和尚の寺に、遙々遠い里山からやってきたおやちゃいぼうずの「たまどん」と、大きな体の力人「百太郎」
うり坊の力人である村一番の力持ち「虎丸」と、たまどんの力人「百太郎」、二人の大男が相撲で力くらべをすれば、どちらが強いのだろうか…?
自信満々に百太郎を待ち構える虎丸
一方、虎丸と交遊関係を深めて友達になりたがっている百太郎
この対立した二人の力人の対決は一体どうなってしまうのか…?
ついに村一番の力持ち虎丸と、里山一番の力持ち百太郎がお互いに対面することになったのだ
今朝はまぶしい青空に、程好く浮かぶ白い雲
まだ春と呼ぶにはまだ少し早い、朝露が草木や苗木を光らせる冷たい朝だった
山にはウグイスの鳴き声
畑周辺には巣作りで忙しい親ツバメが飛び回っている
野草が生えている土と丸太で出来た階段を登る音が
ズシン…
ズシン…
ズシン…と、だんだん此方へ近づいているのがわかった
そしてまだ朝霧がかかるお寺の山門をくぐり抜け、たまどんと百太郎は虎丸達がいる寺の境内へとやってきたのであった
虎丸
「おうしっ!やっとこさ来たな!百太郎!わしに相撲で勝負を挑むとは良い度胸だ!」
「わしが村一番の力持ち
虎丸様じゃ!」
「覚悟しろ!ここまで来たらもう絶対に逃がさんぞ!
恐くて泣いてもダメだぞ!」
「天狗様すら恐れている、わしの強力ぶちかましと頭突きをくらった奴はみんな小便チビって泣きべそじゃいっ!」
「さあこいっ!
百貫デブの百太郎!
この虎丸様が泣かしてやるっ!」
百太郎
「お~い!
虎丸~♪
来たぞ~♪」
たまどん
「うり坊~!
虎丸~!
和尚さま~!
おいどんは、おやちゃいぼうず、玉ねぎのたまどんじゃべよ!
そんでもってこやつがおいどんの力人、百太郎じゃべ!
よろしゅうべな!」
百太郎
「おめぇが村一番の虎丸か~
なんかチビっこくて可愛い奴じゃな」
虎丸
「あ・・・・・!
あわ・・・・!
あわわわわ・・!
なんじゃあ!こいつは!
わしよりもずっと…ずっと…
ずーーーーーー・・・・・っと
大きいやないかぁ~~~・・・!!」
百太郎
「虎丸はまるまる太っていてめんこいのぅ~
すっかり気に入ってしもうたぞ
わし百太郎じゃ!よろしくな!」
和尚さま
「よう来たのぅ~
こやつがうり坊と同じ、おやちゃいぼうずなのじゃな~?」
たまどん
「おいどんは玉ねぎのたまどんじゃべ!
うり坊、久しぶりだんべ、元気にしてたべか?
和尚さま、百太郎と一緒にしばらく世話になるけどええべか?」
和尚さま
「えぇ~よ♪えぇ~よ♪
何日でもいてかまわんぞ♪
うり坊や、賑やかになって嬉しいのぅ~」
うり坊
「わぁ~い!たまどんだぁ~♪
久しぶり~♪
おしょうしゃま~、たまどんは、おやちゃいぼうずの中で一番の力持ちのなんだよ!
ついに対面を果たした虎丸と百太郎
虎丸に逢えて嬉しそうな百太郎
…に対し…
あれだけ堂々と強気に勝負を挑んでいた虎丸だったが、百太郎の想像を絶するあまりにも大きな迫力に、半ベソで涙を浮かべ、さらには鼻水までも垂らしながら、自分以上の巨漢男、百太郎にすっかりびびってしまい震えがおさまらないようだ…
これで本当に力くらべの相撲をとる事が出来るのか?
次回、ついに虎丸と百太郎が相撲で対決!?
あまり期待をせずに!渾身の力くらべを見届けよう…!!
たぶんまだ続く…