どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

「イタズラ小僧たいちと熊八先生の父子物語」~5月の子どもの日スペシャルライブラリー~

「ふんどし坊主の七転び八起き人生」
~5月の子どもの日スペシャルライブラリー~





企画

「ChildHome,Presence」


制作

Ponta,Graphics」






「Produce,by,Toranosuke♯」





ここは
アニマランド


動物たちが
仲良く暮らしている

とおい
とおい

夢の国


だけど…

平和なアニマランドにも


親がいない…

家もない…

食べるものがない…

着る服もない……



そんな
恵まれない子どもたちだっているのです…



ほのぼの湖の近く

広い広い野原のまんなかに…


トンガリ帽子が目印の修道院があります


そう・・・


この修道院こそ

親のいない子どもたちが
暮らしている孤児院施設

「チャイルドホーム~childhome~」



~熊八先生~

チャイルドホーム、2代目の院長先生、ぽん太たちと同様、幼少期にこの施設で育つ

学生時代は相撲の選手で活躍し、横綱になった経験を持つ
小学5年生のモー次郎「もっくん」の相撲の稽古をつけてあげている月の輪熊、マリア先生に想いを寄せているが、なかなか胸の内が明かせないでいる、皆の父親的な存在、年齢は38歳



マリア先生

幼少期に別の修道院にて育ったシスター

料理の作れない熊八先生を見かねて、チャイルドホームで生活するようになる

普段は温厚だが、怒ると熊八先生でも頭が上がらない…
天真爛漫&天然な所があり、よくドジを踏んで落ち込む事もある、熊八先生と同種の月の輪熊であり、皆の良き母親がわりの役目を務める、年齢不詳



けんとくん
(※今回の物語では、まだ入居前なので登場していない)

ぽん太が連れてきた
最年少、5歳の子だぬき

相手の夢の中に入り、葉っぱで欲しい物を出して遊んだりと不思議な能力を持っているが詳細はまだ不明

食いしん坊でドーナツ、うどん、カレー、コーラ等が好物


ぽん太

御存知、チャイルドホームの主人公?
お絵かきが大好きであり、クロッキー帳に描いた絵を、ほのぼの湖に映すと実体化するという虎之助のアイディアにより生まれた少々太めな子だぬき、年齢は7歳


ミミ

宝物はぬいぐるみの「ラビーちゃん」
なぜかお医者さんごっこが大好き
しかし当の本人は大の医者嫌いで注射を打とうとするも走って逃走するので皆は手を焼いている
しかし、チャイルドホーム1番の瞬足であり、誰も捕まえる事が出来ない、ウサギの女の子で年齢は8歳


たいち

虎之助の未発表作「とんたろう」のサブキャラ、「イタチのたいちくん」から輸入、サッカーが大好きであり学校ではクラブ活動に入っている、サッカーチームのジュニア,アニマルリーグに所属していてレギュラー、チャイルドホームでは2番目に足が早い

イタズラ小僧であるが実はツンデレ、イタチの男の子、年齢は9歳


クリスティーヌ・ハナ

ぱっと見人間っぽく見えるがプードルで
ピアニストを夢見る女の子、エメラルドグリーンの奇麗な瞳がチャームポイント

内気な性格だが、ピアノの腕前はなかなかのもの、ぽん太によく「ねこふんじゃった」を弾いてとせがまれるも、ヒトミおねえちゃんには「その曲だけはヤダッ!」と嫌がられる

たいちによくからかわれるが、困っている所を助けられたりもする
チャイルドホームで唯一、ヒロインポジションとして1番悩んだキャラである、年齢は10歳


モー次郎(もっくん)

体が大きく、気が優しくて力持ちだが
チャイルドホーム1番の泣き虫さん

年長組だが、たまにオネショもしてしまう

学校では相撲部に入っているが、熊八先生に稽古をつけてもらう事が多い、将来アニマル大相撲の力士で横綱になるのが夢

語尾に「○○だなも~♪」と必ず言っている

牛の小学5年生、年齢は11歳



ヒトミ(おねえちゃん)

チャイルドホームで1番の年長さんであり、気の強い性格をしているが、皆の良きおねえさんとして日々役割を果たしている

ほのぼの湖で遊んでいるぽん太をよく迎えに行くのが日課

マリア先生と食事のお手伝いをしていたらお料理が大好きになり、夕食はいつもヒトミおねえちゃんが作っているので、常にピンクのエプロンを掛けている

ミケネコの小学6年生、年齢は12歳




そんな個性あふれるみんなが仲良く暮らしているチャイルドホーム


今回は
以前書いたストーリーの続きを

ちょっぴりのぞいてみましょう・・・



まずは・・・

たいちがチャイルドホームに入居したエピソードから・・・




~3年前~


アニマルランドでは

もうすぐ
あたたかい春を迎える季節がやってきました



しかし・・・

おそとは嵐の様子・・・

風がビュー!ビュー!と吹き荒れて

チャイルドホームの窓ガラスがカタカタ揺れていました


さらに

強い雨
ザザァァーー!!ザザァァーー!!
ザザザザザザァァァァーーー!!!

と、ふっています

チャイルドホームの屋根から
バラバラバラ・・・!!!
バラバラバラバラバラバラ!!!

と、雨の当たる音がなっていました


もうすぐ春といえど
季節はまだ3月の終わり

おそとは冷たい風と雨で
とっても寒いのです…




熊八先生
「すごい風と雨だなぁ・・・
これじゃあそとにお散歩も行けないよ・・・」


マリア先生
「熊八先生、暖かいパンプキンスープが出来ましたよ…

はい、召し上がれ」


熊八先生
「あ・・!マリア・・・

ありがとう、キミの作ってくれたパンプキンスープはほんとうにおいしいから大好きだよ・・・!」


マリア先生
「フフ・・・
ありがとう
このパンプキンスープはね、わたしが子どもの頃に育った修道院の院長先生におしえてもらったのよ・・・」


熊八先生
「ズズ~・・・
・・・ふぅ~・・・・
うまい!!

マリア、このパンプキンスープは
子どもの頃におしえてもらったのかい?」


マリア先生
「ええ・・・
8つの頃だったわ・・・

わたしもね、このパンプキンスープが大好きで大好きで、どうしても自分で作って食べてみたかったの

それでね、ハロウィンパーティーの夜、院長先生に無理言っておしえてもらったの、なつかかしいなぁ~・・・」


熊八先生
「・・・・・・」


マリア先生
「でもわたし、ハロウィンパーティーってこわくて苦手だったのよ・・・

お化けに変装するなんてとてもとても・・・

やっぱり修道院での楽しみは、クリスマスパーティーだったわ~・・・」


熊八先生
「・・・・・・」


マリア先生
「・・・フフ、でもわたし
どうしてもサンタさんに会いたくて、夜寝ずに起きてたんだけどね・・・

見ちゃったのよ・・・
サンタさんに変装した院長先生が、プレゼントを持って部屋に入ってきたところ・・・

あの時はショックだったなぁ~・・・」


熊八先生
「・・・・・・・・・」


マリア先生
「わたしね、初恋がサンタさんだったの・・・・

いつだったかなぁ・・・まだ3つぐらいの頃・・・

クリスマスの夜・・・

大きな体にまっ赤なサンタふく、あごにはまっ白いヒゲを生やしたサンタさんがわたしの部屋にやってきてね、枕元に掛けていたソックスに、プレゼントを入れてくれたの・・・

朝プレゼントの中身を見てみたら、奇麗な石のついたペンダントだった・・・


ほんとうにうれしかった・・・

わたしの宝物だった・・・

・・・だけど・・・いつの日にか亡くしちゃって・・・・

何度もいろんなところを探し回ったけれど・・・

結局見つからなかったの・・・

・・・何日も泣いたわ・・・ホント・・・」



熊八先生
「マ・・・マリア・・・!」


マリア先生
「は・・・はい・・?」


熊八先生
「こ・・・・こんどは僕が・・・

サ・・・・サンタさん・・・・

・・・なって・・・・・!!」



マリア先生
「ど・・・どうしたんですか・・・?
熊八先生・・・

・・・そんな真剣な顔して・・・・」



熊八先生
「マ・・・マリア先生・・・!!

ぼ・・・僕は・・・アナタのためなら・・・いつだって真剣です・・・!!!」



マリア先生
「え・・・・ちょっと・・」
・・・・先生・・・・?」



熊八先生
「ぼ・・・僕がアナタのサンタさんになりま・・・・!!!」





「キィーーーー!!」「キィーー!!」



そとから突然何かが聞こえてきました…


マリア先生
「く・・・熊八先生・・・・今の聞こえましたか・・・・!?」




熊八先生
「・・・え・・・ええ・・・?」





「キィーー・・・!!」
「キィーキィーキィーーーー!!!」




熊八先生
「そとから鳴き声のような音が聞こえてくるな・・・」


「キィーー・・・!!」
「キィーーキキキィーー・・・・!!」



マリア先生
「子どもの声だわ・・・・!
・・・・先生・・・!
行ってみましょう・・・・!!」


熊八先生
「うむっ!!」



マリア先生と熊八先生は嵐の中、チャイルドホームのそとに出てみました


すると・・・


チャイルドホームの軒下で・・・

イタチの子どもが雨でびしょぬれになり、寒さでふるえながら鳴いていました・・・

何も羽織っていない・・・
はだかのままで・・・」



「ギィィィーーーーー!!
ギィィィーーーー!ギィィィーーー!
ギギギギィーーーーーーー!!!」



熊八先生
「イタチの男の子だ・・・
・・・どうしてここに・・・」



マリア先生
「熊八先生・・・!
ここにおきてがみのようなものが・・・・」


ずぶぬれになったイタチの男の子

その足元には1通の封筒がおいてありました・・・


熊八先生がその封筒の中身を開いてみると・・・・





「この子をよろしくおねがいします」





雨に濡れゆく1通のおきてがみに

たった1行・・・


たった1行だけ・・・記してありました・・・



マリア先生
「す・・・捨て子・・・・!?」

「な・・・なんてヒドいことを・・・・!」


「熊八先生!!この子を捨てた親はまだそんなに遠くに行ってないはず・・・

・・・早く探しに・・・・!」


マリア先生は、熊八先生に呼びかけましたが・・・


熊八先生は

たった1行 


「この子をよろしくおねがいします」


・・・と書かれたおきてがみを・・・

・・・肩をブルブル震わせながら・・・

・・じっと眺めていました・・・


雨に濡れ・・・しだいにインクがにじんで・・・たった1行の文字が見えなくなっても・・・

・・・熊八先生は、そのおきてがみを強く握り離しませんでした・・・




マリア先生
「ちょっと・・・熊八先生・・・!!
は・・・早く・・・行きましょう・・・!!


・・・わたし・・先に行って・・・」



熊八先生
「マリア!!行かなくていい!!」


マリア先生
「・・・あ・・・・!」


熊八先生は、イタチの男の子を捨てた親を探しに行こうとしたマリア先生を
大きな声で怒りながら止めました…




熊八先生
「こんな小さな子どもを平気で捨てるようなヤツは親じゃない!!!

この子はうちで育てる!!!」


マリア先生
「・・・え・・!?

・・・で・・・でも・・・!」



熊八先生
「もういいんだ!!!
それよりもこの子保護するのが先だろう!!!」



マリア先生
「・・・ハッ・・・・

・・・そうだわ・・・!!

この子を助けるのが先だった・・・」


熊八先生
「このままでは風邪が悪化して肺炎になってしまう・・・!

早くホームに入れよう・・・!」


熊八先生は、ずぶぬれでふるえているイタチの男の子を抱き寄せると・・・




「ギギギギィーーー!!!
ギギギギギギギギギギギギギギギギィーーーーーーー!!!」


熊八先生
「痛っ!!!」


イタチの男の子は興奮して
熊八先生の腕を引っかき…
傷をつけました…


マリア先生
「あ・・・熊八先生・・・!
大丈夫ですか・・・!?」



熊八先生
「・・・だ・・・大丈夫・・・
この子は怯えてるだけだ・・・


・・・さぁ・・・お家に入ろうな…」





「た・い・ち」






この時
熊八先生は、イタチを・・・

間違えて「たいち」と読んでしまったのです・・・



マリア先生
「・・・熊八先生・・・
・・・今・・・たいち・・・って言いましたよね・・・・」



熊八先生
「え・・・!
・・・そ・・・そうだったっけな・・・・?」




マリア先生
「・・・・この子の名前は・・・

「たいち」にしましょう・・・

きっと・・・

たいちは
神様から私たちに授けて下さった子どもなのです・・・」



熊八先生
「・・・そうかぁ~・・・

たいちかぁ~・・・


言い名前だ!!!

がっはっはっはっはっは!!!!」


たいち
「キャ・・キャハ・・・!

キャハハハハ・・・!キャーハハハハハハハハハ!!」


熊八先生が、いつものように…
がっはっはっはっはっは!と大きく笑うと・・・

さっきまで怯えて興奮していたはずの、たいちも一緒になって笑い出しました…



マリア先生
「あらまあ・・・
この子ったら・・・・


熊八先生、たいちは名前が気に入ったみたいですよ…」



熊八先生
「がっはっはっはっはっは!
たいち!たいち!たいち~!
今日から僕たちの子どもになったぞぉ~~~!!!」


たいち
「キャハ!キャハハハハ!キャハハハハ!キャハハハハ!」


熊八先生
「たいち~!
ほ~~~~ら!おとうさんだぞぉ~♪
ベロベロバァ~~♪ベロベロバァ~~♪」


たいち
「♪ギャハハハハハ♪ギャーハハハハハハハハハ♪」


マリア先生
「たいち、あなたは今日から私たちの子どもです…

このチャイルドホームですくすく元気に育ってくださいな…」


熊八先生
「マリア、僕たちもすっかりずぶぬれだ、これからたいちと一緒にお風呂に入ってくる!」




マリア先生
「では…
私はパンプキンスープとパンの用意をしてきます、あ…ホットミルクも入れなくっちゃ・・・」




熊八先生
「なあんだ・・・マリア、キミも一緒に
入らないのかい…?

・・・お・風・呂♪

・・・ムフフ・・・♪」




マリア先生
「熊八先生!!こんな時に何言ってるんですか!!!
私は後に決まってるでしょう!!!」




熊八先生
「わたたたたたた・・・・・!!!

じょ・・・冗談だよ冗談・・・!!


・・・がはははは・・・

マリアは怒ると恐いな・・・・♪」




マリア先生
「・・・もう・・・・

・・・熊八先生ったら・・・・」



「神よ

私たちに

元気な男の子、たいちを授けてくださり

感謝します


たいちが健やかに育ちますように…

そして…

このチャイルドホームで幸せな日々が送れますよう…

…どうか見守ってください…



アーメン・・・





熊八先生
「たいち!おとうさんとお風呂入ろうな~♪

さ、扉を締めて中に入ろう・・」



「ガチャリ・・・」



こうして
サッカー大好きで、イタズラ小僧の
わんぱくな男の子

イタチのたいちは
チャイルドホームに入ったのでした…

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この後は
待望の続編・・・

2年ぶりです…