どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

「赤毛のアン」~Xmas・Special・Story~

「ふんどし坊主の七転び八起き人生Presence」

Xmas・special・Story



赤毛のアン」 


Toranosuke・Version


この番組は・・・

ハウス食品と・・・・

御覧のスポンサーの提供でお送り致します・・・。







ここはグリーン・ゲイブルス

野原や畑が地平線の向こうまで広がっている、自然豊かで静かな町である…

小川が流れる桜並木を潜り抜けると、グリーン色の屋根をした家があり…

そこには老婦人の
マリラ・カスバートに

その兄の農夫である
マシュー・カスバートたちが自給自足で暮らしていた…


2人は兄妹だが、共に独身…

年老いた老兄妹が暮らしてゆくには
体力的に農業を営むのも厳しく、これから先心ともないという事で…
11才ぐらいの孤児の男の子を、大人になるまで家庭で面倒を見て、将来畑仕事の後を継いでもらおうと、養子として引き取る決心したのだ…


その男の子が5時半の汽車でやってくる今日…
マリラ・カスバートは朝から男の子を向かえ入れる準備に追われていた…

一方
マシュー・カスバートは黒服のいっちょうらに着替え、馬車に乗って駅まで男の子を迎えに行く様子…





マリラ
「兄さん、もうじき汽車が来る時間ですよ、急いでくださいな。」


マシュー
「んあぁ・・・
そうさのぅ・・・」


マリラの兄である
マシュー・カスバートは、大変人と関わるのが苦手であり、特に女性にはめっきり弱く、妹のマリラ以外まともに口を聞けない程なのだ…

60になる今日まで独身で居たのもその為である…

そんな頼りない兄を支えながらこれまで生活してきたマリラも・・・

結局独身のままマシューと共に歳を重ねてしまった…


マシュー
「そ…それじゃあ行ってくるよ…
マリラ・・・」

マリラ
「兄さん、気をつけてくださいな。」

マシュー
「あ…あぁ…」


マシューは、馬車に乗り…
軽くため息をつきながら馬車を出した…



しばらくして・・・
マシューは駅に到着・・・


静まり返った駅には乗客の姿は無かった…

マシューは駅の辺りを見回すが、男の子らしき子供は見当たらなかった…

ただ・・・

ホームに立って…
遠くを眺めている赤毛の女の子の姿だけがマシューの目に入った・・・


マシューは駅員さんの所へ行き
訪ねてみる…


マシュー
「あ・・・あのぅ~・・・
あ・・・あのう・・・・!」


駅員
「ああぁ・・・
これはカスバートさん…」

マシュー
「あのぅ・・・あのぅ・・・!
5時半の汽車は・・・・・!?」


駅員
「5時半の汽車なら、とっくに30分前に出ちゃいましたよ・・・!」


マシュー
「ん・・・んむぅ~・・・
お・・・男の子は・・・・?
男の子を迎えに来たんじゃが・・・」


駅員
「あぁ・・・前に言ってた養子の子供ね・・・」


マシュー
「ん・・・んむぅ~・・・
スペンサー婦人が連れてくるはずじゃったんだが・・・」


駅員
「それならあそこにいますよ・・・
ほら・・・
ホームに立っている女の子!
スペンサー婦人が連れてきたんだから間違いないですよ!」


マシュー
「お・・・女の子ぉ~・・!?
ち・・・違うんじゃ・・・!
わ・・・わしゃあ男の子と聞いて・・・!」


駅員
「向こうで何か手違いがあったか、孤児院で男の子が品切れだったのか・・・

どちらかじゃないですかねぇ・・・」


マシュー
「お・・・
おぉぉ~~・・・・」


マシューは突然の出来事に驚いてしまい、目を大きく見開いて呆然と立ち竦んだ・・・

そして…
マシューが駅のホームに向かうと…

帽子をかぶって大きなカバンを持った…
赤毛の女の子がマシューの元へとやってきました・・・



アン
「ねぇ!おじさんがグリーン・ゲイブルスのマシュー・カスバートさん!?」

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マシュー
「ん・・・ん・・・・!
んあぁ~・・そ・・そうさのぅ・・・」

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アン
「わぁぁ~~~~ぁぁああ!!
うれしいぃ~~~~ぃぃいい!!

わたしアン・シャーリー
よろしくね!!」

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マシュー
「ん・・・ん・・・ああ・・・
こちらこそよろしく・・・」


アン
「あぁ~~~~・・ぁぁぁあ!
よかったぁぁぁぁ~~~~!!
迎えに来てくれるかどうか心配だったの!!
でも、信じてたわぁ~!
おじさんはきっと来てくれるって!」


マシュー
「待たせて悪かったね・・・
疲れたろう?さ…荷物を持とう…」

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アン
「ううん!大丈夫!
このカバン、持ち方にコツがあって、下手すると取っ手が取れちゃうの!」

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マシュー
「ん・・・んむぅ~・・・
じゃ・・・馬車に乗ろうか・・・」

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アン
「わあ~!ステキ~~!
これがおじさんの馬車ね!」


アンは馬車を珍しそうに見ると飛びつくように馬車に乗った…

マシューも馬車に乗り、マリラが待っているグリーン・ゲイブルスへ向かおうとするが・・・
女の子と知ったマリラが、アンを見て何と言うか心配で、すぐには馬車を出せずにいた・・・

そんなマシューの心配もよそに、幸せいっぱいのアンはひたすらマシューに話しかけるのである…


アン
「わたし・・・
もしおじさんが来てくれなかったらどうしよう・・・って考えてたの・・・

もし来なかったらあそこにある桜の木に登って、お月さまやお星さまを見ながら寝ようと思ってたの!

ステキでしょお~~・・・・
桜の木に登って、お月さまやお星さまを眺めながら眠るなんて・・・・

それで朝になったら、絶対おじさんが迎えに来てくれると信じてたの!

わたし・・・
孤児院が大きらい・・・

毎日が辛いことばかりで、楽しいことがちっともないんだもの・・・・

木なんてやせっぽっちなのが1本しかないの・・・

悲しかったわ・・・

わたしいつもその木に話してたの・・・

おまえももっと林の中に生えていたら…

小川の流れるそばで…

まわりにたくさんの木に囲まれて…

小鳥のさえずりを聞きながら…

今よりずっと幸せな毎日が送れたろうにって・・・・

ねぇ!

おじさんの家の近くに小川ってある?」



マシュー
「ん・・・あぁ・・・あるよ・・・」


アン
「まぁ~~~ぁぁあ!ステキィ~~~~~~~~!!!
わたし小川の近くで暮らすのが夢だったの!うれしいなぁ~~~~!!」


マシュー
「あの・・・・」


アン
「ん・・・?」


マシュー
「出してかまわんかな・・・?」


アン
「え・・・?」


マシュー
「馬車・・・」


アン
「あぁ~~っ!!
ごめんなさい~・・・!
わたしったらつい自分の事ばっかり話しちゃって・・・
おじさん、イヤだったら言ってね…
そしたらわたし・・・
何もしゃべらず黙ってるから…」


マシュー
「くふふ・・・・・
かまわんよ・・気にせず喋っておくれ…

レスポワール…!」

パカッ…パカッ…パカッ…


マシューは少しだけ笑うと…
馬車を出した…




マシューは
あれだけ女性が苦手だったはずなのに・・・
なぜかアンの話は自然と耳を傾ける事が出来たのであった…
それどころか、このままずっと話し続けて欲しいと願うくらいだった…


アン
「ねぇ・・・おじさん・・・
わたしの髪・・・
何色に見えるかしら・・・」


マシュー
「んん・・・!?
あ・・・赤じゃないかのぅ・・」


アン
「そう・・・
そうよね・・・
やっぱり赤に見えるのね・・・」


マシュー
「・・・・・」

アン
「わたし・・・
ソバカスなんて気にしてないわ…

そんなの楽しい想像でどうにか出来るんですもの・・・


だけどこの赤毛はイヤ・・・

この赤毛がわたしを不幸にするもの…」


マシュー
「・・・・・」


アン
「でも今日からはちがうわ…
わたし・・・今とっても幸せなんだもの・・・・
この赤毛が全然気にならなくなるくらいの楽しい想像してやるわ!」


マシュー
「ん・・・むぅ~・・・」


マシューは少し驚いた表情をして
正面を向き直し、アンが話す楽しい想像を聞きながら静かに馬車を走らせた…



アン
「小川ってどんな感じかしら~・・
なんだかいっぱい想像しちゃうわぁ~~~~!」

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マシュー
「・・・・・・」



アン
「小川にはきれいな水が流れていて…
足を入れるととっても冷たいの…

だけど、河辺には春になると野イチゴがいっぱいできて、食べるととっても甘酸っぱいの!

その野イチゴをたくさん摘んで・・・
おいしいジャムを作るの・・・

朝トーストにそのジャムをバターの上にぬって食べるのよ・・・・

あぁ~~~~・・・・ぁぁあ!!
考えただけで胸がはちきれそう・・!

だってそうでしょう!?

自分たちで摘んで…
自分たちで作っあ野イチゴのジャムを朝食に出来るんですもの!!

あぁ~~~~~ぁぁあ!!
なんて素晴らしいのでしょう~~!!

ねぇ、おじさん?
小川に野イチゴって出来るかしら!?」


マシュー
「ん・・・!?
んん~~・・・・
そ・・・そうさのぅ・・・・

わしゃあよく知らんが・・・
出来るんじゃないかのう~・・・?」


アン
「あぁ~~~・・・ぁぁあ!
楽しみぃ~~~~~~!!!
早くグリーン・ゲイブルスに着かないかしらぁ~~~~!!!」


マシュー
「ん・・・・・んむぅ・・・」


アン
「わたしね、色々な事を考えたり想像したりするのが好きなの・・・・

どんな小さなものでも・・・
どんな小さな出来事も・・

全部楽しくしちゃうの!

花や木に名前をつけたり・・・

つまらない名前やむつかしい名前だと呼びにくいでしょお!?

だからわたしがかってに名前をつけちゃったりするの!
ウフフ…おかしいでしょお!?」

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マシュー
「そうかい・・・
それは楽しいのう・・・」


マシューはニコニコしながらアンの話に耳を傾けていると・・・

もうじきグリーン・ゲイブルス

マシューとマリラが暮らしている家までもうじきでした…


そして…

マシューとアンが乗った馬車は・・・
桜並木の通りへとやって来たのでありました・・・

その桜並木は…
まるで桜の木に囲まれたトンネルのようになっていて・・・
この先を抜けるとマシューとマリラが暮らしている家があるのです・・・

アンはその桜並木の幻想的な風景に魅了され、さっきまで話してた口を止め…
桜に包まれて白いドレスを身にまとった少女になったイメージを黙って妄想していた・・・

桜並木を抜けるとマシューが口を開きました…


マシュー
「アン、ほら・・・
見えるかい・・・?
あのグリーンの屋根をした家がそうだよ・・・」

アン
「ねぇマシュー・・・
今の・・・見た・・・?」


アンは放心状態ながら、初めてマシューの名前を普通に呼んだ…


マシュー
「ん・・・アン・・・?
どうかしたのかい・・・・?」


マシューは心配そうにアンの顔を見て訪ねます…


アン
「今通ったところ・・・

なんて呼べばいいのだろう・・・
きれい・・・ううん・・・!
そんなもんではなかったわ・・・!

美しい・・・・

いいえ・・・
それだけでは言葉が足りないわ・・・

喜び・・・幸せ・・・

あぁぁぁ~・・・・

なんて素晴らしいのでしょう~・・・

わたし・・・さっきのステキな道を…

「幸せになる道」って呼ぶわ!!

だって・・・
あまりにもステキな場所だったんですもの・・・・!!!」


マシュー
「・・・・・」


辺りはすっかり夕暮れになり…
馬車もマリラがまっている家へと近づいてきます・・・


アン
「わたし…
夕暮れってさみしいからキライよ・・・

だってこれから夜になってしまうんですもの・・・

楽しい事の後もイヤ・・・

なんだか悲しくなってしまうの・・・

でも・・・
今日からはちがうわ!!

これから楽しい生活が待ってるんだもの・・・!!

明日が楽しみ!!

あぁぁぁ~~~~ぁぁあ!!

わたし今とっても幸せよ!待ちきれないわぁ!」


マシュー
「う・・うん~・・・・」


マシューは幸せいっぱいのアンを横目に・・・
これから起こる悲しい出来事に・・・

馬車を引く手が重く、マリラにどう説明すれば良いのだろうかと・・・

考える余裕も無かった・・・

これから始まるアンとの生活に…

不安を感じるマシューなのであった・・・


「終」

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