どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

「深山町の元番長!男・高橋正次郎!人生最大のピンチにお手上げか!?」

深山中学と野村中学との試合が終わり、30分の休憩の後、次は愛南中学と対戦する事となっているのだが…

会場に集まっている愛媛県相撲連盟の関係者や相撲部員の学生達、その保護者や指導員らも休憩をとるために、一斉に散らばり始める…

元番長であり、深山町で最強の男、「高橋正次郎」は、不意に失禁してしまった同級生の柴田幸信こと「ユキラス」を便所の個室へと隠まらせ、替えの廻しを取りに行く為に相撲道場へ向かわなければならなくなってしまった…

だがその前に、先程ユキラスとの大騒動を会場の皆に見られているだけあって、部員や保護者達に、便所の個室に隠れているユキラスの実態がバレないよう上手く誤魔化すため説明する必要がある…

正次郎はドスドスと140キロはあるであろう重い体を走らせながら皆の元へと向かった…






「深山町の元番長!男・高正次郎!人生最大のピンチにお手上げか!?」

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正次郎
「おぅ~おぅ~!みんなお疲れさん!
ちいと騒がしくしてもうてすまんかったのう!!」


小山田
「グシッ!・・・・うぅ・・・・グヒック・・・!
ご・・・ごめんなさい・・・た・・高橋先生・・・

ぼ・・・僕たち・・・・
4対1で・・・・負けて・・・・しまって・・・・く・・・悔しいです・・・うぅ~~・・グヒック・・!!」

正次郎
「まだ始まったばかりやのに、何を泣いとるんや…

小山田なぁ…1年の大将じゃろう?
お前がしっかりチームを引っ張って行かなあかんのやどぉ…?
男なんじゃけぇ、負けても泣いたらあかんぞ…!!
しっかり顔上げぇや…」


武智
「野村に勝てたの・・・
浜口くんだけだったんだ・・・・」

浜口
「俺の相手・・・小兵だったから・・・勝てたんだい・・・・!」

山内
「すげぇ強かったんだよなぁ・・・野村中学の奴ら・・・・・」

海斗
「ボクがいけなかったんだ・・・・
初めにあんな態度とってなかったら・・・
みんなはもっと良い相撲が取れてたかもしれないのに・・・・」

正次郎
「勝負は負けたら負け!
しっかり受け止めなあかん!!
タラレバ言ってものぅ?
しょうが無いんじゃ!
負けたくないんやったらのぅ!ワシが稽古しちゃるけん、土曜日に道場へ来い!」

浜口
「オレの父ちゃん・・・
高橋先生の稽古は体罰に近いから、柴田のおいちゃんの指導じゃないと、いけんって言われた・・・」


武智
「ボクの兄ちゃんも・・・高橋先生の稽古が辛くて相撲辞めちゃったんだ…」

山内
「だって・・・
高校生でも泣くらしいよ…無理だよ・・・やっぱり海斗くんのお父さんじゃないと・・・」

小山田
「グシッ・・・グシッ!・・・・グヒック!・・・
ボ・・・ボク・・・も・・・・もっと・・・強くなりたい・・・
厳しくても・・・いいけん・・・
た・・・高橋先生に・・稽古してもらいたい・・!」

海斗
「そうだよ!父ちゃんなんて弱虫だもん!
高橋のおいちゃんの方がう~~~んと強いもん!!
ボクも稽古したい!厳しくってもみんなでやれば大丈夫だよ!」

正次郎
「よしっ!
本当に強くなりたい奴はワシの稽古に来い!!
負けたまんまで構わんのやったら、ユキラスの甘ちゃん稽古でも受けとれ!
ええな!?」

小山田
「グシッグシッ・・・・!!み・・・みんな行こうよ!!野村中学に負けたまんまでいいのかよお~~!!」

海斗
「小山田くん!ボク行くよ!!
ねぇ、みんなも勇気出して、高橋おいちゃんと相撲しようよ!!」

武智
「え~~~・・・・
どうしよう~~~・・・」

山内
「こ・・・
こわいなぁ~・・・」

浜口
「オ・・・オレ・・・!
いくよ!!」

武智
「は・・・浜口くん・・・!?
いいの!?・・・・
骨折するかもしれないんだよ・・・!?」

浜口
「骨折なんて、ヘッチャラだいっ!!
だって・・・オレ・・・
相撲が好きなんだもん!
もっともっと強くなって、いつか大相撲で白鳳みたいな横綱になるんだっ!!」

山内
「ボ・・・ボクも・・・
行く・・・!
泣いちゃうかもしれないけど・・・・
みんながいればこわくない!!」

武智
「みんなが・・・いれば・・・・
こ・・・こわくない・・・・・・よね・・・・

そ・・・そうだ!みんなで力を合わせて来年こそ野村中をギャフンと言わせてやろう!」

海斗
「山内くん・・・!武智くんも・・・・
一緒にやろうよ!!
もっともっと強くなって、みんなで野村中を倒そうよ!!」

小山田
「グシッ!・・・
みんな・・・ありがとう・・・・・
来週からは土曜日に道場で稽古だ!」

海斗
「なんかワクワクしてきたね!!」

浜口
「来年のオレたちはすんげぇ~~~強ぇ~~~ぞぉ~~~~~!!」

山内
「野村中の奴ら覚悟しろ!」

武智
「全勝優勝だ!!!」

正次郎
「よっしゃ!よっしゃ!
よぅ~言うた!!
それでこそ深山っ子じゃ・!!!
泣いてもかまん!負けたってかまんのじゃ!!
相撲は怖じ気づいて逃げたらあかんのじゃっ!!

安心せえっ!ワシがみっちり稽古でしごいてやるさけぇ~のぅ!!

必ず野村中の奴らの何倍も強く育ててやるわい!!
がーーーっはっはっはっはっはっはっはっは!!!」

海斗
「ねぇ~~~・・・
高橋のおいちゃん~・・
父ちゃんはぁ~~・・?」

浜口
「あ!そうだ!
そういえば海斗くんの父ちゃんがいないぞ!?」

正次郎
「あ・・・・・!!
あかん・・・・・!!
すっかり忘れてしまっとったわい・・・・!」

武智
「忘れとったって・・・
何んなん~~・・・?」

山内
「なんか海斗くんのお父さん・・・
さっき泣いてるように見えたんだけど・・・」

正次郎
「お・・・小山田!!
今からワシが話す事をのぅ、よう聞いてくれるか!!会長と顧問、お前の父ちゃん母ちゃんらにもに伝言してほしいんや!」

小山田
「は・・・はい!!」

正次郎
「みんなも一緒によぅ~聞いとくれなぁ~~~!?」


海斗、浜口、武智、山内
「はいっ!!」

正次郎
「ユキラスはのぅ~・・
急な腹痛になってしもうてのぅ~・・・
今便所の個室で座っとるんじゃ・・・
しばらくの間は出られんさけぇのう…
まぁ…そっとしといてやってくれるか!?」

小山田
「はい・・!
わかりました・・・!
会長や顧問の先生にはボクが伝えておきます・・!」

正次郎
「おぅっ!小山田!頼んだわ!
ワシはちょっと家に戻って正露丸取ってくるさけぇ~のぅ!
愛南中との試合に向けてしっかり準備運動と基本動作やっとくんやぞ!!」

浜口
「えぇ~~~・・・!
海斗くんの父ちゃん、下痢してんの~~~!?」

海斗
「きっと高橋のおいちゃんにビビッてう○こしたくなったんだよ・・・」

山内
「廻し締めてからお腹痛くなるなんてイヤだなぁ~~・・・・
廻しを外して、また締め直さないといけないし、廻しもう○こで少し汚れちゃうしね・・・」

武智
「午後からの、青年部による個人戦は大丈夫なんかなぁ~~・・・・?」

正次郎
「まだ10時じゃけえ~
大丈夫や!!
ほれじゃあワシはちょっくら家に行ってくるさけぇ~・・・
お前らは顧問の指揮に従って準備運動と基本動作じゃ!頑張れよ!!」

全員
「はいっっ!!!」


・・・と、部員のみんなが力強い返事をした後・・・


美智子
「あのぅ~~・・・・
高橋の御主人さん・・?

うちの人・・・お腹壊したって言ってたのを今聞きましたが・・・・
本当なんでしょうか・・・?」

正次郎
「うっ・・・!!
み・・・美智子はん・・・・・!!」

海斗
「あ、母ちゃん・・!」

美智子
「うちの人ねぇ・・・
その・・・・
今朝も快便だって…
喜んで言ってたのよ・・・どうして今さらお腹が痛くなったのかなぁ~~・・・って思うの・・・・」

海斗
「あ!そうだった~!
ボク、父ちゃんの後にトイレ入ったからすっごい臭かったんだよ!」

正次郎
「い・・・いやぁ~~・・・・・あいつはねぇ~~~~~・・・・
昔からそうだったんですわぁ~~~・・・!
ワシに怒鳴られたり緊張したりすると、下痢する体質なんですわ・・・!」

・・・と、しどろもどろと動揺を隠しきれない正次郎が不自然に説明をする…

美智子
「いえねぇ、私・・・
先程から主人と高橋さんの対話を見てたんですけど…

ちょっと・・・・
なんといいましょうか…
イジメにしか見えなくって・・・・」

正次郎
「あ・・・・はい・・・・・・・・・・
すんまへん・・・・
ワシはどうも昔からあんな感じですけぇ~・・・」


思わず目が点になる正次郎・・・

美智子
「あのねぇ・・・
ああいう・・・自分よりも弱い立場にある主人をですね・・・・
あなたの様に・・・力任せで罵声を浴びせるのは・・・子供の教育にも問題になってしまうと思うんですよ・・・・」


正次郎
「は・・・はい・・・・そ・・・・それは・・・・ごもっともでございます・・・・・」

ぐぅの根も出ない正次郎・・・・

美智子
「相撲の指導をしてらっしゃるのであれば・・・
ただ勝つだけではなくってね・・・・
礼儀作法や相手の痛みを思いやり、優しい心を育むのも大切な事だと思うんですよね…
相撲に携わらない私が言うのも生意気かもしれないけれど…」

正次郎
「す・・・すんまへん・・・・・」

美智子さんの言っている事が正しいだけに、普段あれだけ威張っているにも関わらず、何も反論出来ない正次郎…

そう…
正次郎の弱点は・・・

口が達者な女性なのだ…!

奥さんである恵さんにも、全く逆らえず尻に敷かれてしまっている正次郎…

そのストレスや鬱憤晴らしを相撲の稽古で発散しているのだから、練習生はたまったもんではない…


浜口
(ヒソヒソ…なんかすげぇな…海斗くんの母ちゃん…)

武智
(ヒソヒソ…あの高橋先生が何にも言い返せないなんてね~・・・)

山内
(ヒソヒソ…見ろよ・・・高橋先生・・・まっ赤な顔してしょげ込んじゃったよ…)

美智子
「高橋さんのお父さまは…
元PTA会長でしたよね…?」

正次郎
「は・・・はい・・・」

美智子
「どうして元PTA会長のお父さまが・・・・・?

息子さんを野放し状態で育て上げたとでもいうのかしら・・・・・・
ちょっと理解に苦しむわ・・・・」


正次郎
「・・・えっとぉ~~~・・・・
そ・・・そのぉ~~~・・・・」


美智子
「主人は確かに甘やかされて育ったので・・・
少々ワガママな所もあります、だけどねぇ…
それはあなたも変わらないでしょう・・・?
それに主人はあなたと違って子供に大変優しくて、練習生達からとても厚く慕われていますよ・・・?」

正次郎
「ごもっともです・・・」

美智子
「そんな主人だったから…
私は結婚を受け入れたんです・・・
海斗も懐いてるし、主人も海斗を実の父親以上に可愛がってくれて・・・

海斗の父親になってくれた事は本当に感謝しています・・・・」

海斗
「あのねぇ~~~母ちゃん!!
ボクね、今日から高橋のおいちゃんの息子になる事にしたんだぁ~~~~♪♪」

浜口
「え~~~!?
何それ!?今度は高橋先生が海斗くんの父ちゃんになるの~!?」

山内
「海斗くん、本当にそれでいいの~~~・・・?」

武智
「柴田のおいちゃんはどうするの~・・・?」

小山田
「こういうの、養子縁組になるんだって、お母さんから聞いた事あるよ…」

美智子
「はぁ~~~~・・・・
まったく・・・
まだ中学1年生の子供に何を吹っ掛けたのかしら・・・?」


正次郎
「あ・・・・あれは・・・・・その・・・・ノリというか・・・ガハハハ・・・・・・・じょ・・・冗談じゃけのう~~・・・汗笑」

美智子
「どういう事なのか・・・直接主人に聞きたいわ…

あそこのトイレに居るのよね・・・?
ちょっと聞いてくるわ…」

正次郎
「あ・・・・!!!
あぁ~~~~・・・美智子はん・・・・!!!
便所はあきまへんっ!!」

美智子
「あら、どうしてかしら・・・・?」

正次郎
「だって・・・!
その・・・・男子便所に女性の美智子はんが入るのはどうかと思いましてのぅ・・・・・・!!?」

美智子
「今はトイレに誰も行っていないし、主人は今個室にいるんでしょう・・・・?
少しくらいならば問題ありません・・・」

正次郎
「いやいやいやいやいやいや~~~・・・絶対にあきまへんって!!
あいつ今相当の腹痛で苦しんどるんですわ!!
ほじゃけん今からワシが家まで正露丸取りに行ってきますから、美智子はんはみんなのそばに居てやって下せぇ~・・・!!!」


美智子
正露丸なら、バッグの中に入れて持ってきています、「正露丸糖衣A」誰かが腹痛になった時のために普段からバッグの中に常備してるの…」

正次郎
「うっ・・・・!!
うぐっ・・・・!!!」

浜口
「高橋先生ぇ~~・・・
正露丸なら医務室や放送席の下にある薬箱にもあるよ~?」

正次郎
「ぐ・・・ぐ・・・!
ワ・・・ワシ・・・一体どうすればええんじゃい・・・・・
ユキラスよ・・・・
な・・・何とかならんのか・・・・
お前の嫁はん・・・大人しそうに見えて相当口達者なおなごじゃのぅ~~・・!!」


嗚呼・・・
いくら深山町最強である元番長の高橋正次郎でさえも・・・・
このような大ピンチが迫ってこようとは誰が想像したものか・・・

とにかく急げ~~!
正次郎~~~~~!
便所の個室ではユキラスが首を長くして待ってるぞ~~~~~~!!!


ユキラス
「はぁ~~~・・・・
まだかなぁ~~~~正次郎~~~~・・・・

早く来てくれないかなぁ~~~~~~・・・
股間がグショグショして気持ち悪いよぉ~~~・・・・・・」


正次郎
「ど・・・どないすれば・・・・!
このピンチを脱する事が出来るんじゃ…!!
嗚呼~・・・・虎之助~~~~~・・・・
お前の南無さんとんちをワシに貸してくれぇ~~~~・・・・!!!」

この後…
ついにあの人までやってくる!?

(終)