深山町・・・
まだ春先の・・・
冷たい空気が漂う中学校の校舎内・・・
昨日入学式を迎えたばかりの新１年生は・・・
緊張の面持ちで授業初日を迎える事となるのだが・・・
この「１年４組」の担任は・・・
体育教師であるがため・・・
普通の先生よりも・・・
うんと厳しく暴力的な先生なのでした・・
その体育教師が・・・
どんな先生なのかと言うと・・・
西郷先生
「俺は授業中のトイレは絶対に許さん・・・
授業前の休憩時間にトイレを済ませておくのは中学生として当たり前の事だろう・・・？
ここは小学校じゃない・・・
中学生になれば・・・
高校受験、運動部による部活の総体や県大会出場・・・！
強豪選手になれば、全国大会だって出場可能になるんだからな・・・！！
子どもだった体が・・・
だんだん大人へと変わっていく大事な成長期なんだ・・・！
性への迷いや戸惑い・・・
異性に恋だってする事もあるだろう・・・
だけど思春期ではそれが当たり前だからな・・・！
人生の中で一番多感な時期であり、何事も「初めて」を学ぶ所だ・・・！！
お前ら生徒たちはな・・・！
勉強とスポーツを通して仲間同士！
切磋琢磨に競い合い！！！
文武両道学びあれ！！！
俺はな・・・！
迷い無く正解の道へと導いてやるのが先生の役目なんだと・・・！！
常日頃・・・
毎朝考えて・・・！
毎日使命感と深山中学校のイチ教師である事に誇りを持って行動している！！
中学生活の厳しさを経て・・・！
高校生として恥ずかしくないよう・・・！！
しっかり一人前の生徒として育成していかなければならないのが・・・！！
この「中学校」である！！！
そんな中学生がだぞ・・・！？
まさか授業中にトイレなんて言語道断！！！
責任は全て自分にあるという事だからな！！！
そんな甘えは小学校までっ！！！
俺は絶対に許さんぞぉっ！！！
もし・・・
万が一・・・
授業中、トイレを申し出てきた奴は・・・
自己管理を怠った罰として・・・
授業が終了するまで我慢する事！！
いいなーー！？
授業中のトイレは厳禁！！
ひとつ忠告しておくが・・・！！
これは男女問わずだからなぁーー！？
わかったなぁーーー！？
お前らぁっっ！！！」
クラス全員
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
西郷先生
「わかったかって聞いてるんだぁっ！！！」
クラス全員
「はい・・・！はい・・！はい！
・・はい！・・はい！・・・はいっ！」
西郷先生
「声が小せえんだよっ！！
この馬鹿ちん野郎がぁっ！！！」
クラス全員
「は・・・はいっっっ！！！！！」
タワシのような丸刈り頭に・・・
胴長短足でガッシリした固太りの筋肉質なゴリラ体型・・・
野球監督のようなグラウンドコートにホイッスル・・・
光沢感があるスポーツメーカーのトレーニングパンツにアシックスのシューズ・・・
柔道部員や相撲部員らと一緒に張り切って筋肉トレーニングに励む、筋トレマニアな中年男・・・
エッサッサ体操で有名な、あの日体大卒の体育会系であり・・・
体育祭では全校生徒に学校の教員、更には生徒の親御さんたちが見守る中・・・
なんと運動場の真ん中でジャージとポロシャツを脱ぎ・・・
堂々と、その自慢の筋肉を見せつけるかの如く際どい黒の競泳パンツ一丁の姿で誇らしげにエッサッサ体操を披露する有様なのだ・・・
そう・・・
この人が僕の担任の体育教師・・・
１年４組
「西郷虎之助」先生なんです・・・
「僕の担任の先生は体育教師２」
人生は七転び八起き短編集（其の４）
入学式の翌日・・・
１年４組
担任の体育教師
「西郷虎之助」先生は・・・
まだ中学校の雰囲気に慣れていない生徒たちを前にして・・・
ついにその本性を現したのだ・・・
身長こそはそんなに高くはないものの・・・
胸囲は125cm、ウエスト110cm
更には野球選手のように盛り上がったお尻
生徒たちとはまるで桁外れな体格・・・
堂々と仁王立ちで教檀に立つその姿に・・・
驚異的な威圧感と圧迫感に襲われ、思わず背筋をブルリ…と震わせてしまう・・・
そんな中・・・
不運にも授業開始からわずか５分という短い時間で・・・
緊張と恐怖感がストレスとなってしまい、脊髄の神経が膀胱へと伝わり、心因性からくる急性の切迫性多尿症を発症してしまった・・・
１人の男子生徒は・・・
とても授業が終わるまで我慢出来ないと判断し・・・
勇気を出して西郷先生に、トイレの申し出をしてみたが・・・・
西郷先生
「お前さっき俺が言った事、ちゃんと聞いてたのかぁーーぁあ！？
授業中のトイレは自己管理を怠った自分の責任だよなぁぁーーーぁあ？
もう小学校じゃないんだから、それぐらいはわかるよなぁぁーーーぁあ！？
ちゃんと休憩時間にトイレを済ませなかった罰だっ・・・！！
授業が終わるまで我慢する事っ！！！
いいなっ！？」
・・・・・と・・・・・
有言実行通り・・・
トイレの許可を許してくれなかったんだ・・・
僕は絶望的になり・・・
背筋が「サァーーー・・・」と、冷たくなってゆくのが伝わっていくのがよくわかる・・・
ガクガクと肩を震わせて・・・
足をモジモジとさせながら・・・
仁王立ちの西郷先生がボンヤリと滲み出して見えなくなってくる・・・
やがて頬からポロポロ…と涙をこぼし始めてしまう・・・
そんな僕の惨めで情けない姿を見ながら西郷先生は・・・
西郷先生
「おーーーい！？
どうしたーー！？
泣きベソかいてるけど・・・！？
お前・・・！？
大丈夫なんかーーーー！？」
全く気にもしてない様子で僕にわざと意地悪な言葉で攻めてくる・・・
他のみんなは僕を白い目で見てるだけで・・・
誰も助けようとはしてくれなかった・・・
・・・もう・・・
・・・・ダメだ・・・
僕はもう絶望した・・・
授業初日の１時間目から・・・
みんなの前で前代未聞の大失態を晒してしまうんだ・・・
そして・・・
卒業するまでの３年間・・・
僕はずっと・・ずっと・・・
全校生徒のみんなに笑われて・・・
後ろ指を指されながらからかわれ・・・
この中学生活を耐えに耐えて過ごしていかなきゃならないなんて・・・・・
そんなの絶対に・・・
僕は嫌だ・・・！！
西郷先生
「お前・・・！？
まさかとは思うが・・・！
中学生にもなって授業中に・・・！？
○○◯○なんか絶対するなよ・・・！？
教室がお前の出した排泄物で汚れてしまうんだからなーー・・・！
臭い匂いが充満して・・・！
周りのみんなが迷惑するし・・・！
後片付けをするのは先生なんだからな・・・・！？
俺の授業でそんな失態してみろ！！
只では済ませないからなーー！！？」
西郷先生の意地悪・・・
わかってるくせに・・・・
もう僕が・・・
その状況になってしまうのを・・・
わかってるくせに・・・
意地悪な西郷先生は僕にトイレの許可を絶対にしてくれなかった・・・
僕は絶望と悔しさが込み上げてきて・・・
声をしゃくり上げながら泣き出してしまう・・・
だけど西郷先生は・・・
そんな僕を無視して・・・
西郷先生
「それじゃあ授業を始めるぞー！
教科書３ページ目を開いてーー・・！」
そう言って・・・
黒板の方を向き、チョークと教科書を持って授業を始めた・・・
カツカツ・・・！
カツカツカツカツ・・・！
カツカツカツカツカツカツ・・・！
肌寒くて静かな教室には・・・
西郷先生が黒板に・・・
チョークで強く目一杯力を入れて字を書いている音だけが響いてる・・・
まだ授業開始から１０分程度しか経っていない・・・
僕は時計ばかりを気にしてる・・・
痛いよう・・・
膀胱がはちきれそう・・・
トイレに行きたい・・・・
トイレに行きたい・・・・
トイレに行きたい・・・・
トイレに行きたい・・・・
トイレに行きたい・・・・
嗚呼っっ・・・！！！
トイレに行きたいっっ・・・・！！！
もう我慢出来ないっっ・・・！！！
脳内で何度も呪文のように繰り返す・・・・
西郷先生は足をやや広めに開き、教科書を確認しながらチョークで字を書いている・・・
野球選手のようなお尻をピッタリと包んでいるトレパンからは・・・
おそらく下着はブリーフを穿いているのであろう、トレパン越しからそのパンツのラインがクッキリと露わになっている・・・
途中少し前屈みになり、お尻の大きさとブリーフパンツのラインが強調される・・・
先生の後ろ姿をよぉ～く見ろ！・・・と
まるで無言の主張をしてるかのようだ・・・・
これが男の体なんだぞ！！
恰幅がある男こそ出世するんだ！！
他の男性教師やお前らのように細くて軟弱な体とは訳が違うんだからな！！
男子生徒は俺の体を見本にして体を鍛えろ！！
女子生徒は大人の男というのがどんな体をしているのか・・・
その目でよぉーく確かめろ！
これが中学校の支配者の姿・・・
体育教師・・・
西郷虎之助の姿なのだ・・・
そんな西郷先生の後ろ姿を見ていると・・・
急激なな尿意が僕を襲ってきた・・・！
ぐ・・・・！！
ぎ・・・・！！
ぎ・・・・！！
ついに我慢の限界が近づいてきた・・・・！
もう・・・
あと５分も我慢出来ない・・・！
僕はもう・・・
大失態してしまうしかないのか・・・！？
諦めて大恥を晒してしまうのか・・・・！？
３年間・・・・
ずっとイジメらるかもしれない・・・
頭の中で葛藤していると・・・
ついにその時が来た・・・！！
「あ・・・あぁ・・・・
ああぁ～・・・あぁ・・・・・」
・・・と喘ぎ声を出した途端・・・！
僕は何を思ったのか・・・・
「ガタタタンッ・・・！！！」
シーーーン・・・とした寒い教室で・・・
突然机と椅子の音が響き渡り・・・！！
クラス全員がその音に反応する・・・
そして・・・
その音に気づいた西郷先生の・・・
黒板に文字を書いていた手が・・・
「ピタリ・・・」と止まり・・・
すぐに「クルッ」っと後ろを振り返り、席の方を向いた・・・
すると・・・
それを見た西郷先生は・・・
西郷先生
「何を勝手に席を立って・・・・！！」
・・・と言い始めた瞬間・・・
「ガタタタンッ・・・・！」
「ダッダッダッダッダッダッ・・・！」
「ガラガラガラ・・・！！！
バターーーーーーーーンッ！！！」
トイレを許可してくれない西郷先生から・・・
逃げるように教室を飛び出し脱走したのだ・・・・！！！
それを見たクラス全員は呆気に取られ・・・
ザワつく余裕もなく・・・
周りのみんなと目を合わせて顔色を覗っている模様・・・
しかし・・・！！！
鬼の西郷先生は大爆発っ！！！
西郷先生
「ゴラァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーァァァアアアッッ！！！
待たんかぁぁぁーーーぁぁぁぁあああああああああああっ！！！！！」
西郷先生の顔面は突如真っ赤になり・・・
まるで閻魔大王さながらの顔に大変身すると同時に・・・！！！
教檀から物凄い勢いで瞬時に走って教室から飛び出して行く・・・！！
そして逃げた男子生徒を絶対に捕まえるべく全速力で追いかけて行ったのだ！！！
果たして男子生徒の向かっている先とは・・・！？
「はっ！はっ！はっ！はっ！はっ！」
（ダッ！ダッ！ダッ！ダッ！ダッ！）
「は・・・恥を掻く位なら・・・！！」
（ダッ！ダッ！ダッ！ダッ！ダッ！）
「あ・・後でどんなに怒られたって構わない・・・！！」
（ダッ！ダッ！ダッ！ダッ！ダッ！）
「１組の向かいにあるトイレへ・・！」
（ダッ！ダッ！ダッ！ダッ！ダッ！）
「とにかく早くトイレへっ・・・！！」
（ダッ！ダッ！ダッ！ダッ！ダッ！）
「大便器がある個室に入ってドアの鍵をかけさえすれば・・・・・！！！」
（ダッ！ダッ！ダッ！ダッ！ダッ！）
「さ・・・西郷先生が追いついて来ても・・・・！！！
（ダッ！ダッ！ダッ！ダッ！ダッ！）
「どうにか小便する時間ぐらいは稼げるはず・・・・！！！」
（ダッ！ダッ！ダッ！ダッ！ダッ！）
男子生徒が苦難の末に出た行動・・・
それは・・・
トイレへ強行突破するという・・・
捨て身の策に出たのである・・！！！
しかし・・・！！！
２組を通り過ぎた頃だった・・・！！！
西郷先生
「ゴラァァァァァァーーーーーーァァァァアアア！！！
待たんかぁぁぁーーーーーーーぁぁぁぁああっ！！！」
僕のすぐ後ろから・・・！！！
物凄い速さで追いかけて来た・・・！！
西郷先生・・・！！！
（シュッ！シュッ！シュッ！シュッ！）
（ドッ！ドッ！ドッ！ドッ！ドッ！）
スポーツウエアーの摩擦音に・・・
体重が重いせいか廊下が揺れるような低い足音・・・・
（シュッ！シュッ！シュッ！シュッ！）
（ドッ！ドッ！ドッ！ドッ！ドッ！）
き・・・！！
来たぁぁぁーーーーぁぁぁあっ！！！
も・・・物凄く・・・！！
は・・・速い・・・！！！
荒い息遣いまで聞こえて・・・！！！
僕のすぐ後ろまで来ている・・・！！
（タッ！タッ！タッ！タッ！タッ！）
（ドッ！ドッ！ドッ！ドッ！ドッ！）
あ・・・あぁ・・・・！！
このままじゃあ・・・・！！！
追いつかれてしまう・・・！！！
無理だぁぁ～～・・・ぁあっ！！！
小便が・・・漏れるっ・・・！！！
小便がぁ・・・・！！！
ああぁ・・漏れてしまう・・・・！！！
も・・・もう・・・
ホントに我慢出来ない・・・・！！！
１組の前まで来た・・・！！！
トイレまであともう少し・・・！！！
「男子便所」のプレートが見えた瞬間だった・・・・！！！
（タッ！タッ！タッ！タッ！タッ！）
（ドッ！ドッ！ドッ！ドッ！ドッ！）
突然物凄い力で・・・！！
学生服の後ろ襟を「グイッ！！」
・・・と、太い指で掴まれたと同時に・・・
西郷先生
「捕まえたぞぉぉーーぉぉおっ！！
この野郎ぉぉーーーーぉぉおっ！！」
西郷先生が・・
とうとう僕を捕まえた・・・
そして後ろから野太い声で叫び出す・・・
耳元で熱い息遣いと唾液をいっぱいに飛び散らせながら・・・
そして太い腕で僕の首を囲い込み・・・
左手を後ろにグイッ！と捻られ・・・
僕はトイレまであと一歩の所で・・・
西郷先生に捕まえられてしまった・・・・・
西郷先生
「さぁーーぁあ！！大人しく観念するんだっっ！！！」
「ひぎゃぁーーあああああああっ！！
ひぎゃぁーーあああああああっ！！！
トイレ行ぎだいっ！！！
トイレ行ぎだいっ！！！
トイレ行ぎだいよぉぉーーぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおっ！！！」
西郷先生
「ハァ・・・！ハァ・・・！
ハァ・・・・！ハァ・・・・！
お・・・俺も・・・
ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・！
ゆ・・・油断してたなぁ・・・・！
ハァ・・・！ハァ・・・・！
ハァ・・・・！ハァ・・・・・！
ま・・・まさか・・・・・！！
に・・・逃げ出すとは・・・・
ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・！
お・・・思いも寄らんかったわいっ・・・・・！！
クソッ・・・・・！！！
ほ・・・ほじゃけど・・・・
も・・・もう・・・・
ぜ・・・絶対に・・・
に・・・逃がさんからな・・・！！
ハァ・・ハァ・・・ハァ・・・・」
「先生ぇっ！！お願いでず、っ！！
おじっごが・・・！漏れるっ！！！
おじっごが漏れるっっ！！！！
離しでぇっ！！離じでぇっ！！
離じでぇぇぇぇーーぇぇえっ！！！
うおわあぁぁぁーーーぁぁーーぁぁーぁぁぁーーぁぁーぁぁぁーーぁぁーぁぁぁーーぁぁーぁぁぁーぁぁーぁぁぁああんっ！！！！！」
男子生徒は泣き叫びながら・・・
足をジタバタさせて必死に抵抗し・・・
どうにか西郷先生にトイレに行きたいと強引に訴えるが・・・
護身術使っているので体に力が全く入らず逃げ出せない・・・・
西郷先生
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・
はっはっはっはっはっは・・・！！！
もう観念して諦めろ・・・！！！
俺に逆らったら最後・・・！！！
生徒たちの前で大恥を搔かせてやる！！！
逃げられるもんなら逃げてみろよ！！
もっと部様に抵抗して・・・
恥ずかしい醜態を俺の前で晒しやがれ・・・！！！
なぁ・・・！！
福森・・・
しんのすけ・・・・！！！」
なんと・・・
その男子生徒の正体は・・・
深山町の寺村に住んでいる・・・
農家の一人息子・・・
「福森しんのすけ」
だったのだ・・・・！！！
これが体育教師、西郷虎之助と・・・
福森しんのすけとの出会いだったのだ・・・・！！！
衝撃の展開は一体どうなる・・・！？
