どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

泣くな!ユキラス!息子海斗くんとの厳しい相撲道の絆~父親同士の仁義なき戦い編~」

ユキラス
「海斗・・・
もう試合には出なくってもいい・・・帰れ・・・」

海斗
「やだいっ!!」

ユキラス
「だーめだ!ちゃんと相撲の礼儀作法が出来ない子は試合には出させん!」

海斗
「父ちゃぁ~~ん~~!
いやだぁ~~~~泣!!」

ユキラス
「さぁ~~・・海斗、帰ろうな!更衣室行くぞ!来い!なぁ!?」

海斗
「うわぁ~~~ぁぁ~~~~~ぁぁぁ~~ん!!!
父ちゃんのいじわる~~」~~~~~!!!」

初めての相撲大会の出場で、朝から張り切っていた海斗くんだったが・・・
最初の試合であっさりと負けてしまい、機嫌を悪くした海斗くんは、親切に手を差し伸べてくれた相手の手をパシーンッ!と叩いて払い除け、更には土俵を蹴り上げ、相手にめがけて砂を撒き散らしたのです・・・

これには関係者や保護者達から相当批判され、深山中学相撲部は出場停止寸前まで追い込まれました。

しかし、海斗くんの父親であるユキラスは、そんな態度を見せた海斗くんに代わってすぐに土俵に上がり、審判からマイクを借りてすぐ皆に謝罪をし、どうにか事が収まりまったように思えましたが・・・

全く反省の様子を見せない海斗くんの態度にユキラスは頭にきて、会場から離れた多目的広場まで海斗くんを連れて行き、今までに経験のない程厳しく叱りました。


ユキラス
「ほらっ!モタモタすんな!いくぞっ!!」

ユキラスは海斗くんの腕を引き、更衣室へと連れて行こうとしていまひたが・・・・・

海斗
「いっ!いやっ!いやっ!いやぁぁ~~ぁぁぁぁぁ~~~~ぁぁぁああっ!!」

ユキラス
「コラァッ!!おとなしくしろっ!!行~く~ぞ~~~~っっ!!!」

海斗
「うわぁぁぁ~~~んっ!!父ちゃんイヤだぁぁぁぁぁぁ~~っ!!
ボクもう2度とあんな事しないから許してよぉぉぉ~~~~~~っっ!!!」

海斗くんは、無理矢理手を強く引くユキラスに逆らうようにして嫌がり、更衣室へは頑なに戻ろうとはしませんでした・・・

ユキラス
「あぁ~~そうか!父ちゃんにそんな態度をとるのか!?ならばしょうがないな・・・・!!!」

海斗くんの頑固な態度にユキラスは、手を引くのを止め、とうとう抱き抱えて無理にでも更衣室へ連れて行こうと、海斗くんを両腕で抱え込もうとした時でした・・・!!!

「ゴラァァァァーーーーーーーーーーー!!!
お前らそこで何を騒がしく揉めとるんじゃぁぁぁぁぁぁぁーーーーーっ!!!」

向こうから突然・・・
猛烈に大きくて激しい怒号が聞こえてきたのです!!!

これを耳にしたユキラスの顔は、先程までの不動明王様のような怒りの表情が一瞬にして青ざめ凍りつき、金縛りにあったかのようにピタリと動かなくなりました・・・

抱き抱えてこようとしてきたユキラスをガードしようと両手を顔の前に構えて目をつむっていた海斗くんは、何事かと目をゆっくり開けました・・・

・・・すると、お不動様のように恐ろしい顔をしていたユキラスは・・・
今にも泣きそうな顔をして、震えながら何かを見つめていたのでした・・・

海斗くんは、ユキラスが震えながら見ている方向に目をやると・・・

「・・・・・・!!!」

そこには顔を真っ赤にして怒っている・・・

深山中学相撲部OB、元番長の高橋正次郎が・・・
エンマ大王様のような出で立ちでノッシノッシとがに股でこちらへ歩いて来ます!!

正次郎は会長と顧問の挨拶から戻ってくると、先程の経緯を1年の大将である小山田から聞き出し、今まで見せた事ないほどの怒りを露わにしながらこちらへと向かって来たのでした・・・!

これまでにないピンチに立たされてしまったユキラス・・・
果たして彼の運命はどうなってしまうのでしょう・・・・

そして海斗くんの運命は・・・!?







「泣くな!ユキラス!息子になった海斗くんとの厳しい相撲道の絆!!~親父同士の仁義なき戦い編~」

(虎之助Edition)







正次郎
「ゴラァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!

ユキラスちょっとこっちへ来いやぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっっ!!!」



ユキラス
「あ・・・あわ・・・・
あわわわわ・・・・・
そ・・・そんなぁ~~・・・・・・!」

海斗くん
「と・・・父ちゃん・・・ど・・・どうしたの・・・・・?」

ユキラス
「か・・・海斗ぉ~~~・・・・・
お・・・お父ちゃん・・・こ・・・殺されるかもしれない・・・・・・!」

海斗くん
「え・・・!!
えぇーーーーーっ!?」

ユキラス
「ど・・・ど・・どど・・・・どどどど・・・・どうしよう~~~・・・!!」

海斗くん
「と・・・父ちゃん・・!
しっかりしてよぉ~~~~~~・・・!
ボク・・・そんなに怯えた父ちゃんなんてイヤだぁ~~~~~・・・・!」

ユキラス
「だ・・・だだ・・・だだだだ・・・ダメだ・・・
と・・・・とと・・・とととと・・・・父ちゃん・・・あ・・・あ・・・あんな正次郎の恐ろしい顔・・・み・・・見たことない・・・・!」

海斗くん
「と・・・父ちゃん・・・!いつもお風呂で、ワシは深山町で1番強いんだぞ~~~♪
相撲は誰にも負けないんだからな~~~♪
・・・って言ってたじゃないか!!」

ユキラス
「あ・・・あわ・・・あわわわわ・・・・恐いよぉ~~~~・・・・・!
か・・・母ちゃ~~~~~~~ん・・・・!」

ユキラスはエンマ大王に変化した正次郎に対して完全にビビってしまい震えが止みません・・・
そしてついには目から涙が溢れ出してきたのです・・・・・
それを見た海斗くんはたまらなくなり・・・

海斗くん
「父ちゃんのバカッ!!
いつも男は泣いちゃダメだ!!って、ボクに言ってるじゃないかっ!!
どうして・・・!!
どうして・・・・!?
父ちゃんが泣くんだよ!!ボク・・・そんな弱虫な父ちゃんキライだいっ!!」

海斗くんの叫びを聞いたユキラスは…
ハッ・・・!!っと・・・正気を取り戻し我に返りました・・・
そして・・・

ユキラス
「そ・・・そうだ・・・!
ワシはもう海斗の父親なんだ・・・・!!
息子の前で怯えてどうする・・・!!!
相手はたかが元番長とはいえ同じ相撲部員の同級生じゃないか・・・・!!!
何も怯むことはないんだ・・・・!!!
よ・・・よぉ~~~し・・
ワシだって男じゃっ!!・・やってやるぞぉ~~~~~~・・・・!!
今までのワシならば、正次郎に泣きながら土下座して謝っていた所だが・・・
今は違う!!!ワシは海斗の父親なんじゃっ!!!
父親が息子を守れんでどうする!!
正次郎なんかに負けてたまるかいっ!!!」

ついに男を見せた父親・ユキラス!!!
深山町最強の男とどこまで張り合う事が出切るのだろうか・・・!!?

ユキラス
「か・・・かか・・海斗・・・!!!
よ・・・よう見とれよぉ~~~~・・・・!
と・・・父ちゃん・・・
負けんからなぁ~~~~・・・・・!!!」

海斗くん
「・・・!?
・・う・・・うんっ!!
父ちゃんはボクの自慢の父ちゃんなんだいっ!!
正次郎おいちゃんにだって負けないよねっ!!!」

海斗くんは、正気を取り戻したユキラスに安心し、不安な表情が強気な笑みに変わる…

ついにあのユキラスが…
父親として初めて正次郎に挑もうとしていた・・・!


そしていると・・・

ついに・・・
エンマ大王様の姿に変化した正次郎が、がに股歩きでユキラスと海斗くんの前までやって来たのです・・・!!!

ユキラス
「し・・・しょ・・・
しょ・・しょしょしょしょしょしょ・・・正次郎ぅっ!!・・・・
な・・・なな・・なななな・・何の用じゃっ・・・・・・!!?」

ユキラスは頑張って、上手く滑舌が合わせられない喋り口調でそう言いながら・・・
海斗くんをかばうようにして正次郎の正面に構えて立ちふさがりました…!!!

父親ユキラスがついに息子の前で男を見せる時がやってきたのだ・・・!!!

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・・・・・と・・・・・

・・・・・次の瞬間・・・

正次郎
「お前は邪魔やからどけっ!!!」

「バシィーーーーーーーーーー・・・ンッ!!!」

正次郎は、自分の前に構えて立ちふさがるユキラスを一撃で突き飛ばしました・・・・

そしてユキラスの後ろで怯えていた海斗くんの前で蹲踞の姿勢で屈むと・・・

海斗くんの頭を撫でながら問いました・・・

正次郎
「どないしたんや…?」

海斗くん
「う・・・うぅ・・・」

正次郎
「初戦負けてしもうたんやってなぁ?
残念やったなぁ・・・海斗!!」

海斗
「う・・・うぅ~・・・
ご・・・ごめんなさい・・・おいちゃん・・・・
ボク・・・・ボク・・・・・・・・!」

海斗くんは、自分の正面で屈む正次郎に、張り倒されるのではないかと怯えていましたが、大きな熊のような体の割に優しい表情で頭を撫で撫でしながら問いてくる正次郎の顔を見ていると、緊張の糸が解けたのか、目から大粒の涙を流れてきました、そして・・・

海斗くん
「うわぁ~~~~ぁぁぁぁぁ~~~んわんわん・・!!ごめんなさぁいぃぃ~~~~~・・・!!!
ごめんなさぁい・・!おいちゃぁぁ~~ぁぁぁぁぁ~~~~んっっ!!!」

さっきまで意地を張っていたのに、素直に大泣きしながら謝りました…

ユキラスの時とは違う、本当に反省して泣いている海斗くん・・・

それを優しい眼差しで見ながら正次郎は・・・

正次郎
「がーーーーーーっはっはっはっはっは!!!
えぇ~のや!えぇ~のや!
失敗は誰にでもある!
気にせんでかまんかまん!
なんなら相手の廻し外してフル○ンにして泣かしたったら良かったんじゃっ!!!
がっはっはっはっは!」

海斗くん
「ごめんなざぁい・・
ぐぉめぇんなざいっ!
おいちゃぁぁぁぁ~~~~~~~~ぁぁぁん!!!
えぐっ・・・!ひっぐ・」・・・!うっぐっ!ズビズビズビ・・・!」

正次郎
「あぁ~~あ・・!
鼻水ジュルジュルや!
男前が台無しやどっ!!
ほれっ!これで鼻かめ!」

正次郎は海斗くんに手ぬぐいを渡すと…
海斗くんは涙を拭いて鼻を・・・・
ジュビジュビジュビ・・!
ズババババーーー!!!
・・・と大きな音を立てながらかんだ…

海斗くん
「お・・・おいちゃん・・・・どうして怒らないの・・・・?」

涙を拭いて鼻をかんだ海斗くんは、少し落ち着いて…目を真っ赤にしながら正次郎にそう問いました、すると・・・

正次郎
「男の子はのう・・・
それぐらい…わんぱくなんがええんじゃ!」

海斗くん
「・・・グスンッ・・・
でも・・・ボク・・・
悪い事したんだよ・・?」

正次郎
「ええか?海斗…!
男の子っちゅうのはなぁ…悪さしてなんぼなんやぞぉ~?知っとるか?

子どもの頃に散々悪さしてなぁ・・・
大人に拳骨されたり…尻を叩かれたり、ほうやって叱られてながら大きく成長するのが本当の男なんだぞっ!!」

海斗くん
「グシッ・・・・!
でも・・・父ちゃんは・・・・そんな悪い子は大嫌いだ、うちの子じゃないって、すごく怒ったよぉ~~~・・・?」

正次郎
「ふんっ!!今まで両親に相当甘やかされて、ワガママ気ままに育ったお坊ちゃんのクセに、何を偉そうに言っとるんじゃこの馬鹿野郎はのうっ?」

海斗くん
「おいちゃん、父ちゃんから高橋の正次郎は恐ろしいからあんまり近寄るなって言ってたけど、本当は優しいんだね・・・!」

正次郎
「ワシは生まれつき声も体も大きかったけぇ~のう、相撲の稽古の時は大声で叫び倒してるけどな、相撲の指導で怪我人が出たらいかんけんのぅ~…
ほじゃけん稽古中は常に緊張感を保ってないと指導員はつとまらんのよ…」

海斗くん
「じゃあ・・・
父ちゃんの優しい指導はダメなの・・・?」

正次郎
「まぁ~…のぅ~…
海斗の自慢の父ちゃんじゃけぇ、あんまり悪ぅ言えんけどのぅ~…
ユキラスみたいに逃げてばかりの相撲をしとったら、いつまでたっても成長出来んわのぅ~・・・」

海斗くん
「ふぅ~~~・・・・ん・・・・」

正次郎
「海斗は虎之助知っとるんかいのぅ~~?」

海斗くん
「うんっ!知ってるよ!
クリスマス会と、お正月の稽古初めにに来てくれた坊主のおいちゃんだよね!
お絵かきがとっても上手なんだよっ!!」

正次郎
「あいつも逃げてばかりでしょうがない奴でのう、ほじゃけど己の道を貫く信念は持っとる、ただ相撲は海斗の父ちゃんよりも弱いし、泣きベソじゃけぇのう、同じ相撲部員としては情けないわいっ!!」

海斗くん
「ふぅ~~~~~ん・・・そうだったのかぁ~・・」

正次郎
「まぁのう!海斗はそんな情けない男にはなるなよ!!!」

海斗
「うんっ!ボク、お相撲大好き!それに・・・おいちゃんの事も大好きになっちゃった!!!」

正次郎
「がーーっはっはっはっはっはっはっはっは!!!
ほうか!ほうか!そりゃあ嬉しいわいっ!!!
こうなりゃいっその事、ワシの息子になるか?
ワシの子どもは…
4人おるんじゃけど、皆女の子しかおらんでのぅ~~~・・・・どうしても男の子が欲しかったんじゃっ!!!」

海斗くん
「うんっ!ボクおいちゃんの息子になるっ!!!
だって、父ちゃんよりも強くてカッコいいもんっ!」

正次郎
「がーーっはっはっはっはっはっはっはっは!!!

よっしゃ!よっしゃ!
ほれじゃあワシの息子になって、毎日相撲の稽古しようなっ!!」

海斗くん
「うんっ!ボク!うれしいな!!!」

正次郎
「ほれじゃあのう、大会が終わったら、海斗の母ちゃんに、息子もらいまっからなぁ~♪って頼んどくからのぅ~~♪」

海斗くん
「わぁ~~~~いっ♪♪」

正次郎
「じゃ!これから宇和島愛南町が相手やけど・・・
試合、頑張れるな?」

海斗くん
「うん!ボクもうさっきみたいに絶対、意地悪したりしないよっっ!!
おいちゃん、ボクの相撲見ててくれるよね!?」

正次郎
「当たり前じゃろげぇ!
試合が終わったらワシの息子になるんじゃけぇ~のうっ!!!
海斗!!頑張って行ってこいっ!!!」

海斗くん
「うんっ!!新しい父ちゃん!ボク頑張ってくるねっ!」

正次郎
「おうっ!しっかりのうっ!!!」

海斗くん
「わははぁ~~~い♪♪
今度の新しい父ちゃんはもっともっと強いぞぉ~~~♪♪
わぁ~~~~いっ♪♪♪」

海斗くんは、正次郎の言葉をすっかり真に受け…
泣いていた顔もすっかり笑顔を取り戻し…
上機嫌で会場へと走って行った・・・

そして・・・
正次郎に軽く一撃で突き飛ばされた海斗の父親であるユキラスは・・・

座り込み・・・
何もしないまま・・・
ふて腐れた顔で・・・

拗ねた表情のまま、さっきまでの会話を黙って聞いていたようだ・・・

海斗くんにすっかり見捨てられた情けないユキラスを見かねてか・・・
正次郎がようやく話しかける・・・

正次郎
「海斗は健気じゃのぅ~~~~~・・・・
本気でワシが父親になると思うとるわい・・・

どや?悔しいか…?
父親のユキラスくんよ…」

ユキラス
「・・・・・・・」

正次郎
「どないするんや?
ユキラスよ・・・
海斗のやつ、本気でワシが父ちゃんになると信じ込んでしもうとるやないけ…」

ユキラス
「・・・・・・・・」

正次郎
「オラァ!!
いつまでふて腐れとるんじゃいっ!アホが!!
お前も早よう会場戻れ!!

海斗や他の教え子らの相撲を見て、しっかり応援したらんかいっ!!美智子はんも心配そうに待っとったでぇ~!!!」

ユキラス
「・・・・・・・」

正次郎
「なぁ~~~んにもモノも言えんようになったんか?お前は・・・・・?
オラァッ!!
早よう立てやぁ~・・・
世話の焼けるやっちゃのぅ~~~~・・・・!!!」

正次郎はふて腐れて座り込んでいるユキラスを起こそうと右手を差し伸べた・・・

・・・すると・・・

「パシィーーーーーーーーーーーーー・・・ン・・・・・・!!!」

・・・なんと・・・

ユキラスは、先程の試合で海斗くんが、対戦相手の管つよしくんにした仕打ちのように…

差し伸べた正次郎の右手を同じように叩き払ったのだ・・・!

そして次の瞬間・・・

ユキラス
「お前なんかもう・・・
絶交じゃいっ!!!
海斗の父親にでも何でもなっちまえやっ!!!ワシはもう知らんからなぁ!!」

とうとう正次郎に・・・
逆ギレするユキラス・・・
怒り方からしてかなり御立腹の様子だ・・・

正次郎
「なにさらすんやお前…

今さっき海斗がしたのと同じ事しとるやないけぇ~・・・」

ユキラス
「もうえぇ~わいっ!!
どうせワシなんて駄目な父親じゃいっ!!!
海斗もお前に任せるからのう!!
せいぜい頑張れやっ!!!」

正次郎
「なんやお前・・・
ワシにキレとるんか…?」

ユキラス
「うるさいわいっ!!!
お前にはもう・・・
うんざりじゃいっ!!
大っ嫌いじゃいっ!!
絶交じゃからのうっ!!!」

正次郎
「なぁ~~~に本気になっとるんじゃ・・・
お前アホか?
ワシが海斗の父親になれるわけなかろうげぇ~…

ワシには可愛い娘が4人もおるし、美人の嫁もおる…

本気で海斗を息子にするなんて言ったら、嫁にシバかれるわい!!
キツいんやでぇ~~~~?
ワシの嫁は!
美智子はんみたいな
温和な性格やないぞぉ~~・・!」 

ユキラス
「ほんなんもう・・・
どうでもえぇわいっ!!

ワシ・・・!」
帰るっっ!!」

正次郎
「アホウ!えぇ~から水道の水で頭冷やせ!
すっかり頭に血が上ってしもうとるがな・・・」

ユキラス
「うるさいっ!!!
バァーーーーカッ!!
お前とはほんまに絶交じゃと言うとろうがっ!!!
ワシに話かけんなヴォケェッ!!!」

正次郎
「・・・・ったくよぉ~~~~~・・・・・!!
お前も面倒な奴じゃのう~~~~・・・!!!
えぇ~から!水道まで連れてったるけん!ちょっと来い!!頭冷やせ!!!」

正次郎は、すっかり理性を失ったユキラスを・・・
どうにか落ち着かせてやろうと水道まで連れて行こうと手を引くが・・・

ユキラス
「いつも威張りやがってぇ!!!
コンニャローーーーッ!
離せやぁっっ!!!」

正次郎の手をまたもや叩き払ってのけるユキラス…

これにはさすがの正次郎もらちがあかないと判断し、ユキラスを睨みつけ、鬼の剣幕の表情になり、再びエンマ大王に戻った・・・!

正次郎
「おう・・・
ユキラスよ・・・
お前え~・・・
ほんまえぇ加減にしとかんと…
ワシは怒るぞ・・・!」

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正次郎はそう言うと・・・

ユキラスの正面で仁王立ちになった・・・

しかしユキラスは…
今だ頭が冷えない様子…

ユキラス
「お・・・お前なんか・・ちっとも恐ないわいっ!!

ワシを・・・

ワシを殺したければ殺せばえぇ~じゃろげぇっ!!

刑務所入って、お前の人生狂わしたるわいっ!!!

これでもうお前なんか深山町におれんなるし、井戸の中のカエルじゃけぇ!!

余所に言って後ろ指差されて生きていけ!!!
お前はもう・・・
お先真っ暗じゃいっ!!」

とうとう妙な事を口走るようになったユキラスを見かねた正次郎は・・・

正次郎
「バカッタレッッ!!!
えぇ加減に目を覚ませや阿呆っっ!!!」

「バシィーーーーーーーーーーーーーー・・・・・・・・・ンッ・・・!!!」

正次郎はユキラスの頬に強烈なビンタを食らわせた…

・・・すると・・・
頭に血が上り、怒り狂っていたユキラスの表情がシュン…と静まり・・・
うつむいて大粒の涙を地面に滴らせながら泣きはじめた・・・・

正次郎
「しっかりしせぇやっ!
それでもお前は海斗の父親かぁっ!!!」

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ユキラス
「う・・・うぐ~・・・
うぅ~~ぅぅ~・・・うぅぅ~~~~・・・!」

正次郎
「海斗はのぅ!確かにお前の血の繋がった子じゃないけどな…!!

お前と海斗はもう本当の親子になったんじゃろげぇ!

いつまでも独身で好き勝手出来た気持ちでおったらいかんのやぞぉっ!?
わかっとるんか!?
えぇっ・・・!?」

ユキラス
「う・・・うっ・・うっ・・・ううっう・・・!
だってよぉ~~~・・・
だってよぉ~~~・・・!!」

正次郎
「だってもクソもないわいっ!!
親になるのがどれだけ大変か少しは思い知ったか!!」

ユキラス
「ち・・・ちぐしょう~~~~~・・・・
正次郎のバカ野郎ぉ~~~~~・・・
ううっう・・うぅぅ~~~・・・うぅぅっ!!」

正次郎
「ワシだってのう!
こんな姿しとるがのぅ!
会社でミスすればヒョロヒョロの上司に相当怒鳴られるんやぞぉっ!?
それでも家族を守るためにのう!男はグッ…と堪えて辛抱せないかんのじゃいっ!!!
家が自営業で社会に出た事もないお前にはそれが出来んじゃろげぇ!!のうっ!」

ユキラス
「う・・・うっぐ・・・
で・・・出来るわい・・・・・・!!」

正次郎
「じゃあやってみいや!」

ユキラス
「そ・・・それは・・・」

正次郎
「結局口だけで出来まいげぇ!!のうっ!?」

ユキラス
「ううっう・・・
出来るわい・・・・」 

正次郎
「出来んわいっ!
阿呆っっ!!!
井戸の中のカエルはお前じゃろうげぇっ!!!」

ユキラス
「な・・・!!
なんだと!!バカにするな!もう一度言ってみろ!」

正次郎
「何度でも言ってやらいバァーーーーカッ!!
井戸の中のカエルで一人じゃ何にも出来ないユキラスちゃ~~~ん♪」

ユキラス
「なんだと!コンニャローーーーーーッッ!!!」

ユキラスは正次郎の挑発に怒り、ついに拳を振り上げて殴り掛かろうとするものの・・・・・

正次郎
「おうっ!
どうした!?
殴って来いや!ワシなら全然構わんぞ?」

ユキラス
「う・・・う・・・
ううっう~~・・・!」

正次郎の顔面前で…
拳を振り上げたままピクリとも動けないユキラス…

その拳はブルブル震えていて、例え殴ったとしても全く痛く無さそうだ・・・

それに全身毛むくじゃらの熊のような正次郎に対してダメージすら与える事はまず出来ないだろう・・・

正次郎
「おら、殴ってかまんから殴ってくれや!
さっきワシがビンタを食らわしたったからのぅ…
これでお互いチャラや!」

ユキラス
「う・・・う・・・うぅぅ~~・・・・」

正次郎が殴って構わないと言っても・・・
ユキラスの拳は震えているだけで何にも出来ない…

そんな情けないユキラスにイライラした正次郎は・・・・

正次郎
「殴るか殴らんのかサッサと決めろやぁっ!!!
時間の無駄じゃろげぇ!!
阿呆っっ!!!
ほんなんやったらワシがお前をブチ殴ってやろうかぁっ!!?」

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痺れを切らした正次郎は思わず拳をユキラスに振り上げると・・・!!

ユキラス
「あっ・・・!!
あぁ~~・・・・!!
あわわわわ・・・・・!」

毛むくじゃらの大熊のような正次郎に拳を上げられてユキラスは本気で殴られると思ったのか・・・・

恐怖のあまり放心状態で呆けてしまった・・・

それを見た正次郎は・・・

正次郎
「おい?ユキラス!?」

ユキラス
「あ・・・あぁ~・・・」

正次郎
「おーーーーいっ!
生きとるかーーーっ!?
ユキラスやーーーいっ!」

ユキラス
「はぁぁ~~~ぁぁ~~」~~~ぁぁぁ~~・・・・・・・」

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ユキラスは放心状態なままで・・・
気持ちよさげに…
ため息を漏らしている・・・
そして次の瞬間・・・
何だか変な匂いが漂ってきたのである・・・

正次郎
「な・・・なんや・・?
この匂い覚えのある香りは・・・・??」

何だか様子がおかしいなと思った正次郎はユキラスの異変に気づいて匂いが漂ってくる足元へ目をやると・・・

とんでもない事態になっていたのである・・・

放心状態でため息を漏らしているユキラスの股間の前褌から・・・
大量のオシッコが溢れ出していた...


ユキラス
「あ・・・
あ・・・・!
あぁ~~~・・・・!!
オシッコがぁ~~~・・・!!
廻しが・・・
わしの廻しが濡れた~~~・・・
わあぁぁ~~~~・・・ん・・!!」


ユキラスは泣きながら慌てて廻しの前褌を両手で押さえるが・・・

時既に遅し...

オシッコは指先から溢れ・・・
ユキラスの太ももをじゃわぁ~~~!と豪快な失禁音を立てながら大量に流れ落ちていたのだ…

ぶるぶると震えている足元には
みるみる大きな水たまりになり...

冷たい春先からか、モクモクと湯気が立っていた・・・・・



なんと・・・
ユキラスはこの歳で…
とうとう中年ながら・・・

廻しを締めたままで・・・
お漏らしをしてしまったのである・・・


これを見た正次郎はさすがにたまげたようで・・・


正次郎
「お・・・・!!!
おまっ・・・・・!!!
何をやっとるんじゃ!!
バカッタレ!!
オシッコ漏らしとるやないか!!!

おいっ!こらっ!返事せぇやコラァッ!!!
ため息を漏らすのは構わんが、ションベンまで同時に漏らしてどないするんじゃいっ!!」

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ユキラス
「あ・・・はぁ~・・・
も・・・もう・・・・
オシッコが我慢できへんかったぁ~~~~・・・・」

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正次郎
「バカッタレ!!子供らの前で見栄張って我慢するからじゃ!

なんでションベンしたかったんやったら便所行かへんかったんやっ!!」

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ユキラス
「だって・・・正次郎が悪いんだぞぉ~~・・・・
ワシの事殴ろうとするから力抜けてしもうわい・・・・・」

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正次郎
「お前ぇ~~~・・・
この後の試合どうするんじゃバカッタレ~~~・・・・・・!!!」

ユキラス
「学校の部室から替えの廻し借りてくるわい・・・」

正次郎
「阿呆っっっ!!!
ここは小学校やぞ!?
替えの廻しなんか置いてあるかいやぁっ!!!」

ユキラス
「ほうじゃったっ!?
どうしよう~~・・・!」

正次郎
「お前もとうとう虎之助と同じ目に遭ってしもうたのぅ~~~~・・・」

ユキラス
「み・・・みんなにバレてないよなぁ~・・・?」

正次郎
「大丈夫じゃ・・・
ほじゃけどもうじき野村町との試合が終わってしまう!!
ユキラス!お前家に替えの廻しあるんか!?」

ユキラス
「あ・・・あったけど・・・去年虎之助にあげちゃった・・・・」

正次郎
「なんであんな相撲もやらないアホにあげちまうんだよ・・・・!!」

ユキラス
「ど・・・どうしよう~~~~・・」・!
か・・・海斗に見つかったら大変や・・・
もう父親になれないよぉ~・・・・」

正次郎
「海斗じゃくてもえらい事になってしまうわい!!

ちっくしょう~~・・・
しょうがないのう~・・・ワシが道場まで行って来て替えの廻し取って来るしか方法があらへんのう・・・!!!」

ユキラス
「ここはから道場まで車でいったら20分くらい掛かるかなぁ~~~・・・」

正次郎
「よっしゃっ!もう迷っとる場合じゃない!!
これからワシが道場まで行ってくるさけぇのう!!
ええか!?
お前は便所の個室に入っとけっ!!!
何があっても出てくるな!
あいつらには腹が痛くなって下痢しとる事にしといたるからっ!!」

ユキラス
「ご・・・ごめんなぁ~~~・・・
正次郎ぅ~~・・・さっきは酷い事言ったのに助けてくれて・・・」

正次郎
「この歳になって相撲部のOBが失禁しましたなんて誰かに見つかったりしたら、深山町全体にすぐ広がってしまうわいっ!!

お前の電器店も信用が落ちて売り上げにも影響するんやからのうっ!!」

ユキラス
「あ・・・そりゃあマズいなぁ・・・・」

正次郎
「失禁は虎之助の時で懲り懲りじゃいっ!!!
2度とあんな赤っ恥かいてたまるかいっ!!!」

ユキラス
「あ・・・野村町との試合が終わったみたいだ・・・」

正次郎
「や・・・やばいっ!!!
ユキラス!!!お前はすぐに便所に入って個室に閉じ隠ってろ!!
ワシは皆に事情を話して正露丸持って来ると言って出るからのぅっ!!」

ユキラス
「わ・・・わかった~~・た・・・頼んだぞぉ~・・正次郎ぅ~~・・・!」

正次郎
「もうえぇわいっ!!
半分は海斗とお前をからかったワシの責任じゃけんのうっ!!
ほれじゃあ行ってくるわいっ!じゃあのうっ!!」

ユキラス
「・・お・・おう・・・
頼んだぞ!正次郎・・!」


正次郎は会場へユキラスの偽の病状を伝えに走り…

ユキラスは多目的広場の隅にある便所へと走って行った・・・

危うく大喧嘩となる所だった2人も…
ユキラスの失禁でそれどころでは無くなり…

更に絆が強くなったようにも思えた・・・

どんな形であれ、2人は1番付き合いの長い友なのだ・・・

果たして…
正次郎は無事に道場まで…

ユキラスの替えの廻しを取りに行く事が出来るのだろうか・・・・!?