どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

Boarding ~ 消防士への道~第五話「不平不満…その理由は…」

虎之助が何かしらの悩みを隠している事を、誰よりも先に察知した日本消防庁消防隊員訓練学校の鬼教官こと横田強

横田教官は虎之助に「恥ずかしがらなくても良い、誰も偏見したりしないから自身が抱えている体調の悩みを全て吐き出すんだ
そうすれば、精神的にも楽になるし、心にも余裕が持てるようになり、体調の異変を少なからず和らげる事につながる」と、受講生全員の前で堂々と伝えた


虎之助は、どうして横田教官にはわかったのだろう…
と疑問視したが

受講生全員と横田教官に見つめられる中、もう言い逃れは出来ないと悟った虎之助は、皆の前で自身が抱えている体調の悩みを隠さずにカミングアウトしたのである

虎之助の悩み
それは…

大勢が集まる式や集会等で、トイレに行けなくなる場面に直面すると、途端に強烈な尿意や腹痛に見舞われ、場合によれば失態の粗相をしてしまうという屈辱と羞恥心極まりない恥ずかしい悩みであった

全てを話した後…

皆に何て言われるだろう…

消防士を目指している良い歳こいた男がトイレ我慢出来なくて失敗してしまうなんて…

そんな馬鹿げた話今まで1度も聞いた事もない…

きっと皆から笑い者にされるんだろうなぁ…と、半ば諦めていた…

だけど誰一人…
僕の事を笑う者は居なかった…

横田教官は、「良く話してくれた!それで良いんだぞ!何も恥ずかしい事なんてない、お前はお前なんだ」
と言ってくれた

同じ受講生の皆も励ましてくれている

中には「そっち系」だと言う人も居たが、悪意に満ちたものではなく、親近感を持たせるような言い回しだった

横田教官が、神経過敏な人は頻尿に苦しんでいる者は多い、失敗してしまう事も希にある、トイレは何度でも行かせてやるから心配するな、在学中に俺がその体質を改善させてやると、理解を示してくれた事が嬉しくて…

本当に
嬉しくて…

僕は堪えきれず、大粒の涙を溢れさせて泣いてしまった…

それを見た横田教官は驚いたのか僕をふざけて抱く

自分の身長だと、顔が胸の下程の位置にあたる

日々の厳しい訓練によって、しっかり鍛練された胸元と腹筋は、これが消防士の体なんだと思わせるくらい逞しい

オレンジの制服から男の厳しさと優しさに溢れる香りが漂う

言葉では言い表せない心地良さを感じる

胸元のポケットからハンカチを取り出した横田教官は、虎之助の涙と鼻水を拭く

まるで小さな子供をあやすような姿で

これから大事な採用試験のテストが始まる
だからいつまでも泣いてなんかいられない…

これから始まる厳しい生活は…

まだまたこんなものではないのだ

同じ2班の近藤真彦「マッチ」が問題児4人を呼ぶ声が聞こえる…

先ずは試験を合格すること…
それが先決だ…




Boarding ~ 消防士への道~
第5話
「不平不満…その理由は…」


横田教官
「西郷、もう大丈夫だな…
頑張れるよな…?」

虎之助
「はいっ!大丈夫ですっ!ありがとうございましたっ!」

横田教官
「ようし!それじゃあ俺は試験の準備があるから1度離れる、そのハンカチは返さんで良いから10時からの採用試験までにはその泣きっ面をしっかり元の男前の西郷どんに戻しておけよ!な!」

虎之助
「は…はいっ!頑張りますっ!」

近藤真彦
「虎ちゃんやったや~ん!
憧れの横田教官からハンカチプレゼントされて~!」

関勇次
「なんか平成初期の月9ドラマみたい~(笑)」

杉山文男
「ほら西郷くん、横田教官に言ってあげんと!
かーんち♪じゃなくて
つーよし♪って(笑)」

匠大学
「ふっるー!!」

藤田大輔
「何なんですかぁ~♪その、かーんち♪つーよし♪って?」

匠大学
「平成生まれには分からんこっちゃ」

渡辺守
「やっぱり月9ドラマには恋敵が欲しい~なぁ~」

匠大学
「マッチでえぇが!マッチで!、チャラそうな面構えしとるんやから!」

近藤真彦
「やめてくださーい、僕はレディーしか愛せませーん
、おっさん同士の恋敵にはおっさん!てなわけで学のおっさんに決定!」

田中竜也
「テレレーンッ!あ~の~日ぃ~♪あ~の~時ぃ~♪あ~の~場ぁ~所ぉ~でぇ~♪」

匠大学
「あかん!ここはおっさんの溜まり場じゃ!」


…と、皆がまたふざけてはしゃいでると…
再び鬼の怒りが炸裂する…


横田教官
「しゃがゎましいっっっ!!!
お前らぁあっ!!
はしゃどる場合じゃなかろうがぁぁぁああっっっ!!!!
12番っっ!!!」

関勇次
「はいっっ!!!12番隊員っっ!!!関勇次ですっっ!!!」

横田教官
「ぐぉらあっ!!!
12番!!関っ!!!
説明しろっ!!!俺はこれから何をしろと言っていたかっ!!!?」

関勇次
「はいっっ!!!各班で寮部屋の生活ルールを話し合い!食事や掃除の当番を決めてから10時の採用試験、10分前には教育学部センターに着くようにと説明を受けたばかりでございますっっっ!!!」

横田教官
「分かっとんなら何で無駄話してたんだっっ!!!」

関勇次
「はいっっ!!!申し訳ありませんでしたっっ!!」

横田教官
「申し訳ありませんでしたじゃねーよっっ!!
このタコッッ!!!」

パシーーーーー・・・ン!

横田教官は関さんの頭を持っていたバインダーで叩いた

そして近藤さん、匠大さん、杉山さん、田中さん、渡辺さんらも続けるように、バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!と叩かれた

大輔君は何故かスルー

横田教官
「何しに来たんじゃぁあっっ!!!おのれらはぁぁぁああっっ!!!
そんなんで試験受かるんかっ!!?
消防士になるためにこの学校に来たんじゃなかったんかっっ!!!?」

話していた受講生
「すみませんでしたっっ!!!ませんでしたっっ!!!でしたっっ!!!したっっ!!!」

近藤さん含め、皆が輪唱するようにバラバラに謝る

横田教官
「ふぅ…まったく…」

受講生
「・・・・・・・・」

横田教官
「・・・・・・・・」

受講生
「・・・・・・・・」

横田教官
「黙っとらんでサッサと動いて行動せんかぁぁぁぁぁああっっーー!!!」

受講生
「はいっっ!!!」

横田教官
「採用試験っ!10時だからなっっ!!!遅れたら承知せんぞっっ!!!
ちゃんと10分前には用意して席に着いてるようにっっ!!!
わかったかぁぁああーーーーーっっ!!!」

受講生
「はいっっっ!!!」

横田教官
「ようし!では一事解散っっ!!!」

受講生
「はいっっ!!!ありがとうございましたっっ!!!」

鬼教官、横田強は一通り怒鳴り散らした後、皆を叩いたバインダーを持って、足早にその場を去って行った

鬼が居なくなり、ようやく受講生達の肩の荷は下がる…

関勇次
「なんだよあいつ~…西郷どんには優しいクセに…
俺のが1番痛かったじゃねーかよ…」

匠大学
「しょーがねーべ、西郷どんを愛しとんやから」

近藤真彦
「え~…ちょっともう…何か有り得んのやけど~…」

渡辺守
「嘘だろぉ~…教官がガチホモとか勘弁してくれ…」

杉山文男
「横田教官は西郷くんがモロタイプって訳か…
お互いソッチ系なんて…
あ!ごめん!西郷くん、差別じゃないからね!」

田中竜也
「消防士って、ソッチ系統
の男が多いって、結構ネットには書かれてるの見た事あるけど…、まさかこんないきなり鉢合わせするなんて思ってもみなかったよな…」

藤田大輔
「あのぅ~…、なんで僕は叩かれなかったんでしょうか~…?」

匠大学
「案外、大輔もあのホモ教官に好かれてんじゃねーの?」

近藤真彦
「もうやめてぇ~やぁ~!ホンット!2班に教官のオキニが2人もおったらもう2班撃沈よ~(苦笑)」

虎之助
「あ…あのぅ~…皆さん本当にすみません…
何だか僕のせいで騒がしくしてしまって…」

匠大学
「別にあんさんは悪くあらへんのよ、要はあのガチホモ教官の問題や」

虎之助
「あの…横田教官が…その…ホモ…ってまだ決まった訳じゃ…」

関勇次
「どう見てもガチホモやん!あれ普通じゃないわ!」

藤田大輔
「ホモの人って、やっぱり男同士でセ○○するんですかぁ~?」

匠大学
「当たり前やろがぇ、おなごに興味あらへんのやけん」

近藤真彦
「もぅ~止め止め!この話は後々!早く寮部屋言って生活ルールと役割分担を話し合わんと、採用試験までにホント間に合わんよ!?」

匠大学
「ほやな、そろそろ始めな不味いでっせ」

村上秀一
「もうしょうがないよ、僕らは消防士になるためにこの学校へ来てるんだから、とにかくこれからすぐ、班ごとに別れて話し合おう!」

近藤真彦
「うわっ!もうあと40分しかないやんっ!あかんあかん!問題児2班集合~♪」

渡辺守
「あ~あ…なんか絶望的になってきたぁ~(泣)」

杉山文男
「こうなったら焼け石に水だ!消防士になるためにはあのホモ教官に従うしかない!皆頑張ろう!」

渡辺守
「クッソ~、やるっきゃないわな!」

関勇次
「半年辛抱出来るか正直不安になってきた…」

田中竜也
「それより急ごうぜ!早くしないとまたあのホモ教官が怒鳴り散らすからな!
俺らも一事解散しよう!」

近藤真彦
「ラッジャー♪はいっ!みんな102号室行くよ~♪」

匠大学
「ほならまた後でな…」

藤田大輔
「みなさんトイレは忘れずに~♪」

虎之助
「皆さん…本当にすみませんでした…!また後で!
試験頑張りましょうね…」

ようやく長かった顔合わせも終わり、やっと受講生達は各班ごと、各々の寮部屋へと移っていった…

受講生の皆からガチホモ確定された横田強

緊張感漂っていた雰囲気から一転して不平不満を溢すようになった受講生達

やたらと虎之助を必要以上に気にかけている横田教官

本当に彼は、皆が噂している通りの「ガチホモ教官」なのだろうか…?

採用試験を前に控えた受講生達

今期生の15人に、輝かしい未来は訪れるのであろうか?

第六話に続く

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