おやちゃいぼうず
野菜が食べられない力持ちの男の元へ
やってきて、苦手とされる野菜が大好物になるまで「おやちゃいぼうず」が一緒に暮らして面倒をみてくれるという
それはありがたい野菜の座敷わらしなのである
男が苦手だった野菜が美味しく食べられるようになった時
おやちゃいぼうずはお役目を果たして日暮れとともに消えてしまうんだとか…
赤瓜「トマト」が大の苦手で食べる事が出来ない虎丸は、和尚さまのお寺で「うり坊」と毎日ケンカをしながらも兄弟のように仲良く暮らしていた
虎丸は村一番の力持ち
天狗様よりも、風神様よりも、雷神様にも負けないそうだ
果たしてそれは本当なのか…?
ある日
和尚の寺にツバメから一通の手紙が届いた
手紙の主は、うり坊と同じ「おやちゃいぼうず」の仲間の「たまどん」からだった
「うり坊へ、元気に役目を勤めているべか?
おいどんが面倒をみている力人は、身長が3メートル以上ある、山里一番の力持ちだべ!
うり坊がついている力人は、なんでも村一番強いと風の噂で聞いたんだべ
今日、うり坊の住んでいる寺へ行くべ
どっちの力人が強いか試すべ!
久しぶりに逢えるのを楽しみにしてるべ
ではまた後日…だんべ…
たまどんより」
この手紙を呼んだ虎丸は武者震いするほど嬉しくて大はしゃぎ、もうじき訪れる里山一番の力持ちと相撲で勝負しようと、朝から廻しを締めて土俵の中で腕を組んで待っていた
和尚さま
「虎丸や、これからやってくる力人は、きっとただ者ではないぞ、油断大敵、気をつけるのじゃぞ!
虎丸
「がっはっはっはっは!
「わしは村一番の力持ち、虎丸様だ!
天狗様よりも、風神様よりも、雷神様よりも、強いんだぞ!
どんな力人でも相手になってやる!」
和尚さま
「やれやれ、自信過剰さだけは一致ょ前じゃのう…
負けて大恥かかん事を祈るわい」
虎丸
「がーっはっはっはっは!
わしの頭突きとぶちかましをくらえばどんな男でもオシッコチビって泣きべそじゃ!」
うり坊
「…!!あーーっ!!虎丸!おしょうしゃま!たまどんの力人が来たーっ!!
おーーーいっ!たまどーーんっ!」
たまどん
「おーーーいっ!うり坊元気だったべかーー!
久しぶりに遊びに来たんべー!
おいどん自慢の力人「百太郎」じゃ!
虎丸
「来たな!百太郎!
この虎丸様が相手だっ!
がーっはっはっはっは!」
続く…
かもしれない。
百太郎・(C)児雷也