どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

「ボクたちずっといっしょだよ」チャイルドホームPresence

ここはアニマルランド

どうぶつたちだけが
暮らしている

とおい…
とおい星の国…


この星は…
僕たち人間が行くことは…
出来ないんだ…


だけど・・・

たったひとりだけ・・・

5歳だった男の子が…
1年前に、このアニマルランドへやってきたのでした・・・

その男の子とは・・・

誰なのでしょうか・・・




アニマルランドの大草原に…

とんがり帽子が目印の小さな修道院があります・・・

そこはチャイルドホームといって…

親に捨てられてしまった…どうぶつの子どもたちが、仲良く暮らしている孤児院なのです…

どんな子どもたちが暮らしているのか…

ちょっぴりのぞいて見ましょう・・・




アニマルランドの大草原では…

ザァ~ザァ~・ザァ~ザァ~…

・・・と、雨がふっていました…


これではおそとに遊びに行けません…

しかたがないので…
チャイルドホームの子どもたちは…

家のなかで遊んでいました・・・



チャイルドホームPresence

「ボクたちずっといっしょだよ」



ぽん太
「ケンちゃんのバカ!
ボク・・・もうしらない!!」


けんと
「わあぁ~~~・・・ぁあん!
うわぁ~~・・・ぁんあんあん!」


たぬきの男の子、ぽん太と

これまたたぬきの男の子、けんと

チャイルドホームでは、ぽん太がお兄ちゃんで、けんとは弟になるようです


どうやらケンカをしてるみたい…


けんとの泣き声をきいた…
ミケ猫の、ヒトミお姉ちゃんがかけつけて来ました

ヒトミお姉ちゃんは、チャイルドホームの中では1番の年長組で、みんなのお世話もしている、とても頼もしいお姉ちゃんなのです…


ヒトミお姉ちゃん
「ぽんちゃん!またケンちゃんを泣かして~~・・!
ダメでしょう!?仲良くしなくっちゃ!?」


ぽん太
「だって!だって!だって~~~!
ケンちゃんがボクのクロッキー帳のページやぶったんだもん!」


ヒトミお姉ちゃん
「しょうがないでしょう!?
ケンちゃんはまだ5歳なんだから!」


ぽん太
「せっかくじょうずに描けたのにぃ~~~~・・・・
ケンちゃんがビリビリッ!・・ってやぶいちゃった・・・・!」


ヒトミお姉ちゃん
「また描けばいいでしょう~?
ぽんちゃんは、お絵描きがじょうずなんだから!
次はもっとじょうずに描けるよ!ね♪」


ぽん太
「ヒトミお姉ちゃんひどぉ~~~い!
なんでボクばっかりガマンしなくちゃいけないの~~~!?
前まではやさしくしてくれたのにぃ~~~~~!!」

ヒトミお姉ちゃん
「ぽんちゃんはもうお兄ちゃんでしょ!?
いつまでも甘えてばかりじゃいけないの!
はい、ケンちゃん、お姉ちゃんとこおいで~~~♪」

けんと
「うぇ~~~・・ぇんえんえん!
おねぇちゃぁ~~~・・・ん!!」


ヒトミお姉ちゃん
「はい♪よぉ~しよしよしよし♪
ケンちゃんは良い子♪良い子♪
泣かない♪泣かない♪ばぁ~~♪」


けんと
「キャハ♪♪キャハハハ~~♪♪」


ヒトミお姉ちゃん
「ほぉ~~~~~ら♪
プルプルプル~~♪プルプルプル~♪」


けんと
「キャハハハ!キャハ!キャハハハ!」


ぽん太 
「ふんだっ!ケンちゃんばっかりやさしくしてズルい!
悪いのはケンちゃんなのに!
ボクもうあっち行ってひとりで遊ぼっと!」


けんとばかりやさしくするヒトミお姉ちゃんにヤキモチをやいたぽん太は、とうとう向こうの部屋へ行こうとすると…


ヒトミお姉ちゃん
「待って!ぽんちゃん!」

突然、ヒトミお姉ちゃんがぽん太を呼び止めました…


ぽん太
「ふんっ!なぁ~にぃ~・・・?」


ふてくされながら返事するぽん太…
ヒトミお姉ちゃんは、何やら窓の方を指さしています…


ヒトミお姉ちゃん
「窓のそとみてごらん!」


ぽん太
「窓のそと~~~~・・・?」

ぽん太が、ヒトミお姉ちゃんにそう言われて窓のそとへ目をやると・・・


ぽん太
「わあぁ~~~~~・・・!!!
キレイ!大きな虹がかかってるう~~~!」


ヒトミお姉ちゃん
「いつの間にか雨がやんでたんだね!
ぽんちゃん、もうおそとで遊べるよ!」


ぽん太
「わぁ~~~い!!ボク、あの大きな虹描いてくる!!
クロッキー帳とクレヨン持って行ってきま~~~す!!」


ヒトミお姉ちゃん
「待ってよ!ぽんちゃん!」


ぽん太
「もう~~・・・ヒトミお姉ちゃんなぁ~~にぃ~~・・?
ちゃんと夕ごはんまでにはかえるから大丈夫だよぉ~~・・・・」


ヒトミお姉ちゃん
「ぽんちゃん・・・、ケンちゃんもいっしょにつれてってあげな・・・」


ぽん太
「えぇ~~~~・・・!!!
ボクいやだよぉ~~~~・・・!
ひとりで行くんだもんね~~~だ!
ベロベロべーーだっ!!」


ヒトミお姉ちゃん
「あん!待ってよぽんちゃ~ん!」


ぽん太は、ひきとめるヒトミお姉ちゃんの言葉も聞かず、クロッキー帳とクレヨンをもって、ひとりでおそとへ遊びに行ってしまいました・・・



ぽん太
「わぁい!大きくてキレイな虹!ほのぼの湖さんの方へかかってる!はやく行かなくっちゃ!」


雨はすっかりあがり、雲間から青空が見えてきました…
太陽の光がぽん太を照らします…


ぽん太が走っていると・・・

後ろから誰かの声がします・・・

「待ってよ~~~・・・!
お兄ちゃ~~~~ん・・・!」


声に気づいたぽん太は立ち止まり、後ろを見てみると・・・


「お兄ちゃ~~~~・・・ん!
待ってぇ~~~~・・・・!
ボクもいっしょに行く~~~・・!」


けんとは…
ぽん太を追いかけ、走ってやってきました…


ぽん太
「あぁ~・・・ケンちゃんだ・・・!」

けんと
「お兄ちゃ~~~~ん!
ボクも行く~~~~~!」


ぽん太
「ふ・・・ふんだ!
またクロッキー帳やぶられたらヤだもんね!!
ケンちゃんなんてしらないもんっ!」


ぽん太は、こちらへ向かってくるけんとを・・・
置いてけぼりにして走って行きました…

すると・・・


けんと
「あ・・あっ・・・!
あぁ~~~~・・・・んっ!!
お兄ちゃぁ~~~~・・・・ん!
待ってよぉ~~~~~・・・・!」


待つこと無く走り去るぽん太…

けんとは必死で泣きながら追いかけました・・・


けんと
「うぇ~~~~~・・・ん!
お兄ちゃぁ~~~~~・・・ん!!
わあぁ~~~んあんあんあん!!」

ぽん太
「ケンちゃんなんか・・・・!
ケンちゃんなんか・・・・!」


泣きながら追いかけてくる…
けんとの声は・・・

ぽん太の耳に痛く響いてきました…

そして・・・

けんと
「えぇ~~・・・んえんえんえん!
お兄ちゃ~~~~・・・・・ん・・・!!
うえぇ~~~~・・・・んえんえんえん・・・!!」


けんとは
ぽん太に追いつかず・・・
とうとうあきらめてしまいました…

雨上がりの広い草原…

足元の雑草や花には、キラキラと雨のしずくが光っています・・・

泣き声がだんだん小さくなってきました…


ぽん太は走るのをやめて…
後ろを見てみると…

けんとは広い草原の中を…
泣きながらチャイルドホームの方へ向かって帰っていく姿が見えました…

ぽん太は、そんなけんとの姿を見ていると…

だんだん胸が苦しくなってきました…




「チャイルドホームへおいでよ!」


「ボクが今日から・・・
お兄ちゃんになってあげるからね!」



「うん!お兄ちゃんといっしょに…
チャイルドホームに行く・・!!」


・・・ぽん太は・・・
初めてけんとに会った日を思い出してしまいました・・・



ぽん太
「ボク・・・ケンちゃんの・・・
お兄ちゃんなのに・・・・・

お兄ちゃんなのに・・・!



弟のケンちゃんに・・・・
さみしい思いさせたらいけないんだ!」


ぽん太は…
グッ・・と怒ったような顔をして…

けんとの方へと走っていきました!


ぽん太
「ケンちゃ~~~~ん!!
ケンちゃぁ~~~~~~ん!!!」


けんと
「・・・・?」

ぽん太は…
けんとの元へと辿りつくと…


ぽん太
「ケンちゃん!ハァハァ・・・
ハァハァハァハァ・・・!」


けんと
「グスン・・・・
お・・・お兄・・ちゃん・・・?」


ぽん太
「ケンちゃん・・・!
いっしょに行こうよ・・・!!」


けんと
「グスン・・・どこ・・に・・・?」


ぽん太
「あの虹にさ・・・!
のぼってみようよ!!

お兄ちゃんといっしょに!!!」


けんと
「グス・・・・グスン・・・」

ぽん太
「行こうよ!ケンちゃん!」

ぽん太は…
けんとの手をにぎって、ほのぼの湖の上にかかっている虹を指さしてこう言うと・・・

けんと
「・・・・・うん!!!」

けんとはニッコリ笑って
元気に返事をしました…

そして…
ふたりは手をつないだままで…

青空広がる太陽の光によって…
もうじき消えてしまう虹の彼方へと走っていきました…

やがてふたりの姿は小さくなり…
虹と共に見えなくなっていったのでありまいました…


「おわり」






「おててをつないで夢のなか」


雨があがり
大きな虹がかかったら

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おやつをもって
遊びにいこう

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あの虹のふもとへ
行けるかな?
ボクとキミならきっと
だいじょうぶ

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キラキラと光る草原
風にゆれてるお花さん
ボクたちみたいに
笑ってる

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たくさんたくさん
歩いたら
木陰のしたでひと休み
おやつのドーナツはんぶんこ

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おててをつないで夢のなか
虹の上をわたったよ
雲のかたちが
おいしいおやつ
ボクとキミでつかまえた

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目が覚めて
日が暮れている
あかね空
虹もきえちゃったね

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ゆうやけ
お家へかえろうよ
お日さまさよなら
またあした

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おててをつないで夢のなか
お月さまにのっかって
おいしいおもち
うさぎさんからもらったよ

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おててをつないで夢のなか
あしたもきっと晴れるよね
また遊ぼうよ
ずっといっしょにいるからね

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ずっといっしょに…
いるからね…

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ボクはキミのお兄ちゃん…



ぽん太
「ボクたち…
これからもずぅ~~・・・っと・・・
いっしょだよ!!!」

けんと
「うん!!」

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