どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

サッカーとイタズラ大好き少年、イタチの「たいち」くん「全編」

イメージ 1

とんがり帽子が目印のチャイルドホーム
そこには元気な子供たちが仲良く暮らしています
今日はどんなことが起こるのかな?
ちょっとのぞいてみましょう


小学3年生の「たいち」は、元気でサッカー大好きなイタチの男の子 

今まで病気ひとつした事がありません

ですが、困ったクセがあります

「たいち」はとってもイタズラ好きなのです

今日はアニマルランドの楽しい日曜日
チャイルドホームの子供たちは、みんなそれぞれ好きな事をしてすごしていました

1年生のお絵かき大好きな「ポン太」は、クロッキー帳とクレヨンを持って、「ほのぼの湖」へ、遊びに行くところでした

ポン太
「ポンポンポン♪ポンポンポン♪ポン太のお腹はポンポンポン♪」

ポン太が歌いながらウキウキお外に出ようとした時です

たいち
「へっへーんだ!クロッキー帳いっただき~♪」

たいちが突然やってきて、ポン太から大事なクロッキー帳を奪っていきました

ポン太
「あ!ボクのクロッキー帳!」

たいち
「や~い♪ポン太♪返して欲しければここまでお~いで♪」

そう言って、たいちはクロッキー帳を持って走って行きました

ポン太
「あ~ん!、たいちにぃちゃんクロッキー帳返してぇ~!」

ポン太は慌ててたいちを追いかけて行きました

2年生のおてんば娘「ミミ」が、お気に入りのぬいぐるみ「ラビーちゃん」と遊んでいました

ミミ
「ラビーちゃん、これからお注射の時間ですよ、チクッ…とするけど、痛くないですからね~♪」

たいち
「へっへーんだ!ぬいぐるみいっただきー♪」

突然たいちがやってきて、ミミのラビーちゃんを奪って行きました

ミミ
「あ~ん!ミミのラビーちゃん返してぇ~!」

ミミは大事なラビーちゃんをとられ大騒ぎ

たいち
「や~い♪返して欲しければここまでお~いで♪」

そう言って、たいちは逃げて行きました

小学4年生の「ハナ」が、お部屋で秘密の日記を書いていました

ハナ
「ヒトミおねぇちゃんの作ったカレーライスはとってもおいしくて、みんなおかわりを…」

すると突然たいちが部屋に入り

たいち
「へっへーんだ!ハナねぇちゃんの日記帳いっただきー♪」

たいちは秘密の日記帳を奪って行きました

ハナ
「えぇ~!!そんなぁ~…!私の…秘密の日記帳なのに…
たいち~!見るのは絶対やめてぇ~!」

たいち
「へっへーん!見ちゃうもんね~♪」

ハナは困った表情で部屋を飛び出し、たいちを追いかけて行きました

5年生の力持ち、モー次郎
の「もっくん」は、お庭で相撲の稽古、ドッシン!ドッシン!大きな音をたてて、テッポウと四股踏みをしています

もっくん
「どすこーい!どすこーい!だなもぉ~!」

すると、たいちがもっくんの後ろに来て、廻しをつかんできました

たいち
「へっへーんだ!もっくん隙だらけ!廻し外しちゃえ!」

そう言って、たいちはもっくんの廻しを外し、そのまま奪って逃げて行きました

もっくん
「ぶもぉ~!たいち何するんだなもぉ~!恥ずかしいんだなもぉ~!
おいらの廻し返すんだなもぉ~!」

たいち
「へっへーんだ!返して欲しければここまでお~いで♪」

もっくん
「ぶもぉ~!もう怒ったんだなもぉ~!おいらの張り手でこらしめるんだなもぉ~!」

もっくんはカンカンに怒って、たいちを追いかけて行きました


チャイルドホームの院長、熊八先生がトイレでうんちをしているようです

熊八先生
「ふう~♪今日は大きいうんちが出たぞ!がっはっはっはっは!健康!健康!
…さてと…紙…紙…カミ…!?
あれっ!?紙がないぞぉ~!!」

たいち
「へっへーんだ!トイレットペーパーはぜーんぶ頂いたもんね~♪」

熊八
「あっ!コラー!たいち!
トイレットペーパーを返すんだ!さもないと、お尻ペンペンだぞ!」

たいち
「平気だも~ん♪トイレットペーパーが無ければ熊八先生トイレから出れないも~ん♪」

そう言うと、たいちはトイレットペーパーを持って逃げて行きました

たいちはコッソリ部屋に戻ると、ベッドの下に、みんなから奪った物を隠しました

たいち
「へへん!これで今日は楽しく鬼ごっこが出来るぞ~♪」
ワクワクしながら部屋を出ようとしたその時…
「グゥ~~ゥ~ウ…」
お腹の音が鳴りました

たいち
「走ったらお腹空いちゃった、鬼ごっこの前に台所で何か食~べよ♪」

たいちが台所へ行くと、ヒトミおねぇちゃんが、お昼のハンバーグを作っていました

たいち
「やった!今日のお昼ハンバーグだ!」

ヒトミ
「あら、たいち、ちょうど良かった、これから虎之助おじさんのとこに行って、卵を買ってきてくれないかしら?今日はヒトミおねぇちゃん特製目玉焼きハンバーグよ!」

たいち
「えー!お使いかよぉ~…
めんどくさいなぁ~…、これから鬼ごっこして遊ぶとこなのに…」

ヒトミ
「鬼ごっこ?…たいち、またみんなに悪さしてたんじゃないでしょうね!」

たいち
「へっへーんだ!今日は5対1のスリル満点の鬼ごっこなんだ!」

熊八先生
「コラー!!たいち!見つけたぞっ!」

熊八先生が怒りながら台所へやってきました

たいち
「あれれ!熊八先生!
…どうやってトイレから出てきたの…?」

マリア先生
「ハァ…紙は…私が持っていきました…
院長先生の声が「う~ん!う~ん!」とトイレから聞こえてきたので何事かと思ったら…
たいち…みんな怒ってますよ…」

ポン太
「たいちにぃちゃんボクのクロッキー帳返してよ!」

ミミ
「ミミのラビーちゃん返してぇ~!!」

ハナ
「私の日記帳返は!?」

もっくん
「おいらの廻し返すんだなもぉ~!!どすこい!」

熊八先生
「さぁ!たいち!もう逃げられないぞ!観念しろ!
お尻ペンペンだ!」

たいち
「ありゃ~…これはマズイ…
大ピンチだ」

もっくん
「みんなで捕まえるんだなもぉ~!どすこい!」

ヒトミ
「ちょ…ちょっと待ってよみんな!こんな所でもっくん達が暴れたら、ハンバーグがメチャクチャになっちゃうでしょ!?鬼ごっこなら外でやってちょうだい!」

もっくん
「みんな突撃だなもぉ~!
どすこい!」

ヒトミおねぇちゃんの忠告も聞かず、もっくん達はたいちを捕まえようとしました

たいち
「わっ!わっ!わっ!みんなちょっとタンマ!」

ドタバタドタバタ!ズッシンズッシン!

ヒトミ
「きゃあ~!やめてぇ~!」

みんないっせいに、たいちを捕まえようとします

ドッチャン!ガッチャン!
台所はしっちゃかめっちゃか!
ヒトミおねぇちゃんの作ったハンバーグの材料が床にベッチャリ落ちてしまいました

ヒトミ
「あ~ん!まだ焼いてないハンバーグのミンチが!
みんなのお昼ごはんなのに!」

もう台所はみんなが暴れてメチャクチャ!たいちはテーブルの下をくぐり抜け、台所を上手く脱出しました

たいち
「へっへーんだ!みんなこっちだよ~♪おいら絶対捕まんないもんね~♪」

みんなを挑発しながら得意気に逃げていたその時です

たいちが出しっぱなしにしていたサッカーボールに足をとられてしまいズデーン!と転んでしまいました

もっくん
「たいちが転んだなもぉ~!今が捕まえるチャンスだなもぉ~!どすこい!」

ポン太
「たいちにぃちゃん!捕まえた!」

ミミ
「わ~い♪みんなでこらしめちゃえ~♪」

ハナ
「ボールを出しっぱなしにしてるからこうなるのよ!」

熊八先生
「みんなちょいと待った!!」

突然熊八先生が、たいちに駆け寄るみんなを呼び止めます

熊八先生
「たいち、足をみせるんだ…」

熊八先生は真剣な表情で、たいちの右足を触りました

熊八先生
「ここ押すと痛いか?」

たいち
「うっ!痛いよぅ!」

熊八先生
「こことここを押すとどうだ?」

たいち
「いたたた!熊八先生、やめてよぉ!」

たいちは熊八先生に足を押されると、目をギュッ!とつまんで痛いと叫びました

熊八先生
「ありゃりゃ…これは捻挫だな…来週のサッカー大会の出場は無理だな…」

たいち
「えぇ!そんな…!
おいら嫌だよぅ!サッカー大会は絶対に出るんだい!」

熊八先生
「この足では無理だ、たいち、ちょっと立ってごらん」

たいち
「こ…このぐらいのケガなんて、おいらへっあたゃらだい!」

たいちはどうにか立ち上がろうとしましたが…

たいち
「いたたた…!」

体を起こす事すら出来ません

熊八先生
「そらみろ、立ち上がる事も出来ないだろう?
サッカー大会は諦めるんだ」

たいち
「やだやだやだ!サッカー大会は絶対出るんだい!
おいら一生懸命練習したんだから!」

マリア先生
「たいち…悪い事ばかりしていたからバチが当たったのですよ、これからすぐにお医者様を呼びますから、しばらくの間はお部屋でゆっくり安静にしながら反省なさい」

熊八先生
「マリア、お医者様を呼ぶ必要はないよ、捻挫は安静にしてれば自然に治るんだ、湿布をして包帯を巻くのはワシがやるから大丈夫だ」

熊八先生は、たいちをゆっくり抱えておんぶしました

ヒトミ
「もうっ!イタズラばっかしてるから自業自得よ!」

もっくん
「サッカー大会に出られなくなったのは自分が悪いんだなもぉ~!いい気味だなもぉ~♪」

ハナ
「ちょっぴりかわいそうだけど…しかたないわよね…」

ミミ
「あ~あ!つまんない!たいちにぃちゃんのサッカー大会楽しみにしてたのに~」

ポン太
「ミミおねぇちゃんは、お弁当が楽しみなんだよね~♪」

ミミ
「エヘヘ~♪ばれちゃった~♪」

ポン太
「ボク、たいちにぃちゃんがサッカーしてるところ描くつもりだったんだよ、
楽しみにしてたのになぁ…イタズラばっかりしてるからバチが当たったんだよ、ちゃんと反省しなきゃダメだよ~」

イタズラをした「たいち」には、誰も慰めの言葉はありません、みんなの言葉が痛く胸に刺さります

熊八先生におんぶされて、たいちの部屋へと向かっている最中
熊八先生は、たいちが肩を「ギュッ」…と強く握りしめ、顔を強く当てている背中から暖かい感触がよく伝わるのがわかりました

熊八先生は、気持ちを察し一言呟きます

熊八先生
「たいちはやっぱり男の子だなぁ、お部屋に入ったら先生と二人だけで、お話をしよう…な…?」

たいちはさらに熊八先生の肩をギュッ!と強く握り、顔を背中に強く当てながら頷きました

少し震えているのも感じました

そう…
たいちは泣いているところをみんなに見られたくないのです、必死に熊八先生の背中にしがみついて部屋に着くまで泣くのを我慢しているのでした

大好きなサッカーが出来ない…本当は大声で泣きたい

でも男の子だから泣くなんて恥ずかしい…

小学3年生の少年「たいち」がほんの少しお兄ちゃんになる年頃なのでした

「全編終」