それは昨日の蒸し暑い朝の出来事だった…
まだ外も暗く、虎之助が眠っている部屋も真っ暗な闇に包まれている…
シー・・・ン・・とした部屋には
虎之助の無防備なイビキだけが響いていた…
いつもと変わらない平凡な朝だと思っていたはずなのに…
部屋には自分1人しか居なかったはずなのに…
恐ろしい魔の手が虎之助に忍び寄っていたのだ…
そう・・・
部屋には何かがいる…!!
眠っている虎之助はまだそれに気がついていない…
…目を覚ませば…
…きっと君は僕の存在に気がつくだろう…
…さあ…
…起きなさい…
…泣きベソ坊主の虎之助…
…明かりをつけて…
…僕を見てひれ伏すがいい…
…キミは恐怖に怯えて何も出来ない…
…うごめく8本の足が…
…明かりの光に照らされて黒い影を映し出す…
…キミは僕に勝てないよ…
…だってお不動様の前で…必ず十善戒を唱えているんだもの…
…さぁ、どうする…?
…虎之助よ…
…キミは会ってはならない奴と出会ってしまったのだ…
夏の恐怖スペシャルシネマ
「~アシダカ蜘蛛vs虎之助~」
※特別付録付増刊号盤!
ピピ♪ピピ♪ピピ♪ピピ♪…
ピピピピピピピピピピピピピピーーーーーーーーーーーー!!!
暗い部屋に、目覚ましのアラーム音が響いていた…
虎之助
「うんぁあ~・・・眠たぁ~・・・」
フォン♪←アラームを切る効果音
虎之助
「んぁ~あ・・・しんどいなぁ~・・・もうこんな時間か・・・」
時刻は朝の3:50
そろそろ起きなければいけない時間だ…
虎之助
「昨日忙しかったなぁ~…クッソ~…
眠い…疲れがたまってんなぁ~…」
疲れた体を無理矢理起こし、部屋の明かりをつけてトイレに行く
この時はまだ奴の存在には気づかなかった…
トイレでウ○コと小便を済ませる
ついでに洗面所で歯磨きと洗顔も済ませ
部屋に戻ったその時…
私は奴の存在に気づいてしまったのだ…!
…そう…
…その奴とは…
…コイツだ…
…ワン♪トゥー♪スリー♪
「!?」
無加工画像↑
「!!!!!」
接近画像↑
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
「ダダン・ダン・ダダン♪」
拡大画像↑
「ダダン・ダン・ダダン♪」
「ダダン・ダン・ダダン♪」
私の部屋に・・・!!!!!!
アシダカ蜘蛛が出たっっ!!!!!
アシダカ蜘蛛!!
それは蜘蛛嫌いの虎之助が、日本に有する蜘蛛の中で最も恐れている特大サイズの蜘蛛である…!!!
このアシダカ蜘蛛
日本では東日本、特に北海道方面では殆ど生息はしておらず、地方ではまだ1度も見た事がないという人も居る…
関東地方から西日本へ向けて、鹿児島や沖縄の暖かい亜熱帯地区に生息している
その存在は江戸時代から確認されており、在来種ではなく外来種と言われている、ゴキブリ退治に輸入したのか、外国船に紛れて日本に放たれてしまったのかは謎の説になっている
コガネグモやジョロウグモのような巣を張って獲物をジッ…と待つタイプとは違い、自ら獲物を狩りに動く徘徊型の蜘蛛である
夜行性であり目が光る、俊敏な動きで高速な早さで獲物を狩る姿はまさにハンター
主にゴキブリ、ハエ、蚊、等、人間に対して害になる虫を食べてくれるのでありがたい存在であるため、一部の方からはゴキブリハンター、アシダカ軍曹、等と呼ばれていて頼りにされている
しかし、その姿がタランチュラ並のグロテスクざがあり、大きいサイズではCD1枚分の大きさになるまで達する
日本で1番の大型サイズの蜘蛛なのだ
しかし、見た目に反して大変臆病者であり、人の気配や少しの物音にも敏感に反応すると、すぐに逃亡して物陰に隠れる習性もある…
アシダカ蜘蛛によるネットの反応は!?
ほんわか名無しさん
259:アシダカ軍曹は家中のゴキブリを食べてくれるんだぞ、殺すとかアホだろ
名無しさんが\(^o^)/VIPでお送り致します
963:俺が消防の頃、卵を持ったメスのアシダカ蜘蛛をハエ叩きで叩いたら…
名無しさんが\(^o^)/VIPでお送り致します
964:>>963(゜Д゜;)ひいいいいいい!
となりの名無しさん
423:俺の部屋で二匹飼ってるよ!なかなかの大きさになったし、ゴキも居なくなって軍曹様々だぜ!
VIPがお送り致します
231:(´・ω・`)殺しちゃダメだお…
名無しのゴンベエ
999:1000ならアシダカさんがキミの後ろに…
名無しのゴンベエ
:1000次スレお願い(´;ω;`)ブワッ…!
ほんわか名無しさん
125:アシダカと暮らすんだったらGの方がマシだわwww
ほんわか名無しさん
126:>>125じゃあゴキブリと仲良く暮らせばw
ほんわか名無しさん
127:>>126(´・ω・`)つ)д`)ハウ…!
ほんわか名無しさん
221:速いんだよなぁ…コイツ…
名無しさんが\(^o^)/VIPでお送り致します
869:アシダカさんは大きさで損してるよね、ハエ取り蜘蛛だったら可愛くて平気なんだけどな
名無しさんが\(^o^)/VIPでお送り致します
932:(≧∀≦)アヒャヒャヒャヒャ♪
名無しさんが\(^o^)/VIPでお送り致します
933:>>932
タヒねよマジキチ↑
等々!色々な声が寄せられてますが、その反応も様々なようで…
そのアシダカ蜘蛛が…
私の部屋に居たのだ…!!
発見した時は絶句…
「え・・なんで・・・?」
「戸締まりはしっかりしているのになんで部屋に居るん!!??」
と、初めはその事態を受け入れられなかった…!
そうだよね・・・
蜘蛛さんだって生きてるんだ・・・
外の玄関や、ポンコツ丸が置いてある所では毎年見かけていたけれど・・・
ま・さ・か
私の部屋に!?
蜘蛛さん、どうして・・・?
私の部屋を守ってくれてたの?
部屋にいる蚊や悪い虫を食べてくれているんだよね?
この前大きなゴキブリが出たもんね・・・
アシダカ蜘蛛さんは、私が眠っている間、ゴキブリや蚊、小さな虫を食べるために
部屋をパトロールしてくれているんだね・・・
ありがとう・・・
アシダカ蜘蛛さん、今日から一緒に暮らそう・・・
ボクとキミは今日から友達だ・・・
これから仲良くしよう、宜しくね・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・なぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんて言うわけ・・・・!!!!!
なかろうがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
わしの部屋に入った事が運の尽き!!!
朝蜘蛛だろうが夜蜘蛛だろうが関係無し!!!!!
直ちに抹殺じゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!
一歩も逃がさん覚悟しろーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!
私は早速アシダカ蜘蛛の抹殺兵器、「アースジェット」「キンチョール」を台所から持ち出し、アシダカ蜘蛛へ狙いを定める!!!
・・・落ち着いて・・・
ここでヘマをすれば長期戦になってしまう・・・
アシダカ蜘蛛が殺虫剤ですぐに死なない事はもう昔から実証済み
コンポやベッドの下へ入られたら厄介だ
敵が見えなくなると、突然出没してくる恐怖と不安で戦闘能力が軽減してしまう!!
アシダカ蜘蛛との勝負は…
最初の一撃が肝心なのだ…!
私の必殺技
両サイドから狙い撃ちにする
「dead sandwich」
アシダカ蜘蛛に殺虫剤を直に発射すると、察知能力が高い為に俊敏な速さで走り出すのだ…!!!
・・・なので、先ずは両サイドに殺虫剤を噴射して逃げ場を防ぎ、アシダカ蜘蛛が異変に気づいて動き出したら奴にめがけて至近距離から発射する、この時に少しでも怖がって躊躇したり、逃げてしまったら計画は丸潰れになってしまう…
チャンスは1度・・・
必ず奴を仕留めるのだ・・・
//dead time//
アシダカ蜘蛛よ…
悪く思うなよ…
私の部屋に入れば…
…命はない…
アースジェットとキンチョールをアシダカ蜘蛛の両サイドに構える
呼吸を整え覚悟が決まったら…
十善戒を解き…
2つの殺虫剤を・・・
「発射あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
「ブシュウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
「死ねえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」
「!?」
アシダカ蜘蛛「な・・なんだこれは・・・!?く・・・苦しい・・・!!!!!」
アシダカ蜘蛛が異変に気づいて動き出した!!
・・・が・・・!!しかーしっ!!
両サイドは既に殺虫剤にまみれて逃げ場はない!!!!!
アシダカ蜘蛛
「う・・・うぐ・・・!!!」
アシダカ蜘蛛の動きが止まった!!!!!
今が絶好の攻撃態勢に!!!!!
「いまだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
「ブシュウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
アシダカ蜘蛛に近づき、至近距離からアースジェットとキンチョールを集中攻撃!!!!!
数十秒間攻撃を続けて一旦停止する…!
アシダカ蜘蛛は2つの殺虫剤によってパニック状態になり、動きがおかしくなってきた…!
ガクガク…ガクガクガクガク…と、よろめきながらもどうにか生きようと頑張っている…
暫く様子を見て、再び2つの殺虫剤を噴射!!!
かなりの至近距離から攻撃して、アシダカ蜘蛛は殺虫剤だらけでテカテカに濡れている…
これにて殺虫剤の攻撃は終了…
後はトドメをさすのみ…
アシダカ蜘蛛はどうにかこうにか生きようと這いずり回り、ついには天井を這いだした!!!!!
シャカシャカシャカシャカシャカ…
アシダカ蜘蛛
「お…おのれぇーーーー・・・よ、よくもやってくれおったのぉ…!!!」
アシダカ蜘蛛が天井を這いずり回るのだが、段々よろめき出して今にも天井から落ちそうだ
私は玄関からホーキを持ち出し、落ちてこないか警戒しながらアシダカ蜘蛛の下を素早く移動して、ベッドの上に上がった
虎之助
「アシダカ蜘蛛よ…これで勝負はついたな…
お前はもう…死んでいる…」
…と、北斗の拳、ケンシロウの名台詞を吐きながら、アシダカ蜘蛛の下にホーキを構える
…そして呼吸をもう一度整えた所で…
「パシンッ!!!!!」
アシダカ蜘蛛をホーキで天井ごと叩いた
…すると、アシダカ蜘蛛は無残にもポトリ・・・と床に落ちた・・・
「これにて抹殺完了」
ベッドから降りて、逆さになって脚をクシャクシャしているアシダカ蜘蛛をホーキで持ち上げると、急に歩き出してビックリする
…奴はまだかろうじて生きているのだ…
私はホーキで最後の抵抗を見せるアシダカ蜘蛛と最後の会話を交わす…
アシダカ蜘蛛
「こ…これで勝ったと思うなよ…
この地球上にはまだ何千万匹も僕の仲間が居る、そして必ずお前の所にやってくる…何匹殺しても…仲間は増え続けているのだからな・・・」
虎之助
「何匹来ても…何回来ても…私は同じように抹殺する…ただそれだけだ…」
アシダカ蜘蛛
「何回仲間を殺ったって…お前はアシダカ軍の恐怖からは逃られないぜぇ…」
虎之助
「そうかもな…アシダカ蜘蛛の恐怖は生きている以上死ぬまで消えない…
宿命だな…」
アシダカ蜘蛛
「アシダカ軍に怯えろ!恐怖しろ!仲間が集まればお前なんてイチコロだ!あーー!はっはっはっはっは!!!」
虎之助
「・・・・・・・・・・・」
アシダカ蜘蛛
「はっはっはっはっはっはっはっはっはっは!我がアシダカ軍は永遠に不滅なのだ!はっはっはっはっは!はっはっはっはっは!はっはっはっはっは!!!」
虎之助
「アシダカよ、ここがお前の墓場だ…最後に何か言い残す事はないか・・・」
アシダカ蜘蛛
「き・・貴様・・・!!ここは便所!?」
虎之助
「さっき小便とウ○コしたばっかりだから・・・ちょっとキツいよ・・・」
アシダカ蜘蛛
「お・・・おのれこの泣きベソ坊主がああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
虎之助
「さようなら・・・あの世でさんぼ君が居たら仲良くしてくれよな・・・」
「ポチャン・・・♪」
アシダカ蜘蛛
「ブハッ!や・・・やめろ・・・!やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
虎之助
「おやすみ・・・ビッグスパイダー・・・・・・・」
グイッ・・!
「ザバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!ゴボボボボボボボボボボボボボボボボ!!!!!」
アシダカ蜘蛛
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!!!!まだ死にたくなぁいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」
「ゴボボボボボボ・・・ポチャポチャポチャ・・・♪」
虎之助
「終わった・・・」
虎之助の宿敵、アシダカ蜘蛛との死闘は幕を下ろした
何時の日か…
寒さに凍え死んでしまった「さんぼ君」に悲しみ涙した虎之助
自分の部屋に入ってきたアシダカ蜘蛛は、2つの殺虫剤で半殺しにした後、最後は便所に流した虎之助
同じ蜘蛛でも…
どうしてこんなに扱いが違うのだろうか・・・
いずれにせよ、アシダカ蜘蛛との戦いはまた何時の日か訪れる事だろう…
その時
勝利するのはアシダカ蜘蛛か・・・
それとも虎之助か・・・
勝負の行方は
また再会した時にでも実況しよう・・・
「終」
期間限定特別付録!!
懐かしジャージピンナップ