どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

「しまんと・えれじぃ」~第2章高知編~・GW 拡大SP--山間桜に回り道--

梼原の夜

暗い暗い山奥の道、国道197号線を肘川沿いに走っていたあつしさんのステップワゴンは、ようやく高知県へと突入し


今晩の目的地だった梼原の「雲の上温泉ホテル」の斜め前にある広い路肩駐車場へと到着した

この広場の隅にはトイレもある

1年前に僕が高知県へ一人温泉巡りをした時に
一度この場所へ訪れた事がある

その時も深夜になっていて、車を隅に停めて車中泊をした事があったのだ


松山市からこの梼原までなら4時間あれば充分到着する距離だったはず

しかし、ファミレスの「バーミヤン」にて、初対面で舞い上がってしまったのか
予定以上に長話をしてしまい、更にはトロン温泉でも1時間以上も滞在してしまうという
想定外の時間ロスを食ってしまったのだ


今ようやく高知県の梼原へと到着したものの、カーステレオの時計は既に朝方5時を回ろうとしている

僕も眠気が限界まできてしまい
まぶたが重く、瞳がパサパサ乾燥している
今にもフラリ…と、寝落ちしてしまいそうだ

あつしさんも、長時間朝方まで車を走らせてきたせいか、少し疲労の症状を表していたが

これから服を脱いで、ランニングシャツとブリーフ姿で2人が抱き合って寝るとなると、興奮してきたのか再び元気を取り戻したようだ


そして、ステップワゴンの後部座席を全て倒すとフラットな寝室に早変わり、
あつしさんは、布団を敷いて枕を2つ用意すると

パッパと服を脱いでランニングとブリーフだけになる

「さぁ!伸!お父ちゃんとこおいで!」と、あつしさんに呼ばれて靴を脱ぎ、助手席から後ろへと移動する

そして僕も服を脱いで、Tシャツと白ブリーフだけの姿になったが、あつしさんにランニングシャツを薦められて貸してくれる事になった

僕も上をランニングシャツに着替えると、お互いが同じ格好で向き合わせになる

あつしさんのランニングシャツとブルーのビキニブリーフ姿がプロレスラーか太ったバットマンみたいにカッコ良い、その風貌に興奮した僕は、みるみるうちに○ん○んがクッキリと大き勃起する

そんな僕を見ているあつしさんも、ブリーフからはみ出しそうなほど○ん○んが勃っていた

そしてあつしさんは、「伸、もっと足を開け!お父ちゃんと同じ姿勢をするんだ!」

M字開脚のように足を堂々と開いているあつしさんだったが、僕にも同じ姿勢になるよう指示された

言われるがまま、僕はあつしさんと同じように足をM字に開ける

その姿をジッ…と見られながら…

僕はブリーフ越しから勃起した○ん○んが「ビクン…ビクン…」と動いているが自分でもよくわかる

あぁ…正面にいるおじさん…
お父さんと…

抱き合いたい…

もう…辛抱できない…

「お父さん!!」

僕はあつしさんに飛び付くように抱き締めた

が…その瞬間…!!

「うぅぉ~~ぉおああっ!!」

あつしさんが、興奮した猪のように僕を押し倒してきた

そしてブリーフ越しから勃起している僕の○ん○んを
絶妙な指使いで擦ってきた

伸一(虎之助)
「あ…!!あ…!あぁ…ん…
!は…あはぁはぁ~…ん…!

お…お父さん…だ…ダメ…!

や…止めて!!
ぼ…僕もう……!出ちゃいそう!!」

あつし
「はぁ…はぁ…ぐっ…はぁ…

どうだ…、息子…!お父ちゃんに触られて気持ちいいか!?
!?はぁはぁ…!」


伸一
「あ…あと少し…はぁはぁ…
あと少し擦られたらもう…
出…出ちゃう…!はぁはぁ…!」

あつし
「はぁはぁ…はぁはぁ…
ま…まだ…
まだイッたらダメだぞ…!
お…お楽しみは…

これからなんだからな…!」

あつしさんは興奮を抑えながら一度僕から離れると、
スポーツバッグのチャックを「ジジーーッ!」と開け、ゴソゴソと何かを探し始めた

あつし
「ようし…あったぞぉ~…
これからもっと気持ちいい事してやるからなぁ~…」


あつしさんは一体
スポーツバッグから何を取り出したのだろう……?

僕の白いセミビキニブリーフの先には「じわり…」と透明のいやらしい液体の染みが浮き出ている

これから僕はあつしさんに何をされるのかな…

魅惑と恐怖の両方が、僕の興奮を更に上昇させる…
まるで勃起した○ん○んが、月の方向を指しているようだ…

窓の外が徐々に明るくなり…
梼原の夜は明け、もうじき静かに朝を迎えようとしていた…

カーステレオの時計は既に朝の5時半を回っている…

あぁ~あ…
結局朝になっちゃった…
明日…いや…今日はきっと辛いだろうなぁ~…
もう3時間も寝る時間が無いけど…

あつしさん…
大丈夫かなぁ~…

僕は今日からの旅がどうなってしまうのかが心配になってきた…

だけど…
今のこんな状態にも関わらず、やっぱり僕はもう眠たい…

あつしさんは何かを持って、僕の方へと向かってくる…

ドシドシドシ…と車の振動が頭に響いてきたが…

今日の旅が気がかりになのと心配ばかりが募っている…

僕は、大股開いた姿勢のままで、今日の旅がどうなってしまうはのかと考えながら…

そっと目を閉じた…



しまんと・えれじぃ…高知県に突入した2日目の旅が始まった…









しまんと・えれじぃ」
~第2章・高知編~
GW拡大SP
--山間桜に回り道--

イメージ 1




「ピピピピ…♪ピピピピ…♪ピピピピ…♪ピピピピピーーーーーーーーーー♪」

あつしさんの携帯アラームの音が
やっと静かになった車内の中で響き渡る

あつし
「う…う…うぅ~~~ぅぅ~~~~~ぅぅ~~~~ぅう~~ぅぅう…ん…!!」

「……眠てぇなぁ…」

「ピピピピピピピピピピピピピピピピーーーーーーーーーーーー♪♪♪」

あつし
「ピピピピうっせぇなぁ…」

「ピッ♪」←アラームを切る携帯の効果音


あつし
「あぁ~~……8時半かぁ~~………クッソ…!そろそろ起きねぇ~とな……」

「おーい…伸、起きろ…
もうそろそろ行くぞ~」


伸一
「グガァー…グガァー…グガァーーー…」

あつし
「ガァースカガァースカイビキこきながら寝やがってコイツ…」

「このっ!起きんか!この泣き虫豚がっ!」

「パシィーーーンッ!!」

あつしさんは、僕をガサツに起こすと同時にお尻を「パシィーーーンッ!!」とひっぱたいてきた

伸一
「ふぇっ…!!いったぁーーーーいっ!!」
「あつしさん!お尻叩かないでよっ!!」

あつし
「あつしさんじゃねーよ!」
「パシィーーーンッ!!」

あつしさはまた僕のお尻をひっぱたく

伸一
「もうっ!!痛いっ!!
お父さん…のバカッ!
止めてよう!!」

あつし
「止めてよう!じゃねーよ!
バーーーカッ!!!
サッサと起きろ!これからすぐに出るぞ!!
早く服を着て前に乗れ!
トロトロすんな!俺、朝は機嫌が悪いんだからな!」

ゆうべは優しかったあつしさんだが、朝になって起きると
またいつもの説教たらたらのやかましいあつしさんに戻っていた…

結構マジで機嫌が悪い…

早く用意しないと本気で怒り出す勢いだ

僕は掛け布団を捲った時…

何故か僕はスッポンポンの丸裸になっていたのである

伸一
「うわっ!ちょっ………何で僕スッポンポンの裸になっているの!?寝る前に穿いていたブリーフは!?」


あつし
「ゴチャゴチャうっせぇなっ!
お前のブリーフはベチョベチョになったから、そこのビニールの中に入れてあるわい!」

伸一
「え…何でベチョベチョ…?」

僕はそのビニールを開けて中を探ってみると

そこには見事に○液だらけでベッチョベチョになったブリーフが入っていた

伸一
「こ…これ………どうしたの……!?
な…なんで○液でベチョベチョになってるの!?」

あつし
「お前がブリーフの中でブッ放したからに決まってんだろ!!
そんなのはどうでもいーから早く服着ろよ!こっちは時間がねーんだからな!バカッ!!」


伸一
「えぇっ…!?
いつっ!?何してる時にブリーフのまま出しちゃったの!?」
「だってこれまだ買ったばっかりだったんだよっ!?」

あつし
「ったく!うっせー奴だなぁ!!ほれっ!俺のブリーフ1枚やるから今日1日はそれ穿いとけ!」

伸一
「えーっ!!やだよう!人が穿き古したブリーフなんて!!」

あつし
「それ嫁の手洗いだぞっ!心配せんでもインキンタムシとかは持っとらんから心配すんな!」


あつしさんは怒りながら
僕に紺色のブリーフをくれた

あつし
「BVDじゃなくて悪いがな、それで勘弁しろ!」
「それでも気にくわないんだったら、俺が新しいの買ってやるよ!」

伸一
「えーっ!あのブリーフ捨てるの!?だってまだ新しいし、BVDは丈夫だから洗えば使えるよ!?」

あつし
「ブリーフなんてまたいつでも買えるだろ!?
そんな○液だらけのブリーフなんて捨てろよ!
きったねぇーなっ!!」

伸一
「わかったよ!もうこれでいいっ!なんでそうやっていちいち怒って突っ掛かってくるのっ!?」

あつし
「俺は寝起きは機嫌が悪いの!
サッサと着替えろ!早く出ねぇと時間がないんだよ!」

「パシィーーーンッ!」

そう言って、あつしさんはまた僕のお尻をひっぱいた

伸一
「わかったよ!もうっ!痛いなぁ!いちいた叩かないでよ!」

あつしさんにヅカヅカと突っ掛かってこられて、僕もだんだんイライラしてきた

僕はあつしさんからもらった紺色のブリーフを穿き、ゆうべ着ていた黒のTシャツを再び着る

するとある事に気づいた…


伸一
「あれ…?ゆうべ寝る前にお父さんが貸してくれたランニングシャツは…?」

あつし
「もうバッグにしまってあるよ、あれも少し汚れちまったからな!」

伸一
「な…なんで汚れたの…?」

あつし
「さぁーーな!」

伸一
「ゆうべあれから一体何したんだっけ…?」

あつし
「気持ちいい事に決まってんだろ」

伸一
「僕…途中でもう半分眠りかけだったから…
あまり覚えてない…

…ねぇ……、ゆうべ僕に何したの……?」


あつし
「しつこいなぁ!何だよもう!俺を疑ってんのか!?

別に何もおかしな事はやってないわい!!」

伸一
「本当にぃ~~~~!?」

あつし
「そんな話は後だ!後!後!頼むから早く服を着て行く準備してくれや!
本当に予定の場所全部巡れなくなっちまうだろ!?
バーーカッ!」

「パシンッ!」←頭を叩く効果音


伸一
「いちいち叩かんでもいいやろ!もうっ!こっちは痛いのに!」

あつし
「うるせぇ!お前がゴチャゴチャ喋ってサッサと準備しねぇから悪いんだ!」


伸一
「なんだよもう…
ゆうべは優しかったのに…

またいつものうるさいあつしさんに戻ってるし…」

僕は少し拗ねたようにブツブツ嘆きながらズボンを穿く
この時…
あつしさんが使っていた紺色のブリーフって
以外とピッチリして穿き心地良いんだなぁ…と、思った…」

僕は服を着て助手席に戻ると靴を履いて車の外へ出る

そして機嫌の悪いあつしさんに言った

伸一
「お父さん、僕ちょっとトイレ行ってくるから…待ってくれる?」

あつし
「おう、サッサと行ってこいや、ウ○コか?」

伸一
「え…?う……、う……………、うん…」

あつし
「めんどくせぇなあ!!ウ○コならウ○コってハッキリ言えよ!まったく女々しいなぁ~……!」

伸一
「何で!?トイレ行くだけなのにわざやざ用便の確認なんてする必要ないでしょう!?」

あつし
「うっせぇーなぁ~、俺もウ○コ出そうなんだよ、お前が行った後に行くから早く行けよ!」

伸一
「えぇぇ~~!!お父さん後から来るの!?
そんなの嫌だよぅっ!!」


あつし
「何が駄目なんだよ!!」


伸一
「だって…その…ほらさぁ…
自分が入った後に、他の人が来たら気になるでしょ?」

あつし
「何がー?」

伸一
「あの…その…匂いとか…」

あつし
「あぁ!?お前の糞の匂いなんていちいち気にしねぇーよ!
もじもじぐだぐたうだうだ言ってねぇーで、とっとと糞してこいや!バーカ!」

伸一
「わかったよ!わかったからそんなに怒らないで!!

僕がトイレ行ってからすぐに来ないでよ!絶対だよ!?」

あつし
「うっせーヤツだなぁ!!
お前は女か!!」

「バンッ!!」←車のドアを閉める効果音

これ以上言い争っても仕方がないので
僕は車のドアを強めに閉めて、トイレに向かった


外に出ると
昨日の夜は鬱蒼として不気味な山中だったが

朝になると、緑溢れる自然豊かな山間に、僕の気持ちは清々しくなっていった

くっきりとした青空

眩しい朝日が山の木々を美しく照らしている

深々とした朝の冷え込みが
心地よく
空気が澄んでいて気持ち良い…

今日も絶好の晴天

綺麗な清流四万十川土佐湾の海が見れそうだ

僕は気を取り直して気持ちを整え、路肩の広場の隅にあるトイレへ向かっていった


トイレから手を洗って出た時、ちょうどあつしさんが
、「ぼってぼって」と重い足取りでこちらへ向かって来た

そしてすれ違い様に

あつし
「おーい、ちゃんと手ぇ洗ったかー?
車に乗ったらゆうべLAWSONで買った食いもんあるから、好きなの選んで食ってろ、俺が戻ったらすぐ出発するからなー
あ、俺が買った爆弾おにぎりだけは残しておいてくれよー」

伸一
「トイレ行くの?」

あつし
「ったりめぇーにきまってんだろ」

伸一
「臭すぎて気絶するかも…」

あつし
「っのヤロォ~、臭かったら承知しねぇ~からなぁ…」

と言ってすぐに

「ぶっ!!」

と、大きな屁を出した

伸一
「もうっ!ご飯の前やのに!不味くなるやろ!?」

あつし
「がっはっはっは!臭いのはお互い様だろ!お前にトイレ先に使わせてやったんだから俺にも少しは攻撃させろ!」

あつしさんは
さっきまで機嫌が悪かったけれど、だんだん態度が柔らかくなってきた

僕は安心してお腹が空く


あつしさんの車へ戻ると、助手席にはゆうべLAWSONで買った食品が買い物袋一杯に入っていた

そういえばLAWSONで買った食品、ゆうべは結局何も食べなかったんだなぁ…

僕は食品が一杯に入った買い物袋を運転席に置きながら助手席に座る

そして今朝は何を食べようかとガサガサ探ってみた

シャキシャキレタスサンドだけでいいって言ってたけれど、やっぱりこれだけじゃあ足りないな
あつしさんが買ってくれた牛丼も食べよっと

僕は膝の上に、シャキシャキレタスサンド、牛丼、そしてミルクスランスパンを選んで乗せた

朝の新鮮な空気を吸いながら食べたくなったので、窓を開ける
そして最初に食べるのは、やはりゆうべからの第一候補の「シャキシャキレタスサンド」を食べることにした


封を空け、レタスたっぷりのサンドウィッチを頬張ると、レタスのバリバリバリ!と歯切れの良い音がシーンとした車内に鳴る

LAWSONのレタスサンドウィッチ大好き
サウザンドレッシングが酸っぱくて美味しい

ほんの3分足らずで完食してしまった

今度はミルクスランスパンの袋を開ける
これも甘くて大好き

最後に本命の牛丼を食べておしまいにしよう

「ガチャリ…」←運転席のドアを開ける効果音

あつし
「ふぅ~スッキリした、じゃあぼちぼち行きますかいのぅ~、伸ちゃん♪」

伸一
「まず最初に行く所は、松葉川温泉っていってね
露天風呂のすぐ傍には、四万十川が流れてスゴく良い所なんだ、お父さん絶対に気に入るから」

あつし
「ふぅ~ん、こっからどんぐらいの距離があるんだ?」

伸一
「うぅ~ん、多分50キロぐらいだと思う」

あつし
「なぁんだ近いな、今からだったら1時間もあれば着くぞ、何時からやってんだ?その松葉川温泉って所は」

伸一
「10時」

あつし
「ふぅん、じゃあ今から出発すれば丁度いい時間だな
、ゆうべあれこれやったから汗だらけになったから早くひとっ風呂浴びたいぜ」

伸一
「あれこれって、どんな事?」

あつし
「なんだお前、覚えてないのか?」

伸一
「だって、もう朝だったし
最後の方は何が何やら覚えてない」

あつし
「おいおい、あれだけ気持ちよがっておきながら…」

伸一
「まさか…お尻に入れたとか!?」

あつし
「バーカ!入れてねぇよ!」

伸一
「なんか出す瞬間は覚えているような覚えてないような」

あつし
「何だ?急に興奮した顔しやがって、タコみたいになってんぞ?」

伸一
「もういいよ、時間が勿体ないし、行きながら話そう」


あつし
「そんな大層な事しとらんから気にするな、
もう車出すぞ、おい、俺の
爆弾おにぎりの封開けてくれ、運転しながら飯食うぞ、もう腹へってたまらん」

伸一
「はーい」

僕はLAWSONの袋から、爆弾おにぎりを出して封を空けると、あつしさんに渡す

そして
ステップワゴンは国道を左に曲がり、雲の上温泉ホテルの太郎川公園駐車場を離れ、ようやく最初に入る温泉地「四万十町、日野地、松葉川温泉ホテル」へと向かった

駐車場出てすぐにある
2つの暗いトンネルを抜けると

眩しすぎるほどの朝日が2人を照らした

とても目を開けていられないくらいの日射し

そこには自然豊かな高知の山と美しい景色が広がっていた

雄大に広がる田畑
国道のすぐ側を流れる清流四万十川

深山町で生まれた僕は
田舎の風景には慣れていたはずだった

だけど高知県の田舎は平野の広さと川の水流が全くの別世界なのだ

昨年一人で初めてこの地を訪れた時、心の底から感動したのを覚えている

今回は2回目になるが、当初ほど心の揺らぎは見せないものの、助手席に乗っているので
じっくりと周囲を満遍なく見渡すことが出来る

そして以前は気づかなかった新しい発見がいくつもあるのだ

すっかり気を良くしてしまった僕だったが
これがいけなかった

本来ならば、雲の上温泉ホテルから松葉川温泉ホテルまでの距離は50キロ弱で、車ならば1時間程度で到着するはずだったが

うっかり道を間違えてしまった

右に曲がらなければ行けない所を、左と勘違いして案内してしまったのだ

すぐには気づかなかった僕だったが

だんだんと幅が狭くなっていく道に異変を感じた

おかしい……

四国カルスト高原」の看板があるはずなのに、まだ出くわさないなんて…

しかも今走っているこの道、全く見覚えがない…

ステップワゴンは車1台がやっと通れる程の狭い道を山間に沿ってグングン上がっていく

しまった…
これは道を間違えている

僕は、あつしさんに言い辛かったが早急に今の事態を伝えるため重い口を開いた


伸一
「ごめん…お父さん…
怒らないで聞いてくれる?」

あつし
「わかってるよ、おまえ、道順間違えてるだろ?」

伸一
「うん…本当ならば、さっきの所を右に曲がらなければいけなかったのに、ついうっかりして左に案内してしまったんだ、どうしよう~…」

あつし
「ちっ!やっぱりな!なんか道幅がどんどん小さくなっていくからおかしいと思ったんだ!」

伸一
「どうしよう~…、僕この道知らない、この先何処に出るのかもサッパリわからない…」

あつし
「おいおいおい、しっかりしてくれよー、全く頼りないナビだなぁ」


伸一
「ごめん…」

あつし
「しょーがねーだろ!、人間誰しも間違いの1つや2つくらいある、この道幅じゃあUターンも出来やしねぇ、とにかく前に行くしかねぇな…」


あつしさんは慎重に車を進めた
途中道路脇が崖っぷちの場所もあり、落ちれば2人共にあの世行きの危険地帯や不気味な笹林、キノコ栽培の組み木が並んでいる場所もあり、軽く標高300メートルは峠超えをしただろう

そして1時間後
苦戦の末にたどり着いたのは

雲の上の温泉ホテルより少し手前の国道197号線だった

あつし
「ふぅ~、やっと抜けたか!結局振り出しに戻っちまった訳だ、少し遅れちまったが、行き止まりや危険な場所、知らない道に出るよりマシだ、下手したら死んでたぞ俺達
生きてて良かったな!伸!」

伸一
「お父さん、ごめんね…」

あつし
「ん…!?」

僕はあつしさんの頬に手をやり、キスをした


爆弾おにぎりの、海苔の香りがした


不意にされたキスに
あつしさんは

あつし
「こら…
そんな事するから…
お父ちゃんの○ん○んが勃っちまった
もう1度、さっきの駐車場で抱き合うか…?」

伸一
「うん…いいよ…」

あつし
「バッカだなぁ…冗談に決まってんだろ?
時間ロスしちまったけど、これも良い思い出になる

そんなに気にするな…」


あつしさんは、道案内を間違って責任を感じている僕に
あまり気にしないように流してくれた…

本当は怒ってるんじゃないかって心配してたけど

あつしさんは優しく微笑みながら僕を安心させるように気を利かせてくれのだろう…

すっかり高く昇ってしまった太陽の光に照らされたあつしさんの微笑みは

自分にはない大人の男の器量を感じさせられた

なんだか僕はもっとあつしさんが好きになってしまったみたいだ

大きくて弾力のあるある
あつしさんのお腹を撫でる

本当はギュッ!と抱き合いたい気持ちを抑えながら…


ステップワゴンは国道197号線を右に曲がり、さっき来た道をまた戻ってゆく

少し遠回りをしてしまったけれど

あつしさんの優しさの一面を見れた回り道だった


高知県2日目の旅はまだ始まったばかり

清流四万十川がすぐ傍を流れ、春は桜、初夏は蛍、秋は紅葉、冬は雪景色
四季折々の風景が満喫出来る高知県四万十町日野地にある老舗の旅館

「松葉川温泉ホテル」へと向かって行く

高知は愛媛よりも桜の開花が早く、晴天の青空に
八分咲きまで咲いた「そめいよしの」がうすい桃色の花びらをキラキラと輝かせ、美しい緑の山間を綺麗に彩っていた…