水野球児
「はい、今日の練習はこれまで!
大会まであと2週間だからなー!
気合い入れて、明日の練習も頑張るんだぞーー!」
生徒のエキストラ
「はぁ~~~~~~・・・い...
わかりましたぁ~~~~・・・」
水野球児
「なんだなんだぁ~~・・・
気合い入っとらんなぁ~~~・・・
帰ったらしっかり飯食って力蓄えろよ~~~~・・・」
生徒のエキストラ
「はぁ~~~~・・・い・・・」
水野球児
「それでは解散!!
規律っ!礼っ!
ありがとうございましたーーっ!!」
生徒のエキストラ
「ありがと~~ございました~・・・」
俺の名は...
水野球児(みずの・きゅうじ)...
愛媛県立・玉駒井高校の
水球部のコーチをしている、高校教師(社会科・保健体育)だ・・・
しかし・・・
俺はどうも気が小さいというか・・・
球技を教える立場上・・・
もっと厳しく指導しなくてはならないはずなのだが・・・
いかんせん・・・
大声を張り上げて指導する事が大の苦手だ・・・
体も体育教師にしては貧相で・・・
身長172cm55kgと
ガリガリ体型だ・・・
はぁ~~~あ・・・
なぁ~~んで俺は体育教師なんかになっちまったのかなぁ~~・・・
そうでなければ・・・
こんな
水球部の指導なんて任されなかったのに・・・
吉金武司
「おっす!
キューちゃんおつかれっ!!」
水野球児
「あ・・・
たけちゃん・・・
おつかれっす・・・」
吉金武司(よしかね・たけし)
同じ玉駒井高校・・・
俺の3年後輩の体育教師だ・・・
貧相な俺とは違って・・・
筋肉質な体をしている・・・
身長は165cmと俺より低いが・・・
体重は100kgのゴリマッチョなガチムチ体型だ・・・
頭は短いスポーツ刈りで胸板も厚く
腕もレスラーみたいに太い・・・
なんとも羨ましい体型なんだよ・・・
チクショウ・・・
吉金武司
「はっはっはっはっはっは!!
どうした!どうした~~!
キューちゃん!
全然元気がないじゃないか~~~」
水野球児
「たけちゃん~・・・
水球部の指導員コーチだけどさぁ~
俺と変わってくれないかなぁ~~」
吉金武司
「そりゃあ無理な願いだなぁ~・・・
俺は相撲部指導と柔道部顧問をしている・・・!
水球部のコーチしてる暇なんてあるわけないじゃないか~~~・・・
はっはっはっはっはっは♪」
水野球児
「いいよなぁ~・・・
たけちゃんは・・・
筋肉質で逞しい体に恵まれてさ・・・
その筋肉・・・
俺にも少し分けて欲しいくらいだよ・・・」
吉金武司
「はっはっはっはっはっは!
どうだぁ~~♪
ムキッ!ムキッ!ムキムキムキッ!!」
(↑ポロシャツを脱いでランニング一丁になってポージングをしている)
水野球児
「いちいち脱ぐんじゃねーよ!
クソッ!(怒笑)」
吉金武司
「キューちゃん・・・
ちゃんと飯くってるのか~~?
ガリガリで情けないぞぉ~~(笑)」
水野球児
「うるさいなぁ!!
余計なお世話だっ!!
飯ならバクバク食ってらい!(笑怒)
昨晩なんて、ラーメン3杯食ったんだからなっ!!」
吉金武司
「食うだけじゃなくってよぉ~
筋トレしないと筋肉つかないんだぞぉ~?」
水野球児
「ちゃんと筋トレもしてるわいっ!
だけどなぁ~・・・
いくら頑張っもよぉ~~・・・
筋肉がちっともつかないんだよ~!」
吉金武司
「キューちゃんかわいそうになぁ~・・・・
きっと体質なんだよ・・・」
水野球児
「はぁ~~・・・あ・・・
俺だってよお~・・・
たけちゃんみたいな体になりてぇ~よぉ~・・・・
でもダメなんだよ~・・・
いくらト
レーニングしたって変わり映えしやしない・・・
全然ダメなの・・・!!」
吉金武司
「まっ・・・!
水球部はもうじき大会だろ?
あと少しの辛抱だ!
頑張れよ!!」
水野球児
「2週間後だ・・・
生徒たちにも舐められてるのか・・・
俺の言うことなんて聞きやしないし・・・
大会終わる日が待ち遠しいよ・・・」
吉金武司
「そんな弱気じゃダメだぞ~!
もっと気合い入れないと!!
・・・んじゃ!
俺はまだ相撲部の稽古があるから!
おつかれさんっ!」
水野球児
「相撲部は夜8時まで稽古してるもんな~・・・
本当えらいよ・・・
ほな、頑張って!!お先に帰りまーす♪」
吉金武司
「うーーーい♪」
水野球児
「さてっと・・・
俺は一足先に・・・
帰りましょっと・・・♪」
俺が名簿盤を持って・・・
プールサイドから離れようとしたその時・・・
妙なネコが俺の前に現れてこう言ったんだ・・・
「まったく・・・
男のクセに情け無いでおますな!」
水野球児
「な・・・!
何だよ・・・!お前・・・!!」
突然・・・
俺の前に・・・
日本語を喋る♂ネコが現れた・・・!!
たまさぶろう
「わてはドルフィン星からやってきた・・・
あんさんのお付き役のドラ猫・・・
「たまさぶろう」と言いまんねん♪
以後よろしゅうに~~♪」
水野球児
「あかん・・・
いよいよ
疲労困憊とストレスで幻覚が見えるようになっちまったか・・・」
たまさぶろう
「球児はん!
あんさんに・・・
これを渡しますえ!!」
ふてぶてしいその♂ネコは・・・
俺にオモチャのような腕時計を渡してくれた・・・
水野球児
「なんだよこれ・・・
ダサい腕時計だな・・・
まったく~~・・
何処の
おもちゃ屋で買ってきたんだ~~~~?」
たまさぶろう
「おもちゃとは失礼どすな!
これはドルフィン星の変身ウォッチどす!!」
水野球児
「変身ウォッチィ~~~~??
ガキの遊び相手かよぉ~~・・・
俺さぁ~~あ・・・
今年で30歳になるんだけど・・・・」
たまさぶろう
「球児はん!
あんさんは、ドルフィン星より選ばれし伝説のヒーローなんどす!!
今すぐ変身して...
生徒はんや、たけちゃんらを見返してやるんどすえ~~~!!!」
水野球児
「はいはいはいはい・・・
どうせ俺は夢でも見てんだろう・・・
しゃ~ねぇ~なぁ~・・・
ちょっと位なら遊びに付き合ってやるよ・・・」
たまさぶろう
「さぁっ!球児はんっ!!
今すぐ伝説のドルフィン戦士に変身するおますっ!!」
水野球児
「へいへいへいへい・・・
やりぁ~良いんだろ!
やりぁ~~・・・・・・
ったく・・・
面倒くせぇ~~なぁ~~~・・・」
(パカッ・・・♪
ピッピッ♪ピピピピピ♪♪
チャキーーーーーンッ!!)
水野球児
「変身っ!!」
キュイーーーーーーーーー・・・ンッ♪
(変身中のBGM↓)
チャーチャラッチャーーー♪♪♪
ダンダダンッ!ダンダダンッ!
ダダダッ♪ダダダッ♪ダンダダンッ♪
ジャジャジャン♪ジャジャジャンジャン
ジャジャジャンジャジャジャンジャーーーーーーンッ♪♪♪
デレデッデーン♪デレデッデーン♪
デ・デ・デ・デ・デデデデーン!!
シュウウウウウウゥゥゥ・・・♪
ダーーーーンッ!ムキムキムキッ!!
グワーーンッ!!ムキムキムキッ!!
ボキィーーンッ!ムキムキムキッ!!
愛と青春の・・・
熱血ドルフィン・
ティーチャー!!
水球コーーチ!!
シュートマン!!!
バギィーーーーーーー・・・ンッ!!!
シュートマン
「おおおっ!!
す・・・凄い・・・!!
こ・・・これが・・・!!
伝説のドルフィン戦士・・・
シュートマンなのかっ・・・!?」
たまさぶろう
「シュートマンはん!!
これで気力も身体も精神力も・・・
何もかも情熱溢れる・・・・
スーパーヒーローコーチになったんどすえっ!!!
明日から熱血ドルフィン・コーチとして・・・
生徒はんらを熱くビシバシ指導するおます!!!」
シュートマン
「おっしゃぁぁーーぁぁああっ!!!
熱血ドルフィン・パワーーで・・・
アドレナリン全開じゃぁぁーーーーーーーーーーぁぁぁぁああっ!!!」
たまさぶろう
「シュートマンはんっ!!!
その意気でおますっ!!!」
そして翌日・・・
シュートマン
「おどりぁあああーーーーっ!!
お前らやる気あんのかゴラァァァァァァァーーーーーーーッッ!!!」
シュートマン
「諦めんなよっ!!
諦めたらそこで全てが終わりなんだよっ!!!
ゲームセットなんだよっ!!!
勝負に対する気合いが全然足りねぇんだよっ!!!
お前ら本当にわかってんのかぁ~~~~~~~~~っ!!!?」
シュートマン
「いけいけいけいけいけええええええーーーーーーーぇぇぇぇーー!!!!!
止まんじゃねーよっ!!!!!
太陽が沈んでも良いからお前らは這い上がれぇぇぇぇーええっ!!!!!」
シュートマン
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・
お前ら・・・よくやった・・・
はぁはぁ・・・はぁはぁ・・・
最後に・・・・
バタフライ3000メートルで練習終わりだっ!!」
生徒のエキストラ
「はぁぁぁ~~~ぁ~ぁぁぁ~~ぁぁぁぁぁ~~~ぁぁぁああっ!?
も・・・もう・・・勘弁してくれよぉ~~~・・・・」
シュートマン
「はいっ!弱音を吐いたから・・・
10000メートルに変更!!!」
たまさぶろう
「青春どすなぁ~~~・・・
これが熱い青春なんどすえ~~~」
水野球児・・・
シュートマンに変身する事により・・・
憧れの肉体と・・・
気力・精神力を兼ね備えたスーパーヒーロー・シュートマンになれたのは良いが・・・
松岡○造並の熱苦しい指導方針に・・
生徒たちの体は・・・
果たしていつまでもつのやら・・・・
2週間後の大会で・・・
愛媛県立玉駒井高校は・・・
見事優勝し・・・
全国制覇を果たしたそうです・・・
めでたし♪めでたし♪
吉金武司
「キューちゃん・・・
カッコええなぁ~~・・・
お・・・俺・・・・
キューちゃんに・・・
ほ・・・
惚れちまったよぉ~・・・・」
「新たな男同士の恋が始まったんだとさ...」