どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

「AutumnDramaSpecial」~来島海峡哀愁物語~(読み切り長編作品)

ここは夜の繁華街

大人が快楽のひとときを求めて
彷徨う魅惑の迷路


昼間の仕事を終えた
企業戦士たちは


くたびれた背広の下に背負っている
窮屈な重い鎧と

作り笑いしか出来ない仮面を
この場所へ来ると
満身創痍に剥ぎ取るのだ


奥さんをもらい
子供も授かっている
普段から仕事熱心な父親達にも…


息抜きだって必要だ…


営業会社、勤続20年の
ベテラン課長だって…

家では立派な大黒柱の父親…


そんな男でも

この夜の繁華街に
きらびやかに光る
イルミネーションと…

遊楽な娯楽への誘惑には
とても叶わないのであった…



おい!

今夜はどの店で
飲み明かそうか…

明日は家族サービスの約束があるし
朝も早いんだ…

でもいいか…

また、持病の腰痛が悪化したって仮病する

大丈夫、O時には帰る

その頃には
嫁も子供も布団の中で眠っているから…

遠慮するな…

行こう…

焼き鳥の旨い店を
教えてやるよ…

心配するな
代金は全部俺に任せろ!

なに…?
申し訳ないって…?

生意気抜かすな、新米のガキの癖しやがってよ…

その代わり
来月はお前も営業頑張れよ…

今月成績悪かったんだから…

今夜は俺がたっぷりと夜の繁華街の楽しさを充分に教え込んでやるさ!

だから今夜は遠慮なく、しっかり息抜きしろ!

な!




最近OPENした高級クラブ
あのテナントで
成功するか見物だな
寄ってみるか、ボーナスも入ったし

もちろん嫁と子供には内緒…



ん?高級クラブは敷居が高すぎて入りにくいからキャバクラの方が良いんじゃないかって?


え?どこのキャバクラ?


あそこのキャバクラはヤバイよ
経営者が東京の組…

…そうそう…

発砲事件やトラックが突っ込む事件があっただろ?

でも値段は激安だよ

え…?行ってみたいって!?

しょうがねぇな、今夜は俺が奢ってやるよ!


おっと、信号赤だぞ
危ねぇな、あのクラウン…


ピッポピッポピッポピッポ


長ぇよな、ここの交差点にある信号は…



今夜は冷えるな…

もう
秋だもんな…


ちひろ

紅葉狩りに行くの

楽しみにしていたのにな…

ごめんな…

いつも俺は

駄目な父親で…

え?なにブツブツ言ってるのかって?

なんでも無い

ただの独り言だ…

そう…

ただの独り言・・・


また…

嫁と子供に

怒られちまう…

ははは…


お!信号が青になった

行こうぜ…




毎日昼間汗水ながして

上司に怒鳴られ、部下からは嫌われて
同僚からは陰口を叩かれ妬まれて

そんな厳しく辛い中間管理職の
サラリーマン…

一生懸命に、死に物狂いで

己の身を削って

家庭を守る男たち

さぁ

今夜は盛大に飲み明かせ

貴方は
立派な男だ






そんなありふれた繁華街の片隅に

ひっそりと佇む

ある特定された
男性だけが集まる店があるのを

貴方は知っているだろうか・・・




店のドアには
「会員制」と表示されていて

ドアの奥から聞こえてくる

気高い男の笑い声

時折
女言葉で話す男の声が

外の通路を渡る
上階と下階に営む普通の飲み屋のお店へ向かう客から筒抜けだ…


そう…

そのドアを空けられるのは…

特定された男にしか入る事を許されていないのだ・・・



今夜もまた
一人の男が

この店へとやってきた

ドアの向こうには

普通の生活をしている
家庭持ちのサラリーマンたちには

見えない世界が・・・・



僕は知っている…

それは

僕が普通の男性とは違っているから…



そう・・

僕は・・・







「ゲイだから・・・」


「会員制」と
表示されている
重いドアが

静に開いた・・・

ガチャリ・・・



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もしも君が
恋にやぶれ

みぞれ降る街にたって
去った人を待ち続けて

凍りついていたら

あの人は来ないよと教えたい

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本当に愛したらわかるはず

髪を切り
可愛い女になり

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シャツのボタンが
はじけ飛ぶように

突然ドラマは終わりゆく

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音を立てて
ドアはしまる

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苺の実を洗ったあと

ひとつずつ
つぶしながら

星占い
巡りあわせ気にしていた君は


木枯らしの吹き荒れるアスファルト

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投げ捨てた
煙草には口紅が


踏みつけて
男たち通り過ぎ


白い衣装が
少し汚れて


鏡のなかで黒に染まる


手のグラス
投げつける


土曜日に脱ぎ捨てた赤い靴

火曜日に片方のかかとが折れる

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髪を切り
可愛い女になり

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シャツのボタンが
はじけ飛ぶように

突然ドラマは終わりゆく

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本当に愛したらわかるはず

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君は女優

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「しまなみ・えれじい」

来島海峡大橋哀愁物語~
「AutumnDramaSpecial」

主催
「ふんどし坊主の
七転び八起き人生」

作製
「PontaGraphics」

監督
「Tolanoske」


村下孝蔵「女優」
発売元1984
CBS/SONY・lnc

JASRAC認証352716953980










ゲイバー
「Pleasur・Dragons」


ユウジ
「アタシを馬鹿にしないでよ!!」

ガチャーン!!


アキ
「しょうがないだろ、これがお前の実力なんだ」

ユウジ
「今度の新作のビデオ、アタシがメインの出演だって約束したはずでしょう!?」

アキ
「だって、ずっとスカウトしていた新しい子から、やっと出演オファーのメールが来たんだぜ?」


ユウジ
「じゃあその子をメインから外して、PART2に回しなさいよ!!
なんでベテランのアタシが!メインから外されてPART2に回されるわけ!?
絶対納得いかないわ!!」


アキ
「お前なぁ、たいした人気もないのに、今度のスカウトした子は、現役の柔道家、身長172cm、体重110kgの25歳
しかも県大会優勝の実績ありの上タマだ、この機を逃す訳にはいかない」


ユウジ
「な・・・なによ、アタシだってがちむちの髭野郎でしょっ!!」


アキ
「ふん!ただ子供の頃から生まれつき太っていて、今はだらしないただの酒太りした醜いおっさんになっているお前と、酒タバコ女やらないバック未経験で体育会系の男とでは、天地の差があるのよ」


ユウジ
「ひ・・ひどいわ!!それじゃあアタシが使い捨てのヤリ○○みたいな扱いじゃないの!」


アキ
「なにもそこまで言ってねぇだろ、バーカ!」


ユウジ
「ゆ・・・許せない・・・」


アキ
「ネット社会になっているのが現状でね、ビデオ業界は崖っぷちなんだよ
とにかく今は、何がなんでも人気の看板男優のモデルさんが必要なんだ、年内のうちにどうにかヒット作を撮らないと、俺もヤベー訳よ」



ユウジ
「もういいわよ・・・」


アキ
「なんだ?あきらめてPART2で我慢するか?」


ユウジ
「誰がアンタの所で撮ってもらうもんですか!他をあたるわ!!」

アキ
「いいのかよ・・・今のお前じゃあ・・
PART2でも砂漠の中のオアシスだぜ」


ユウジ
「今に見てなさい・・・
別ジャンルに移籍して必ず見返してやるんだから・・・」


アキ
「ケッ!ライバルの海○○に移籍するつもりか!?
止めとけ!止めとけ!
フケ専に収まるにはまだ早いぜ!」


ユウジ
「うるさいわね!もう帰るわ!ママ!御愛想して!」



PleasureDragonsのママ「DAIGO」
「ユウちゃん、そんなにカッカカッカしないの!シワが増えたらどうするの?
AV男優の名が恥じるわよ!」

ユウジ
「だって・・・アタシなんかどうせ・・・・どうせ・・・」


アキ
「なーに見境もなく泣いてんだよ、オネエ丸出し、ビデオでもお前のソレ完全にバレてるぜ、ゲイビデオの2ch見てみろよ」


DAIGO
「まぁまぁ!アキちゃん、今日はせっかく東京から愛媛に仕事で来たんだから、そんな意地悪してたら旨い酒が不味くなるでしょ、はい、2人とも仲直り!」


ユウジ
「ママぁ~~!アタシ・・悔しい…」


DAIGO
「よしよし泣かないの!AV男優は顔と体が命でしょ…?」

アキ
「はぁ~あ・・・せっかく愛媛に来たのにこのザマとは…
ねえママぁ~、どっかに可愛い子居ないかなぁ?」


カチャリ~・・・ン・・・♪


アキ
「あ、ママ、お客さん来たよ~・・」

DAIGO
「あ、はぁ~~い♪
ごめんねぇ~♪ユウちゃん、はい!お釣り5400円ね!!」


伸一
「あ・・ダイさん・・・こ・・・こんばんは・・・・」


DAIGO
「あ~~~ら♪伸ちゃんいらっしゃぁ~~い♪久しぶりね~♪」


伸一
「ダイさん・・・またウーロン茶もらっていいかなぁ~・・・?」



DAIGO
「やぁ~~~ねぇ~~♪伸ちゃん
お店ではママでいいのよ♪
ウーロン茶ね、すぐ入れるから♪空いてるお席選んで好きに座ってちょうだ~~い♪」


伸一
「あ、は~・・・い」


アキ
「ねぇ!君、随分と良いガタイしてるけど、学生時代何かスポーツしてた!?」


伸一
「あ・・・学生時代に・・・
す・・相撲を
・・してました・・・」


アキ
「やっぱり~♪柔道よりも相撲寄りのガタイしてると思ったんだよ!
奇遇だなぁ!俺も高校までは相撲してたんだよ!!」

伸一
「あ、そうなんですか!確かにお兄さんも良い体してますね」


アキ
「お兄さんなんて、そんな気を使わなくっていいよ!もういい歳したオッサンだから」


伸一
「僕、伸一って言います、宜しくお願いしますね」

アキ
「こちらこそ宜しく!伸ちゃんって呼んでいいかな?」

伸一
「は、はい…!」


アキ
「俺、東京でゲイ物AVの撮影補佐とスカウトマンしている明則(あきのり)、アキでいいよ!」

伸一
「あ、はい、どうも…」


DAIGO
「あらあらあら~~♪アキちゃん良かったじゃなぁ~~い
お待ちかねの可愛い子ちゃんが来てくれて♪

はい♪伸ちゃん、ウーロン茶お待ち遠様~~♪♪

ここに置くわね~~~♪」

「コトリ・・・♪」


伸一
「あ…、どうも・・・ありがとうございます・・・・」

アキ
「ママぁ!!このウーロン茶、俺の払いに入れといてくれる?」

DAIGO
「あらあら♪アキちゃんったら、すっかり伸ちゃんがお気に入りね~~♪
いいわ♪伝票に入れておくから♪じゃ、後でお願いね~~~♪♪」


アキ
「ママぁ、愛媛にこんな可愛い子いたんだ!なんで今まで教えてくれなかったんだよ!」


DAIGO
「その子、ニューフェイスなの♪
伸ちゃんと仲良くしてあげてね♪
だけど、あんまりおイタしちゃダメよ!」


アキ
「はいはい!わかってますよーだ!

伸ちゃぁ~~~~ん♪めっちゃ可愛いねぇ~~~~俺今マジで○ってるんだけど!」


DAIGO
「伸ちゃん気をつけて、アキちゃんは若い子を見つけたら見境無く食べちゃうヤングキラーだから!」


伸一
「ヤ・・・ヤング・・キラー・・?
ですかぁ~・・・あはは・・・」

アキ
「ほんまにタイプやわぁ~~・・・
どうしよ~~連れて帰ろうかなぁ~~~~~?」


DAIGO
「アキちゃん、お仕事どうするの?お仕事!伸ちゃんお持ち帰りしちゃダメよ!」


アキ
「ねぇ?この後予定は?彼氏いる?どんな男がタイプなん?」


伸一
「あ・・彼氏とかは・・・まだいません・・・・」


ユウジ
「ふん!馬っ鹿みたい・・・!!」


伸一
「え・・・・?」


ユウジ
「なにが彼氏いませんよ・・・可愛い子ぶりっ子しちゃって気持ち悪い・・・」


アキ
「なぁんだ、お前まだいたのか?」


ユウジ
「アンタもアンタよ!
こんな可愛い子ぶりっ子の鼻タレ小僧のことなんか口説いちゃってさ!!
いい大人が見苦しいったらありゃしない!!!
あぁぁ~~ぁあっ!おぞましい!!」


アキ
「伸ちゃん、このネェちゃんの言っている事、気にしなくて良いからな!」



ユウジ
「なによ!ちょっとばかり可愛いからって、アンタ調子に乗ってんじゃねーよ!

ひとつ
忠告しておいてあげるわ!

この世界では
純情なアイドル路線のモテ男は
絶対後で痛い目見るんだからね!」


DAIGO
「こら、ユウちゃん!いい加減にしなさい!
ウチの大切なお客さんよ、
若い子を虐めちゃダメ、ほらあ、困ってるじゃないの・・・

あんまり勝手なこといってると、お店を出入り禁止にするわよ」


アキ
「いいよ、ママ、俺が話つける」


ユウジ
「な・・なによぉ~~~!!!」


アキ
「これ以上、この子を虐めるのであれば、俺が相手する・・・

さぁ、表に出ろ…」


伸一
「ア・・・アキさん・・・僕だったら大丈夫ですよ・・・

学生時代の酷い仕打ちに比べればこんなの全然・・・」


アキ
「お前に…
俺の得意な張り手を
お見舞いしてやろうか・・・?

2度とビデオに出演出来なくなるくらい強烈なやつを・・・」


「バシィーーーーーンッッ!!!」


ユウジ
「ふんっ!この子の前だからって・・
かっこつけてんじゃねーよ!!!」


アキ
「痛ってぇなぁっ!オメェ!!
よくも先にやりやがったな!!もう許さねぇ!」

ユウジ
「馬鹿らしい!帰るわよ!もうアンタにも会わないし、この店にも2度と来ないわよ!サヨーナラ!!」


伸一
「あ・・・アキさん・・・だ・・・大丈夫ですか・・・・・?」


ユウジ
「ふんっ!!アンタ(伸一)みたいな純情ぶった可愛い子ぶりっ子アタシ大っっっ嫌いっっ!!!
いつか痛い目みるといいわ!じゃあね!!!」


「バタァンッ!!!」
「コツコツコツコツ・・コツコツコツ・・・コツコツコツ,,,,」


アキ
「ふぅ~・・・やっと行きやがった・・・
さ、伸ちゃん、邪魔なオネェちゃんもいなくなったし、乾杯しよ!乾杯!」


DAIGO
「ごめんね・・伸ちゃん・・・
あの子もねぇ~~~~本当は悪い子じゃないのよ・・・」

アキ
「どこがマトモなんだよ、ママ
あんなヒステリックなオネェやん…

伸ちゃん、あぁいう意地悪なオネェやんには絶対になっちゃ駄目だぞ~」


DAIGO
「アキちゃんそんな酷い事言わないの、あの子もね・・・

色々あったのよ・・・・」


伸一
「色々・・って・・・・
どんなことですか・・・・?」


DAIGO
「自分の性が家族に受け入れてもらえず

高校中退して
家を飛び出して上京して・・・

誰かに頼るような宛もなく・・・
ただ肌を寄せ合う男性を求めて・・・
二丁目に行きつき染まって行った・・・

だけど結局
本当に心から信頼出来る相手には
巡り合えなかった・・・


やがてAV男優の道を選んだの・・・


しかし、それもあまり芽が出ずに

この愛媛県へと迷い込んで来たの・・・

捨てられた・・・
子猫ちゃんのように・・・」


伸一
「そうだったんですか・・・・」

DAIGO
「辛気臭くなっちゃったけど・・・
気を悪くしないでね・・・

アタシたちゲイはね・・

皆それぞれ家族や親しい友人にまで

ずっと自分の心の奥底に閉まっている
消えないコンプレックスと変えられないセクシャルを

誰にも話したり相談できないでまま・・

平静を装い過ごしてきた・・・

だけど・・・

勇気を出して…
カミングアウトの決断を選び…



安堵感に喜びの涙を流す人もいれば・・

悲しみの涙を流す人もいるの・・・


これは本当に
生まれ育った環境や人望の違いによって大きく変わるもの


自分では…
どうする事も出来ない…:病院で治す事も出来ない…

それはお母さんのお腹から出てきた時から・・・
生まれ持ってきたもの・・・

運命は変えられない・・・
自然なこと・・・



ただ・・

普通の人と・・・

好きになる性の対象が
「同性」というだけなのに…

私たちは「同性愛者」というレッテルを貼り付けられて、後ろ指されて…




それでも生きていかなきゃ
いけないの・・・!!!


だから伸ちゃん・・

アナタはデビューしたばっかりだから分かんないかもしれないけれど・・・


たとえゲイの世界でもね…






「誰もが平等に
生きられる訳ではないのよ・・・」






伸一
「・・・・・」


DAIGO
「伸ちゃんだって、ずっと悩んで悩んで悩み抜いて・・・
今まで
生きてきたでしょう・・・?」


伸一
「そうですね・・・ただ・・・僕の場合は・・・同性愛者の問題よりも、もっともっと更に辛い出来事があったので・・・・
寧ろゲイである事は、僕にとってこれはこれで良かったと・・・思っています・・・」


アキ
「なになになに~~~!??
もっと辛い出来事って!
おじさん気になるなぁ~~~!」


伸一
「あ・・・!あぁ~~~!!!
それはちょっと・・・(慌)」


DAIGO
「まぁいいじゃない、人には人それぞれの過去がある
不幸のどん底を這い上がってきた人もいれば、満身創痍に何も悩まず不自由無しで生きてきた人だっているでしょう」


アキ
「ま!湿っぽい話はここまでにしようや!!
せっかく可愛い伸ちゃんと
こうして巡り合えた事だし、今夜は楽しまないとね!

ママ!俺にJINRO入れて!!

ほら!ママも飲みなよ!3人で乾杯しよ!乾杯!」


DAIGO
「アンタねぇ~~、今日はお店が空いてるから良いけど・・・
本当はアタシの店、業務中の乾杯は厳禁なんだからね!
ま、今夜は少し飲みたい気分だから甘えて頂くわ♪サンキュ♪」


アキ
「はーい!それじゃあ!俺と伸ちゃんとの出会いに、ママからの初仲人を記念して…」


DAIGO
「仲人って!チョット!アンタ何よそれ!」


アキ
「乾杯ぁーーーーいっ!!!」


「カチン♪カチャン♪キンッ♪」


「ゴク…ゴク…ゴク…ゴク…」



アキ
「んあぁぁああーー!!んまい!!」


DAIGO
「や~ん♪アキちゃんがごちそうしてくれたJINRO美味し~♪♪」

伸一
「ん・・!んはぁ~~~・・!」





アキ
「ねぇ、伸ちゃんビデオに出てみない?」


DAIGO
「こらこらダメよ~~アキちゃん!店内でスカウトは厳禁よ!」


アキ
「いぃ~じゃん!ママ、これでお互い様のおあいこでしょ?」


DAIGO
「ちょっ・・!アンタ!図ったわね!」


アキ
「大丈夫だって!ちょっと話してみるだけだからさ!大目にみてよ!」


DAIGO
「伸ちゃん、このお兄さん
ちょっぴり有名人なのよ、知ってる?」


伸一
「え・・?誰なんですか!?」


アキ
「おっ!ママ!サンキュー!!」


DAIGO
「今回だけだからね、無理強いは絶対に駄目よ!」


アキ
「伸ちゃんがこのお店に来るって事はさ、○ーmenっていう雑誌知っているよね?」

伸一
「あ、はい、何冊か持ってます、1番最初に買ったのはサクラナイトショップでした」


アキ
「俺の顔に
見覚えない・・・?」


伸一
「見覚え・・・?
・・・・・・・・・・・・・
アァーーーーーーーー!!!」



DAIGO
「伸ちゃん、わかったぁ~?」


伸一
「もしかして・・・
○○さん!?」


アキ
「ピンポォーーン♪伸ちゃんも結構○ーmen見てくれているんだね!」


アキ
「俺、○ーProductの○○!
雑誌のグラビアや小説の編集に、企画開発もこなすんだ!
更にゲイ物AVの撮影補佐とスカウトマンもしている」


DAIGO
「よく体持つわね~♪アタシなら絶対無理だわ♪」



伸一
「凄いですねぇっ!どうして愛媛に来たのですか!?」



アキ
「さっき話していた意地の悪いオネェやんがいただろ?
あの人実はユウジっていう、マニアだけに受けが良いAV男優なんだ…

今日はユウジに撮影交渉と、撮影場所と日にちのスケジュールの打ち合わせするんで来てたんだけど・・・」

「メインの出演じゃないと出ない!って、ゴネ始めてさ・・・参ったよ・・・」


伸一
「AV男優さんでも、オネェ言葉なんですか!?」


アキ
「そりゃあ男優さんも人気が出ないとオファーかからないからね、カメラ回ってる時は野郎演じているけど、撮影終了した途端にキャピキャピな男だって珍しくはないんだ…

熱い!ホテルが安っぽくて汚い!相手が写真よりも酷い!相性が最悪!アソコがどちらも臭い!とか、ワガママ気ままなバリバリの乙女もいるんだぜえ~♪」


伸一
「へぇ~~~~全然知らなかったです」



アキ
「伸ちゃん、男との経験は?」


伸一
「キスと扱き合いぐらいなら…」


アキ
「じゃあタチとウケだったらどちらだと思う?」


伸一
「よくわからないです~・・・あの経験はまだ無いし、そんなにしたい気が起こらなくて・・・」


アキ
「ということは・・・まだピンク色の・・・・菊門が・・」


伸一
「え・・?菊門って・・・何ですか?」


アキ
「こりゃあビデオ業界に・・・ミラクルが起こる・・・」


伸一
「え・・・と、アキさんは、相撲どれぐらい強かったんですか・・・?」


アキ
「伸ちゃんよく聞いて、菊門を開発するシーンを・・・・撮影させてもらえないかな・・」


伸一
「え・・・あの・・・」


アキ
「僕は・・・君を撮りたい・・・・
まだ初々しい・・・
初めての姿を・・・・」


伸一
「それって・・・AVビデオに出演するっていう事ですか・・・?」


アキ
「うん、そうだよ」


伸一
「それは出来ません・・・ごめんなさい・・・・」


アキ
「ま・・待ってよ・・・!
初めは顔無しの、PART4でのオ○ニーシーンだけでも構わないから!ね!お願い!君なら必ず売れる!
いつかはメインに出演させたい!!」


伸一
「僕は・・・そんな事したくない・・・もっと普通に御飯食べに行ったり、ドライブしたり、布団の中でゴロゴロ甘えたりする方がいいなぁ・・・」



アキ
「伸ちゃん、君を○ーProductのみんなに紹介したい、写真家の和○人、カメラマンのマ○ットに見せたら凄く喜んでくれる…!

なんとか仕事を3日ほど休んでくれないかなぁ?
東京まで来て欲しいんだ、交通費やホテル代は俺らの会社が全額負担するから心配ないよ!」



伸一
「昼間の仕事は休めるかもしれないけれど…僕、新聞配達もしているから数日間の外出は無理なんです・・・」


アキ
「新聞配達?そんなの辞めればいいじゃん、どうせ大した給料じゃないんだろ?

伸ちゃんみたいな可愛い子が、新聞配達みたいな地味で暗~いアルバイトなんかしてどうしたの?借金あるの?お金に困ってんの?」


伸一
「好きなんです、新聞配達が・・・」



アキ
「新聞配達が好き?ふぅ~ん・・・なんで~?休みも無いし、雨風台風嵐関係ないし、給料安いしさ、

そんなに良い事無いでしょ?」


伸一
「10年間は1日も休まないって、自分で決めているんです。」


アキ
「ビデオ出た方が・・・
何十倍も稼げるよ・・・・
新聞配達なんて辞めようよ、伸ちゃん!


もしメインで出演して人気がでれば、
もっともっと稼げるんだから!」


伸一
「アキさん・・・
良い人だと思っていたのにな・・・」


アキ
「え・・・・?」


伸一
「学生時代、お互いに相撲の辛くて厳しい稽古に励んで来たから、そんな苦労話で仲良くなれると思っていたのに・・・

さっきから自分の主張ばかりで…
ちっとも相手の希望は全然尊重しないんですね…」




アキ
「じゃあ、どうすれば
俺は君の心を開く事が出来るのかな?」


伸一
「僕、さっき怒って出て行った、ユウジさんの気持ちが・・・
少しわかる気がします・・・」


アキ
「あのさぁ、今彼氏もいないよね?
こんなに可愛いのにさ、もったいないよ?
まだ若いのに、声が掛かるのは今のうちだけだよ?


伸ちゃん君ねぇ・・・ちょっとガードが堅すぎるんじゃないの?」


伸一
「だって・・・みんな体の事ばっかりなんだもん・・・・」


アキ
「そりぁあ俺らゲイは顔と体が第一でしょう?そんなん当たり前じゃんか
皆相手の顔と体を見てタイプの男とくっつくでしょ?」


伸一
「どんなに外見が良い男性でも・・・

中身がしっかりしてないと・・
僕は相手の男性に惹かれません・・・」


アキ
「そんな正当すぎる考えは、この世界では通用しないよ、伸ちゃん…
少しキツい言い方かもしれないけれど・・・

君はユウジの言った通り
まだこっちの世界に入ったばかりの鼻タレ小僧だ…」



伸一
「・…・・・…・・」



アキ
「何とか言えよ・・・生意気なくそガキ・・
調子に乗ってんじゃねぇぞ・・・

少しばかり可愛い顔してるからって有頂天になりやがって、しかもこんな田舎でよ・・・馬鹿かお前は・・・」



DAIGO
「伸ちゃ~~~ん♪♪
これ、アセロラドリンクよ~~♪
あちらのお客さんがって♪」


アキ
「ちっ・・・」


伸一
「え・・・・?」


タク
「初めまして、伸一君
となり座ってもいいかな・・・?」


伸一
「あ・・はい、どうもありがとうございます・・・

すみません・・・
アセロラドリンク・・・頂きますね・・・」


タク
「さっきから話を向こうで聞かせてもらってたんだけどさ…
年下の子を無理強いして…

この子困ってるじゃないか、もうやめてやれよ・・・
明らかにルール違反だ」



アキ
「盗み聞きとは…
アンタもタチが悪いねぇ・・・」



DAIGO
「さ、アキちゃん!
タクさんがね、伸ちゃんの事を気に入ったみたいなのよ、
ちょっと2人だけでお話したいみたいだから♪

もうスカウトタイムは終了よ♪あっち行ってちょ~だいね♪♪」



アキ
「あー、わかったわかった、スマン、つい調子に乗りすぎましたわ、俺仕事あるからもう帰る!」


DAIGO
「今夜の不祥事は、お互い様なんだから内緒よ♪」

アキ
「わかってるよ、ママ…」


アキ
「伸ちゃん、さっきは怖がらせてごめんな、俺の事…嫌わないでくれな」


タク
「年下相手にあれだけ脅しかけといて、手のひら返したように
優しくしちやってさ…

相当あざといよ、キミ…」


アキ
「アンタみたいなモテないおっさんに
言われる筋合いはない」


タク
「それは失礼しました」


アキ
アセロラ一杯で、この上玉を口説けると思うなよ・・・

アンタには高嶺の花に過ぎないんだ」


DAIGO
「はい、は~い♪店内でのケンカは駄目ですよ~~♪

アキちゃん、それじゃあアタシのJINRO一杯と、伸ちゃんのウーロン茶代、御一緒に宜しくね♪」

アキ
「へぇ~へぇ~・・」


DAIGO
「はぁ~い♪それじゃあお釣りは三千八百万円ね♪毎度~~~♪♪」


アキ
「伸ちゃん、これ、俺の名刺」


伸一
「え・・・?あ、はい・・・・」


アキ
「職場の番号に、俺の携帯電話が記してある、もし気が変わったら・・・いつでも連絡して・・」

伸一
「は・・はい・・・」

タク
「諦め悪いね、見苦しいよ」


アキ
「あのさぁ、文句あるなら表出る?」


伸一
「アキさん、もう止めて下さい・・
僕はこの人とゆっくり飲みたいんです」


アキ
「・・・・ごめん・・・・

・・・じゃ♪ママ、伸ちゃん、お休み~~~」


DAIGO
「ありがとうございましたぁ~~♪
気をつけてねぇ~~~~♪♪♪」


「バタン・・・」



タク
「止めてくれて、サンキューな!」


伸一
「いいえ・・・僕・・・
あの人苦手になったから、早く帰って欲しかったんです・・・

なんか急に性格が豹変するし・・・
すごく気味が悪かったです…」


タク
「この世界はね
色んな男がいるから気をつけな・・・
特に甘く優しい声で近寄ってくる男は注意が必要だ」


伸一
「改めて
僕は伸一と言います、もちろんハンドルネームです

おかげで助かりました、ありがとうございます」


タク
「俺、タク!
吉田拓郎のタクだよ!
伸一君、宜しくな!」


伸一
「はい!タクさん、こちらこそ宜しくお願いします!!」


タク
「俺も伸ちゃんって呼ぶけどいい?」

伸一
「はい!もちろんです!」



タク
「伸ちゃん、もっと近くで顔を良く見せてよ・・・」


伸一
「え・・・・?」




「あぁ・・・・・・!!」


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「しまなみ・えれじい」
~来島海峡哀愁物語~
「AutumnDramaSpecial」

(終)