もっくんは将来...
アニマル大相撲の横綱力士になるんだろ?」




もっくん
「うん...
...だなモォ~・・・」



泣きながら小さく首を縦に振るもっくん....


それを見ていたマリア先生は...




マリア先生
「あぁ・・・
もっくん・・・
あんなに傷だらけになって・・・
あんなに涙を流して・・・

それでも夢をあきらめない・・・

もっくん・・・
頑張るのですよ・・・
神はあなたを見守っています・・・
そして私も祈ります・・・
もっくんに...
神の御加護を...

アーメン....」





熊八先生
「はふぅ~・・・
困ったなぁ~・・・」


熊八先生は...
メソメソ泣いているもっくんを見て...
小さなため息をもらした...

相撲の稽古になると...
つい我を忘れて熱くなってしまう悪い癖が出てしまった...

指導者、教育者として...
まだまだ経験不足なんだと深く反省する・・・


私は子どもたちの父親なんだ・・・

それなのに・・・

愛情が足りなかった・・・




熊八先生
「今日の稽古はもうおしまいにしよう・・・
なぁ?もっくん・・・?」




もっくん
「グスン・・・・グスンッ・・・」





熊八先生
「よーーし...
今日の稽古はこれまでおしまい・・・
さぁ...もっくん...

一緒にお風呂にはいって...
ひとみお姉ちゃんが作ったおやつを食べよう・・・!

な・・・!!」




もっくん
「・・・・ブモォ・・・
グシッ・・・・ブシッ・・・!」




熊八先生
「ごめん・・・
もっくん・・・
先生の稽古・・・
ヘタクソだよな・・・」



熊八先生は...
肩を落とし...
もっくんに厳しすぎた稽古指導をしてしまった事を...
謝った....



それを聞いたもっくんは・・・・




もっくん
「どぉすこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉいっ!!!」


「ズドォーーーーーーーーォオンッ!!!」



突然!
もっくんは鼻から「フンッ!」と息を吹き出すと・・・
熊八先生の胸元目掛けておもいっきりぶつかっていったっ!!!



熊八先生
「ぐっうっはぁあっっ・・・!!!」



もっくん
「お・・・おいら・・・!!
お・・・おいら・・・・!!!
おいら・・・!!!
絶対に横綱力士になんだなモォッ!
横綱になって・・・
土俵入りする姿を・・・・!!!


熊八先生に見せてあげるんだなモォッ!!!


だから・・・!
だから・・・!!

もっと厳しい稽古をつけて欲しいんだなモォーーーーーッ!!

熊八先生・・・!!!
もう絶対に・・・!!!

謝ったらダメッ!なんだなモォッ!!!」



もっくんは...
普段は温和で優しく...
強気な事は言わない性格ですが...


熊八先生の...
申し訳なさそうに謝ったひと言を聞いて...
今日初めて自分の意思をハッキリ言ったのでした・・・!!!



熊八先生
「ぐっ・・・・!!!
凄い・・・なんて力強い当たりだ・・・!!!
ここまでの当たりは学生力士時代でも感じた事が無いぞ・・・!!!


・・・・・・!!

こいつぁ~強くなるぞぉ~~!!!

アニマル相撲界最強の横綱になる!!

ようしっ!!
こうなったらわしも手加減はせんぞぉっ!!
遠慮せず...
おもいっきりぶつかってこいっ!!!」



もっくん
「どぉすこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉいっ!!!」


「ズドォーーーーーーーンッ!!!」




マリア先生
「あぁ...
なんてずばらしいのでしょう...

あきらめない心...

夢に向かって全力でぶつかっていく無限の可能性...

もっくん...

あなたは今...
とても幸せな時を生きているのですよ...

夢が叶うその日まで...
私も神に祈ります...

もっくんに神の御加護を...

アーメン...」



夕暮れに染まるチャイルドホームに...
激しい相撲の稽古の激しい音と呼吸が鳴り止まず...
日が沈む...
あかね空に遠く響きわたりました...



「おわり」




けんと
「ねぇー、ひとみお姉ちゃ~ん」


ひとみお姉ちゃん
「なぁ~に...?
けんちゃん...」



けんと
「熊八先生と、マリア先生と、もっくん・・・・
おやつ食べないのかなぁ~・・・?」


ひとみお姉ちゃん
「さぁ~・・・
どうしたんだろうね~・・・」


みぃー子
「わたし食べてあげてもいいよ!」


ぽん太
「あー!!
みぃー子お姉ちゃんいっけないんだーー!!!」



たいち
「ひとみ姉ちゃん、そろそろ晩ごはん作んないと・・・」



フレア
「はい...
たいち...
ユニフォームと...
パンツ...
洗濯、乾燥出来たよ...」



たいち
「あぁっ!!
フレア姉ちゃん!!
やめろよ!恥ずかしいなぁ!」



みぃー子
「あーーーー!
たいち兄ちゃんのパンツ、アニメのキャプテンタイガーだぁっ!!!」


ぽん太
「あはははははは!!」


けんと
「ぎゃははははははは!!」











いかがでしたでしょうか...
久しぶりの虎之助ワールドは...


それでは最後に...

丑年の年賀状イラストを御覧下さい。



年男もっくんと、おやちゃいぼうず

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どすこい!
太刀持ちのおやちゃいぼうず!!
「たまさぶろう」でごわす!
(たまねぎ)
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はっきよい!
露払いのおやちゃいぼうず!
「そうたろう」だべ!
(ほうれん草)
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おら、懸賞旗を持った呼び出しのおやちゃいぼうず。
「いもさく」だぁ~~♪
(じゃがいも)
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にぃ~~ぃぃ~ぃしぃぃぃ~~♪
もう次郎のもっくん~~~♪
見合って見合ってぇ~~~♪
わいは行司のおやちゃいぼうず
「とんとん」やでぇ~!!
(ししとう)
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おいらは横綱
おやちゃいぼうず!!
うり坊だいっ!
(赤瓜トマト)
アニマルランドのもっくん!
お相撲の稽古
頑張ってね!!

もっくん
「うり坊くん、応援してくれて...
ありがとうなんだなモォ~~~!
おいら大きくなったら・・・
アニマル大相撲の横綱力士になるんだなモォ~~~~!!!」
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もっくん
今年は丑年だ!
がんばれ!!


2021年
西郷虎之助
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