どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

「しまなみ・えれじぃ(第2回)」~実らぬ恋の哀愁ドライブ~

青いホタル
今も甘い水を探して

見つけられず
迷い込んだ

セロハン越しに
のぞいて見ていた大きな空に

まだ星は輝いていますか…


遠くへ飛ばそうと紙ふうせん

たたいたら割れました…

大人になっても夕立に
ふられてばかりいます…


村下孝蔵「少女」より

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山は裾模様

奥道後ホテルの前を

少しばかり飛ばして走り去る車


トンネルを抜けると…
大きな石手川ダムが姿を現して

登りが急な
クネクネのカーブの連続は

曲がるたんびに
体が左右に寄ってしまう

僕の肩が
穏やかな顔で運転する
彼の腕に当たる


僕より24歳も
年上の貴男


決して頼れる
逞しい男でもなく

僕の彼氏でもないんだ…

ただドライブを楽しむだけの
都合の良い大人の男…





「しまなみ・えれじぃ」
~実らぬ恋の哀愁ドライブ~



車内には
先ほどカーステレオに入れたMD

村下孝蔵のアルバム「歌人


1曲目の「松山行きフェリー」の歌が

あまり会話の少ない2人の空間を
ほんのりと包み込む


僕は正面の道路を
何も喋らずに
ただ無言で見つめていた…



なんかちっともつまんない…

ドキドキしないし
胸もときめかない…


こんな人とデートするんだったら…

家で寝てれば良かったかな…



話す話題も思いつかぬまま

車は国道317号線、今治方面へと走っていく


すると突然


タクさんが長い間
沈黙していた口を開く


タクさん
「ごめんよ、せっかく寝てたのに…
起こしちまって・・・
なんか迷惑だったかな・・・?」


運転しながら僕の方を向いて
タクさんは急に申し訳なさそうに話し出す


伸一
「うぅん、いーですよ、別にす予定も無かったしさ」

と、素っ気なく答える
少し態度の悪い生意気な若造だった


タクさん
「あのさぁ、おめぇん家の近くにさ、レディ薬局ってあんだろ?
あの店、何なんだろう!?怪しい店かと思ったんだな」


タクさんは、この瞬間から
なぜか僕の事を~「おめぇさん」と呼ぶようになる


伸一
「あぁ~そうなんですか~」

また素っ気なく生返事の僕


タクさん
「おもしれぇよなぁ、レディ薬局なんて、変わった名前だよホント」

伸一
「ふぅ~・・・ん」


僕は心の中では
「昔からあるただの薬局の名前に、一体何処に面白さがあるんだろう・・・」

…と内心ではこう思っていた



タクさん
「今日は、付き合ってくれるよな」

と…、次の瞬間!
タクさんはこう言って
ハンドルを握っていた左手を離し
僕の手を握ってきたのだ!


伸一
「うん、良いですよ」



僕はさっき以上に警戒心を強め
自分から手を払い去った


タクさん
「なんだよ~・・・おめぇさんやっぱり怒ってんじゃんかよ~」


伸一
「別に、怒ってなんかいませんよ」


タクさん
「ちょっとくらい…
いいだろう…」

と…次の瞬間、タクさんが僕の太股に
手をやってきた


伸一
「前見ないと危ないですよ~」


僕は素っ気ない態度で
こう言うと
その手を掴んで自分の太股から離した


タクさん
「冷たいなぁ、おめぇさんは…

うん、でもいいよ…、一緒にいてくれるだけでも…」


そう言って
タクさんは諦めて運転に集中する


そして次の話題を変えてきた

タクさん
「おめぇさん、村下孝蔵すきなんか?」


伸一
「うん、結構好きですよ~♪
去年ベストアルバムの、林檎と檸檬TSUTAYAで借りて録音しました」


タクさん
「ふぅ~ん、じゃあ今度さ、俺が東京に帰ったらMDに録音しといてやるよ」


伸一
「えっ!?東京に住んでたんですか!?」


タクさん
「東京にマンション借りてんだよ、そこが俺の本拠地な」

伸一
「どうして今治に引っ越して来たんですか…?」


タクさん
「仕事でさ、2年前から愛媛に来てんだよ、こっちのマンションは会社が家賃を負担してくれるからいいけど、東京のマンションは家賃20万もするんだよ」


伸一
「はあっ!?20万!?高すぎっ!」


タクさん
「ま♪だぁ~い丈夫だよ、俺…
課長さんだからさ♪♪
給料結構貰ってるから♪♪
いいんだよ~~♪♪」

伸一
「ふぅ~ん・・・いくらぐらい貰ってるんですか?」


タクさん
「最低でも50は貰ってるからさ~♪」

タクさんは、ハンドルから手を離して
開き「パー」をして50万円を表示する


伸一
「あー!ズルいー!給料泥棒-!」


タクさん
「ま!課長さんだからさ♪♪」


この1年間
「課長さんだからさ♪」は、今後タクさんが話す、自慢話の〆で使うイヤミとなるのであった…



伸一
「ふーんだ!なーんかムカツク~!!
今日は高いごちそうを遠慮なくいーーーーーっぱい食べさせてもーらおっと!」


僕はイヤミな自慢話に気分を損ね、少し拗ねたような仕草をしながら
無理に高いごちそうを食べさせてもらおうと図る


すると
タクさんは嬉しそうな顔をして


タクさん
「おめぇさん、やっと笑ってくれたな♪

だってさっきからずーーーっと怒った顔して何も言わないからさ
どうにか機嫌治して貰おうと頑張ったんだよ!」


伸一
「八勝亭で、唐揚げランチはライス大盛り!!」

タクさん
「うん♪いいよ♪いいよ~♪」


伸一
「ジュースも頼んじゃうからね!!」


タクさん
「うん♪いいよ~♪いいよ~♪♪♪」

伸一
「ピザも頼んじゃおうかなー!!!」


タクさん
「うん♪♪いいよ♪♪いいよ~~♪♪♪」

伸一
「フライドポテトも頼むからね!」


タクさん
「食え♪食え♪おめぇさんの腹がもっと丸くなるまで食え♪」


伸一
「コットンドールも行こうよ!!!」


コットンドールは僕にとって
今治方面ではナンバー2の飲食店になる


タクさん
「いいよ♪いいよ~♪♪
おめぇさんが場所案内してくれたら、俺は何処でもごちそうしてやるよ♪だって俺は課長さんだからさ♪」



タクさん
「あとさ、夕飯食い終わってから…
温泉入りにいこうよ!俺最近良い所みつけたからさぁ~・・・」

伸一
「あー!○○○見たいんだーーー!!」

タクさん
「うん、見るよ♪だって当たり前じゃんか、男同士なんだから何も悪くないだろう?」


伸一
「エロ~~!」


タクさん
「エロくてもいいよ♪だって課長さんだからさ♪♪」
「今日はおめぇさんの○○○見せてもらうも~ん♪」

これを聞いた僕は

笑いながらタクさんの肩を
押しながら叩いている


車内は笑い声に包まれた
和やかな雰囲気へと変わり


さっきまでのシーーーーーン・・・とした空気は何処へやら・・・


石手川ダムを抜けて

長い道を車で走ってゆく

さらに五明小学校を過ぎると
一面に広がる段段畑の風景が
僕たちの目の前をのどかに彩る



そしてその先にあるのは
3キロメートルもある長~~~~いトンネルが立ちはだかる

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長い長い約3キロメートルもある「水ヶ峠トンネル」を抜けるとその先には…
松山市」から「今治市」へと標識が変わる、境のトンネルでもあるのだ


クネクネと下り坂を下りて…

ボート部の練習をしている生徒達の姿が確認出来る玉川ダムから10キロメートル程走ると・・・


今日の最初の目的地
「八勝亭」へと早くも到着する


「オリエント八勝亭・玉川店」到着

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僕は車を降りた

伸一
「タクさぁ~~ん!!早く早く~♪」

入り口前で、車にリモコンキーで(ゴトリ♪)とロックしているタクさんに

子供みたいに
大はしゃぎで呼んでいる

晴天の秋空
絶好のデート日和


好きでもなんでもない男性と
僕はこんなに楽しそうにはしゃいでる


こんなに楽しく
笑顔で笑ったのは
何時の日か

もう朝から何も食べてないから
お腹ペコペコ!

こうなったら何が何でも
お腹いっぱい食べさせてもらおうと

入り口前のメニューに目もくれず

好きでもないタクさんの肩を両手で押しながら店内の入り口の扉を潜っていった


そして
お目当ての唐揚げランチと、ミックスピザ、フライドポテトをお腹いっぱい頬張ったのでありました


オリエント八勝亭の唐揚げランチは

あつしさんとメールのやり取りを始めて

あの海の向こうにいる、柔道家の太ったおじさんを待ちわびながら

早くて逢いたいとドキドキして

もうすぐ逢えるとソワソワして

ラジオから流れるI WiSHの「明日への扉」を聴きながら涙して

胸をいっぱいにしながら食べた
精肉販売業者時代の今治地区配達と営業担当だったあの3年前

青春を謳歌していたあの頃の切ない思い出の味なのだ


しまなみ海道

チカリ…!チカリ…!とライトを放ちながら
瀬戸内海の大海原に今日も佇んでいる


今は秋だけれど

あの瀬戸内海から吹いてくる
春の風と
今の少し冷たい秋の風では
また違う良さがあるんだなぁ…と

今治市の街を見ながら感じた


あれから約3年…


今日は地味だけど
まぁまぁ楽しいかも・・・


僕はもう
想い出に浸る余裕も無かった…





こんな
男同士の出逢いも
あったんだ

「しまなみ・えれじぃ」
~実らぬ恋の哀愁ドライブ~

来週へと続く…


虎之助の絶対お勧め!!
オリエント八勝亭の看板メニュー
唐揚げランチ¥700(税抜)

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