どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

虎之助の中学生日記(入学式編)

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…ここは深山町の上川に沿った田舎の山村こと「寺村」では、4月になり春の訪れを迎えて野や畑、山々周辺には多数の植物が美しい花を咲かせ始める

ここ寺村の長男御三家の1人と、ご近所から呼ばれている「西郷虎之助」が今日、華々しく中学校の入学式を迎えるのであった

もうすぐ13歳になる寺村のわんぱく少年虎之助、まるまる坊主頭に相撲で鍛えた68kgの大きな体に、真新しい学生服と学生帽に身を包み、少し前までランドセルを背負っていた少年はすっかりお兄ちゃんになり、これから始まる中学生活に期待と不安で胸を膨らませていた

虎之助は鏡の前に立ち、自分の学生服姿に優越感を感じながら何度も前を向いたり後ろを向いたり、しゃがんだり、腰に手をあてたり、腕を組んでしかめっ面を浮かべたり、ちょいとふざけて相撲動作の四股踏みをしたり「どすこーいっ!」と言って張り手や突っ張り、押し出しの動きをして最後に「勝負あり~西ぃ~しぃ~虎之助~」と行司のマネまでして自分の学生服と学生帽の姿に大満足していた

そんなこんなと遊んでいると、向かいの家に住んでいる虎之助と1番仲良しの友達「森山健太郎」が一緒に学校へ行こう!と迎えに来た、皆からケン坊の愛称で親しまれているこの少年は、寺村の長男御三家の2人目であり虎之助の同級生、幼少時代からの親友になる

虎之助よりさらに大きな体格78kgの巨漢、2人が並んで歩くと赤鬼と青鬼のようだと指される、相撲の実力は深山町内地区1、2を争う実力を持っている、まんまる坊主頭に眼鏡をかけていて見かけによらず優しい性格、8つ歳の離れた弟の面倒をよくみる兄弟想いのお兄ちゃんだ、そのためか寺村のおじちゃんおばちゃん達にはよく可愛がられている

ケン坊は
「虎助~(こう呼んでいる)、
用意出来たんか~、入学式遅れたらいかんけん早く行こうや~」と、玄関でお互いが姿を会わせると
「ケン坊、すごい迫力だなぁ~おい!まるで巨人の星の「左門豊作」みたいだぞ!あはははは!」
と、虎之助が笑うと
「よぉ~ゆぅわい!おまえなんか、ど根性ガエルの「ゴリラいも」そっくりじゃないか!」
ケン坊も照れ笑いを浮かべながら虎之助に言った

なんか恥ずかしいよなぁ、俺たちまたピッカピカの1年生だもんなぁ~!
中学校ってどんなとこなんやろぉ~、やっぱ先輩とか怖くて生意気言うと、体育館の裏とかに連れてかれるのかなぁ~?
そんな会話で2人がゲラゲラ笑談していると

台所から虎之助の母親「昌子」が玄関にやって来た、あら~!ケンちゃん立派じゃない!その制服姿、よく似合ってるわよ!
でも、早く行かないと式に間に合わなくなるから、2人共早く学校へ行きなさい!中学校は小学校よりもずっと遠いんだから!
と、2人に注意を呼び掛けた
「は~い!、じゃあケン坊!行こうぜ!」と虎之助は腕を頭の後ろに組ながらそう言い2人は玄関を出た

ケンちゃ~ん!入学式が終わったら、家でご飯の用意してるからマーくん(ケン坊の弟、正弘)と一緒にいらっしゃいね!
キヨちゃん(ケン坊の母親キヨ子)にはちゃんと言ってあるからね~!
お昼は焼き飯と野菜たっぷりの出前一丁よ~♪
と玄関に出て昌子はケン坊に大きな声で伝える

すると「うん!おばちゃんの作ったご飯美味しいから大好き!楽しみにしてるからね~!」と口に両手をかけるような姿勢をとり大声で返した

向かいの少し高い場所にそびえる健太郎の家から「おに~ちゃ~ん!、とらに~ちゃ~ん!いってらっし~い!あとでぼくとあそぼうね~♪」幼稚園の制服を着たケン坊の弟、マーくんが山々に響くといわんばかりの元気な声で軒先から2人に手を振っていた

「おー!帰って家で飯食ったら薬師堂の広場で遊ぼうなー!
マーくんも今日から幼稚園がんばれー!」
と、虎之助が叫んで返した

そして「まさひろー!入園式でおとなしくしてないと兄ちゃん遊んでやらないからなー!
ちゃんとオシッコにも行っておくんだぞー!」と、
ここはさすがのお兄ちゃん、虎之助よりもさらに大きな声と、ちょっぴり厳しい表情をしながら弟に叫んでそう伝えると

「うん!わかった~♪ばいば~い♪」と可愛い満面の笑みを浮かべながらキンキン声の返事が返ってきた

ケン坊行こうぜ!と虎之助は家の前の坂道をとっさに走りだした

すると「おい虎助!走るなよぉ~!俺は体が重いから走るの苦手なんだよぉ~!」
ケン坊は困った顔でドテドテドテと走りながら虎之助を追いかける

…そんな希望に満ち溢れているわんぱく坊主の2人は、訪れる春の新緑の緑と、咲き始めた山桜の穏やかな風景に導かれ、太陽の光に照らされながら道の向こうへと消えていった。