四国八十八ヶ所巡礼
誰もが一度は耳にした事がありますよね
…
「南無大師遍照金剛」と大師宝号を背中に背負った白い白衣、手には金剛杖、頭に菅笠を被り、四国を歩いて巡る旅人
「お遍路さん」又の呼び名は「お四国さん」
今や老若男女を問わず、北は北海道、西は鹿児島まで年間大勢の方々が巡礼の旅を求めてお四国へやってきます
日本だけではなく、海外からの来訪者も少なくはありません
その数は年間5000人と言われています
最近ではすっかりお四国八十八ヶ所巡礼も観光や行楽として身近なものになってきましたね
バスツアーの団体さんを始め、マイカー、タクシー、バイク、自転車と皆様々です、車やバスでの交通手段で巡る方々が大多数を占めている中、歩きお遍路さんの割合はわずか数%程になり、総合するとその数は全体で15万人にも及びます
四国八十八ヶ所巡礼の知名度は世界的に有名なものになりました
「遍路道を世界遺産に」という運動も数年前から立ち上がっておりますが、なかなかそう簡単にはいかないようです
人はどうしてお四国を訪ねて、お遍路の旅を求めてやってくるのでしょう…?
お遍路の形や想いは人それぞれにあり、亡くなったご先祖様や愛しい故人の供養の為、四国を巡り旅を楽しみたい、定年後の人生を今一度振り返ってみたい、自分のこれからの生き方を発見したい、
一願発起に失敗してしまい、再起を図る為、重大な悪事を犯してしまい、罪を償う懺悔の旅、ただやることがなくて暇潰しに思い立った…
他にも例を挙げ出したらきりがない程、お四国巡礼の旅に出るお遍路さんの旅事情は数えきれないものでしょう…
中には、我が子が自死の道を選んで先立たれてしまい、悔やみに悔やみきれず、生きる苦しさから微かな光を求めさ迷うお母さん
不運な交通事故で幼い娘を亡くしてしまい、生きる目標や気力さえも奪われてしまったお父さん
そんな哀しみを背負ったお遍路さん……
失った何かを探しに四国の地に足を踏み入れ、およそ1400kmにも及ぶ長く険しい道のりを、暑い炎天下の中、どしゃ降りの大雨の中、木枯らしの舞う突風の中、嵐や台風の中、冷たい雪が降る中、朝霧が立ち込める清々しい山道の中、美しい桜の木々の中、気持ちの良い秋空の下を、ただひたすら歩いて札所の寺院を巡るのです
そして旅の道中に、お遍路さんには「お接待」という暖かい親切を頂く風習があります、お四国の民からの「お接待」は、弘法大師、空海上人からの恵みとも伝えられています
自動販売機もない長い道のりで、農家のおばちゃんがくれた、一つの「みかん」
それは今まで食べた事のないくらい、甘酸っぱくて美味しい「みかん」
歩き疲れた体に、カラカラに渇いた喉を癒してくれた「みかん」
農家のおばちゃんが愛情込めて作った「みかん」
お接待の恵みを頂き、お遍路さんは「南無大師遍照金剛」と感謝の心で唱え、再び次の札所を目指して遍路の道を歩いて行きます
お遍路の旅はつねづね「同行二人」
お大師様がいつもあなたを見守り、どんな時も一緒に旅をしてくれています
これから紅葉が美しくなる季節頃
あなたも一度お遍路の旅にお四国を訪れてみませんか…?
さて、前置きが長くなってしまいましたが、私がこの数年間、ポンコツ丸で四国八十八ヶ所霊場、別格二十霊場を巡礼しながら数々の写真に残してきましたが、その数は約3000点にも及びます
その中で厳選した選りすぐりの写真を、寺院一ヶ所に1~2点までを載せる構成でまとめていきたいと思います
一般的な本堂、大師堂よりも、その寺院のシンボルや、以外と気がつきにくい風景だったりと様々です
また寺院以外でも、道中に撮影した写真も交えてご紹介していきます
まだお遍路の旅や、お四国へ来たことがない方には、いつか来訪した時に実際の風景を見た時の感動を…
お遍路の旅がしたいけれど、時間がとれない、体調の問題で行けない方には札所と言われる寺院の印象を…
お遍路で巡った事がある方には、旅をしたあの頃を…ふと懐かしく思い出して頂ければ…
馴染みの風景にまだ見た事がない場所を是非どうぞ
先ずは「高知の土佐編」から…
竹林寺シンボル、朱塗りの「五十塔」本尊御開帳のライトアップ
第三十一番札所
五台山、竹林寺
【御本尊】
文殊菩薩
「おん.あらはしゃのう」
【御詠歌】
南無文殊
三世の仏の母と聞く
我も子なれば乳こそ欲しけれ
竹林寺庭園「染まる紅葉」
「炎岩の不動明王」
第三十二番札所
八葉山、禅師峰寺
【御本尊】
十一面観世音菩薩
「おん.まか.きゃろにきゃ.そわか」
【御詠歌】
静かなる
我がみなもとの禅師峰寺
浮かぶ心は法の早船
「山門で頭を下げる歩きお遍路さん」禅師峰寺の山門
「銀杏の木と本堂へ向かうお遍路さん」
第三十三番札所
高福山、雪蹊寺
【御本尊】
薬師如来
「おんころころせんだり.まとうぎそわか」
【御詠歌】
旅の道
うえしも今は高福寺
のちの楽しみ有明の月
「朝影のお大師さま」
第三十四番札所
本尾山、種間寺
【御本尊】
薬師如来
「おん.ころころせんだり.まとうぎそわか」
【御詠歌】
世の中に
まける五穀の種間寺
深き如来の大悲なりけり
「秋空の薬師如来立像」
第三十五番札所
醫王山、清瀧寺
【御本尊】
厄除薬師如来
「おん.ころころせんだり.まとうぎそわか」
【御詠歌】
澄む水を
汲むは心の清瀧寺
波の花散る岩の羽衣
「もみじと地蔵菩薩」
第三十七番札所
藤井山、岩本寺
【御本尊】
不動明王
「のうまくさんまんだ.まかろしゃだそわたや.うんたらたかんまん」
観世音菩薩
「おん.あろきゃ.そわか」
阿弥陀如来
「おん.あみりたていせい.からうん」
薬師如来
「おん.ころころせんだり.まとうぎそわか」
地蔵菩薩
「おんかかか.びさんまえい.そわか」
【御詠歌】
六つのちり
五つの社をあらはして
深き仁井田の神のたのしみ
本堂内の天井画で一番有名な
「マリリン・モンロー」
御三戸獄「軍艦岩」
十夜ヶ橋の下に咲く「彼岸花」
雨霧に濡れた「蜘蛛の巣」