どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

第三番札所「慈眼寺」四国別格二十霊場巡礼記(第203回)

四国別格二十霊場礼記

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徳島県勝浦郡上勝町正木

四国別格二十霊場第三番札所

「慈眼寺」

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参拝日時
2014年6月「徳島県一泊二日巡礼の旅」


浦川、藤川谷川に沿って山の奥深くを登っていくと
高々とそびえ立つ美しい滝
「灌頂ヶ滝」(かんじょうのたき)が見えてくる

大自然が作り出したその雄大すぎる姿に、たいていの人は圧倒されてしまうほどこの「灌頂ヶ滝」は圧巻だ

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滝の麓まで行けるように長い階段続いてる、立ち寄りたかったが時間が無かった為、今回の目的地「慈眼寺」へと先を急ぐ事にした

階段手前に水場があり、滝の水が飲めるようになっている

少しばかり口に含むと、再びポンコツ丸に跨がり急な坂道を再び登ってゆく

標高550mの高台にある、別格二十霊場、第三番札所「慈眼寺」

そこは前回はあまり印象が薄かったと紹介した第二番札所「童学寺」とは打って変わって、別格二十霊場の中でも私が一番印象に残った寺院なのだ

時刻は昼過ぎの14:30、急がなければ朝の新聞配達に間に合わなくなってしまう、何しろ徳島県から愛媛県松山市まで今日中にポンコツ丸で帰らなければならないのだから…

この寺院に向かう前に、四国八十八ヵ所霊場の第二十番札所「鶴林寺」へ、行くか行くまいかと悩みに悩んで、標高500mある難所続きの寺院「鶴林寺」へと参拝に出向いたのであった…

徳島県には、「へんろころがし」と言われる3大難所「焼山寺」「鶴林寺」「太龍寺」がある

標高700mの長い長い登りと下り、更にまた登りが続く八十八ヵ所最大の難所
十二番札所「焼山寺

標高500mの鶴林寺をようやく打ち終えたと思ったら、再び標高520mの山を登らなければならない八十八ヵ所霊場第二十一番札所「太龍寺

歩きお遍路さんにとって、ここでお遍路を続けるか、諦めるかに分かれるんだそうな

鶴林寺まで車道を登ってきたが、かなりの急坂続きでポンコツ丸が1速で頑張った

鶴林寺の参拝を終えて、再び標高550mの高台にある慈眼寺へと向かう



そしてこの慈眼寺は
鶴林寺奥の院になる寺院なのだ…




ポンコツ
ごめん…

松山市に帰ったらオイル交換するから
もうちょっと頑張っておくれ…



灌頂ヶ滝の写真を撮った後、私は早々とポンコツ丸と共に目的地へと向かうのであった


四国別格二十霊場
第三番札所「慈眼寺」に到着

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広くて静かな境内で、参拝者は私以外に若い車お遍路のお兄さん1人だけだった

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写真に写っている御堂を参拝した後、大師堂は隣の小さな御堂かなと向かったが、どうやら違うようだ

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大師堂が見当たらない…

先程参拝した御堂の横に、納経所があり住職さんがいたので尋ねてみた所…

参拝した御堂が大師堂であり、本堂もっと離れた場所にあるらしい…

私はこの大師堂を本堂と勘違いしていたのだ

車お遍路のお兄さんは、大師堂を参拝した後、納経を済ませて帰って行った

私はこのような遠い場所には、次にいつ来れるか分からない…

時間が無いが、せっかくここまで来たので本堂の参拝をしようと、納経帳を住職に預けて本堂へと向かう事にした

その前に
少しばかり御手洗を借りる

すると御手洗にはこのような看板が…

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これは御手洗をきれいに使用して下さいとの警告のようだが、ある意味褒め言葉だなぁ…と思った

私についてる一物は椎茸のようだ…
松茸なんていうほど立派なものではない…

とにかく先を急ごう…

観音様の下をくぐり抜ける…

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すると、道端はすぐさま狭くなり
想像以上の厳しい急な坂道に苦戦することになる…

滝修行場の寺守さんが、この坂道は健脚でなければ登れないと言っていたのがよく分かったが…

相当キツい…

これは鶴林寺を打ち終えた、歩きお遍路さんだったらもっと辛く厳しい坂道になるであろう…

所々手すりが壊れてたり、土砂崩れのヵ所や倒木が通せんぼしていて下をくぐり抜けなければならなかったりで

この110kgある重い体には

激しく息切れをしながら登っては休み、登っては休みを繰り返す

私は1年前に、今治市を歩きお遍路してみたのだが、四国八十八ヵ所霊場、第五十八番札所「仙遊寺」の、山門からの階段を登った時の辛さを思わせる

しかし、今ハッキリと断言しよう
この坂道は、仙遊寺の階段よりも断然キツい

生コン舗装の段差無しの急坂で、脚に負担が相当掛かるのだ


中間地点辺りにある大師像

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こちらの苦しさとは裏腹に
なんとも涼しそうな表情だ…

一体この道はいつまで続くんだ!?と激しく息切れをしながら急坂を登っていくと…ようやく本堂が見えてきた

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もうこの坂道は2度と登りたくないと心底から思った

本堂

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不思議な事に、この本堂を撮影した写真は全てピンボケしていた
大岩、お地蔵様等、他の場所を写したものは至って普通

だがどうしても

本堂を間近で写した数枚の写真はどれもピンボケしてしまっているのだ

このような体験はお遍路さんの間でもよく話題になる
何度撮影しても綺麗に写らなかったとか…


それだけ霊験あらたな本堂なのかもしれない…

この写真はその中でも比較的正常な一枚になる

辺りは静かで鳥の鳴き声と、微かな風に揺れる林の木々の音だけで、坂道に疲れた私の身体を優しく癒してくれているようだ…

気持ちが落ち着く…

しかしこの本堂

ここまでどうやって資材を運んで建てたんだろうか…

他に車道もない、この場所まで来るには
あの坂道を登るしかないのだ

もの凄く大きくて迫力のある天然の岩肌

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この慈眼寺には、「穴禅定」という修行場があり、予約制で修行体験が出来る

本堂よりももう少し上にあるらしい

白装束を着て、ローソク1本だけを持って穴の隙間に入って行く

先達の案内人が体制指導をしながら奥の広間まで進むのだが…

この穴禅定に入るには、絶対に先達さんの案内指導無しでは奥まで辿り着けないのだ

岩と岩に挟まって動けなくなったり、狭い隙間を出ることが出来なくなったり…

閉所恐怖所の私にとって、想像しただけで気が狂いそうになる…

もし…中に居る時に地震が発生して中に閉じ込められてしまったら…
重い岩の下敷きになったら…

もう修行うんぬんではない…

私にはこの穴禅定だけは絶対に実行しないと決めている

工事現場の仮設トイレでも気分が悪くなるのだから…




本堂の参拝を終えると、穴禅定がある入口から人の声が聞こえる

50歳くらいの夫婦?が穴禅定から修行を終えて出てきたようだ

夫婦は本堂付近の小屋で着替えを済ませると、早々と坂道を降りる

夫婦を待っていた先達のおばちゃんが私に話しかけてきた
話し上手なおばちゃんで会話が盛り上がり、先程登ってきた坂道を話しながら降りて行った

先達をしているおばちゃんは、この坂道を一日最低でも2往復はするというのだから驚きだ

そして大師堂がある境内から本堂まで、標高100mもの差があると聞いた

という事は
本堂がある場所の標高は650mになる

これはキツくて当然だ…



急な坂道をヨチヨチ歩きでゆっくりと降りていく…
登りもキツくて大変だった坂道だが、下りはもっと苦しい…
膝が痛くてかなわない…
先達のおばちゃんは平然としている

恐るべき穴禅定の先達さんだ…

二十分ほどで慈眼寺の境内に戻る

住職さんは既に納経を済ましてくれていた

先達のおばちゃんに別れを告げて私も早々と帰宅準備をする

遍路協会地図の最初のページにある大まかな部分地図を見て、この時間から元を来た道を戻るのはかなり難儀になる

そこで民宿でチェックしていた距離が少し縮まる道筋がある

その道を通って帰ろう

ポンコツ丸に跨がり再び先程登ってきた車道の坂道を下りる

灌頂の滝も通り過ぎてゆく

これで当分は見納めだ…

左側から来た道を、来た道とは反対の右側に向かった


しかし、この考えが甘かった…

途中、店仕舞いをしている小さな道の駅に寄って、何かおにぎりかパン等の軽い食品はないか寄ってみたが、既に品切れで土産物しか残ってない


店員の女の子に、遍路協会の地図を見せて

この道で帰るのですが、この辺りにガソリンスタンドやコンビニ等はありますか?
…と、聞いてみたところ


店員さん
「今からこの道を通るんですかぁ!?絶対やめておいた方がいいですよ!」


虎之助
「えっ!?」

店員さん
「だって!ガソリンスタンドやコンビニどころか、何にも無い標高1000mを超える剣山ですよーー!!」

虎之助
「なぁーーーー!にぃーーーー!?やっちまったなっっ!!!」

この店員さんは話し方に緊迫感があり面白かったのを覚えている

茶飲み友達に最適かも…



店員さん
「元来た道を戻るのが無難ですよ、戻りましょう!!ねっ!!」

虎之助
「つ・・・剣山・・・!!だとぉ~!
二十歳頃、高知県まで車で行った時に、たまたま通り掛かったが、険しい山道に濃い霧、さらにガス欠直前という大ピンチを経験した記憶がある、あの時は本当に参った、忘れられない…」


考えが甘かった…
遍路協会地図の最初のページにある大まかな部分地図には山の標高等は記されていない…

山の標高の高さまでは気づかなかった…


店員さん
「しかもあのバイクですよね…?
暗い山道は怖いし不気味で気持ち悪いですよ~~~!!私の友達がですねぇー!夜この道を車で走っていたら、突然お婆さんの幽霊が狭い道路をフラ~~…っと横切って来たらしくて、驚いた反動にハンドル操作を誤って、危うく崖に転落するとこだったって言ってたんですよ~!!」

その一説を聞いた私は……


虎之助
「ゆ・・幽霊・・・!?

あ、やっぱ戻りますね!!・・・あははは・・!!(苦笑)」

一言で諦め、結局元来た道を戻っていった

これにより、一時間のロスをしてしまう


そして長い長~い道のりをポンコツ丸で走り帰路につく

徳島市内に滞在していた時間で18:30

松山市までの距離…

約200km…

この旅は本当に今でも忘れられない…



そして苦難の長距離移動の末…

新聞配達の時間ギリギリ、朝方3時半にようやく家に到着したのであった…


苦心惨憺を共にしてくれた
ポンコツ丸よ

本当にありがとう…

プロカメラマンが撮影した
「灌頂ヶ滝」

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納経の御朱印と1200記念スタンプ

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御本尊
十一面観世音菩薩

1200年記念カラー御影

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真言

おんまか
きゃろにきゃ
そわか


通常の御影

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1200年記念風景散華

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期間限定
虎之助滝修行御影

「是諸法空想」

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御詠歌

天とふや

鶴の奥山
おくたへて

願ふ功力
法ぞ通はむ