どすこい!西郷虎之助の七転八倒!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」の筆者・西郷虎之助でございます、この度Yahoo!ブログからようやく移行致しました、初めての方も、これまでお馴染みだった方も含め、新境地でお楽しみ頂けたら幸いです、どうぞこれからも意地っぱりで泣きベソ坊主な「虎之助」をどうぞ宜しくお願い致します。

「東京スクランブル」~西郷虎之助・半年間の苦悩と葛藤~

東京で…
ドラマのような恋に憧れたことはないだろうか…

夢を掴もうと、田舎からカバン一つで上京し、スポーツ用品を扱う会社に就職、そこで運命的な出会い…

まるでドラマの主人公になったような…
東京ライフの恋物語が始まるのだ…

そう…
28年前に…
月曜日の夜になると、渋谷から若い女性が突如姿を消すという社会現象を起こしたあの「東京~」から始まるドラマのように… 

まだ恋人と呼ぶには危うい仲だったはずなのに…

失踪した彼女を…
主人公の育った町である「愛媛」へ…
飛び出すように追いかけて行った…

そして…
彼が小学校の卒業式に…
校舎の柱に書いた相合い傘…
そのとなりには…

彼女の名前・・・

校庭のサッカーゴール…
後ろからボールが転がってきて…

彼が振り向くと…

彼女の姿が…

そして彼の名前を呼ぶ…

いつものあの…
馴染みある声で…

不意に音楽が流れだす…


当時の女性を虜にした…
今だ語り継がれる伝説の東京ラブロマンスドラマ・・・・・

そう…
思い出は美しく…

憧れだけで終わった東京の恋…

今日もまた朝がやってくる…





「東京スクランブル」

~西郷虎之助・半年間の苦悩と葛藤~ 

イメージ 1

(第4話)


カタンカタン・・・
カタンカタン・・・

始発電車の音が…
遠くから聞こえてくる…

あの賑やかすぎた夜も明け…

東京は…
穏やかな日曜の朝を…

今ようやく迎えた…

空は青くなり、太陽の光が東の高層ビルの間から眩しく差してくる…


慎吾を振り解き、逃げるように走り去った浩介は…

新宿2丁目から約10km離れた自宅のマンションへと、ようやくたどり着く…

外はすっかり明るくなったものの…
季節は11月の冬初め…

新宿2丁目の離れた街から、100kgある体重で10kmもの距離を走ってきた浩介の体はひどく火照っており、この冷え込み具合がちょうど良く、朝の冷たい風に心地良さを感じていた…

フラフラになりながら自宅のマンションへと到着した浩介は、震える指先で入り口のセキュリティの暗証番号を押す…

ピポパピ♪パポピポ♪
「46495963」
(ヨロシクご苦労さん)

ヴィーーーーン♪


浩介
「うっ…!ハァッ…!ハァッ…!ハァッ…!ハァッ…!ハァッ…!ハァッ…!」


浩介は、激しく息を切らしながら、エレベーターの「↑」を押す…

ピンッ♪

エレベーターのドアが開くと、浩介は傾れるように乗り込み…「7」のボタンを押した…


浩介
「ハァッ・・・ハァッ・・・・ハァッ・・・ハァッ・・・・」

エレベーターは「1」「2」「3」「4」・・・
と無音で上がっていく・・・

そして・・・

ピンッ♪「7」

浩介の階である7階に着くと、エレベーターの扉が開いた…

浩介はズルズルと足を引きずるようにしながら自分の部屋へと向かう…

「707」号室

浩介の部屋の番号だ…

1番端で、東京の夜景がリビングからよく見えるお気に入りの部屋だ…
浩介はその為に、価格が割高な端を選んでこの部屋を購入したのであった…

浩介
「カード…カード…カードと…あった・・・!」

浩介は、ロックを解除するカードを財布から出し、ボタンを押してカードをかざす…

ピッ♪ウィーーン♪

ロックを解除すると…

「ガチャリ・・・」

・・・と、ドアが開く…
玄関に入り、靴を無造作に脱ぎ捨てるとすぐにリビングへと向かい、パソコンがある机のイスにドスンッ!と座った・・・

そして・・・
街で拾った…
クシャクシャに丸められたあのビラを、カーゴパンツのポケットから出して広げる・・・


クシャリカシャリクシャリ・・・・・

浩介は…
息を整えながら・・・
そのビラの内容に目を向けると・・・

浩介
「ハァ・・・ハァ・・・
ハァ・・・・ハァ・・・」


突然姿を消えた西郷虎之助が、半年間の沈黙を破り、遂に…遂に復活だ!!
「西郷虎之助の人生は七転び八起き」が更にパワーアップ!!!
既に準備期間に入り、来年の活動へ向けて奮闘中!!

七転び八起きの更新も再開が始まったばかり!!

そして・・・

真の復活は

2018年・12月31日

大々的に解放!!!

再びYahoo!旋風を巻き起こしそうな予感だ・・・!!

心して待て!!

作製yuji.urbanproject.com



浩介
「西郷虎之助・・・
復活・・・・・

あいつが・・・・・」


浩介はそう呟くと、直ぐさまパソコンの電源を入れた…

(テンテンテンテーン♪)


カタ…カタカタカタ… 

さいごう→変換→西郷

カタカタカタカタ・・・!

西郷虎之助の・・・

カタカタ…!カタカタカタカタ・・・!カタカタ!

「西郷虎之助の人生は七転び八起き」 

カタ・・・・

「ページを見る」

カタ…カタカタ…

「!!?」

浩介は「西郷虎之助」のブログを開いた・・・

すると・・・

浩介
「新しい記事が・・・
半年ぶりに更新されている・・!!

11月4日・・・ 

あの・・・記事だ・・・・・・・」




ねぇ…
コーちゃん…
覚えてる…?

一昨年に…
5歳の男の子が・・・
亡くなったの・・・

だから…
僕はこの子を…
向こうの世界で成長させる事にしたんだ…

大きくなったらレスキュー隊員になるんだよ…

名前は「けんと」



今年の11月に…

30年後のけんとを描くんだ・・・

だけど・・・

どうしてもイメージが合わないんだ・・・

それは・・・

お兄ちゃんの「ぽん太」と
弟の「けんと」との身長の差に悩んでてね・・・

出会った頃と同じようにふたりの目線を近くしたいんだ・・・


浩介は…
何かを思い出しながら記事を読んでいく・・・

そして・・・


浩介
「これが・・・
ようやく完成した・・・
あいつの絵・・・」


浩介が見た絵は…
「ぽん太」と「けんと」が、髭を生やしたおじさんになり、真っ赤な夕暮れに染まる公園で・・・
ふたりがシーソーに乗って微笑ましく話している様子を描いたものだった・・・

イメージ 2


浩介
「シーソーか・・・
確かに…
ふたりの目線が近い・・
これが・・・あいつの見つけ出した答えなのか・・・・?



あいつはもう・・・
絵が描けない体になっていたんだぞ・・!?」


浩介は…
パソコンの画面から…
その絵を震えながら見ていた・・・

そして…
チラ・・・と、リビングにある時計に目をやった・・・


浩介
「7時半か・・・」

浩介は…
何か意を決したかのようにスマホを出し…
職場の後輩に電話をかける…

ピッ♪

プルルルルルル・・・
プルルルルルル・・・
プルルルルルル・・・
プルルルルルル・・・
プル・・・!

森本達也(浩介の後輩)
「もしもしぃ~・・・
何なんスかもぉ~・・」


浩介
「タッちゃん、俺だ!
柳葉だ!朝からスマンな…!!」


森本
「えぇ~~・・・?
先輩~~・・・?
日曜の朝から何の用事っスかぁ~~~~・・・?
僕ゆうべ遅かったから眠いんスよぉ~~・・・」


浩介
「単刀直入に伝える!」


森本
「単刀直入~~・・?」


浩介
「俺、来週の月曜日から3日間、仕事休む事にした!!!」


森本
「んん~~~・・・・?
なぁ~あ~んだぁあ~~~~・・・
そんな事っスかぁ~~・・・・・って・・・・!!
おいっっ!!!
それマジっスかぁっ!?」

浩介
「ちょっと急用が出来てな・・・・!」

森本
「な・・・何バカな事言ってんスかっっ!!
来週月曜日は大事な取引先との会議と打ち合わせっスよおっ!?
先輩居なくてどうしろっていうんですっ!?」


浩介
「これから愛媛に行ってくる!!!」

森本
「え・・・!?
愛媛って・・・・!!
あんな新幹線も走ってないような田舎町に・・・
一体何しに行くんですか!?みかんでも食いに行くつもりじゃないっスよねぇ~~~~!!!」


浩介
「西郷虎之助に・・・
会いに行ってくる!!」

森本
「ハァッ!!?
誰っスかその西郷なんとかって・・・!!?」


浩介
「というわけだ、お前の方から社長と部長に伝えておいてくれ、頼んだぞ!!」


森本
「嫌っスよっ!!そんなのっ!!!

先輩~!今度の取引き逃したら、会社に大ダメージなんスよっ!?
社長に大目玉くらうのは先輩だけじゃ済まないっスよぉっ!!
僕は巻き添え喰らうのなんて、御免ですからねっ!!!」

浩介
「あぁ~~~そんな事言っちゃって…
良い~~のかなぁ~~?

タッちゃんが社長のベンツ凹ましたの・・・
言っちゃお~~~かなぁ~~~~~♪」

森本
「先輩汚いっスよぉっ!」

浩介
「汚いのは、お前のパンツだろ!」


森本
「先輩お願いっスよぉ~~・・・・・
頼むから明日の会議の打ち合わせ、先輩が居ないとどうしようもないんスからぁ~~~・・・!」


浩介
「いつまでも俺に甘えてんじゃねぇぞ!タッちゃん!月曜日、お前の男を見せてみろ!!」

森本
「本当にっ!!
ほんっとうに明日から3日間休むつもりなんスか!?」

浩介
「あたりまえだろ!
俺が一度言い出したら聞かないのはお前が良く知ってるはずだからな!!」

森本
「もぉ~~~・・・!
勘弁してくださいよぉ~~~~~・・・(泣)」

浩介
「じゃ、後は頼んだぞ!
タッちゃん!」

森本
「ちょちょちょちょ…!
ちょっと先輩・・・!!
待って・・・・!!」

浩介
「あ…
それとな、寿産業に先週忘れていた納品書、悪いけど今日持ってっといてくれよな!!」

森本
「ハァッ!?
あれは先輩のミスっしょっ!?
何で俺がそんなこと・・・・・・!!!」


浩介
「じゃっ!
タッちゃんヨロシク~♪
切るぞ~~♪」

森本
「ちょ・・・!
ちょちょちょちょ・・・・先輩待っ・・・!」

「ピッ♪」

浩介はスマホの通話を切り、冷蔵庫から「眠眠打破」を取り出すと、グビッ!と一気に飲み干し、直ぐに着替えをタンスから取り出し、カバンに数着詰め込んだ・・・



浩介
「ようし・・・!
行くか!!愛媛へ・・・

西郷虎之助のふるさと…

深山町に・・・!!!」


浩介は一睡もしてない体に気合を入れ、カバンを持って玄関へと向かう・・・

そして…
玄関の扉を開けた時だった・・・


ガチャリ・・・!!!

浩介
「あ・・・・!!!」

「・・・・・・・・・・」



ドアの外に居たのは・・・


慎吾
「コーちゃん・・・・」


浩介
「し・・・慎吾・・・」


慎吾
「ねぇ・・・・
何処に行こうとしてるの・・・・・?
コーちゃん・・・・」

浩介
「ぐっ・・・・!!!」


浩介の前に立ちはだかる壁


果たして・・・
浩介は無事に愛媛へ行けるのか・・・

そして・・・
西郷虎之助に・・・
再び会う事が出来るのだろうか・・・・



(第4話)終わり