私が滝行で一番恐れている事
それは「落石」です
よく滝行経験が長い先達さんが、「滝に打たれている時は守られている」
…という風に伝えているのを聞いた事がありますが…
自然の中では何が起こるか解りません
大自然の力は人間の想像を遥かに超越しています
「滝に打たれている時は命を失っても良いと思いなさい」
もちろんこういう考え方の方もいます
…が
私は滝行のために命を捧げる覚悟は持っておりません…
まだまだ弱虫で未熟者ですよね
せっかくこの世に生を受けたのであれば
楽しく生きたいものです
滝行だって、元気に長く続けられたらと思います...
さて…そんな太坊主が新たな滝行場を求めて向かった日曜日の夕方の出来事です
この滝場は前回紹介した家から一番近い滝行場に繋がります、滝場から更に下の方にあり場所は殆ど一緒です
落差3メートル程の小さな滝が2ヵ所あります
以前からその滝に狙いをつけていたのですが、ふもとから近いため人が立ち寄りやすいので、ずっと敬遠していたのです
落差3メートルで落石の危険はまず無い
いつも滝行をしていると落石の恐怖心が頭を過ります、なので絶対に落石の心配が無い滝場を捜していました
ここならば滝も小さいし落差も低いので大丈夫だと安易に考えていたのです
土曜日、朝の滝行が終わって下る時に、次はこの小さな滝で行をしてみよう
御本尊もない正式な滝行場ではないが、ここならば安全だ…
そう…私はこの2つの滝が安全だと…
…その判断は完全に自然を甘く見すぎていた私の誤りだったのです…
日曜日の夕方、うどんを食して滝場のふもとに到着しました
時刻は17:40…町はまだ明るいが、山の中に入ると既に薄暗くなっていて薄気味悪い…
越中褌はあらかじめ締めておいたので、滝場に着けば服をぬいで直ぐに滝行を始められる、撮影の為もあるし早く終わらせて帰ろう…
昨日に比べて今日は何故かあまり乗り気ではない
山中の水場というのは、朝は清々しく気持ち良いが、夕方はどこか寂しく気持ちの良いものではなかった…
遊歩道をヒタヒタ挙がって行く、昨日トレーニングセンターに行ったので足が重い
山中では「ひぐらし」蝉の鳴く声が「カナカナカナカナカナカナカナカナカ.ナカ…ナ…」と、途切れる事無くエンドレスに響く、ひぐらし蝉は町で聞くと風流だが夕暮れ時の山中で聞くと、かなり気味が悪い…
5分程上がって滝場へ到着した
さて…
上の滝
下の滝
どちらで打たれようかな…?
私は両方の滝を左右に見渡します
今思えば、この二卓の選択が私の運命を決める事になるとは思いもしなかっただろう…
下の滝は朝方の行場にしたいなぁ…
よし!時間も無いし、上の滝を夕方の滝にしよう
私は下の滝は朝の滝行場、上の滝を夕方の滝行場にしました
早速服を脱いで辺りに人が居ないか見渡します
まあ、今時分こんな気味の悪い山中まで来る人は居ないだろ
褌一枚になり、写真撮影の時間が無いのでスマホを動画モードにセット、お不動様の御本尊と見立てて滝壺に足を踏み入れました
以外とここも足場が悪くヨタヨタしながら滝前に立ち、不動明王様の御真言を唱えて入滝しました…
この後…日が暮ようとしているこの山中…
虎之助は山ノ神の怒りに触れる事になるのでした…