通い慣れたいつもの道だけど・・・
たまにはちょっと気分を変えて・・・
一つ前の曲がり角を左に入ると・・・
思いもよらない発見をしてしまう・・・
貴方にも・・・
そのような経験・・・
あるのではないでしょうか・・・?
実はよく知っている土地だけど・・・
案外知らない事も多いもの・・・
世の中は狭いようで広い世界・・・
普段見かけなかったあのお店・・・
ちょっと気になる行こうかな・・・
いらっしゃいませ
ようこそ・・・
ナイトショップ
「フクロウ」へ
午後11:00
夜は魅惑の時間帯・・・
昼間押さえていた欲望も・・・
夜になると堪えきれない・・・
僕はあの写真に映っていた・・・
まるで力士のようにガッシリと大きくて筋肉質な体に、骨太で丈夫そうな腕をした男の腕組み姿を目にしてから・・・
気になって夜も眠れない・・・
布団の中で息を荒くし・・・
声を潜めて股間へ手を伸ばす・・・
そして僕は・・・
血流が集まり硬く伸びた自分の「モノ」を握ると上下に動かし始めた・・・
「ハァハァ・・・」
「ハァハァ・・・ハァハァ・・・!」
「あ・・・あぁ・・・ああぁっ・・!」
「ねぇ・・・離してよぉ・・・・
ねぇ・・・ん・・・」
「お願いだから・・・・僕の手を・・・・離して・・・・ん・・・」
「ああぁ・・・力が・・・・
強すぎて・・・僕・・・・・
動けないよ・・・はぁ・・・ん・・・」
僕は・・・
あの写真に写っていた・・・
筋肉質でガッシリ太った剛腕力士に・・・
両腕を押さえられ・・・
無理矢理犯されている想像をしている・・・・
ギュッと締めた褌姿・・・
つかめない程の太い腕・・・
大きなお腹に、筋肉で盛り上がったお尻・・・
ガッシリした恰幅のある逞しい体・・・
坊主頭の日本男児・・・
あぁ・・・
たまらないよう・・・・・・
あの写真が・・・・
欲しい・・・
だけど・・・・
値段がとっても高いんだ・・・
僕のおこづかいだけではとてもじゃないけど買えないよぉ~・・・
どうしよう・・・
おこづかいも全然貯まっていないし・・・
やっぱり・・・
あきらめるしかないのかなぁ~・・・
僕が・・・
こんな風になってしまったのは・・・
先週の土曜日の夜だった・・・
友達の家で遊んでいたら・・・
つい遅くなってしまって・・・
父さんと母さんに連絡したらカンカンだった・・・
僕は急いで家へ帰る事に・・・
「はぁ・・!はぁ・・!はぁ・・・!はぁ・・・!はぁ・・・!」
月明かりの夜道・・・
僕は自転車をとばして帰っていた・・・
しかし・・・
途中で道を間違えてしまい・・・
まるで見たことも無いような田舎町へと迷い込んでしまったんだ・・・
すると・・・
周りは田んぼだらけの畦道を、ずっと進んで行くと・・・
ひとつの明かりが見えてきた・・・
よく近づいてみると・・・
何やらお店のようだった・・・
お店の電光看板には・・・
ナイトショップ「フクロウ」
こう・・・記されていた・・・
「こんな所にお店があるなんて・・・・
ちっとも知らなかった・・・」
何となく古くさいお店ではあったものの・・・
僕はここで道を尋ねる事にした・・・
「ウィーーン・・・♪」
「テレレ…♪テレレ…♪テレレ…♪」
「いらっしゃいませ~・・・」
お店に入ると・・・
店主らしき人がいた・・・
メガネをかけていて、太っているおじさんが・・・
無言でイスに座ったまま・・・
レジの横にある小型テレビを腕を組んだ
格好でジッ~・・っと見ていた・・・
お客さんは僕以外誰も居ないようだ・・・
店主のおじさんと僕だけの・・・
気まずい空間が何とも落ち着かない・・・
店内には小型テレビから溢れる芸人の笑い声だけがやたら響き渡っている・・・
僕は、何も買わないで道を聞くと・・・
おじさんに嫌な顔されるような気がしたので・・・
何か菓子パン一つだけでも買っていこうと、ひと通り店内をぐるりと見て周ってみる事にした・・・
店主のおじさんが・・・
チラッ・・・とこちらの方を見た・・・
僕はその視線を何気に感じながらも・・・
さほど広くもない店内をゆっくりヒタヒタと歩いていく・・・
整列されてある棚の商品を、一つ一つ確認するフリをしながら・・・
そして・・・
僕が右端の方へ向かって行ったその先は・・・
なんと・・・
「アダルトコーナー」になっていたんだ・・・!
そこには・・・
女性が裸になって、股間部分を手で押さえているだけの姿や、セーラー服を着たままで、わざと白いパンツを見せているような姿が写ったビニール雑誌やビデオ等が置いてあった・・・
僕は何となく居づらくなり、その場所から離れようとしたその時・・・!!
ある特設コーナーの存在に気づいたのだ・・・!!
「男色豊満写真館」
女性が写っているビニール袋に入った雑誌コーナーの隣に・・・
その特設コーナーがあった・・・
「男色豊満写真館」
それは・・・
男が好きな男・・・
つまり・・・「男色」
「ホモ」「ゲイ」
が買い求める特設コーナーのようだ…
よく見てみると・・・
男性同士が裸で抱き合っている姿や・・・
前垂れのついた白い褌一丁で…
ぼってり太鼓腹親父が大股開きで寝そべっている姿や・・・
筋肉ムキムキな短髪マッチョ兄貴が、褌や黒ビキニパンツの姿で色んなポーズをとっている写真が載った雑誌やビデオ等が・・・
ほんの狭いコーナーにギッシリと並べられている・・・
僕は・・・
そのコーナーを見て・・・
背筋がゾゾゾと走りだす・・・!!
まるで電流が体中を流れるような衝撃だ・・・!!
しかし・・・
それ以上に・・・
僕の心を鷲づかみしたのは・・・!!
天井から近い壁の上部に飾られている・・・・
あの男の写真だった・・・
まずこの腕の太さに目を奪われてしまう・・・
まるで昭和の力士のような・・・
逞しい体をした男の腕組み姿・・・
真っ白な締め込みをグッ…と締めており、なんとも男らしいその写真…
僕は思わず・・・
じっ…と眺めてしまう・・・
すると・・・
「なんぞ気になる商品でも見つかりましたかや・・・?」
店主のおじさんがいつの間にやら近くにいて、突然僕に話しかけてきたのだ・・・
僕
「あ・・・・あの・・・・!
い・・・いえ・・・・!
こ・・・この写真の男の人・・・
凄い良い体してるなぁ~・・って思ってたんですよ・・・」
僕は、おじさんに突然声を掛けられてビックリした・・・
どうにか平静を装いつつも・・・
心が動揺していてあまり上手く話せないでいる・・・!
すると・・・
そんな僕の様子を見て嬉しくなったのか・・・
おじさんはニッコリと笑みを浮かべながら・・・
その写真について詳しく話し出した・・・
店主
「兄ちゃんはお目が高いのう~・・・
この写真に写る男の名は・・・
「越後屋八兵衛」・・・
と言うてのう・・・
百貫村の横綱力士なのじゃ・・・
「百貫村のどすこい八兵衛」
百貫村ではこう呼ばれており・・・
村一番の力持ちなのじゃよ・・・
僕
「百貫村・・・??
どすこい八兵衛・・・??
今まで聞いたことないよ~・・・!?
何かの映画ですか・・・!?」
店主
「なんじゃ~・・・
兄ちゃんは知らなんだか・・・・」
僕
「はい・・・
何がなんやらサッパリと・・・」
店主
「まぁ~・・・ええ・・・
兄ちゃんやぁ~・・・
歳はいくつじゃ・・・」
僕
「今年で16です・・・」
店主
「若いのう~・・・
まだまだ色んな事に打ち込める歳じゃ・・・・」
僕
「一応・・・
サッカー部です・・・はい・・・」
店主
「この写真がほしいか・・・?」
僕
「ま・・・まさかぁ~・・・!!
ぼ・・・僕はホモじゃないですからね・・・」
店主
「ほんとうじゃな・・・?
じゃあこの・・・
「どすこい八兵衛」の写真は
買わなくてもえぇ~のじゃなぁ~~・・・??
現物がある今しかないんじゃぞぉ~・・・?」
僕
「は・・・はい・・・・
ま・・・全く・・・
きょ・・・興味ないです・・・!」
店主
「兄ちゃんや・・・
嘘をついても無駄じゃ・・・
顔に書いてあるぞ顔に・・・・
自分に素直にならなければ・・・
この先決して幸せにはなれぬぞ・・?」
僕
「だって・・・
今500円しか持ってないんだもん・・・」
店主
「ほうかぁ~・・・
そりゃあ残念じゃのう~・・・
この「どすこい八兵衛」の写真はなかなか出回っておらんでのう~・・・
他所では絶対に売ってないんよ・・・
ほじゃから明日にはもう売れてしまうじゃろうのう~~・・・」
ああ・・・
僕は・・・
胸の鼓動がドンドン高まっていて・・・
心臓のドキドキが止まらない~・・・
だけども・・・
どうしよう・・・!!
どうしよう~・・・!!
店主
「よっしゃ・・・
来週の土曜日の、深夜0時までに決めるのじゃ・・・
それまでは売約済で待ってやる・・・
1週間じっくり考えてから決めるが良い・・・」
僕
「ねぇ・・・
おじさん・・・
この写真の値段って・・・・
いくら位するの・・・?」
店主
「これはちぃ~・・とばかし・・・
プレミア価格で値が張るぞ・・・」
僕
「う・・・うん・・・・
ゴクッ・・・!」
店主
「8000円」じゃ・・・
僕
「えぇっ!?
この写真・・・
8000円もするの・・・!?
凄く高いなぁ~~・・・・
僕のおこづかいじゃあ・・・
とても買えないよぉ~~・・・」
店主
「じゃあ・・・
諦めるしかないのう~・・・
わしのお店は夜の11:00から開店するのじゃが・・・
もし・・・
1週間の間に・・・
この写真を買う決心がついたのであれば・・・
8000円を持って・・・
来週のこの時間にまた来なはれや~・・・」
おじさんは微笑みながらそう言うと・・・
ゆっくりと歩いてレジの方へと戻って行った・・・
そしてレジのテーブル内側にあるイスにドッシリと座って腰掛けると腕組み・・・
また無言で小型テレビを見始めた・・・
結局僕は・・・・
アダルトコーナーで・・・
持っていた1枚だけの500円玉を握りしめ・・・
8000円もする・・・
「どすこい八兵衛」の写真を後にした・・・
まだ16歳の小僧が・・・
ナイトショップ「フクロウ」で買えたのは・・・
クリーパンとコーヒー牛乳だけ・・・
どこか不思議な雰囲気を持っている、店主のおじさんだったけれど・・・
お金を払う時、道に迷ってしまった事を伝えると・・・
おじさんはにっこりと微笑みながら親切に応じてくれたんだ・・・
そして・・・
僕に秘密の近道を教えてくれた・・・
「ウィーーン・・・♪」
「テレレ…♪テレレ…♪テレレ…♪」
店主
「毎度ありがとうな・・・」
僕
「おじさんありがとう!
助かったよ!」
店主
「夜道は暗いさけえ・・・
気をつけて帰んなよ~・・・」
僕
「うん、うっかりころばないようにしないとね・・・」
そう言いながらクリームパンとコーヒー牛乳が入った袋を前カゴへ入れると・・・
僕は自転車のサドルにまたがった・・・
そして・・・
僕
「ねぇ・・・おじさん・・・」
店主
「なんじゃ・・・?」
僕
「もし僕が・・・
来週の土曜日の0時までに・・・
8000円のお金を用意出来たら・・・
あの・・・
「どすこい八兵衛」の写真・・・
必ず買いに来るから・・・
それまでは絶対!
他のお客さんにあの写真売っちゃダメだよ!」
店主
「かっかっか・・・!(笑)
父ちゃん母ちゃんのお手伝いをようけしてのう・・・
自分の力でしっかり頑張って稼ぐのじゃぞ・・・!
わしは楽しみに待っとるけんのう~・・・
兄ちゃんまたおいでやぁ~・・・」
僕
「うん!じゃあおじさん!
またね!さよーならぁ~~♪」
店主
「ああ・・・
おやすみ~・・・
気をつけのう~~・・・」
こうして僕は・・・
ナイトショップ「フクロウ」の…
おじさんに見送られ・・・
あの写真の事だけを考えながら・・・
暗がりの中・・・
自転車をこいで帰っていた・・・
すると不思議な事に・・・
気がついたら僕は・・・
知らぬ間に家へと到着していたんだ・・・
帰ってからは・・・
父さんと母さんに・・・
こっぴどく叱られた・・・
それでも僕は晩御飯を食べて・・
お風呂へ入ってシャワーを浴び・・・
部屋のベッドに潜り込むと・・・
すぐに眠りについたんだ・・・
それからの一週間・・・
僕は毎晩夜になると・・・
あの「どすこい八兵衛」のガッシリとした筋肉質な体と太い剛腕な姿を思い出しながら布団の中で・・・
元気になった自分の「モノ」へと手を伸ばし・・・
上下に動かしては「どすこい八兵衛」に力で押さえつけられながら犯されている妄想に浸っている・・・
先週からの1週間・・・
この悶々とした欲求不満をひたすら妄想しながら自分の「モノ」を扱く事で解消するしか術が無い状況へと陥ってしまっているという事なのだ・・・
ああぁ・・・ん・・・むう・・・ん・・
もう・・・ダメえぇっ・・・!
我慢出来ないよぉ~~・・・!!
あの写真が・・・!!
欲しい・・・!!
「どすこい八兵衛」の・・・
あの強そうな太い腕・・・
締め込みを締めた逞しい体の写真を見ながらでないと・・・
スッキリ気持ちよくなれないよぉ~・・・!!
そして・・・
あれからちょうど1週間が過ぎ・・・
今夜はあの約束の期日となる土曜日の夜だ・・・
「ピーーン・・♪」
午後11:00
あの店が開店した・・・
約束は0時・・・
残す時間まであと1時間を切った・・・!
カチャリ・・・・・
僕は忍び足で部屋を抜け出し・・・
階段をゆっくり・・・
ゆっくりと音を立てないよう降りていく・・・
そして・・・
眠っている父さんに気づかれないよう・・・
部屋に置いてあるお財布から・・・
こっそり一万円札を抜き取ると・・・
僕は家族にバレないよう静かに家を抜け出した・・・
そして自転車にまたがると・・・
急いでナイトショップ「フクロウ」へと一直線に向かって行く・・・
僕は何としてでも・・・
「どすこい八兵衛」の写真を手に入れてやるんだ・・・!
後で一万円札を財布から抜き取った事がバレてしまっても構わないっ!!
あの写真を見ながら・・・
毎晩布団の中で気持ち良くやりたいんだっ・・・!!!
僕のペダルを踏む力が・・・
さらに強くなっていく・・・
自転車のスピードはグングンと加速する・・・!
「ハァ・・・!ハァ・・・!
ハァ・・・!ハァ・・・!!」
僕は待ちきれず・・・
暗がりの道の中・・・
ひたすら強くペダルを踏みながら自転車をこいでいった・・・
いつもの道の・・・
隣の道がそうなんだ・・・
今まで通った事なかったんだよ・・・
ほんのすぐ隣の道なのにさ・・・
不思議だね・・・
こんな気持ちって・・・
先週と同じように・・・
いつも曲がる道の・・・
一つ手前を曲がる・・・
そうすると、不思議とあの道へとつながっているんだ・・・
今夜も月が顔をだしている・・・
月明かりの夜だから少しだけ明るい・・・
周りに民家の灯りがポツリ…ポツリとあるだけの・・・
そんな夜の田舎道で・・・
一人の少年が・・・
こんな夜遅く・・・
必死になりながら自転車をこいでいる・・・
魅惑のお店
ナイトショップ
「フクロウ」を目指して・・・
若き少年は・・・
今・・・
少しずつ大人へと成長している・・・・・
例えそれが・・・
世間の常識から外れていたとしていても・・・
男である事に変わりはない・・・
(終)
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